チート級最強サーヴァント、アヴェ藻の前!蹂躙致します!(魔力供給的な意味で。) 作:ヘタレ蛇
ホンマスマセン。
仕事の合間みながら作成してるので半ば展開の表現が纏まらなかったです。
鯖のWikiを確認しながらですけど、原作のかなりスペックが高すぎて表現のハードルが下がってると思います。そこの所理解の上、スクロール宜しくお願いします。
大体10000文字位です。
若干表現がおかしくなってるかもしれませんが宜しくお願いします。
《藤丸》
「この題名的にはR18指定物ですよね~。」
「えっ、どうしたのですかアヴェ藻さん。」
「メタいしいきなり異次元を観るような感想言うのは止めて欲しいんだけど狐なお姉さん。」
今、マリーが聖人らしき人探しに町へ聞き込みに行っている間に俺達は森の中に隠れて休んでいた。突然アヴェ藻が変な事を言い出してついツッコんでしまったが
「何処の穴に?」
「ボケの隙間に、とだけ言わせて頂こう。」
何だかんだでおかしな耐性がついてしまった。
マリーが帰って来て、聖人サーヴァントらしい人とサーヴァントらしき二人組を見たという情報があった。しかし、どちらも別の道へ行ったという事で途中で分かれて捜索する事になった。
運任せで片方の道へ行くという考えはあったがハズレの場合は引き返さなきゃならないのと、ジークフリードの呪いによる負担が重なるというデメリットを恐れてである。此処でチーム分けなのだが、更にデメリットが生じる事は理解していた。そう、アヴェ藻だ。
「私、ジャンヌさんが居ませんと生きていけません~。」
「離れてて下さい、お願いしますから。」
アヴェ藻が抱き着こうとするとジャンヌは旗を構え、死んだような目で警戒するのだ。この場合はなるべく此方側にチーム分けした方が良いだろう。そう思い伝えようとした。
「いや、僕はマスターと一緒に行くよ。狐はマリア達と行った方が良いよ。」
「!えっ、でも..。」
俺は困惑した、どう考えてもアヴェ藻が好みな二人と行ったら何をするのか分からない。アヴェ藻が強いけど、どうしても色欲方面で心配しかできない。
「僕がマリアと着いていっても足手まといになってしまうよ。なら見つけ次第直ぐにマスターに向かえる編成にしないとね。マスターと盾を使うマシュ嬢、それに期待はあまりできないけど竜殺しがいるんだ。僕は相手を足止め位になるか分からないけど、状況が変わり次第マリアのガラスの馬で助けに来ればいいよ。それにその狐は足と
「私、変態さんにディスられたんですが?」
「それより何より君が殿をすれば物事解決するだろう?君はマリアの用心棒なんだからさ。」
「....言いくるめられるなら美女からが良かった。」
取り敢えず決まったのだった。
「それじゃ行ってくるわね、アマデウス。帰ってきたら
「....ああ、良いよマリア。」
そして二つのチームに別れて俺達は進んだ。ジャンヌ達には通信機を渡しているが片方のサーヴァントを見つけたら戻らないといけない。なるべくジークフリードに負担を掛けないようにしよう配慮すべきだと思うべきだけど....
「....すまない、手間をかける。」
「.....。」
なんでいるかというと...
(「一つ提案ですが、マルタさんをマスター君達に付けて行かせましょう。
とは言っていたけど、狂化解けたら怒られるんじゃないかな。
「......。」
「...すまない。」
気まずい!終始白目で意識が飛んでそうなマルタと彼女以上の体重でおんぶされてるジークフリードの気遣いが空気に消えるのが気まずい。
そもそもどんな事をしたら理性を吹っ飛ばせるんだよ。理性が戻って廃人になってたら忍びないんだけど!
(「何って....ナニですが?」)
俺の頭の中から出ていってくれ!
