Fate/Another Zero   作:オピス

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今更ですが、2話について補足です。
桜が言っていた人物は、ワカメでもなく良くしてくれた一般人の人です。



今回の組み合わせは、一番ぶっ飛んでいるかもしれません。あと、オリジナル設定が多くあります。


英霊召喚Ⅳ

神秘

 

 魔術とは、神秘そのものである。そのため、魔術は年々衰退していっている。昔は、人間の体は謎だらけだったが、医療が発達してヒトゲノムも全て解析されるまでになった。だが、今でも神秘はありそれを秘匿しようとする組織も存在している。例えば、時計塔の法政科などがある。

 話は戻るのだが、神秘は失われつつあるので聖杯などの物を使って根源に至ろうとしたり、自分の家の繁栄を願って参加するという人物もいる。

 参加者の中には、色々な宗教の人たちも参加している。それが、マスターであったりサーヴァントであったりと様々である。もし、仮にサーヴァントとして呼ばれれば例え異教徒の物である聖杯を取るのに反対的でない者が多い。

 だが、もちろん例外も存在している。

 

 

 

 

 

☆  ★  ☆  ★

 

 

 

 

 

 ある日、突然父である言峰璃正が私に魔術師になるように言ってきた。私はそのころ、妻が死んで娘が母方の叔父達に預けられてからすぐのことであった。

 

 

「魔術師ですか?どうして、今になってそのようことをする必要があるのですか」

 

「近い内に、冬木という場所で聖杯戦争というものが起こなわれるみたいでの。その戦いで、聖堂教会は監視者を送って被害を抑えようとしている。それで、ワシと親交のある人物が今回の戦いにでるので、そいつに聖杯戦争で勝ってもらいたいのだ。もし仮に、他の人物が勝ち甚大な被害を出されるよりはマシだと考えて、お前にはそいつのサポートをしてもらう」

 

「なるほど、そういうことですか。ですが、今から魔術師となってもロクなサポートはできないと思うのですが?」

 

「ああ、それは言い方が悪かった。正確には遠坂時臣という魔術師の弟子になってもらう。それと、綺礼お前も聖杯戦争に参加してもらう。そのために、短い期間であるが魔術を学んで魔術師について知っておいて、もらおうと思う」

 

「例え、協力したとしても他の参加者も同盟を結んで対処するかもしれません。そうなれば、こちらのアドバンテージはなくなります。それに、聖杯戦争にはサーヴァントと呼ばれる存在を召喚する必要がある、と聞いてます。それは、どうするつもりなのですか」

 

 

 話していた場所は、部屋の一室で防音など情報が漏れないように施してあるので、お互い隠さず言った。

 

 

「それは問題ない。協力する人物の方が、メインで動きお前が影から支えるサーヴァントと役割分担を作るからな。それに、聖杯戦争前にお前と遠坂さんはとの間で揉め事が起こり破門されたという風に、見せ掛けるつもりだからなそうなれば、簡単には協力しているとは思われんからな」

 

「........わかりました。それで、私はまず始めに何をすれば」

 

「まず、この資料を目に通すのと近々遠坂さんと会ってもらうそれだけかな」

 

 

 そう言って、璃正は綺礼に少し厚みのある紙の束を渡してきた。その中には、今のところ聖杯戦争に参加しそうな人物や参加するのが確実な人物のプロフィールや経歴、使用する魔術など多くのことが書かれていた。

 それを見ていると、璃正は付け足すように言ってきた。

 

 

「それと、サーヴァントを呼び出すための触媒の心配は必要ない。わかっているとは思うが、そこに書いていない人物はロクに準備をせずに乱入してくる者だから、アサシンを使って実力を確認しておくなど自分で臨機応変に対応するのだよ、綺礼」

 

 

 そう言って、もう言うことはないのか璃正は部屋から出て行きそこには綺礼が渡された資料を読んでいた。そのなかで唯一自分が興味を持つ人物がいた。

 

 

(衛宮...切嗣。この男は、なぜこのような行いを続けているのだろう。何も考えずに行動しているというわけではなく、何かしらの考えに基づいて動いていると思うのだが、それが何なのかわからないな)

 

 

 衛宮切嗣。璃正が渡してきた資料の中で、一番自分に近いと思われる人物だ。自分のように何か確固たる信念がない、ということではなかった。だからこそ、綺礼は切嗣に興味を持っていた。

