チート級最強サーヴァント、アヴェ藻の前!蹂躙致します!(魔力供給的な意味で。)   作:ヘタレ蛇

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くだぐだするのである。

2本に纏めようとしたら増えてしまった(煩悩)

取り敢えず、アヴェ藻!暴れます。の回。

キャラ崩壊も加えとこ。


煩悩の惨劇三昧

《藤丸》

 

 

「ではでは、宜しく御願いします。マスター。」

 

 

 

あの後、アヴェ藻の同行者のマリーとアマデウスと合流して、三人はカルデアと同行する事に決まった。

ニコニコとそういうアヴェ藻にカルデア一行は正直喜びの表情が出せなかった。

 

 

そりゃそうである。目の前で敵味方関係なく女性に襲い掛かるサーヴァントが居れば警戒処か「アヴェ藻 が 仲間になった 。」となっても嬉しくはないのだから。

 

 

その上、先に同行していたジャンヌ・ダルクがアヴェ藻との間に旗を掲げ、「主は告げています、これ以上近寄ってはならないと。」と言ってアヴェ藻と離れている。

 

 

取り敢えず他のはぐれサーヴァントも仲間にしていこう。という方針になりフランスを歩いていく。

 

 

道中、藤丸はこれから竜の魔女に勝てるかどうか不安が脳内を過る。が…

 

 

「所でマシュちゃん、マスターとキスした事は?その他の人でも可。」

 

 

「あ、ありません!先輩とはそのような仲では…。」

 

 

「ほぉ、なら私とキスの練習をしてみませんか?」

 

 

「遠慮します。」

 

 

「そうですか。ジャンヌさん、私と今夜語りませんか?」

 

 

「…あまり近寄りたくありません。」

 

 

「ならば白と黒の二色丼ではどうです?」

 

 

「その二色が私で無いことを望みます。というかすぐにボロ出しましたね。」

 

 

さっきからアヴェ藻の煩悩丸出しの誘い方に女性サーヴァント達がアヴェ藻から段々距離を取り出している。最早、藤丸の脳に不安がダイレクトアタァック!していた。

 

 

「…………ねぇマスター。」

 

 

あっ今度は藤丸がターゲットになったらしい。「これ以上振り回される堪るか!」と心に決め、アヴェ藻の方を向いた。

 

 

「…ムネチラッ。」

 

 

「ぶふぅぅっ!?」

 

 

「なっ!?」

 

 

何と藤丸がアヴェ藻を見た瞬間、露出が激しい胸元を強調しだしたのだ。肩だし巫女服というつまりは首から肩まで布がない。胸元が丸見えである。これには流石のフラグ乙なぐだ男はあまりの衝撃に吹き出し顔を赤らめている。それを見ていたマシュは驚きの表情である。

 

 

「初々しいですね~。それで本題ですが…

 

 

マスター。私と魔力供給、してくれませんか?」

 

 

「「な…な…。」」

 

 

藤丸とマシュは言葉が喉に詰まったように、餌をやる池の(コイ)の如く、口をパクパクさせている

 

 

「ふふふ、ホントに初ですね。で返答は、どうですか?」

 

 

アヴェ藻はまるで玩具で遊ぶように顔を真っ赤にしている藤丸の顎に人差し指を添えてクイッと持ち上げる。

 

 

「だ、駄目です!先輩とそんなふ、節だらな事はさせません!」

 

 

「ふふふ、威勢が良いです。じゃ、貴女となら良いのですか?」

 

 

マシュはアヴェ藻に噛みつくような勢いでアヴェ藻に制止の言葉を掛けるがアヴェ藻はそれを愉しげな表情でまたも煩悩を働かせる。彼女に何を言っても煩悩しか返ってこないのか。

 

 

「あのさアヴェ藻、一つ聞いてもいいかな?」

 

 

「ん?何ですか、マスター?yes枕は有ってもno枕は持っていませんよ。」

 

 

「何で持っているの!?持ち歩いている方が少ないんじゃないかな!?」

 

 

…煩悩以外にもボケが返って来た。

 

「いや、そうじゃなくて。アヴェ藻って女性ばかり、その、魔力供給したがるじゃないか。何でまた俺としたいのかな?と思って。やっぱりマスターだからかな?」

 

