カカシ真伝II 白き閃雷の系譜   作:碧唯

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真相

その日、サクモは暗部の詰所に赴き、滝隠れの事後処理や、霧隠れの間諜(スパイ)の尋問について報告を受けた後、そのまま帰宅する事になっていた。

 

ヒルゼンが一人、机に向かっていると背後の窓から気配を感じた。

 

「自来也か…」振り返りもせず、ヒルゼンが言う。

 

「ワハハハ!見もせずワシだと気付くとは、流石は三代目だのォ」

「火影室に窓から来るなんてことをやらかすのは、お前しかおらんだろォ」

「いやいや、兄ィがおったら、ちとマズイからのォ」

 

ヒルゼンはジロリと睨みをきかせて言う。

「お前また何かやったのか? まぁ、サクモが居ったら、ワシが気付く前に奴が気付いてお前は捕まっとっただろうな」

「確かにそうだのォ」

「それで、サクモが居らん時を狙って来たとはどういう用件だ」

「いやなぁ…、兄ィのガキがそこで中忍どもに絡まれとったからの」

 

自来也はその時の様子を語った。

 

 

 

 

「お前、生意気なんだよ!」

年かさの中忍達が、自分よりもはるかに小柄な同僚を囲んで言い争っていた。

 

「出る杭は打たれるって言うんだ知らないのかぁ?」

一人の中忍がそう言いながら、少年忍者の白銀の髪をぐしゃぐしゃになるまで掻き回す。

 

少年忍者、カカシは、その手を払いのけて言い返した。

「雑草は踏まれて強くなる…とか、踏まれても踏まれても咲くタンポポの笑顔かな…ってのもあるんだよ? 知らないのー? あー、難しすぎた? まぁ、出る杭の悩みは出る杭にしかわかんないからね!」

 

屋根の上でこの様子を見ていた自来也は、吹き出しそうになったが、なんとか堪えた。

(あの理屈っぽいひねくれ具合は兄ィそっくりだのォ。 出る杭の悩みは出る杭にしかわからんか…、確かにそうだのォ…)

 

 

「この前まで、『お父さんによろしくー』なんて、言っちゃってたのにさ…、すごい変わりようだよね…」

 

カカシに言い返されてカッとなった年かさの中忍達は口々にののしり出した。

 

「お前が早く昇級したのは親父のおかげだろう!」

「その親父だって掟破りのクズじゃねーか!」

「お前の親父の所為でどれだけ損害が出たのか知ってんのか?」

 

自分の事を言われた時は言い返していたのに、父親の事を言われて、カカシは黙り込んだ。

それを見て、勝ち誇ったように中忍達は揶揄し出した。

 

「クズの子供はクズだろう!」

「クーズ!クーズ!」

 

まるで、年齢が逆転したかのような言い草に、自来也は堪えきれず声をかけた。

 

「しばらく離れとる間に木ノ葉もつまらん里になったのォ…。子供相手に大人が寄ってたかって…」

 

「なんだお前? やるのか?」

一人の中忍が、見るからに怪しげな自来也を見て声をあげた。

 

「バカッ!知らないのか! 自来也さんだよ! 三忍の!」

「え!?」

 

自来也は屋根から飛び降りて見得を切った。

 

「人呼んで木ノ葉の三忍が一人、妙木山の蝦蟇仙人こと自来也様たぁーワシの事だ!」

 

しかし、中忍達はその渾身の見得を最後まで見ることなく走って逃げて行った…。

 

 

「はぁー…」カカシが半目になって溜息をつく。

 

「カカシ、久しぶりだのォ…」

「まったく…、余計な事してくれちゃって…。 オレもう子供じゃないからね!もう中忍なのよ」

「ワハハハ、憎まれ口も兄ィそっくりだのォ」

(いや、ここまでじゃなかったかのォ…)

 

父親の事を揶揄されて、カカシはピクリと眉を動かすが、先刻の奴らとは違うと感じたのか、半目で言い返した。

 

