無目的な旅人達   作:ザワールド

5 / 10
5話です。


第5話

漁港都市エーゲデンと中央都市ギャリシャの街道

 

「おいおいヒイロ!ヤバいぞ!」

 

「なんでこんな時に!」

 

「うひゃー!」

 

 

トイレに行った御者が戻ってこないと思ったら、言った方角からデカイ、カマキリか?

 

数時間前に遡る

 

漁港都市エーゲデンから馬車でギャリシャに向かうには半日も経たずに着く事が分かった。

 

 

 

「ガゼル準備はいいか」

 

「ヒイロこっちは準備出来てるよ!」

 

「ヒイロやガゼルいつも私に話振ってくれない」

 

「「・・・」」

 

「あのなイズノメ様そもそも俺達以外には見えても無いし、

 

喋ってる声さえ届いてないんだぞ

 

それで人前で喋っててみなよ頭おかしいと思われるって、

 

石に向かって喋ってるんだから」

 

「ぶ〜」

 

「よし行くぞ!」

 

 

馬車停留所

 

 

・・・えなんだって?

 

「ごめんな、今回の騒ぎでほとんど出払っちゃってて

 

、ちょっとスピード落ちるけどこれなら料金も安くしとくよ」

 

ちょっと・・・まあ、贅沢は言わないけど、馬はちょっと老いてても文句はない

 

が、御者はなんだ!見るからにやる気無いぞ。

 

御者は鼻の穴にホジ×3をして出てきた物体を見てニヤニヤしている

 

・・・もうなんだっていい・・・

 

「なんでもいいから出発しよう・・・」

 

そして数時間後トイレに行くと言出し御者は見られるのが嫌だと言って

 

森林奥に行ってしまった。

 

「おいヒイロもう置いて行っちゃおうよ」

 

「冗談でもそりゃ無理だろ、お金払ってるし着くまで我慢しとけ」

 

「ヒマ〜」

 

「イズノメはいつも暇だろ!」

 

「ぶ〜」

 

・・・出てこないな

 

「長いね」

 

「だね〜」

 

ガサガサガサガサ

 

「お」

 

ガサ!

 

「おいおいヒイロ!ヤバいぞ!」

 

「なんでこんな時に!」

 

「うひゃー!」

 

 

トイレに行った御者が戻ってこないと思ったら、言った方角からデカイ、カマキリか?

 

 

 

「おいヒイロ!来たぞ!」

 

「分かってる!」

 

ヒイロは御者台に座り、ガゼルは上半身だけ出して弓を番える。

 

「イズノメ様他からなにか来ないか周り見といてください」

 

「おおおやっと出番ね!任せてよ!」

 

デカイカマキリが2匹

 

カサカサと、はい寄ってきてガゼルの目の前に1匹が御者の荷物置き場に着地

 

着地した寸前で顔に矢が突き刺さる。

 

鎌をデタラメに振り回していたが馬車が動き出した為バランスを崩し荷台から落っこちる。

 

「横から来たよ!」

 

馬車が走り出したとはいえ、あまり早くない馬さんち、横から鎌が振り下ろそうとしたが、

 

ヒイロの釣り竿がカマキリの関節に引っかかり、

 

攻撃が鈍くなった時にガゼルが狩り用のナイフで腕を切り落とす、

 

片腕でもがいていたが、矢を番えたガゼルに顔に狙い撃ちされて転げ落ちて行った。

 

 

「ふう間一髪だったな」

 

「確かに、誰か欠けてたらやられてたかもしれないイズノメ様助かったよ」

 

「えっへん任せてよ!」

 

これで何事も無く終わってくれればいいが

 

「しかしこんな物騒な事態になるなんて思わなかったな」

 

「だね、ちょっと現状を変えていかないと、また起きた時に対処出来ないと思う」

 

「前途多難?」

 

「「かもな」」

 

この後には順調に中央都市ギャリシャに進んでいった。

 

この後、御者と思われる死体が切り刻まれて食い散らした状態で見つかった。

 




ちょっとした戦闘模様です。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。