「先輩?...何処か痛むのですか。」
「!...何でもないよ、ちょっと雑念が頭を過っただけだから。」
いつの間にか拳を作っていてマシュに不審に思われたんだろう。今後少し気を付けないと。
「雑念、ですか?」
「分かるよ、あのクソ狐がやること成すこととんでもないから逆にあれがバーサーカーではないかって僕は思うよ。しかも男が好みじゃないようだし、生前に恨みでもあるのかな。」
アマデウスは共感するようにアヴェ藻の文句を言う。 アヴェ藻の生前か。
「確か、玉藻の前っていうと有名なのが九尾の狐だよね。」
「先輩の故郷の英霊ですよね。」
『横から失礼するよ。正確には彼女は反英霊だ。彼女は日本の平安時代末期の鳥羽上皇に寵愛を受けて側室になった、人間に化けた妖狐として伝説に登場している。伝承によると中国の傾国の妲己が人に化けて日本に渡ってきたって話もある。玉藻の前が側室になった暫くして鳥羽上皇が身体を崩すようになったんだ。それを見破ったのが安部泰成、主に晴明と呼ばれ、彼女が苦しめてた犯人だとバレた途端に狐になって逃げたとされてる。その後、婦女子が誘拐される事があり、彼女が現れた事から人に害を与える存在とされ軍を送り討伐しようとした。だけど彼女は死ぬ間際に呪いを放つ石に変化して軍を撃退したとされている。』
「...つまり、彼女は昔から敵を作っていたと?けど男を食い物にして反抗されたから女に乗り換えたって言うのも安直過ぎると思うけどね。それに男に対して殺意が高いって事はその晴明とか言う奴に何かされたんだろ、きっと。」
通信機からロマンの説明され、アマデウスがそれを納得してるようである。俺はアヴェ藻が悪い事をしていた事を改めて知った。名前だけで何をしていたのかはあまり知らなかった。けど半分驚いていた。
「...先輩?どうされました?」
マシュが無言だった俺を気になったのだろう。どうやら考え込んでたみたいだ。
「いや、アヴェ藻がかなり性格が悪いのは分かってたけど、人とは其処まで嫌いじゃないように思えるんだ。」
「そりゃそうさ、人間死後まで因縁を引きずる奴は少なくないが割り切ってる奴も多い。英雄足らしめる過去があるから僕達がこうやって現界できるだ。まぁ彼女の場合は全面的に男嫌いがあるようだけど、反英霊はある意味人類史に置ける悪役でもあり、英雄の立たせ役な所があるからね。」
アマデウスも肯定してくれる。英雄の立たせ役、演劇が現実的に感じてきたな。
「もしかしたらですが、アヴェ藻さんは竜の魔女さんの境遇を気遣っているのかもしれません。形はどうあれ人に裏切られたという物に共感してるだと思います。」
「うーん、どうだろ。あの狐はどちらかというと自己中心的だし、人に自分の考えをさらけ出さなそうだからなー。兎に角あれにとって女性は獲物、男性は敵と考えた方がいいと思うよ。」
『しかしどうあれ、今は協力してくれてるけど彼女の目的が別であるなら、サーヴァントという枠組みで何処か敵対しなくちゃいけないという問題は無くせないからね。今は協力してくれてるだけでも感謝しないと。』
ロマンの一言で飽和した不安が出てくる。今は仲間だけどいずれは敵に、実感の無い物が目に見えるような感覚が気持ち悪いような夢物語に思えた。俺だけ真剣に捉えてないのかな。
「まぁ、あーいうのは口説いても振り向いてもらえずに襲うタイプだから男にただ嫉妬してベッドの上でしか鳴けない獣なだけだろうしね。」
うわぁー。俺はアマデウスを初めて卑下し始めた。こいつ本格的に人でなしな上に言い分が最低だ。
『...壁に耳あり、障子に目あり、ならば天上が鼻で、床が口と申しましょうか?案外すぐそこの草むらから聴いてるかもしれませんよ、人でなしのクソ音楽家さん?』
「うわぉっ!?」
通信機からアヴェ藻の声が聴こえる。えっ何時から聴いてたの!?
『....すまない、手間をかける。』
ジークフリードの完全に最初ッからじゃないか!
