遊戯王AU-M<英雄の孫>   作:yourphone

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さぁて、最近バージェストマが全く勝てない投稿者です。
あれですかね、エクゾディア入れたからですかね。
エクゾディア入れてるのにチキンレースとか活路への希望入れてないからですかね。
辛いなぁ……。

あ、そうそう。この小説はアニメ・漫画での設定をある程度採用してますが、ヴィレンズは知らない子です。サイバース族はハノイに隠されてません。


万能部ってなぁに?

万能部、それはこのデュエルアカデミアの裏の顔。

 

万能部、それはあらゆるデュエリストを飲み込む魔窟。

 

万能部、それは全ての趣味の集合体。

 

「うん?」

 

詳細が一切不明―――とまではいかないが、かなり謎に包まれている。

 

「……へーぇ。はいはい」

 

一般人が万能部へアプローチする方法は二つ。

 

一つ目・万能部の部員に直接アプローチする

二つ目・学園内の何処かに存在する万能ポストへの投稿

 

「―――返信完了っと。楽しみに待ってるわよ」

 

何処かの部屋。真っ暗なそこで、女性が笑った。

 

 

――――――――

 

 

月一のテストの結果が出るのは次の月の始めの授業日。

テスト自体は月の最後に行うんだが、今回は幸い、休日が入った。

 

……まあ、結果が気になる奴にとっては地獄だろうが。

 

「おい遠亞落ち着け。うろついたって結果が速く戻ってきたりしねぇっての」

「分かってる、分かってるけど!」

 

遠亞は部屋中をぐるぐると歩き回ってやがる。

……え? 何で俺が遠亞の部屋に居るのかって? 遠亞の部屋、広いから集まるのに最適なんだよ。

 

「ねぇおニちゃん。とーわ、どうしたの?」

「んー。宇良華に惚れたんじゃね?」

 

宇良華の質問には適当に答える。宇良華、俺はお前の事信じて無いんだよ。本当に何者なんだ?

 

「惚れた?」

「『宇良華の事大好き』って事だ」

「おい十哉何デタラメ吹き込んでるんだ!?」

 

そりゃあ、お前をからかう為だろ。……ま、宇良華はお前に興味が無いみたいだけどな。

 

「ふーん。私おニちゃんの事大好きだから、私おニちゃんに惚れてる!」

「ふわぁ……もてもてですわね」

「お断りだけどな」

 

まだ宇良華はガキ(のはず)だから良いが、ほんっと恋愛とかめんどくせぇ。―――まあ、運命の相手とか見てみたいものではあるけどな。

 

「え、おニちゃん宇良華の事嫌いなの……?」

「もちろん」

「…………宇良華知ってるもん。そうゆうの『ツンデレ』って言うんだもん。いつか『デレる』もん」

「おい、何処でそんな言葉習ったんだ」

「おネちゃん」

「『眠り姫』てめぇ!」

「……ぐー」

「寝たふりすんじゃねぇバレバレなんだよ! 宇良華に変な事吹き込むんじゃねぇ! そもそも俺はツンデレじゃねぇから!」

 

怒鳴ると、いつの間にか立ち止まっていた遠亞がポツリと一言。

 

「……あ、何か凄いツンデレっぽい」

「てめぇも何で知ってるんだよ!?」

 

こいつが次期社長候補とか、KC(海馬コーポレーション)大丈夫か!?

 

 

――――――――

 

 

まあ色々あったが、昼飯を食い、遠亞だけ引き連れて閑散とした学内を移動する。

 

「十哉、何処に向かってるんだ?」

「面白いとこだ。お前も男だろ?」

「それが何だよ」

「女なんて連れていけないからな」

「は? 覗きでもするのか?」

「だから遠亞、お前のその知識は何処から仕入れたんだよ」

 

ぐだぐだ喋りながら、奥へと進む。階段をどんどん上り、渡り廊下を進む。

そして、とある扉の前に着く。

 

「えっと……ここは?」

「アカデミアの十七不思議の一つ、開かずの扉」

「不思議多いな!?」

 

それは俺も思ってたけどな。それ自体が不思議の一つに入ってるからな。

 

「ま、七不思議でも問題ないけどな。七不思議が七つじゃないっつー七不思議もあるし」

「……あー、だから十七不思議」

 