「そう言えば、父さんには会わない方がいいよ」

「なんでだ?せっかく帰って来たんだから…」

 

「この前…、『自来也、アイツー、どこほっつき歩いてんだ!今度帰ってきたら、あの髪の毛(むし)って扉間様のモフモフにしてやる!』って言ってたから」

 

「ブハッ!ワハハハ!兄ィめ、そんな事言っとるんか! そんな冗談言っても、二代目を知っとる奴にしか通じんってーの」

 

「………冗談じゃないかもね。珍しく結構本気で怒ってたよ」

実際は家でスオウやカズサと飲みながら言っていた冗談なのだが、カカシは先刻助けられた事が悔しくて少しだけ嘘をついた。

 

「何!? どれがバレたんだろのォ? 湯の国で覗いていた件か…、それとも…」

「…………」カカシは腕を組んで、ジト目で自来也を見上げた。

 

「ま、まーいいわ、兄ィには最高の本が出来たら約束通り贈るから、それまで再会は楽しみに待っとれ、と言っといてくれぃ」

そう言って、自来也は煙に紛れて姿を消した。

 

 

 

 

「と、まー、こんな感じだったのォ」

 

自来也の話を聞き終えたヒルゼンは、ジロリと見て言う

「湯の国で覗きのォ…」

 

「じゅ、重要なのはそこじゃないってーの」

「お前は相変わらずだのォ…。それでサクモから逃げておるんか…」

「だから、それはどうでもいいんだっての。問題は中忍どもだろ!」

 

「そうだなぁ、何とかせねばならんな…。 まずお前が腰を落ち着けて里に居れば、サクモの負担も減るんだがのォ」

弟子をちらっと見ながらヒルゼンが言った。

 

「ワハハハ!ワシは大ガマ仙人の予言があるからのォ、まだまだ世界を周って本を書かにゃーならん。こんなつまらん里になった木ノ葉では良い本も書けんしのォ」

そう言い捨てて、自来也は来た時と同じ様に、窓から出て行った。

 

 

 

その数日後、サクモが亡くなった日…、ヒルゼンは遠雷に思いを馳せながら、カカシを守る為に大名と会談する決意をした。それが、今となってはサクモの汚名を雪ぐためにも、何としても大名に承知してもらわねばならん… そう考え、会談場の扉を開けたのだった。

 

 

 

 

 

 

それからひと月あまりが経ち

近隣諸国の情勢を報告する上忍会議が行われた。

そこには、木ノ葉の里の全ての上忍と、暗部所属の忍が全員出席していた。

 

 

最大の懸念事項として、二つの事柄をホムラが発表した。

戦争を請け負う傭兵集団の存在が明らかになった事と

土の国・岩隠れが、草隠れに侵攻しつつある事だった。

 

 

この発表の後、上忍達はぼそぼそささやき合った。

 

「岩隠れか…」

「こんな時にサクモさんがいてくれたらなぁ」

「あの人なんで死んじゃったんだろうな」

 

誰かが言ったこの一言に、カズサが食ってかかろうとするのを、スオウが肩を引っ張って止めた。

 

「でもあの人は」

「いや、サクモさんの雷遁なら岩隠れなんて目じゃなかった」

山祇ヶ原(やまつみがはら)の戦は伝説だからな」

 

 

相変わらず好き勝手言い合う上忍達を一喝したのは、ご意見番のコハルだった。

 

「そのサクモを死なせたのはお前らではないか!あたら優秀な忍を死なせておいて、こういう時だけ引き合いに出すのか!」

 

「しかし、任務放棄は…」誰かが不服そうに呟いた。

 

「任務放棄はご法度じゃ、しかし、あの後すぐに大名も火影も不問に付すと表明しておる。国と里の長がそろって咎めずと言っておるのに、それ以上我らが何を言う必要がある? 大名と里長の思いも汲み取らず、いつまでもサクモを責め、死に追いやったのはお前らではないのか?」

 

「しかし、一度任務放棄をお咎めなしとしてしまえば、今後も簡単に放棄するものが出てくる可能性が!」

一人の上忍が声を上げた。

 