『もうアマデウスったら、あんまり悪口を言ったら駄目だからね。』
『此方ジャンヌです、定期連絡の通信です。問題なく進行中です。』
今度はマリーとジャンヌか、声の状態から言ってアヴェ藻に何もされてなさそうだけど。
『ちょっと失礼、アヴェンジャー、抱き付こうとしないで下さい。』
『スキンシップですよ、スキンシップ。聖女エキスを摂取プリーズ。』
そうでも無かった。
「マリー、こういうのは本人が居ないからこそ、吐き出さなきゃ付き合いきれない輩だよ。ただ本人が盗み聞きしてたからその本人が悪い。」
『いやぁん、王妃様~人でなしが苛める。』
『もう、二人とも。』
人でなしが人でなしを苛めてる悪循環を感じるよ。
「マシュ・キリエライト、了解しました。此方も問題ありません。所でアヴェ藻さんはどうやって私達の話を。」
確かにとても気になる。周りに誰も居ないのに。
『んー、案外意外な場所に札を貼ってるかもしれませんよ?マルタさんの首とか、マルタさんのおへそとか、マルタさんのおみ足とか。』
「なんちゅー所に。ジークフリード、マルタの首に何かある?」
「いや、首には何もない。その他は見えない、すまない。」
俺が聴くとジークフリードは首を振って答える。
マルタの方を見ると白目だけど美人と思える顔立ちで
胸が良い形で大きく、引き締まった身体周りで両肩パット以外は元の服で縦に一本肌が見えて綺麗な肌でへそが出てて、腰付きとか其処から伸びる脚とかが陶器みたいに綺麗で...
『...プププッ!』
はっ!からかわれた!
「...先輩。」
やめてマシュ、そんな冷めた目で見ないで!!
『視KAN乙。』
黙れクソ狐!
「ほらみろ、化かされた。最初に言われたように僕らの後ろにいるんだろうさ。」
「えっ。」
後ろって、森に茂みしかないけど。
すると、ニョキっと何かが伸びる。あれは....
木の棒の先に、糸が伸びた紙コップ...だと!?
『この時代にマイクブームが無いので代用しまして。』
いやそんな事より誰が持っているの?
するとヒョコリッと見覚えのある狐耳が、ってあれアヴェ藻じゃん。
『彼女は音声係で、マスター君達の補助係兼任の分身Bです。』
それを聴くと何故かヘッドホン付けたアヴェ藻が此方に顔を出して笑顔で親指を立てた。
「もう疲れた....。」
滅茶苦茶にメンタルを掻き回したアヴェ藻はジャンヌの強制的に通信を切られ、分身Bは先に町の方へ行ってもらった。俺たちは一旦一休みしている。
それというのも歩き続けてる事から俺の事もあってマシュからの勧めでだ。それに加えジークフリードとそれを背負い続けてるマルタを心配しての事だ。ジークフリードを草原にゆっくり下ろしたマルタは少し離れて背伸びをした。普通にストレッチしてるし。
「先輩、マルタさんって理性がない狂化状態だとアヴェ藻さんから言われてますが。」
「うん、理性的に動いているね。」
今にも会話できそうな。
それにマルタの身体の動きがストレッチのトレーナーの様に動かしている。仰け反ると揺れる双丘が更に盛り上が..って駄目駄目!!何を考えてんだ俺は!
目を離そうと他の方向を見る。
....また森の茂みに何か見える。
狐の耳を生やした桃色髪の女性がカンペらしき物を見せてニンマリしてる。
【乙π】
ムカつく!というか早く先に行けよ!
するとマルタはストレッチを止めてその辺の石ころを拾い上げた。それを振りかぶり、綺麗なピッチングで投げた。その石ころは音を残して茂みへ飛んだ。
「あっ、カンペに当たった。」
時が経って、俺達は町に着いた。此処は竜の魔女の被害が出てないらしく人が行き交っていた。
「町には着きました。この町に聖人のサーヴァントがいらっしゃると良いのですが。」
『観測によると三人分の魔力反応があるね。一緒に行動してる、恐らくだけど1人はアヴェ藻さんで間違いないだろう。』
「それじゃさっさと確認して...?」
俺がそう言うと人が逃げ出していた。まさか竜の魔女が!?