なんか理解したかのように頷く遠亞に何かイラッとした。少しばかり脅かしてみるか。

 

「もっとあるけどな」

「えっ?」

「七不思議の一つなんだが、このアカデミアの七不思議を本気で集めていくと、ゆうに二十を越えるらしい。そして、全部の七不思議を知った者は……」

「し、知った者は?」

「―――何かに消される」

「ひぃっ!?」

「これは結構マジなやつでな。過去、新聞部で何度か『七不思議のまとめ』っていう記事を企画してたらしいんだが、その記事を担当してた生徒がことごとく失踪。結局全部をまとめられた記事は出ていない」

 

おお、物の見事に真っ青だ。

 

「とまあ、七不思議の中にはガチなのがちょうど七つあってな。俺も全部は把握してない」

「じゃ、じゃ、じゃあこの開かずの扉も」

「それはネタ不思議」

「……え?」

 

ポケットに手を突っ込む。

 

「何で開かないかってーと、俺たち万能部員が戸締まりには厳しいからだ」

 

取り出したのはカギ。扉の鍵を開ける。

 

「え、え?」

「油もしっかり差してあるから大きな音も鳴らない。七不思議の『開かずの扉』はな、開かないんじゃなくて開いたところを見た奴が極端に少ないってのと……七不思議として残しておきたいっていう暗黙の了解によって成り立ってる」

 

だから種の知れてるネタ七不思議だな、と締めくくる。

遠亞はほへーとした顔で呆然としていた。

 

「……って、十哉部活やってたのか!?」

「まぁな」

 

部屋の中へ。

 

でかくて色の濃い四角い机。その上には紙やペンが散らばっている。

左右の壁にはぎっしりと本が詰まった本棚。入ってる本の大きさや色、種類は様々だ。

 

「ん? 不腐風先輩は奥か」

「……ふふふ?」

「ああ。万能部部長風鳴明羅(かぜなりめいら)……通称、不腐風先輩。三年ブルー女子の中では最も有名で―――そうだな。どういう人柄かは直接見た方が早いか」

 

部屋の反対側、入ってきたのとは別の扉がある。ノック。

 

[ 合言葉は? ]

 

「いつも思うけど、その無駄に存在する音声変換機能なんなんだよ……万能部、不本意ながら副部長遊城十哉。今回の合言葉は『ざけんな何でまたんなことしなきゃなんねぇんだよ』」

 

[ 了承 ]

 

ギイィ……と扉が開く。横で遠亞が何とも言えぬ顔で見上げてきたが無視。しゃーねーだろ、突然やられたんだから。

 

扉の先は真っ暗。いや、奥からテレビの光が漏れている。漏れていると表現したのは光を遮る人影があるからだ。

 

「よお、先輩。久しぶり」

 

どうも反応が無い。これは……あぁ。

 

「えっと、十哉……?」

「おい、寝てんのか? 寝てるのは『眠り姫』だけで充分だぞ」

 

人影に近寄り、肩に手を置く。

 

「っ!? し、死んでやがる……!?」

「え、えぇっ!?」

 

振り返る。遠亞は怯えたように体を震わせていて―――

 

「わっ!」

 

「ねぎゃ~~~~~!!!?」

 

 

後ろから近寄っていた人に気付いてなかった。

 

 

――――――――

 

 

「うっひひひひぁは、あはははは!」

「し、しし、死ぬかと……じゅう~や~!」

「くっくく……わりぃわりぃ……くくく」

 

部屋の電気が付く。俺が『死んでる』と言った人影は等身大の人形。

そして遠亞を驚かせた張本人は大笑いしながら床を転げ回っていた。

 

「ふひはあひゃはへへへっ!」

「おぉ……流石不腐風先輩、あんたの笑い声聞いてたらめっちゃテンション下がったんだが」

「ふひはぁっー!? あっへひゃいほほっへあ!」

「普通に喋れや」

 

ため息を付く。何だって俺の周りにはこう、一筋縄じゃいかないような(やから)が集まるんだか……。

 

「遠亞、この人が不腐風先輩だ」

「は、はぁ……」

 

黒い髪はバッサリと短く切り揃えてあり、眼鏡を掛けた女性。ベレー帽を被り、服は半袖短パン……ベージュを基調にしたラフな格好だ。

 

