無目的な旅人達   作:ザワールド

10 / 10
第10話

3ヶ月後

 

ヒイロは晴れて、資格を取得し冒険に出る準備に取り掛かりながら仕事をしていたある日。

 

「はあーい!」

 

この声は!

 

「御剣先生!」

 

「また食べに来たわよ♪」

 

訓練所に通い出してから御剣先生は頻繁にお店に通ってもらっている。

 

常連客と言えなくない頻度に来てもらってるせいでもあるが、何かとオマケを付けていたりするのだ。

 

そのせいかかどうか分からないが、訓練所以外でも基礎訓練を付けてもらったりしたお陰で、

 

これでも早いペースで冒険者資格を取れたのだ。

 

「ヒイロ君達は冒険者として出かける予定あるんだよね」

 

「はい!来週から出かける予定ですよ」

 

俺って結構言葉遣い直された・・・

 

「ふーん、私もそろそろクエストをやろうかと思って一緒に行ってくれる

 

仲間集めようかと思ってたんだけど、どう?一緒にやらない」

 

「ええ!ホントですか?!」

 

「ええホントよ。まだ色々と教えないといけないし、と言っても私も駆け出しに近いから

 

力が近い人の方がいいのよね。んで相談なんだけど私もパーティ入れて3人だよね。」

 

「そうですね、俺とガゼルと先生で3人です。」

 

「うん、それでね、もう1人パーティにいれたいんだよ、ちょっとした冒険してみないかな」

 

そう言った御剣先生はおもむろに、地図を取り出して

 

「ここの場所なんだけど、野草を取ってくるクエストを受けたんだ」

 

確かこの場所は野草が他よりも豊富にあるらしいとは聞いた。

 

俺が知っている事だと、何もそこまで行かなくても、色々と取れる場所はいくらでもある。

 

いわゆる、初心者向けと言ってもいいだろう。

 

ただ御剣先生が指したのは

 

「そう、この場所は豊富に取れる分、地質が良いから、他のモンスターが来る確率が高いんだよ、

 

言い方変えると野草の品質が高いから栄養分多いしね。それを食べるモンスターが狙ってくるって事」

 

クエストによっては、品質等で報酬が変わってくる。

 

「分かりました、じゃあ待ち合わせはいつごろですか」

 

「それはね・・・」

 

 

「はあ!」

 

御剣先生が危なく無くマンティスに攻撃を仕掛ける!

 

マンティスが振り下ろした前脚を切断、

 

「おりゃ!」続いてヒイロがショートソードで胴体を切る

 

絶命

 

ガゼルが弓矢でイノブータンに遠距離攻撃!

 

矢がイノブータンの横っ腹に突き刺さった!

 

「ブヒーヒーン!」

 

のたうち回るが、誰が攻撃したか分かると、唸りを上げて突っ込んで来る!

 

「ち!」

 

ガゼルはもう1度矢をつがえ直し、撃とうと構え直したが、間に合わないと思い横に避ける!

 

ギリギリで避けた!

 

が急に体勢を崩した為か動きが取れないまま転ぶ、

 

イノブータンも勢い余って転んだがスグにガゼルに向かって走り出す!

 

ダダダ!

 

「エイ!」

 

と横から何かが出てきた!

 

今度はイノブータンの前足に短剣が刺さり、そのままの勢いで走っているイノブータンは急に止まれず

 

前足に刺さった短剣が前足を切断しながら後ろ脚まで傷が出来た。

 

 

「危なかった、助かったよメイラさん」

 

黒頭巾に黒装束の女性に言う

 

「いえいえ、なかなかタイミングが難しくて遅くなっちゃったよ」

 

右目が銀で左目が金なんだが他はマスクをしているせいか、他は分からない。

 

身長は165位「スリーサイズ83,57,81」

 

だと感で思う。

 

「この変態めえ!」

 

凄い剣幕でメイラさんがにじり寄ってくる

 

「えええ!なんで!」

 

「声がしっかり出てるよ!」

 

な!心の声が!

 

 

 

先刻

 

ギルドよりも少し離れた居酒屋

 

ぎぃぃぃ

 

「いらっしゃいませ〜何名様ですか?」

 

店内から可愛いらしいエルフの店員さんがパタパタと小走りで寄ってくる

 

「えっとここで待ち合わせで・・・」

 

「おーいヒイロこっちだよ」

 

とちょい奥まった所から、御剣先生の声がして来たので

 

「あ、あそこです」

 

「かしこまりました御用のある時はお呼びくださいね♪」

 

とニッコリと微笑んでくれたので、デレてしまった!

 

「こらヒイロ私の時はデレ無いのにあんな女にデレるとは〜!」

 

と半透明化したイズノメ様が怒ってきた。

 

女神様でいつも石の中で寝たり起きてきてもアストラル体の状態なので、叩かれても蹴られても

 

何も痛くはない。

 

すべて素通りな攻撃を繰り返すイズノメ様をほっぽいといて、俺とガゼルは

 

御剣先生の待つ部屋についた。

 

「おっ!来たきた」

 

もう飲んでいるのか、先生は出来上がっていて

 

「おいヒイロとガゼルはよう、すわれ〜でなこちらはメイラちゃん可愛いでしょ〜」

 

あ〜うん可愛いと思います…がまだ座ってもねえ

 

「確かに可愛いですね!」

 

「お、おう可愛い子だね!」

 

俺とガゼルはほぼ同時に答えた…先生の目がメチャすわっとる…

 

可愛いと言うが目元しか分からんし、既に食べ終わってるのかクチは布で覆われている

 

出で立ちがほとんど黒で埋まっていて夜出歩かれたら誰かも分からない。

 

いあ、その前にみんなが集まってから注文すべきだったのは

 

と、思っていても言えないヒイロ達だった

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。