「喧嘩だ!おかしな奴らが広場で喧嘩し始めた!」
「どうやら早く見つかったようだね。」
「....行きたくないな。」
「先輩、我慢して行きましょう。」
俺の不安に1人の顔が浮かんでくるのを、我慢していくしかなかった。
俺達が向かうと予想通りアヴェ藻の分身が問題を起こしていた。
「何をするのよ!離しなさいよー!!」
「いきなり何なんですが!離してくださいまし!」
二人の角を生やした、蜥蜴のような尻尾を生やしたフリフリドレスの赤髪の少女と足が出て走りやすそうな和服を着た青っぽい髪の少女が、一緒に毛玉のように
「ふっふっふ、美味しそうなおみ足をみたら食いたくなる衝動は普通でしょう?」
そしてその側にいる元凶の狐が一匹、頬を赤らめ手を当ててうっとりと目をギラギラさせていた。
「ヒッ、私は美味しくないわよ!食べるならこっちのアオダイショウにして!」
「!ふざけないで下さい、この身を捧げるのは安珍様だけです!先に食べるなら此方のエリマキトカゲから!」
「ふふっ、どちらにしーよーおーかーな!」
完全に二人の反応を見て楽しんでいるが、これ以上あの性欲狐を悦ばせたら公共の場で凶行し始める事が容易に想像できた。此処は使いたくないけど被害を出ないよう令呪で。
「令呪に...?」
「....。」
マルタに肩を叩かれ振り向くと...
「.....これを使えと。」
「.....。」
マルタは眉を寄せて困ったように、
俺の意思を理解したのか、少し間を空けてコクリッとマルタは頷いた。
「....はぁ。」
それを手にした俺は
「ふふふ、それじゃ味見をしましょうか。やっぱり二人同時がベストですよね!」
「やばいやばい!アイドル人生が1つのスキャンダルで終わるわ!」
「早く逃げませんと!」
あと一歩、進む毎に自然と
「もう、可愛らしくて辛抱堪りません!食わずに膳!」
踏み込むと同時に...
「いただき」
「止めんか!!」
「へぶっ!?」
煩悩狐の脳天に分厚いハリセンを叩き下ろした。
「.....只の悪ふざけじゃないですか。」
「悪ふざけを悪ふざけと思えない行動を取ってるアヴェ藻が悪い。」
頭にたん瘤を作ったアヴェ藻を正座で座られて、襲われてたサーヴァント、エリザベートと清姫に事情を説明した。二人は聖人じゃないけど「同行したい。」と言ってくれた。
「カーミラをぶっ潰したい!私は子ジカに着いていくわ!」
「それでは
子鹿って俺の事だろうか、それになんで清姫は熱っぽい視線で俺の事を視るのだろうか。
「ぷふぅ!お気の毒~。」
理由は分からないけどイラッと来る。もう一発ハリセン食らわせようか...。
すると清姫は俺から視線を外してアヴェ藻を見ると近付いてくる。
「...貴女は玉藻さんではありませんね。」
「...えっ?」
清姫は何を言ってるんだろう、だってアヴェ藻の真名は...
「あぁ、ごめんなさい
「...ぁあ、私の同族異物の存在を知ってるのですね?あれと同じだと認識されると私も虫酸が走るんですよ。いやぁ、貴女のような美人さんとお友達だったとは。はっはっはっ.....壊したくなっちゃいますね。」
ゾクッ...
あの眼だ。初めて会った時のように憎しみをもった瞳をして、冗談を言ってるのにそうと思えない。カルデアに来る前では知らなかった、意思を持った殺意というのだろうか。真っ正面からナイフを刺されそうな...