 

マスターだから。その意味は複数存在する、魔力タンクとして、概念として。その質問にアヴェ藻はキョトンとした表情をした。そしてすぐに無表情のような、上の空のような感じで考え始めた。

 

 

「…マスターだから、というのはあまりにも無神経ですね。確かに貴方の魔力は欲しい、でもマスターだからでは契約でのパスで充分です。この意味が解りますか?」

 

 

「え、っと…どう意味?」

 

 

藤丸はアヴェ藻の答えに理解が難しいと困った顔をした。それをアヴェ藻は微笑むように笑う。

 

 

君を食らいたくなった(君に興味を持った)。只それだけです。」

 

 

「何かルビ以外の何かがおかしい!?」

 

 

結局、アヴェ藻も気紛れであった。

 

 

「後、魔力供給する時は少し噛んだ呪術でマスター君はマスターちゃんにしちゃって表情と供に可愛い声で鳴く事に期待。マシュちゃんも混ざる?」

 

 

「………………是非御願いします。」

 

 

「ファッ?!」

 

 

 

 

 

その日の夜、この地の竜脈がある森にダーニングポイントを設置して野宿する事になった。サーヴァント達は周囲を警戒し焚き火の周りを囲んで起きている、藤丸は先に寝に入っていた。現在落ち着いた寝息を立てている。

 

 

アヴェ藻の肥大化した狐尻尾(もっふもふテール)(ベッド)で。

 

「クゥ………クゥ………。」

 

 

「ちょろい……じゅるっ…。」

 

 

「アヴェ藻さん、寝込みはアウトです。」

「貴女は本当にアヴェンジャーなんですか。」

 

 

目の前の(アヴェ藻)後輩(マシュ)聖女(ジャンヌ・ダルク)の冷静なツッコミを放つ。それを見ていたマリーとアマデウスは笑みを溢す。

 

 

「はいはい、じゃ御代を払えない客に尻尾のレンタルはしませんよ。ほいっ!」

 

 

「…ウッ…。」

 

 

「きゃあっ!ちょっとアヴェ藻さん!」

 

 

アヴェ藻は尻尾を持ち上げ、マシュの上に藤丸を落とした。マシュに覆い被さるようになるがぐだ男は起きない。

 

 

「あ~ら~、御熱い事で。それじゃ邪魔者は退散退散。」

 

 

 

アヴェ藻がそそくさと立ち上がり暗い森の中に消えていった。

 

 

 

 

《アヴェ藻》

 

 

「…ふふふ、マスター君は随分とお疲れでしたね~。」

 

 

何降り構わず森の中を歩いているアヴェ藻、その足取りは変わる事もなくある場所を目指していた。

次第に森の木々が少なくなり、広い平原が見える場所に出てきた。アヴェ藻はその場に止まり表情に笑みが消えた。

 

 

「さて、そろそろ我慢の限界では?」

 

 

その瞬間、アヴェ藻の側面から巨大な何かが飛来した。それは隕石の様であり、回転を帯びたそれはアヴェ藻に敵意も持っていた。アヴェ藻は尾を肥大化させ防御した。回転力が落ちないそれはアヴェ藻の大きく頑丈であり大量にある尾っぽの毛をブチブチと削っていく。これにはアヴェ藻も苦い顔をし始める。これが僅か数秒の事でアヴェ藻は飛来した其を弾き返した。

その巨大な何かは回転しながら着地した。

それは亀のような竜だった。

その竜に1人の女性が近寄る。

 

 

「…折角マスター君の為にブラッシング(セッティング)したのに。それで何の御用で?」

 

 

「…貴女はもうお分かりになってるんじゃなくて?」

 

 

この女性は竜の魔女のサーヴァント、聖女マルタ(バーサーク・ライダー)だった。アヴェ藻はわざとらしく自分の尾を擦り要件を訊いた。それをマルタは微笑んでいるような表情だが瞳は冷たく濁っていた。

 

 

「そうですね、どうやら貴女は自身に掛けられた狂化に抗っている。でもってこのタイミングで接触ですから。用件はマスター君でなくて?ムッツリ聖女様?」

 