 それと、何か根拠があるわけではないのだがどこか確信めいたことを思った。衛宮切嗣、こいつは聖杯戦争で私の最大の壁になるだろう、と。本当に、資料を見ていてそう思った。

 

 

 

 

 

 

☆  ★  ☆  ★

 

 

 

 

 

 しばらくして、父と一緒に全身赤い服を着た男性とあった。

 

 

「初めまして、綺礼くん。私は遠坂時臣という。君の話は、君の父親である璃正さんからよく聞いているよ。それに今回の聖杯戦争で、急なことかもしれないがマスターになってもらうことになってすまない」

 

 

その人物は、全体的に優雅さがある人物であった。魔術師とあまり会う機会がなかったので、どのような人物なのか少し疑っていたのだが、現時点では杞憂だった。

 

 

「初めまして、これから一年近くお世話になります、言峰綺礼です。これから、よろしくお願いします」

 

「別に、畏まらなくていいよ。私たちの悲願に、君を危険なことに付き合わせるのだからね。それで、璃正さん。本当に、協力してもらえるということでいいんですね」

 

「もちろん。どこかの魔術師に勝ち抜かれるよりは、遥かにマシですから。それに、あなたの目的ならば聖堂協会的に見ても問題がないからの。私の言ったことが、そんなに信用がないのか」

 

「いえ、そんなことはないです。これまで何度も聖杯戦争に挑んで勝てていないので、出来るだけ慎重に物事を安全に進めたいもので」

 

「ふむ。何世代も参加して、勝つことができていないからか。まぁ、こちらは最大限出来る限りはバックアップしよう。それで、綺礼。しっかりと、遠坂さんのところで弟子をやっておれよ」

 

「わかっていますとも」

 

「それじゃ、綺礼くん。これからよろしく頼むよ。私もできる限り様々な魔術を教えるから、頑張ってついてきてくれよ」

 

 

 その後、遠坂さんと一緒にこの国を離れ日本の冬木に向かった。そこで、遠坂さんを師匠として魔術を一年近く学んだ。元々、遠坂家は宝石魔術を得意としているのだがそれを使うには多額の金が必要になるので、基本的なこと様々な分野の魔術を教えられた。

 具体的には降霊術、天体、人形術、薬草の使い方などを習った。どれも素人程度のことが、できるようになったくらいである。それでも、人形を作ることが一番マシであったらしい。

 なぜ、こんなことまで教えるのか聞いてみると「いついかなる時に、その分野の知識が必要になるのかわからないからね。それが、原因で負けてもらったら困るからね。常に、備えておくことで冷静に判断することができて最善手を打ってくれるから」とのこと。

 それを聞いて、少し疑問に思った。

 

 

(私は、アサシンを召喚する予定のはずだ。でも、マスターである私が狙われると身を守るのが大変になるな)

 

 

 自分なりに、遠坂さんの言っていることを解釈していった。

 それと、遠坂さんの妻や遠坂さんの娘である遠坂凛と関わることもあった。もちろん、娘である凛も魔術師であった。そのため、見た目よりもしっかりとしていて才能もあるように見えた。そして、遠坂さんの意思をしっかりと引き継いでいた。

 

 

(娘の方は、詰めが甘いところがあるので肝心なところでミスしなければいいがな。まぁ、私には全く関係がないことだがな)

 

 

 そんなことを思いつつ、遠坂時臣の下で魔術を学びかつ聖杯戦争での作戦を話し合ったり、協力体制を強化していった。

 

 

 

 

 

 

☆  ★  ☆  ★

 

 

 

 

 

 それで、今自分は召喚陣が書かれた部屋にいた。場所は、冬木市にある廃屋で、遠坂邸から離れた場所にいた。ここにいる理由は、もちろん英霊を召喚するためである。それで、もしものことがないように遠坂さんが召喚する場所から離れた場所にした。

 

 

(これで、私は遠坂さんと敵対関係ということだな。それで、敵に私たちが完全に敵対関係にあるよう思い込ませるために行動しなければならないが.....。それは、召喚したサーヴァントの能力で判断しなければならないから、不安に感じるな)

 

 

 私は召喚し終わったあとに、遠坂さんに連絡をしてどうするか伝えておく必要がある。そこで、どのような行動をするのか伝えるためである。その連絡も特殊なもので、盗聴対策がしてある。

 それで、アサシンを召喚するために用意された触媒をケースから取り出しておいた。それは、ハサン・ザバーハと呼ばれたアサシンの物らしかった。自分には、古びた物にしか見えなかった。

 

 