「...ますたー。」
「っ...!」
いつの間にか清姫が俺の前に庇うように立っていた。少し呼吸が荒いようだけど。なんだ、アヴェ藻に見られて気が遠くなるような感じがした。そこまで暑くもないのに汗も掻いている。アヴェ藻はもうヘラヘラと笑っているが、俺は金縛りのように体が動かなかった。
ゴツンッ。
「あいたっ!」
「.....。」
此方に気づいたマルタがアヴェ藻に拳骨を食らわせていた。軽めの力加減の様だが籠手越しのそれは痛いだろう。
「先輩、清姫さん。どうかされましたか?」
『今藤丸君のバイタルが著しく変動した。何かあったのかい?』
「あっ...いや...。」
マシュとロマンが心配してくれてるが、あまり二人に心配かけないように「なんでもない。」と言おうとした。
「...私が
清姫が被せるように状況を説明し謝った。困ったような笑みを浮かべている。
「ぶーぶー、私には謝りの1つないんですか~?私不貞腐れちゃいますよ痛っ!?」
またアヴェ藻はマルタに拳骨を食らっている。しかも「お前も気を付けろ。」的な意味で少し勢いがあった。
「良いよ、二人とも気にしてる所を知らなかったんだから。これから互いに気を付ければいいんだから。」
この場は治めるようにしとこう。
「....分かりました、ますたー。」
「....了解ですよ~だ。」
清姫は素直だけどアヴェ藻は不貞腐れてるな。まぁ時間置けば元気にはなるか。....だと思うけど。
「....あぁ、それと
「ん?...うん?」
清姫が更に近付いてきて話しかけてくるけど、呼ばれ方が何か微妙におかしいような。
「私、嘘は大っ嫌いなので....。」
「....うん。」
あれれれ?
「次、嘘を吐く度に、令呪1つ貰いますね。見栄を張る大丈夫とかなんでもないとかは駄目ですからね?」
「.....う、うん!...気を付けるよ。」
「....プークスクス!」
他人事だと思って笑ってんじゃねえよクソ狐!!
「あぁ、あぶぇ藻さんも嘘吐かないで下さいね?丸焼きにしますよ。」
「........はい。」
....ドンマイ。
「聖人の方?その方でしたら私達とは反対の方に向かいました。」
清姫からの有力な情報を持っていたのは幸いだった。向こうにはジャンヌ達がいるから通信機を使えば、ってアヴェ藻が本体と繋がっているから伝えて貰えば...
「っ!」
「?どうしたんだい、いつものおどけ面を止めて。」
アマデウスがいち早くアヴェ藻の異変に気づいた。目を見開いて顔を強張らせ真剣な顔をしている。すると俺の方に向いて近寄ってくる。俺は反射的に体を後ろに退かせるがお構い無しに近寄り、俺の額に一枚紙張ってきた。
「マルタさんの指揮権を貴方に渡します。持ってる魔力供給の札を使って下さい。但し狂化させてますので多用しては駄目ですよ。」
「えっ...えぇ?」
いきなりの事で俺は頭が回らずアヴェ藻は話続ける。マルタの指揮権の渡す?何故?
「アヴェ藻さん、どうされたのですか?」
マシュがいつもと違うアヴェ藻の行動に疑問を持ち訊こうとする。
『皆、大変だ。大きな魔力反応がジャンヌさん達に向かっている。』
いきなりのロマンの通信で驚愕な報告をもたらされた。まさかジャンヌ達の方に竜の魔女が...。俺達の中でアヴェ藻がいち早く動いた。
「ッ...皆さんは反対側の町へ急いで下さい。通信機で位置を確認しながら早めに。合流したら離れて下さい。」
「...待って下さい、まさかアヴェ藻さん一人で残るつもりですか!?」
「えっ、えっ?」
アヴェ藻の言うことにマシュが気付き問い質す。頭が回らず俺は困惑したが、アヴェ藻は平然とマシュの方を向く。
「貴女は貴女のマスターを守る事、その次にジャンヌさんと聖人の方と会うことに専念しなさい。私は...
