今回はキャスター陣営です。
聖杯戦争
それは、三つの家の魔術師達が協力して万能の願望機である聖杯を創りだそうとして聖杯を創り出すことには成功したのだが、誰もが願いをかなえることができる物ではなかった。聖杯で願いを叶えることができるのは、戦い殺し合い生き残ったたった一人の勝者しか無理だというものだった。その戦いこそが、聖杯戦争である。この聖杯戦争は、聖杯が造られた都市の冬木市でこれまで三度行われてどれも参加者が全滅という結末で、まだ誰も勝ててはいない。ルール違反を行った者がいたとしてもだ。
それに、聖杯戦争は魔術師と言われる人だけで殺し合うのではない。その戦いには、サーヴァントと呼ばれる過去、現在、未来、ありとあらゆる時代の英霊を呼び出し戦わせる。そのサーヴァントを呼び出すには、聖杯に選ばれて令呪を刻まれる必要がある。これは、絶対ではないが例外の方が少ない。令呪は、聖杯戦争に参加する資格だけではなく自分が契約しているサーヴァントに対して絶対命令権として行使することができる。ただし、令呪は膨大な魔力の塊なので一画だけではサーヴァントに抵抗される可能性もある。また、自分に対しても使用することができます。そのため、令呪は基本的に使ったら二度と増やす手段はないに等しい。
それと、呼び出した英霊にはクラスというものが与えられる。そのクラスは、7つ存在しておりそれぞれ特性があり適正がないとそのクラスで召喚されないということになっています。それに、目的の英霊を召喚すために触媒と呼ばれる物を用意する。触媒は、その英霊に関わりがある品のことである。それと、触媒が特定の集団を指すものであれば召喚者の人格に最も近い人が召喚される。
それぞれのクラスの特性は、固有のスキルと呼ばれる。セイバーなら騎乗、対魔力など、バーサーカーなら狂てというものもある。保有スキルは、クラスに関係なく様々ものがある。例え、別のクラス召喚されたとしても失われるものではない。
もし仮に、アーチャーとキャスター両方のクラスの適正がある者がいたとしよう。キャスターで召喚されれば、魔術が秀でたものになり物理攻撃の手段が減り物理に弱くなる代わりに魔術の攻撃に強くなる。それゆえに、いくら強い英霊であろうとクラスが違えば全く性能が異なってしまう。そのため、ランサーで召喚されていれば勝てたかもしれないのにキャスターとして召喚されたという例もある。
それに、バーサーカー以外で召喚する場合、複数の適正を持つ英霊であればどのクラスで呼ばれるかはわからない。それゆえに、自分の想像通りではない結果が起こってしまうこともある。
例外として、
◆ ◆ ◆
聖杯戦争が行われる都市である冬木にある大きな屋敷の地下の一室に、今回の聖杯戦争の参加者の一人がいた。その人物は、聖杯戦争の監視者と裏で協力して何とか勝ち抜こうと色々と策を労してしたきた。他には、その監視者の息子を自分の弟子に向かえて魔術師として鍛え上げ自分を裏切った形で、今回の戦いに参加するよう準備していた。それゆえに、現時点で他の5人の参加者に対して大きなアドバンテージを持っていると確信していた。
その男の名は、遠坂時臣。聖杯を造った三家の内の一つ遠坂家の頭首である。そのため、勝ちたいと強く思っている人物の一人でもある。
(これで、我が一族の長年の夢である聖杯を手に入れることができる可能性をはるかに高くすることができる。これほどまでに準備したのだ、後は余計なイレギュラーが起きないことを願うばかりだな)
彼は、これから起こる聖杯戦争で起こる可能のあることを想定して様々な準備をして、前準備としてはほぼ万全の体制にしていた。後は最も重大といってもいい、召喚した英霊との相性や他の参加者についてだった。
彼がここまでしていきた上記以外の準備としては、自分の家族を安全なところに移動させて人質に取られないようにうのするのと娘に自分の魔術刻印の一部を受け継がせる対策をしていた。自分の家を継がせる娘を人質に取られてしまうと、自分が追い込まれてしまうことになってしまうことから。それと、魔術刻印はその家にとって最も大事な物の一つである。自分が死んでしまうと、移植できなくなる可能性があるからである。自分の娘が大成して欲しいと思うから、といのもある。
召喚する予定の時間がまで少しあったので、召喚する予定である英霊についてもう一度考えることにした。
(ここまでに問題はない。問題は、これから呼び出す英霊だな。英霊の中でもトップクラスの実力があるだろう世界最古の王だから、どのように扱えばいいのかも探っていかなければならない。王だから、面倒な性格でなければいいのですけれど。まぁ、クラスとしてはアーチャーが一番可能性があるでしょうね。この英霊のあり方なら、その可能性高そうですからね)
彼は、召喚を予定していた自分の魔力が一番高まる午前二時になるまで、これまでの準備にどこか不備はなかったのか確認したり検討して時間になるまで待っていた。
勝つための作戦で、弟子にはアサシンの英霊を召喚するようにしておいた。弟子には、他の参加者の動向を観察したり、暗殺可能であればして私のサポートをしてもらう予定だ。本来であれば、誰かと協力をすれば裏切られるリスクがあるが共闘する相手は信頼している人の息子かつ一年間弟子として育てた人物であるから安心であった。
自分の計画にミスがないことを確認して、時間を確認するともうすぐ午前二時になろうとしていた。それで、用意していた『蛇の抜け殻』の触媒を頑丈なケースから取り出して召喚陣のところにおいた。
そして、彼は魔法陣の前に立ち詠唱を始めた。
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。 祖には我が大師シュバインオーグ」