「ふぃ~。ごめんごめん、君みたいなかぁいい子を見るとついやっちゃうんだ☆」

「か、可愛いだとっ……!?」

 

遠亞は憤慨する。―――かと思ったんだが。

 

「……十哉。僕、そろそろ自分に自信が無くなってきたんだけど……あれ? 僕って男だよね……?」

「安心しろ、てめぇは男だ。俺らに女子の感性は理解できないもんなんだよ」

 

わりとガチな方向で自信喪失しかけてた。ぽんぽんと頭を叩いて慰めてやる。

 

「かぁいいはせーぎ! で、じゅー君から話は通ってるよー。君が海馬遠亞だね?……ふぅん、いいねいいね……『十×遠(じゅうとお)』……うむ、『十×天(じゅうてん)』に続く新しいカップリングだね!?」

「おい先輩? なんだそのカップリングとやらは。おいこら露骨に眼をそらすんじゃねえ」

 

てか、話を進めさせてくれ。ちょくちょく妄想を漏らしてくるんじゃねぇ。

 

「……え~っと。結局僕は何のためにここに連れてこられたんだい?」

 

お、遠亞の調子が戻ってきたな。ってかほんと、こいつメンタル弱いよな。

 

「ありゃ? じゅー君、説明不足にゃ?」

「そりゃ、教えたらここまで来ないだろうからな。遠亞、お前には万能部に入部出来る権利をやろう」

「いや要らないんだけど」

 

即答だった。先攻で手札が『複製・複製・リミ解・005(スケール10)007(スケール10)』になったブンボーグぐらい速かった。

 

「ほらな?」

「んもーじゅー君はぶっきらぼーなんだからー」

「責めて口調は一つに決めてくれよ先輩」

 

後、口には出さないがじゅー君ってのもやめてくれ。こちとら子供じゃねぇんだ。

 

「あのね遠亞。万能部に入部出来るっていうのは凄く光栄なことなんだよ?」

「それが? 僕には関係ないね」

「んもー。じゃーあー、自慢して良いかなぁ?」

「俺に聞くな」

「じゃあ話すよ」

 

さて、不腐風先輩の部活自慢は長くなるからな……少し本でも漁らせて貰うか。こんなにあると不腐風先輩の書いた本は見付けられるか心配だな。

 

 

――――――――

 

 

十哉が隣の部屋に移動した。……嫌な予感がする。

 

「あ、あの僕はこれで」

「ダメ。自慢するんだもーん。……じゅー君もオッケーくれたし、久々にガンガン行くよ?」

「えぇ……」

 

この学園、女子の力が強くないかい?

 

「まずは万能部の入部条件と、入部した場合のメリットね。入部条件は『何かしらの特別を持っている』事」

 

特別……つまりこの人も、十哉も、何らかの特別がある訳か。

 

「そしてメリットは……まあ上手く言えないんだけど、有名になれるよ」

「今のままで十分だ」

「卒業後の就職で有利に」

「既に決まってるようなものだ」

「様々な方向性のコネが出来る」

 

む、それは良いな……。

 

「後は私がエロ本書いてあげる」

「要らないっ!」

 

急に何を言い出すんだこいつ!? ほんのちょっと良いなと思ったところなのに!

 

「えー。中々評判良いんだよ? 腐女子のあんな妄想モテない男たちのこんな妄想特殊な趣味やら色々なフェチ全てに対応してるよ☆」

「要らないと言ってる!」

「でもでも君だって男でしょ? あんなこんなしたい時もあるでしょ?」

「う、うるさい!」

 

やっぱ駄目だ! この人が居るから僕はこの部活には入らないぞっ!

 

「まぁ。真面目に言うとだね海馬遠亞。君は近い将来、KCの社長になる訳だ」

「まあ、そうだけど」

 

いやていうか雰囲気が……雰囲気が変わりすぎ! 自分のキャラをもっとしっかり持った方が良いよ!?