どういう事か訊こうとしたが、そう言うとアヴェ藻は小さな紙に成って、風に吹かれるように飛んで行った。
「ちょっと、アヴェ藻!」
「先輩、アヴェ藻さんは誰かを護っているのでしょうか。」
「...それじゃ早く助けに行かないと。」
早くアヴェ藻達がいる町に向かおうとした。
「その必要はないよ。」
「えっ。」
それを止めたのはアマデウスだった。何で止めるのか分からない。
「あの狐が誰を護るなんてもう分かっているさ。それに誰が先に町に残って戦うなんて馬鹿げた事を言い出すのかもね。」
「どういう事ですか、アマデウスさん!」
目を閉じて腕を組んで話すアマデウスにマシュが訊こうとする。顔を上げるアマデウスは諦めたような苦笑が浮き出るような表情していた。
「マリアさ。彼女は無関係な町の人達の為に残って戦う、なんて本気で言いそうだからね。」
《マリー》
あの子は大丈夫かしら、町の人達を逃げる時間稼ぎに竜の魔女達に向かっていったけど。ジャンヌ達はマスター達に会えたかしら。兎に角、私も頑張らなきゃ。
「えいっ!」
ガラスの馬に乗って町を駆け巡り、魔力の塊をワイバーンに当てて攻撃する。他のワイバーンもガラスの馬が民家の屋根に上り体当たりして落としていく。だがこれは時間稼ぎにしかならない。でも少しでも皆の為になるなら。
「はぁ、はぁ、ちょっと疲れちゃった。」
町の広場に出てきた。此処なら集まりやすいわね。
「!きゃっ!」
背中を撫でる冷えた物がして、反射的に来る何かを避けた。少し髪が
「さぁ今度こそ気持ち良く逝かせてあげるよ、
「...貴方の目を醒まさせてあげるわ。
竜翼の羽ばたきとガラスの蹄の音が鳴り響く。
《アヴェ藻》
「おおりゃ!!ぶっ潰れろ!」
飛んでくるワイバーンの目を抉っては(尾っぽで)叩き落とし、抉っては(尾っぽで)叩き落とし。
「(つか何十体いるんですか!キリがない!)」
変化で強化してワイバーンの顔面に飛び移って爪で瞼ごと引き裂く。そして尾を肥大化させてワイバーンを弾き飛ばして別の個体へとぶつける。
「くぶっ!ぐっ。」
油断して迫ってくる更に別の個体の尾をまともに食らい、その先のワイバーンに腹部を噛みつかれた。強く噛まれ牙が体に刺り骨が砕ける音がした。
「があぁ!?舐めんじゃねぇ!!」
尾を伸ばし硬化させワイバーンの目にぶつける。ワイバーンが悶え口が緩くなった隙に脱出し、体を捻って札を張り付けて札を爆発させる。両目を潰されたワイバーンはバランスを崩して地面へと落ちた。
「はぁはぁ、くっ、ダメージ、受けすぎましたかね。ごほっごぼっ!」
牙が刺さった所から血が流れ、肋骨の何本か折れていた。吐血もしてる事から内臓辺りが損傷しているか骨が刺さってると思い始める。再び札を取り出し牙の傷や肋骨付近をペタペタと張り付ける。
「(応急処置完了っと。町の住人は避難終えたでしょうか?早く王妃様と合流して撤退しませんと。)」
警戒し始めたワイバーンの群れに警戒を緩めずにどうやって逃げようか思案し始める。と咄嗟に魔力の高まりを感じ取った。
「っ!」
「_
突然に地面から迫る杭の波を限界を通り越す程に体を動かして避け続ける。痛みよりも致命傷となる杭を身を捩って杭が出てくる方から離れる。
「...ほぅ、余の宝具を避けるか。そのような体で。」
傷だらけの体を鞭を打って、それどころか筋肉が千切れる位に酷使して杭の猛攻を逃げきった。流石にそんな事をした為、応急処置した札から血が漏れ出る。そのような敵ながらもそれを成した強者に狂いながらも称賛を
「はぁはぁ、はっ?!」
体力の消耗が凄まじいアヴェ藻は覚えのある魔力を感じ取り咄嗟に体を反らした。背後から伸び進む刃がアヴェ藻の左腕を掠り斬る。
「ぐぅっ!」
「おや、惜しかったね。もう少しで殺せたのに。」
アヴェ藻は斬られた左腕を押さえてサーベルを構え直した
「悪いな。此所は戦場である。」
前方にはデオンの剣舞が、引けばヴラド三世の杭が、周囲にはワイバーンの群れが。身体中傷だらけでまともに動きまわるのは厳しい状況である。
「...どうやら我らの主の到着のようだ。」
ヴラド三世の示す先には、ワイバーンが飛び交う町の上に近づく巨大な黒い存在。そのまま町へと降りていく。
アヴェ藻は見向きもしないが、時間がない事、そしてこの場を脱する事に焦りを始める。
「.....。(王妃様。)」
《マリー》
「きゃあっ!?」
ガラスの馬は倒れ、マリーは黒く伸びた複数の腕に組敷かれた。彼女の頭上には斜めに鋭く伸びた刃、彼が処刑人であり、生前彼が罪人への苦痛を思い生み出し、生前マリーに振り下ろされたギロチンの刃が再び振り下ろされようとしていた。
「さぁマリー、君の為に僕は何度も腕を磨いたんだ。
「...サンソン、貴方。」
「さぁ、マリー。死ぬ程気持ち良くなってくれ!_死は明日への希望なり《ラモール・エスポワール》!」
断頭台に刃が振り下ろされる。
だが....