(うーん。まさかこんな、『黒い布』が触媒になるとはな。もしも、呼び出したサーヴァントがアサシンでない時のことも考えていてもいいのかもしれないな。まぁ、これは信じることしか今からだとできないからな)

 

 

 そんな不安もあったのがそろそろ召喚しようと思い、召喚陣の前に立ち呪文を唱えだした。

 

 

「素に銀と鉄。」

 

 

 呪文を唱える度に、目の前の召喚陣の輝きが強くなり自分の魔力回路が活性化するが全くそのことに何も思わず、淡々と続きを言っていった。

 

 

「抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ」

 

 

 呪文を唱え終わった後、暴風が吹き荒れたのだが何かが、現れたような感じが全くしなかった。そのことを疑問に思っていると、後ろから声をかけられた。

 

 

「汝は........聖杯を求める者か」

 

 

 そう、女性の声で言われた。話しかけられたことに、驚きつつ正体不明の人物に背後を取られている、という状況なので後ろに後退しつつ、黒鍵をいつでも使えるように準備しつつ振り返った。そこには、黒い布で装束で目以外を隠している人物がいた。

 見た瞬間、何か飛び道具で攻撃してきた。目の前かつ少しだけの距離しか空いていなかったが、何とか黒鍵を使い弾いた。

 

 

「ま、待って。私は、聖杯なんぞに興味はない!」

 

「関係ない」

 

 

 そう言って、右手をこちらに向かって伸ばそうとした。距離が空いているので、届かないが何かヤバイと感じた。

 

 

「妄想心 ......」

 

「人の話を聞け!」

 

 

 何かしらの宝具を使おうとしている、と判断して令呪を使って、落ち着くようにした。それで、話すことでどうにか私を殺すのを取りやめてもらおうと思った。 

 最悪、どうにかしてここから生きて離れることができればいいと思った。

 

 

「待て、私は別に聖杯なんぞ求めていない。そんな物は、どうでもいいと思っている。だが、仕事である人物と協力するように言われたからしているだけだ」

 

「.......口では何ともでも言える。それに.....お前が聖杯を欲しくないという証拠は全くない」

 

「では、どうすれば私は聖杯に興味がないと証明できるのだ?」

 

「私は異端である聖杯を無にするために...邪魔になる可能性が僅かでもあるなら....それを潰すだけ」

 

「それなら、私が君の行動を一切邪魔しなければいいんだな。それなら、聖杯からの知識があるから知っているかもしれないが、《ギアスロール》という物がある。それなら、お互いに絶対に決めたことを破ることが、できない絶対厳守の決まりを作ることができる」

 

「つまり......私とお前でそれを結ぶと..。それをして、私に一体何のメリットがあるのだ」

 

「一つ、私はある人物と協力体制にあるので、多くの情報を入手することができる。そうすれば、君は他の参加者を潰しやすくなる。2つ目は、私の父がこの戦争の監督役なのでそこを上手く利用することが、できれば令呪をいくつか増やすことができる」

 

「令呪を増やすことは.....私にとって得になることはない」

 

「それは、ギアスロールで縛れば問題ないだろう」

 

「......それでも、私のやり方で...やらせてもらう。それに、少しでも怪しいことをすれば...殺す」

 

「それで、構わない。だが、少しだけでもいいのだがこちらにも協力してほしいのだが」

 

「...どんなことだ」

 

 

何とか殺されずにすみそうだな、と綺礼は心の中で思った。ここで、気を緩めて軽はずみなことを言えば殺されるので次の言葉を慎重に選ばないといけない、と気持ちを引き締めた。

 目の前の女性のサーヴァントは、最初の攻撃してきたような殺気は少しだが薄らいでいるように感じた。

 

 

「協力者にこちらの持っている情報の一部を伝えたいのだが、大丈夫か」

 

「こちらが....不利になるのがなければ。ただし、そこの部分も制限させてもらう。だがそんな関係なら......お前はなぜ聖杯戦争に....参加しようとした?」

 

「上司に、聖杯を危険人物に渡すなということで信頼できる人物がいるから、その人を勝たせるように言われてね。それで、聖杯戦争に参加しただけだ。それと、キャスターのマスターだけは殺さないでくれないか」

 

「それは....邪魔にならないかぎり....殺さない」

 

「それで構わない。君が言う、ギアスロールの代わりになるものはどうすればいいのかね」

 

「簡単なこと。必要な物などは....ない」

 