「降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠よりで、王国に至る三叉路は循環せよ」
「
「―告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うなら応えよ」
「―誓を此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」
「―汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
詠唱を唱えるたびに目の前の魔法陣が、徐々に輝きが強くなっていった。そして、その詠唱を唱え終わった瞬間突然目の前の空間から暴風が発生した。それで、魔法陣から漏れていた光が徐々に消えていき目の前に人が現れていたことに気が付いた。
その人物は、金髪で目が赤い男性であった。服装としては、上半身が裸に近いもので下も少しそれに近いものがあった。さらに、右手には斧左手には魔術書みたいな特殊な本のような物を持っていた。
(っ。見た目は思ったよりも話がわかる感じであるが、どうくるのでしょうね)
「貴様が、
そう問われて、下手な対応をして関係を悪くしたくなかったので畏まって答えた。相手の関係が拗れることが、一番避けるべき結末だからである。
「そうでございます。この聖杯戦争にどうしても勝ちたくてお呼びしました」
「ふん、王に対して最低限の礼儀はわきまえているか」
何かつまらないような反応をしつつもこちらに対して、全くの無関心というわけではなく一安心した。こちらの話を全く聞かないようであれば先が思いやられてしまう。そうでないだけでも、感謝すべきなのかもしれない。
それで、目の前のサーヴァントはこちらを値踏みするような目を向けてきて問うてきた。
「それで、貴様は一体何のために
「?それは、どういうことですか」
「別に、貴様が気にするべきことではない。それで、どうして聖杯を求めるのだ」
「それは、根源への到達のためです。根源に到達することは、魔術師であれば誰もが一度は目指すものです。ですが、現状到達することはとても難しく不可能といっても過言ではありません。だから、この願いを聖杯によって叶えようと」
「いかにも魔術師らしいという答えの一つで、実につまらないな。もっと他にはないものか」
それで、召喚された男はつまらない者に召喚されたみたいな感想を言ってきた。だが、時臣にとったらそれは仕方がないことだろうと思った。
(それは仕方がないでしょう。ここは、神代と違い神秘が薄れているのですから理解されなくても仕方がないというものです)
それに、と言って続きを呼ばれたサーヴァントは時臣に言ってきた。
「そういったことは普通、自分の力で根源の渦に至ろうとするのだが、他人の物を使ってでも至ろうとするのか。それで、貴様は本当にいいと思っているのか?」
「っ。....はい。自力で至ろうとすれば、運よく至る寸前までたどり着いたとしても必ず抑止力が介入してきて邪魔をしてきます。聞くところによれば、それ相応の準備をしても必ず邪魔され失敗する。それなら、確実かつ可能性が高い方を選ぶのがベストです」
「ふん。それで貴様がいいなら、このことに関しては何も言わないでおこう」
(ふっ。どうやらこちらのことを一応、気にしてくれた?ということなのでしょうかね。そういえば、クラスを聞いていなかったな)
召喚されたサーヴァントは遠くの壁を見て、何か面白いことが起きたのか少し楽しそうにしていた。そこで、少し思い切って聞いてみた。
「聞いてみたいことがあるのですが、よろしいでしょうか」
「よかろう。それで、
「クラスは何でしょうか?」
「ハハハ。そういえば、まだクラスを言っていなかったな。我はキャスターだ。だが、生粋のキャスターというわけではない。別に、魔術が得意というわけではない。まぁ、そのことについてはおいおい話すとしよう」
「キャスターでしたか。伝承から考えますと、キャスターよりもアーチャーだと思ったのですが」
「ふん、全ての原型を持っているのだからその中に魔術に関するものを持っていてもおかしくないだろう。なぜ、そんな簡単なこともわからないのか。まぁ、
「例えば、どんなことでしょうか?」
「そうだな。例えるなら、アーチャーなのに棍棒を使ったり双剣を使ったりしているようなものだ。そんな少し可笑しなことだ」
「アーチャーなのに双剣ですか......?」
アーチャーなのに弓矢を使わない?それはアーチャーと呼ぶことができるのか、とキャスターの例え話に疑問を時臣は持っていた。そうしていたら、キャスターの方からこちらに聞いてきた。
「それで、お前はこれからどうしていくのか考えているのか」
「もちろんで、ございます」
「ほう、それではその案を我に聞かせてみろ。採点してやる」
そこから、時臣がキャスターに対してこれからの作戦をキャスターのできることを聞きつつ話した。
そのあと、弟子から無事に目的のアサシンのサーヴァントであるハサンを呼び出した、という連絡をもらった。だが、隠密能力は高いが自分たちがさらに有利になるような宝具やスキルと持っていないらしい。これは、持っていたとしたら運がいいと思った程度の話だった。
しかし、その時の弟子の声が普段と少し異なっていたのだが気がつくことができずにスルーしてしまった。このことがあとで大きな問題に発展する恐れのあるものだと知らずに。
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召喚されたサーヴァント:ギルガメッシュ
人類最古の王で、全ての原型を持っていたとされる人物。今回は、
少しでもこの作品に興味を持っていただければ、幸いです。