ガギィン!!と鈍く響く音が鳴り響く。
「...えっ、何故。」
サンソンの思考が止まった。彼の望む形は、
「....悲しいわ、サンソン。」
「もうあの頃の貴方ではないのね、悲しくて痛いわ。」
砕け落ちる刃がガラスの様に煌めき、哀しそうで苦しそうな表情で王妃は処刑人を見つめていた。
「マリー、何故そのような顔を。いや待て、何故僕の宝具が砕けた!生前"処刑された"貴女ならその因果は抜け出せる訳がない!」
ギロチンが砕けた事で拘束が解けたマリーはガラスの馬に支えられながら立ち上がりサンソンを真っ直ぐ向き合う。
「きっとそれは貴方が殺人鬼に成り下がってしまったのよ。」
「!..な、何を言って。」
「貴方はこの間違ったフランスで罪の無い民を何人手に掛けてしまったの?罪人の苦痛を和らげようと清やらかな心だった貴方は処刑人としては優しすぎでもあったけれど輝いていたわ。
サンソンはルイ16世を崇拝し、彼の処刑人でもあり、彼の死後も密かに祈りを捧げていた。マリーはそんな彼には恩義もあり、苦悩しながらも優しすぎる処刑人を好いた。でも次に見せたのは落胆だった。
「でも貴方は竜の魔女に従って何人もの人を殺した。その時に貴方の輝きは失ってしまった。数を重ねていく度にその清らかな刃は心と共に錆びていったの。もう貴方は優しかったあの頃の貴方ではなく、酷く残忍な殺人鬼になってしまったのよ。」
その言葉にサンソンは動揺した。執拗に、狂信的に、望んでいた物がパズルのピースが合わさっていく度に彼が狂っていく。誰かの為に、残忍ながらも目指し、人を思う心を失って、やがて脆く積み上げた物が底から崩れるようにふらついた。何とか支え直そうと己の過程を肯定しよう、肯定させようと言い繕う。
「ち、違う!僕は貴女の為に、苦痛なく、極上の快楽をもって貴女に捧げようと!僕...は...。」
吐き出す物が望んだ形ではなく、歪。それ故、彼の吐き出す言葉が詰まってしまっていく。
そんな彼を見てマリーは目を伏せた。
「...残念ね、サンソン。」
馬の嘶きを上げ、ガラスの馬は駆け出した。
「!ぐあっ!?」
馬はサンソンへ突進する。反射的に剣で受け止めるが、
「マリー、僕は、君の、違う、違う、何故、僕は、僕は、あー、あああ"あ"あ"あ"ぁ!!」
狂った願望、それを受け止める理性が限界を越え、過ちの記憶が彼の心を締め上げた。
矛盾の前に限界を迎えた者は拒絶しなければ壊れてしまう、志、そして己自身さえ。
「サンソン...。」
だが干渉に浸る必要はないだろう。町を覆うように黒く陰る。
「...バーサーク・アサシンは逃げたようね。まぁいいわ。」
マリーの前に町の建物を粉砕しながらも舞い降りた
「ごきげんよう、マリー王妃。
「...ごきげんよう、もう一人のジャンヌ。」
傷つきながらも王妃は
此処で区切り、タイトル目安まで持っていこうと思いましたがバテました。
アンケート作成したので気が向いたらお願いします。
※改めてアンケート内容がいまいち分かりにくいかなと思い作成しなおしました。アンケートに答えて下さった方々申し訳ございません。(9/18 19:09より)
オルレアンでこの後どのような展開を望んでいるか伺いたい。(一応展開は一通り決めてますが。))
-
マリーアントワネット退場
-
マリーアントワネット生存
-
アヴェ藻レッドカード退場
-
もっとベッドシーン増やせ
-
好きに作成してOK?