 

「……貴女の一言一言で私の理性が削れて思わず殺したくなるわ。ええ、その通り。魔女からは貴女達の監視を言われたけど、それよりもまずアンタを殺したい気持ちで一杯なのよ。」

 

 

マルタの表情は先程の穏やかな笑みは無く、とても冷たく燃えるような殺意の表情を浮かべている。

 

 

「ならマスターがいる状態で夜這いを掛ければ良かったのでは?」

 

 

「ホントにイラッと来るわ。本当は監視されている事を分かっていて敢えて距離を取った癖に。」

 

 

マルタが徐々に怒りの表情を露にしていく。それでも尚アヴェ藻はマルタを煽っていく。

 

 

「それでも怒り心頭手前にも関わらずマスター君から離れるまで待っていてくれたんですから、貴女はどちらかというと此方側では?」

 

 

「…残念ね、あの魔女に召喚されてなければ人理修復に手を貸したいのけれど。」

 

 

「ふふふ、そんな事は詮無き事。我々はサーヴァントで在るが故に、召喚されれば(マスター)にある程度従う。それが定めでしょう?例え生前から引き摺る願望があろうと。」

 

 

願望、その言葉を発したアヴェ藻は自身の優しく触れていた尾の毛を引き抜かんばかりに握り締める。それを見ていたマルタは…

 

 

「あっ、そうそう。用件序でに辞世の句を聴かせて頂けませんか?特に…私の敗けです、何でもしますからお情けを…とか…くっ、貴女達に話すことは無いわ。殺せ!…とか、マスターを試す前に貴女は此処で退場ですから。」

 

 

「…分かったわ、今此処で貴女を煩悩ごと粉砕してやるわ。」

 

 

悟った、これ以上コイツが此処(フランス)に居れば善からぬ事が起きると。人を小馬鹿にした挙げ句の煩悩、人が何をしようがしていようが関係なく飲み食らう。例えて言うなら…病人が病を隠しているかのように悲劇(シリアス)女性(獲物)という名の器に乗せて、器ごと食らうという…毒を食らわば皿まで(物理)という奇怪な行動していると思ってしまう。それは何と悪辣で痛々しい事か、と。

 

 

「タラスク!」

 

 

狂化されていても残り少ない理性が悲鳴を上げている。それでも尚聖女は目の前の獣に自身の殺意の中にある人の救済を信じて、自身の宝具に告げる。

宝具である竜は聖女に応えるようにアヴェ藻に向かって突進していく。聖女として、人として、目の前の悪意(煩悩)の塊を…

 

 

「此処で…倒す。」

 

 

「ちょっと待って!?これ完全に私が悪役的ポジションのナレーションですが!?」

 

 

いや、だって君は反英霊でしょ?此れまでの行為的には主人公陣営に存在する垢、下衆の極みポジでしょ。堕っとしまっしょ!まっしょ!でしょ。

 

 

「なにそれ酷くないです、かっ!!」

 

 

タラスクの突進をアヴェ藻は尾を肥大化させ防ぎ、押し合いになった。

 

そもそも『魔力供給(意味深)をしませんか』で既に色んな女性(性別不明込み)に手を出している時点で真っ当な主人公じゃないから、下手したら主人公喰っちゃうから。マルタさんだって狙っている訳でしょ?裁定者(ルーラー)属性あるし。

 

 

「まぁ、あの脳筋聖女様をどう言いくるめるか悩んでます。」

 

 

「…グルルゥゥ《姐さんは元々街娘だから性関係に異常に反応するっス。》」

 

 

「マジか。」マジか。

 

 

「…あんたら、いい加減に真面目にやんないと壊れた幻想(爆破)させるわよ。」

 

 

「アッハイ。」「《アッハイ。》」アッハイ。

 

 

取り敢えず真面目に戦う事にした。

 

 

《藤丸》

 

いきなりの夜襲に何とか目が覚め、敵を倒してからDr.ロマンからの連絡で森の出口付近で魔力反応がぶつかり合っていると報告があり、この場にいる全員がアヴェ藻が戦っている。と思い急いで向かっていた。いるのだが…

 

 

「せ、先輩、大丈夫ですか?」

 