「フザケん」堪えきれずに食ってかかろうとするカズサを、またスオウが制した。

スオウもまた(はらわた)が煮えくり返っていたが、ここにサクモが居たなら同じ様に制しているであろうと思ったからだった…。

 

 

ここまで黙って聞いていたヒルゼンだったが、鋭い眼光と共に言葉を発した。

 

「お前はサクモが簡単に任務放棄を決断した…とでも言いたいのか? お前らはあの折の任務がどのようなものであったか知らんだろ?」

 

「…でも…噂では」 先刻の上忍が口ごもりながら言った。

 

「噂か…、お前らは忍の癖に、己の目で見た事実より噂を信じるのか? かつて、Sランク任務の内容があれほど明るみに出た事はなかっただろう。それもお前らはおかしいと思わんだのか…?」

 

「しかし、人質となった隊員ですら任務放棄を諫めたと言います!」

また別の上忍が言った。

 

「…良い機会だ、あの折の任務が真実どのようなものであったか、お前らに教えてやろう!」

 

「ヒルゼン!極秘任務の内容を公表するなど許されんぞ!」ダンゾウが制止した。

 

「大名も心を痛められ、公表しても良いとの許可は得ておる。こいつらもいい加減な噂に惑わされるよりは真実を知った方が良いだろう。 それとも、白日の下にして都合の悪い事でもあるのか?」

ヒルゼンがダンゾウを睨みながらそう言うと、ダンゾウは押し黙った。

ホムラとコハルはヒルゼンに頷き、同意を示した。

 

 

「自ら依頼した任務が放棄されたにも関わらず、大名が隊長のサクモを咎めずとしたのは、それ程サクモを信頼しておったからだ。 かつて、サクモは木ノ葉の為、火の国の為に如何な困難な任務も遂行してきた。そのサクモが遂行不可能と判断したなら、元々無理な依頼だったのだと仰せられた。ワシも同意だ。

あの任務の依頼があった時、サクモは『受けざるを得ないが、受けるべきでない』と評した。それがどういう意味かわかるか?」

 

顔を見合わせあう上忍達を見渡し、ヒルゼンは言葉を続ける。

 

「大名たっての依頼ゆえ受けざるを得ないが、罠とわかっていて赴くのは危険すぎる…という事だ」

 

「罠!?」「どういう事だ?」上忍達はザワザワとし始めた。

 

「土の隊商の行方不明、そして、先代大名の宝物(ほうもつ)が返却されるとの噂、これらは全て木ノ葉をおびき寄せる為の謀略だと、大名の依頼を見て、ワシもここにおる上役達もサクモもそう考えた。 それも、一連の隊商行方不明について、土は火の国と木ノ葉の仕業だと疑っていた。 故に、木ノ葉の忍がこの任務を受け、隊商の周りに痕跡など残した後に隊商がまた行方不明にでもなれば…、火と土は間違いなく戦争になる。 木ノ葉をおびき寄せ、戦争をさせる罠だと考えたんだ」

 

場内は静まりかえっていた。皆が真実を知る為に、ヒルゼンの言葉を一つも聞き漏らすまいと耳を傾けていたのだ。

 

「しかし、罠と分かっていても、大名のたっての願いだ、依頼を受けない訳にはいかん。だが、大名の依頼通りに任務を遂行すれば間違いなく戦争になる。そういう任務だったんだ…」

 

 

ヒルゼンは何かを思い返す様に、パイプを燻らせながら目を閉じ、言葉を続けた。

 

「その任務の隊長という事は、戦争の引き金を引く役割か、大名の依頼を放棄する事になるか、どちらかしか選べん。まぁ、能力の無い隊長なら、放棄した上で戦争にもなっていたやも知れんがな…。 サクモは無論、上役だからそれを全て知っておった。知ったうえで自ら隊長に就くと志願したんだ…。ここにおる他の誰にもそのような役割はさせたくなかったのだろう…」

 