「そう言えば、君は一体何の英霊なのかね。私はアサシンを呼び出すつもりだっただけで、詳しいことはわからないからね」

 

「名前など....とっくになくしている。それと、お前が....変なことをしなければ...命は奪わない」

 

 

 そこから、アサシンから言われたことをして綺礼に特定の行動を制限させる契約が結ばれた。それは、ギアスロールと同じく破ることができない。そのため、時臣が予定していた協力関係は開始早々崩れ去ることになった。

 綺礼はというと、自分が異教徒であるのだが何とか協力体制を作ることに安堵していた。それに、遠坂さんが勝ち抜かなくても自分達が聖杯を取り壊せば問題ない、とも考えていた。

 

 

(それなれば、父に何か言われるかもしれないがそれは仕方がない。一番の目的を果たせばいいわけだからな)

 

 

 契約を結んだあと、綺礼はアサシンと情報交換をした。綺礼は、契約の影響で素直に情報を開示した。アサシンからも、能力の一部を教えられた。

 その後、何とかして遠坂さんに協力することができることもやってもらうようにした。

 

 

 

 




~没案~


 山奥をある人物が、歩いていた。その人物は全身を黒いフードを被っているが、顔だけは見ることができる。その顔は、角がある髑髏の仮面を被っていた。もちろん、この人物は人間ではない。
 そう、この人物は聖杯戦争で呼ばれたサーヴァントである。だが、召喚されたと同時にマスターを殺したハグレサーヴァントでもあった。だが、そのサーヴァントは単独でも行動できる力があったので関係なかった。
 そうしていると、目の前に開かれた場所がでてきた。そして、そこにはテントを建てている人物がいた。


「な、何ですか!あなたは」


 その人物は、魔術師でも何でもなかったので穏便に済ませようと思った。


「別に私は、怪しい者ではない。外国から来たのだが、道に迷ってしまいこんな場所を歩いていた」


 自分でも隠しきれていないな、と思った。それに、この場所に来たのは晩鐘が反応したから何かあるのかと思いそれを探していたのである。


「そうですかー。それは、大変でしたね。えっと、私はゼッちゃんっす。ここら辺なら道が分かるので、案内できるっすよ」

「いや、別にかもわない。自分でどうにかしてみよう。.....それと、私は山の翁だ」


 名前を言おうか、迷ったのだが魔術師ではなくマスターでもないので大丈だと判断した。


「山の翁?それが、名前すっか?」

「そうだ」

「山の翁というのは、ちょっと、言いにくいー。だから、じぃじって読んでも大丈夫っすか」

「.....別に、何でも構わない」


 生前では、絶対に呼ばれなかったであろう言い方であった。
 そこで、しばらく二人で様々なことを話した。それで、この人物のことを本の少しだが、認めた。
 そして、その後夜も遅かったのでテントに止まるように言ってきた。それを断ったのだが、しつこくテントの外で休むことで妥協した。
翌日になり、二人は別れて別々の場所に行った。

★ ☆


ここは、ある日の冬木市の埠頭である。そこでは、サーヴァント同士が戦っていた。そこには、結界があったのだが破壊されてしまっていたので、一般人が入っていた。


「なんすか?これは」


声を出してしまってせいで、戦っている人たちもその存在を把握した。
そこで、あるロードが神秘の秘匿のために殺そうと魔術を行使した。そのロードは、サーヴァントから離れた位置にいて、その声を出した人物-ゼッちゃんに近かった。
それに、近くには誰もいなく助かる見込みはなかった。
だが、その通りには物事は進まなかった。


「あっ!」

いつのまにか、ゼッちゃんの前には黒い装束で顔にドクロの仮面をつけていることしかわからない人物が、いたからである。


「大丈夫か?」

「大丈夫すっ。でも、じぃじはあんな攻撃みたいなのを食らっても大丈夫なんすか?」

「あれぐらいなら、簡単に防ぐことができる」

「そうすか。それはよかったすっ。でも、あそこにいる人たちからどうやって、逃げればいいんすか」

「我に捕まっておけば、安全なところまで運ぼう」


そう言って、少女が謎の人物に抱き抱えられてどこかに消えていった。


☆ ★ ★ ☆


初期案は、これでした。
でも、こうすると過剰戦力になりすぐに終わってしまいかねないかったので、ボツになりました。それと、自分がやりたいストーリーにしにくかったのもありますが。

まぁ、これこれで初代の性格的に厳しいでしょうが……。

あと、アサシンを書くのがとても難しい。


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