 

「…うん、たいひょうふ(大丈夫)。」

 

 

ぐだ男の頬が真っ赤に腫れていた。なかなか起きない後輩からのお目覚めの連続ビンタを貰ったばかりである。

 

 

「…アヴェンジャー大丈夫でしょうか。」

 

 

ジャンヌはアヴェ藻の事を気にかけていた。彼女の枠に填まらない行動の一つ一つが悪質であり、ジャンヌにとっても自分に害がある対象でしかない。だが何処か放っておけば自爆しそうな不安がジャンヌの内をさ迷っていた。

 

 

「あの娘は強いから大丈夫よジャンヌ。所でアマデウス、何か聞こえない?」

 

 

「…さっきまで大きな地面と木を抉る雑音が聞こえてたけど、今はそれが聞こえなくなってからだいぶ経っているね。」

 

 

「それでは既に決着が着いているのでは!?」

 

 

アマデウスの言葉にマシュは焦りを見せる。

 

 

『いや、2つサーヴァントらしき魔力反応と大きな一つが健在だ。恐らくどれかがアヴェ藻さんで後はサーヴァントか宝具だと思う。』

 

 

「それじゃまだ戦ってる?」

 

 

まだ生きていれば助太刀できる。兎に角急いで彼女の元に行こうと、その場全員の足を早める。

 

 

『もうすぐ森から出るよ!』

 

 

「皆、戦闘準備!」

 

 

「はい!」

 

 

薙ぎ倒された木々、抉れた地面を通り抜けぐだ男の掛け声にサーヴァントは各々武器を構え警戒し…………

 

 

 

 

 

 

 

「ぐへへへ、聖女様スケベしようや………あ。」

 

 

「止めて、離して……あ。」

 

 

「グルルゥゥ…グアッ。《チクショ姐さん…あ。》」

 

 

 

「「「「「……………。」」」」」

 

 

 

藤丸達が辿り着くと、地面に俯せで倒れているマルタの背中にアヴェ藻(淫獣)が覆い被さり尻尾でタラスクをバシッバシッと叩いて地面に埋めていた。アヴェ藻とマルタに関しては少し服がはだけているを藤丸は見た瞬間、目を背けた。

 

 

「……あの~、一旦後ろを向いて頂けませんか?take2やるんで。服を直させて下さい。」

 

 

そうアヴェ藻が言うと藤丸達は後ろを向いた。が…

 

 

「って、そんな状況じゃないでしょ!?」

 

 

後ろを向いた瞬間に此処に何故来たのか思いだしツッコミを入れながら振り向いた。

 

 

 

 

「……ふふふ。もう仕舞いか?」

 

 

「ぐぅ…かはっ…。」

 

 

「グゥ…。《やられた~。》」

 

 

タラスクが仰向けに倒れて、痛々しく全身打撲の後があるマルタの首を片手で持ち上げて頬が切れて血を流すアヴェ藻が笑みを浮かべている。

 

 

「あれ!?あの一瞬で場面が変わった?!」

 

 

「あら?マスター来ましたか。」

 

 

「嘘?!そのまま進めるの?!」

 

 

「…無事でしたか、アヴェンジャー。」

 

 

「ジャンヌ?!目を逸らしたまま乗っかんないで!」

 

 

「…先輩、諦めた方が良いかと。」

 

 

「…うん。」

 

 

藤丸は諦めて気にしないことにした。

 

 

取り敢えずアヴェ藻の尻尾でマルタを拘束し、現在タラスクは大人しくひっくり返っている。アヴェ藻は切り出してきた。

 

 

「それで聖女マルタ、貴女は何をしに此方に来たのですか?監視の役目を放棄して。」

 

 

その言葉にジャンヌとマシュが目を見開く。聖女マルタで反応したのだろう。ぐだ男はさっぱり分からずにマシュに耳打ちしている。

 

 

「…只単に竜の魔女が気に入らなかった、それだけです。その上で貴方達にある事を教えに来たのよ。」

 

 

ある事…それは竜の魔女関連だとこの場にいる物達は察して黙って聞いていた。

 

 