 

「となるとその内お見合い結婚する事になるし、そしたら子作りしなくちゃならないよね」

「……それくらい分かってる」

 

しかも生々しい事突っ込んでくるな、この人。てかもうどうでもいいから帰りたい。

 

「ならいいけどねー。で、入る入らないどっち!?」

「誰がこんな部活なんかに入るか!」

 

怒鳴り付ける。そして部屋を出ようとして―――

 

ガチャッ

 

扉が開かない。

 

「なっ」

「まーあー。始めっから君に拒否権は無いんだよねー。ほら、万能部って謎な部活だから。知った者は……入部か、排除か」

「……排除? 出来るかな。僕はこれでも強いよ?」

「ふぅん……『ねぎゃ~~~~~』って叫んでたの、誰だっけなー?」

「んなっ!? ずるいぞ強迫だなんて!」

 

そう言うと、この人は舌なめずりをして蛇のように()めつけてきた。……この人人間だよな?

 

「んっとねぇ。ま、恒例のごとく……デュエルで勝ったら見逃しても良いよ? 勝・て・た・らだけどね☆」

「ぐ……ふんっ、さっさと終わらせてもらうさ!」

 

デュエルディスクを展開。デッキをセット。

 

僕の青眼(ブルーアイズ)の力を見せてやるさ!

 

「「デュエル!」」

 

遠亞 LP8000

不腐風 LP8000

 

「じゃあ私から。うーん、普段使うデッキじゃ無いからねぇ……『ドラコネット』をポーイ(召喚)!」

 

 

『ドラコネット』

 レベル3 闇属性 サイバース族

 攻撃力1400 守備力1200

 [通常召喚でデッキ・手札からレベル2以下の通常モンスターを呼び出し]

 

 

「サイバース族?……新しい種族か」

「そ。で、召喚時の効果! デッキから『ビットロン』を守備表示でドドーン(特殊召喚)!」

 

レベル2、闇属性 サイバース族で守備力2100のバニラ……どうにでもなるな。

 

「そんでそんで、『ビットロン』でリンクマーカー精製! 来てよ来たよ『リンク・スパイダー』! しかも滅多に使えない効果発動だよ! リンク先に手札から通常モンスターを特殊召喚する!」

 

どうする? 手札にはヴェーラーがある。これは止められるが……残しておくべきか……。

 

「『デジトロン』をスポーンッ(特殊召喚)!」

 

通すか。まだ先があるからな。

 

「……で。三体でリンクマーカー精製! 向きは上下に右下! さあ、あなたの力を読み取らせて! 『エンコード・トーカー』!」

 

 

『エンコード・トーカー』

 光属性 サイバース族 リンク

 攻撃力2300 link3(↑↓↘)

 [中途半端なリンクマーカーを持つちょっと面倒なモンスター。リンク先へ攻撃すると攻撃力を吸収してくる]

 

 

「リンクモンスター……存在は知ってたけど、実戦で見るのは初めてだな」

「そーう? でも残念、これで展開終了。手札全部伏せてターンエンド」

 

不腐風 LP8000 手札0枚

モンスター 『エンコード・トーカー』(EX)

魔法・罠 伏せ3枚

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

ちっ……羽箒は来ない、か。

 

「『トレード・イン』を使おう。オルタナティブを捨ててツードロー。更に旋律、『伝説の白石(ホワイト・オブ・レジェンド)』を捨ててオルタナティブとブルーアイズを手札に加える……そして『伝説の白石』で二枚目のブルーアイズもサーチだ」

 

 

『伝説の白石』

 レベル1 光属性 ドラゴン族 チューナー

 攻撃力300 守備力250

 [墓地に送られると『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)』をサーチする。強制効果なのでタイミングを逃さない]

 

 

困った……相手のバックが気になるのに、霊廟も羽箒も霊龍も来てない……。

 

「『ワン・フォー・ワン』! ブルーアイズを墓地へ。来い、『太古の白石』! そして『復活の福音』! 蘇れブルーアイズ!」

 

よし。

 

「二体でシンクロ召喚! 白き龍よ、肉体を捨てて神となれ! 『青眼の精霊龍(ブルーアイズ・スピリット・ドラゴン)』!」

 

 

『青眼の精霊龍』

 レベル9 光属性 ドラゴン族 シンクロ

 攻撃力2500 守備力3000

 [これが居るだけで同時特殊召喚ができず墓地発動を一回無効。処理しようとすると変身までする]

 

 

「わぁお幻想的」

「だろう? 手札のブルーアイズを見せてオルタナティブを特殊召喚! 二枚目の福音! 再び蘇れブルーアイズ!」

「う、わぁお脅威的」

 

オルタナティブの攻撃力は3000でエンコードとやらの攻撃力は2300……攻撃で良いか。

 