カズサはハッとした…。任務に出る前にサクモが言った言葉を思い出したのだ。

「誰かがこの任務をやらなきゃダメなんだ。他の奴にはやらせられん、オレが行くしかない…」

カズサはあの時、能力的にサクモが行くしかないと言ったのだと思っていた。

しかし、違ったのだ。他の奴にそんな責は負わせられない、オレが負うしかない…そういう意味だったのかと…

 

 

ヒルゼンはもう一度上忍達を見渡しながら話を続けた。

 

「サクモは隊商の護衛に付く岩隠れの忍の中に、賊が潜入しているのに気付き、その男を捕らえ捕虜にすることに成功した。しかしその直後、お前らも知っているように、木ノ葉の隊員も敵の捕虜となった。これは命令違反の上に、敵のトラップにかかるという失態まで犯した隊員にも非がある。 お前らが任務放棄を責めたという事は、捕虜になった隊員を見捨て任務続行をするべきだったと言いたいのだろう。 確かに上役の中でも、同じ意見が出た。非のある隊員と、こちらの重要な証人となる捕虜を交換してしまうなど考えられないと…。確かに、見捨てるのは簡単だ。 …しかしな、捕虜となった木ノ葉の忍が殺されたうえ、土の隊商を襲った賊の死体として使われたらどうする?」

 

これを聞いて、タキギとシマは二人共凍り付いた。

自分たちの額当てですら、木ノ葉の忍の痕跡として使われた。

もし、あのまま捕虜の交換をされていなかったら、殺され、あの凄惨な現場に、岩忍に討たれた賊の一人として死体を転がされていたのだ…。自分たちの失態が火の国を戦争に巻き込む結果に繋がっていたのだと、ようやく気付いたのだ。

 

 

「サクモは任務失敗も捕虜を取り逃がした事も全て自分の責任だと言って、その時の事をワシらには詳しく話す事はなかったが、後にその時の隊員にサクモが話したそうだ。 その時、サクモが選べた選択肢は三つあったと…、お前らはそれが何かわかるか?」

 

ヒルゼンは上忍達が十分に考えられるよう、時間をおいてから話した。

 

「一つは隊員を無事奪還すること、これは状況的に無理だと判断したのだろう。二つめが捕虜の交換。結果として、これを取った。 しかしあともう一つ選択肢があった。サクモはその三つめをやり遂げる自信があった。だが、選ぶことができなかったと言ったそうだ。そして三つめが何だったのか、最後まで言わなかったそうだ…

しかし、奴はワシの弟子だからのォ。奴の考える事はワシにも予想は付く。 三つめは…、救出奪還が無理なら、自らの手で、捕虜となった隊員を跡形もなく始末する事だ」

 

タキギやシマだけでなく、そこに居た全員が愕然として、目を見開いていた。

 

「そうすれば、こちらの捕虜を返す必要は無い。捕虜に捕らわれた木ノ葉の隊員の死体を利用される事もない…。冷徹に考えれば、それが最善なのかも知れぬ。しかし、サクモはそれを選べなかった…。だから、仲間を守る為に任務放棄したと責められる事も、真実だからと甘んじて受けたのだ」

 

カズサは震える拳を、力の限り握り締めていた…。

 

 

「お前らは掟、掟と言うがなぁ…、掟の為に里があるのではない。掟の為に忍がいるのではないぞ。 掟とは里を守る為のものだ。そして、里は忍達を守る為のものだ。 掟の為に忍が死んでは本末転倒ではないか? 掟とは一人でも多くの忍を守るものであるべきではないのか?」

 

やはり師弟である、奇しくもサクモがカカシに話したかった同じ事を、ヒルゼンは上忍達に語った。

 

 

「掟では任務放棄はご法度…、しかしな、あの任務で掟よりも、何よりも重要だったのは戦争を回避する事だった。 戦争になれば、任務失敗で土に支払った賠償金とは比べ物にならん程の金と、多くの人命が奪われる事になるからだ。 ワシがその場にいても、サクモと同じ判断をしていただろう。 一つの任務に失敗しても…、それが例え重要な任務であってもだ、いつの日かその失敗を取り返す事はできるかも知れん。 賠償金を払ってもまた稼げばいいだけのこと。 しかしのォ、人の命だけは絶対に取り返しがつかんのだ…。 サクモの命も然りだ…、残念だのォ…」