「ある竜殺しのサーヴァントがこのフランスに召喚されているわ。けれど少し前にリヨンで私達と交戦している時にあの小むす…ウゥンッ竜の魔女に呪いを掛けられて弱体化してます。途中で空き家に放りこん…匿って身を隠してますが今どうしているか。」

 

 

『…かなり良い状態ではなさそうだね、でも良い情報だ。まだ現界を保っているなら解呪して戦力になる。』

 

 

「それじゃ…。」

 

 

今すぐ行こう。とぐだ男が言おうとしたらアヴェ藻が掌を藤丸に向けて遮る。

 

 

「マスター君?一先ず休むのが先決。リヨンへなら明日になってからにした方が良いです。その竜殺しが力尽きても先にマスター君が倒れたら元の功もありません故、何なら彼女の様に尻尾にくるまりますか?マシュさんと一緒にロールして良い夢を見せてあげますよ?」

 

 

「余計緊張して寝れないです!!」

 

 

「わ、私はその…緊張しますけど、も、問題ありません。」

 

 

「マシュゥゥゥゥゥッ!?」

 

 

「おやおや。」「ふふ、あらあら。」

 

 

アヴェ藻のからかいに藤丸とマシュは顔を真っ赤に茹で蛸の様になっていた。そして他のサーヴァント達が微笑んでいたり、ニヤニヤしている。その様子を見ていたマルタは笑みを浮かべる。

 

 

「ふぅ…さて私の役目は終えたわ。さあトドメを…。」

 

 

「ええ、約束通り。スケベを条件に()()()()()()()()()()()()()()約束は果たされました。」

 

 

藤丸達はアヴェ藻はマルタとそんな約束を、ましてやこの煩悩狐とそんな危険な約束をしていたのか。とマルタに尊敬の思いを寄せていた。

マルタは祈りにも似た表情で自身を消滅させる一撃を待つ。だがその目の前にはアヴェ藻(悪魔)の笑みがあった。

 

 

「さて、では対価を頂くとしましょう。」

 

 

「…は?」

 

 

「「「「…え!?」」」」

 

 

アヴェ藻以外は何が起きたか分からない表情だ。

 

 

「いえですから対価です。狂化を抑えているのだから、その報酬が欲しいです。」

 

 

相変わらずニタニタとしてマルタを見るアヴェ藻。段々困惑の表情を見せる聖女マルタ。

 

 

「だって、あの芝居だってやったのだから報酬は…。」

 

 

「だって、芝居は芝居でしょ?」

 

 

「「「「「………………。」」」」」

 

 

察した、この場全員が察した。正に狐に化かされた。この狐との約束するというのは自分を皿に乗せる(売る)事と同等なのか。

 

 

「「「「「詐欺だぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」」」」

 

 

「そういうこと!ささ、此所は皆さんが居ますから、向こうの茂みに行きますよ。」

 

 

「嫌よ!そんなんだったら自分で…………!」

 

 

サーヴァントの体だが分からないが舌を噛みきろうとした時、顎が閉まらない。しかも身体中の力が全力で出せない。マルタはこれはアヴェ藻の仕業だとすぐに理解して睨み付ける。

 

 

「おお恐々、舌なんて噛まれたら萎えちゃいます~。何て、強キャラが一方的ってちょっと燃えません?」

 

 

猫なで声の上に変態性を聞いてくるアヴェ藻を誰か止めてくれと思うぐだ男達であった。

 

 

「さてさて、じゃマスター君おやすみなさい。大丈夫、聖女さんはちょっと白目を剥く位に気持ち良くマッサージしながら契約を上書きするんで。」

 

 

「アウトよ!!聖職者としてアウトよ!そんなら他に方法あるでしょ!?」

 

 

「私、気分屋なんで~、あるにはあるけど~………理性と本能の壁、壊してみません?」

 

 

「………だ、誰か助け…。」

 

 

この時マルタは見た。藤丸達(内何名か)が異常なまでに回れ右して早歩きで去ろうとしているのを。

 

 

「ごめん。」

 

 

「御免なさい。」

 

 

「主よ、力無き私を御許し下さい。」

 

 

「頑張ってね、マルタ!」

 

 

「今夜は寝れる曲を弾いてあげるよ。」

 

 