「バトルだ! オルタナティブ、『エンコード・トーカー』へ攻撃だ! 『滅びのバーンストリーム』!」

「残念、『神風のバリア―エア・フォース―』。ヒュババーっと帰って!」

「んなっ!? 精霊龍の効果! リリースしてエクストラデッキから『蒼眼(そうがん)の銀龍』を守備表示で特殊召喚!」

 

 

『蒼眼の銀龍』

 レベル9 光属性 ドラゴン族 シンクロ

 攻撃力2500 守備力3000

 [出てきたターンはドラゴン族に耐性付与。そしてスタンバイごとに墓地の通常モンスターを蘇生してくる。何故か青眼ではない]

 

 

折角のブルーアイズたちが……!

 

「ありゃ、残っちゃった」

「ちっ、バトルフェイズを終了。そしてエンドフェイズに墓地の『太古の白石』の効果だ! 出てこい『白き霊龍』! 効果でその伏せを除外!」

「ごめんねー、両方発動! まず『サイバネット・バックドア』、そして『スケープ・ゴート』!」

 

な……バックドアとやらはともかく『スケープ・ゴート』なんて古いカードを使っているのか!

 

「もこもこトークン四体出陣!……うーん、出す場所に凄く困るけど……うん、真ん中だけ開けよう!」

 

トークンを出す場所まで考えなきゃいけないのか……。

 

「そしてバックドアで『エンコード・トーカー』を一時的に除外しちゃう! まったねー」

「……それだけか? だったら『亜空間物質転送装置』で良いだろう」

「勿論違うよ? この効果で除外したモンスターよりも攻撃力が低いサイバース族をサーチ出来る。『サイバース・ガジェット』をサーチするよ」

 

 

『サイバース・ガジェット』

 レベル4 光属性 サイバース族

 攻撃力1400 守備力300

 [召喚で墓地のレベル2モンスターの蘇生、フィールドから墓地へ行くとトークン生成。『ガジェットなのにサイバース族なの?』と言ってはいけない]

 

 

ガジェット?

 

「ふん……まあいい。ターンエンドだ」

 

 

遠亞 LP8000 手札3枚

モンスター 『蒼眼の銀龍』(守備)(右EX)

      『白き霊龍』(中央)

 

 

「んじゃードロー。…これかぁ……うん、まずはスタンバイにエンコードが帰還するよ。そして、リンク召喚! 羊トークン一体で『リンク・スパイダー』をエクストラモンスターゾーンへ、そのリンク先にトークン二体で『プロキシー・ドラゴン』!」

 

 

『プロキシー・ドラゴン』

 光属性 サイバース族 リンク

 攻撃力1400 link2(←→)

 [縛りなし素材。リンク先を身代わりにする残虐性。まさに汎用モンスター! 『ドラゴンなのにサイバース族な(ry]

 

 

「そ、れ、で。『サイバース・ガジェット』召喚。効果で墓地の『ビットロン』を特殊召喚するよ。そしてガジェットとプロキシーでリンク! 仲間の手を取り、三つの力を使い分けろ! 『トライゲート・ウィザード』!」

 

 

『トライゲート・ウィザード』

 地属性 サイバース族 リンク

 攻撃力2200 link3(←↑→)

 [相互リンクで強さを見せていくモンスター。正直使いにくい。『ウィザードなのに(ry]

 

 

……長いな。しかもどこでヴェーラーを使えば良いのか分からない。

取り敢えず、最後まで行って『蒼眼の銀龍』を処理しようとしたら消すか。

 

「『サイバース・ガジェット』がフィールドから墓地へ行ったから、ガジェットトークンが出てくる。……で、ビットロン、エンコードでリンク! 敵を弾く強固な壁よ、竜の力をその身に宿せ!『ファイアウォール・ドラゴン』!」

 

 

『ファイアウォール・ドラゴン』

 光属性 サイバース族 リンク

 攻撃力2500 link4(←↑→↓)

 [モンスターを吹き飛ばす効果、リンク先のモンスターが消えると手札から補充してくる効果を持つ。何で名称指定しなかったんだ……!]