 

 

 

場内は水を打った様に静まり返っていた。

 

 

 

「サクモは皆も知っておるようにワシの弟子だ。弟子の中でも、ワシの想いを特に強く受け継いでくれた弟子だと思っておる。ワシは三つめの選択肢を選ばなかった弟子を誇りに思う。 その弟子の決断をお前らが咎めるというなら、それを受けるのは師であるワシの責である。いくらでも受けよう…」

 

隣で肩を震わせるカズサの肩を叩きながら、スオウは心の中でサクモに話しかけた。

(サクモさん、火影様の言葉、聞こえてますか…。あなたがいつも仰っていた様に、火影様はホントに大きい方ですね)

 

 

 

「最後に言っておくが、その現場でサクモは謀略の手がかりを掴んでおる。そして、それは一連の謀略が木ノ葉をおびき寄せ戦争に導く為のものではなく、サクモ本人を貶める為のものだったと分かるものだ。 お前らはその黒幕の謀略にまんまと乗せられて、サクモを責めておったんだ…。木ノ葉の忍ともあろうものが…」

 

「誰が!?なんでサクモさんを!?」カズサが思わず叫んだ。

 

ヒルゼンはカズサに目をやり、詫びるように頷いてから答えた。

 

「サクモが次期火影と言われておったのが気に入らん輩がおったんだろう。 確かにサクモは木ノ葉の仲間だけでなく、敵にも情けをかける甘いところがあったやも知れん。 先代の扉間様には奴の甘さはワシ譲りだといつも言われておった…。しかし、サクモの寛容さはワシではなく、ワシが聞かせた初代様の話から影響を受けたと思っておる。 そして、サクモの何よりも己に厳しいところは、二代目様から受け継いだものだ。 柱間様の寛容さと、扉間様の厳しさを持っておった…。 奴のそんな所には目も向けんと、甘い故に火影の器でないなどと…思ったのだろう。 サクモはそれも気付いていて、ワシに手掛かりの件を一切口外するなと言った。 里を混乱させない為にのォ…。 お前らが掟破りのクズだとののしっていたのは、そういう忍だ!」

 

 

 

皆が一様にうつむいていた…。

人の命は取り返しがつかない…ヒルゼンのその言葉を皆が噛みしめているのだろう

 

 

ヒルゼンもまた、己の言葉を噛みしめていた。

(もっと早くこうして…。いや、サクモが死んだ時点で、あやつの企みは達成された…今更何を言っても無駄だ…。 師匠であり火影であり、お前が父とも慕ってくれたのに…、ワシはお前を守ってやることが出来なかった…、すまん…)

 

 

 

「口外するなと言ったのは、今となっては遺言になってしまったからのォ。ワシもそれに従うつもりだが、これ以上貶めるような事があれば考えねばならん」

ヒルゼンは誰に言うでもなく、独り言のように呟いた。

無論、ダンゾウに聞かせる為だった。

 

 

 

上忍会議で話された事は口外無用であったため、詳細がこの場にいた者以外に漏れる事はなかったが、木ノ葉隠れではこの日を境に、手のひらを返した様に、「掟破りのクズ」から、「仲間思いの英雄」へと、サクモの評価を変えていった…。

 

しかし、まだ中忍であったカカシは父の生き様を知る事はなく、一度頑なに閉ざされたカカシの心は変わる事はなかった。

 

 

 

その後、二代目火影が尽力した雷の国との同盟は崩れ、火の国は土の国、雷の国との戦闘に明け暮れ、砂隠れでは三代目風影失踪を周辺諸国の仕業と睨み一触即発の状態となり

ついに翌年、サクモが生前あれ程願った戦争回避は叶わず、第三次忍界大戦に突入していった。

 


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