だってそうである。あらゆる女性を食い散らかし、魔力を持つ男性を女性にして食い散らかす。奇跡を乱用するチート煩悩狐を止めようとしたらどうなる?今だって獣の目で藤丸達をチラ見しているアヴェ藻なら食われかねない。

 

 

「…タラスク何とかしなさい!」

 

 

「グルゥゥゥゥゥグルゥ……グガッ。《姐さん体が痺れたみたいに動かなくて…頭に血が…。》」

 

 

「タラスクさんにも呪縛の札を貼らせて頂きました。例え神秘の塊である竜であろうと動けぬような奴を。」

 

 

「…………。」

 

 

「あ、そうそう。最後に一つ……天国見せてあげますよ。」

 

 

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

藤丸達は思った。金輪際アヴェ藻からの誘いは警戒しよう。例え敵だろうと聖女は身を挺して自分達に教えてくれた。今は無力を噛み締めよう。だけど一言言いたい。本当にごめん。

 

 

「あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁぁぁぁぁ…。」

 

 

藤丸達が寝に入る頃に、一つの女性の悲鳴に似た遠吠えがフランスに響き渡った。

 

 

 

 

 

 

《アヴェ藻》『我のターン!!』

 

「…っほ、いやはや美味でした。」

 

 

「あ……あぁ……あっ……。」

 

 

アヴェ藻はホッコリつるすべの表情をして自身の尻尾ベッドに仰向けに脱力する《=表現的にアウトライン=》な聖女マルタさんを見て微笑む。

 

 

「もう少しですね、日の出までまだ時間はありますが~。此所は徹底的にやりましょうか。」

 

 

「あ、あぅ…あ、ぁあ…。」

 

 

アヴェ藻がニタリッ!と表情を見せるとマルタは歯をカチカチと鳴らしてへっぴり腰に後退しようとしている。その様子にニタニタとし始めた。

 

 

竜の魔女(ルーラー)をマスターに魔術王が分け与えた魔力炉の聖杯。否、他にも魔力炉成りうる何かがある。魔力に混ざり物が含まれている。まぁ竜の魔女と名乗るのだから竜種の、それも巨大な何か。そんな事はどうでもですね。」

 

 

力が入らずゆっくりと退くマルタを這い寄って近づくアヴェ藻。

 

 

「く、来る、な…ひぃ!」

 

 

すぐに近寄ってマルタに覆い被さるアヴェ藻、その表情は凶悪に笑みを浮かべ、とても冷たくも少し罪悪を感じる雰囲気を出していた。

 

 

「貴女は狂化を付与されて召喚された。狂化はある程度の強力な、それも契約を破棄させる程の神秘でなければ取り除けないでしょう。それも今のマスターは竜の魔女です。」

 

 

「あ…うぅ……だっ、たら…さっさと、ごろぜ!」

 

 

理由の分からない屈辱を受けてマルタは消耗した筈の精神が怒りに満ちて、涙鼻水混じりにアヴェ藻に叫んだ。それを見て感心した、というより当たり前と思わせ振りな表情をしている。

 

 

「霊器が保たなければそれで分霊はこの特異点より退去する。何て、私も知ってます。が……

 

 

 

……それだとつまらないのですよ。」

 

 

「っ!!」

 

 

つまらない、つまらないと言った。此れまでの自分がしてしまった事の罪悪を、自身の覚悟を、今現在行われてる屈辱を、つまらないと言った。此れにはマルタは怒りで満ち溢れる。

 

 

「あ"んだは!ひどのこころ"がわがらないの!?」

 

 

力一杯叫ぶ。怒りで精神が燃え尽きる勢いでアヴェ藻に怒鳴りつける。

アヴェ藻により張られた抑制の札を力ずくで引き剥がそうとする。

だが直ぐにアヴェ藻に両手首を掴まれ、頭の上に拘束される。それでも負けじと拘束を解こうと力を込めながら睨み殺そうとする位に怒り表情を表す。

当のアヴェ藻は構わずにマルタに視線を合わせる。

 

 

「人の心が分からないか?そんな事はありませんよ。だからこそこんな事をしているですよ。」

 

 

「ッ!?」

 

 