 

 

「む、なかなか……だが僕のモンスターたちには敵わないね」

「まだトークンが二種類も残ってるでしょ? ガジェットトークンと『リンク・スパイダー』でリンク! 『プロキシー・ドラゴン』を『トライゲート・ウィザード』の右リンク先へ! そこでファイアウォールの効果!」

「なに?」

「リンク先のモンスターが墓地へ行ったから、手札のモンスターを特殊召喚する! 私が出すのは『ダンディ・ライオン』!」

 

 

『ダンディ・ライオン』

 レベル3 地属性 植物族

 攻撃力300 守備力300

 [墓地に行くと増える。何を言っているのか分からないと思ったけど分かってないのはデュエリストじゃないなと思い直した]

 

 

「またトークンか」

「そうだね。リンクデッキはどうにかしてモンスターを増やしてかないと。ライオンと羊でエクストラモンスターゾーンに『プロキシー・ドラゴン』! ライオンの効果で綿毛トークンを二体生成!…あ、これって……うーん、どうしよっかな」

 

ようやく手を止めたか。相手に攻撃力が3000を越えるモンスターは居ない。居るのならここで出すだろうから……『蒼眼の銀龍』の処理は効果だな。

 

「って、ガンマン入れてないか。それにこれじゃあレベル4モンスターが足りないし。じゃ、ファイアウォールの効果。相互リンクは一個だから墓地のライオンを対象にするよ」

「うん? どんな効果だ?」

「手札バウンス」

 

墓地のモンスターを回収?……っ!

 

「『エフェクト・ヴェーラー』! その効果はさせない!」

「あらら」

 

危ない……回収、リンクでまたライオンが特殊召喚されるところだった。

 

「先にこっち使うべきだったね……『トライゲート・ウィザード』の効果! 『蒼眼の銀龍』を対象にして、除外する!」

「なにっ!」

 

け……消された。除外だから福音で身代わりにできない!

 

「うーんとね。リンク先じゃない方のトークンとトライゲートでファイアウォール! そしてそして、残ってるトークンとエクストラモンスターゾーンのプロキシーで『電影の騎士 ガイアセイバー』! そしてファイアウォールの効果発動……相互リンク3だから墓地のダンディとガジェット、そしてあなたの場の『白き霊龍』を手札に戻すよ!」

 

う……ぐ……。

 

「バトルフェイズ。総☆攻☆撃」

 

 

不腐風 win

 

 

「はい、私の勝ちだから遠亞は万能部ね!」

「ぬぐぐ……」

 

ま、また負けた。この学園に来てから全然勝てない……いやまて、対人戦で勝てたことあったか?

ん、んん? いやいやいやいやまさかそんな馬鹿なことが……。

 

「おーう、終わったか? また負けたのか不腐風先輩」

 

十哉が戻ってくる。

 

「勝ったよ」

「は?」

 

不腐風先輩が報告すると、十哉がポカーンとする。中々見れない顔だ。

 

「勝ちました~」

「うっそだろおい、遠亞に勝ったのか!? デッキは!」

「混ぜ混ぜサイバースリンク」

「あ、『ワーム』じゃないのか。だったらそんなもんだよな」

 

そう十哉が言うと、不腐風先輩の雰囲気がまた一変した。

 

「はぁ? ふーんそんなこと言うんだぁふーん。部長命令、私の『ワーム』で私とデュエルすること!」

「そっちのデッキは?」

「クローラー」

「……やめとけって。あんたこういうので勝てた試し無いんだから」

「えー」

 

待てよ? 今なら逃げられる……こっそり……こっそり……。

 

「ま、これで遠亞は万能部の一員ってことで良いな?」

「良いよー」

 

勝手に決められてる……!

 

「さぁて遠亞。万能部の活動とかなんとか教えっから―――」

 

ガッと頭を捕まれる。

 

「 逃 げ ん な よ 」

 

「ひぃ~~~~~~っ!」




いやぁ、仕方無いとはいえ遠亞君がやられ役になってますね。この小説で青眼が勝てる日は来るのか……!
出してほしいデッキとか有りますか? 教えてください……!

そんなところで次回予告、ナレーター:十哉

遠亞、万能部入部おめでとう。これからもよろしくなっ!……おい何だよその顔、たまには好青年みたいになったって良いだろうが。
あぁ、それよりも今日テストの結果発表じゃねえか?
―――お前、毎朝そんくらい速く走れよ。

次回、『お気に入りの色』

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