アヴェ藻はマルタの目線から段々首筋に顔を移動させる。

 

 

「只只己が快楽を得ようと虚しく、魔力を得ようと只血肉を食らわば良かろうて。そんなものでは心は満たされぬ。寂しく独り善がりの只の肉塊(機械)であろう。」

 

 

「うっぅ!」

 

 

首筋に顔を埋め、両手で拘束するマルタの手首を片手に持ち替え、空いた手で体をなぞりなが顔を下へ移動させる。

 

 

()()()()()()()()()()孤独は不変なり、胸の内に空きし虚空は埋まる事もなし。故に我は抱く、あらゆる美姫を。そして…

 

 

 

その心を肉体と共に我は頂こう。」

 

 

今度はマルタの手首を拘束している手を離し、左腕を肩から背中に回しマルタを抱き起こして右手で顎先を支えて顔を合わせる。そして唇と唇が近づいていき…

 

 

「ふん!」

 

 

「グらたんっ!? 」

 

 

がら空きになったマルタの右手からアヴェ藻の頬に右フックが決まった。

 

 

「いい加減に…フゥフゥ…しなさい、よ、貴女…。」

 

 

「…………。」

 

 

マルタはアヴェ藻から少し離れ、左手を地面につき上半身を支え、息を切らしていた。対するアヴェ藻は左頬を手で抑えていた。

 

 

「貴女が、何度、誰を、抱こう、と、貴女は、満たされない、わ。」

 

 

「…………。」

 

 

アヴェ藻は無言のまま立ち上がり、マルタを警戒を強める。そしてアヴェ藻はその場で立ち止まりマルタを見つめ…

 

 

「痛いじゃないですかぁ!いきなり過ぎて身代わり用意する暇なかったですよ!」

 

 

「…………。」

 

 

このキャラ変わりにマルタもポカーンとした。これがアヴェ藻である。

 

 

「しかも理性が復活してきてるし、やっぱり下手に言葉並べては駄目ですね。うん、マッサージのレベルをあげるか。」

 

 

 

そしてジリジリとマルタに近寄るアヴェ藻。その光景は正に犯罪者である。

 

 

「まっ、待ちなさ…。」

 

 

「それと…。」

 

マルタの顔の前に指をビシッと突きつける。

 

 

「満たす満たされないの以前に()()()()()()にはそれしかないんです。獣の如く血肉を食らって魔力得ようとしたら其こそ私のソウルは獣に堕ちます。しかも復讐者(アヴェンジャー)クラスですよ?加算されやすいんですよ。其処は理解するように。」

 

 

「…………。」

 

 

とても曖昧、これ事態の行為が存在の保持の為、化け物であるが故に人と証明する唯一の方法…

 

 

「まぁ大抵は魔力欲しさと美女の体を求めてですけどね。ジュルリッ。」

 

 

「結局そこか!?」

 

 

「では続きといこうか。」

 

 

「ちょっと待ちなさい!」

 

 

「…はい待った。対価を頂こう!」

 

 

「完全に横暴じゃないの!?」

 

 

「大丈夫、今度はガクンガクンさせてラメェなんて言えない程に気持ち良くしてあげるから。」

 

 

「それの何処が大丈夫なのよ!」

 

 

「逝くぞドラゴンライダー!理性の耐久力は充分か?」

 

 

「本当にお願いします止めて下さい。」

 

 

行くぞ!(頂きます!)

 

 

「いや、来ないで、ああああああああああああ!」

 

 

そしてマルタとアヴェ藻の長い夜は続くのであった。

 

 

「あっ、取り敢えず式を三枚ほど飛ばしときますか。」

 

 

アヴェ藻は人型の式紙を三枚空へ飛ばして、式は暗い夜空へと消えていった。




次回ッ!!


「見~た~なー?」

「「!??」」


「行け!これぞ必殺!」


「ウオオオォォォォォッ!!」

男性と分かるようにぐだ男で表記していますが藤丸立香とぐだ男のキャラ表記をどっちの方が観やすいですか?

  • 藤丸立香に変更
  • ぐだ男のままで
  • 敢えて藤丸ぐだ男にする
  • 藤丸立香(♂)と表記する
  • そこまで気にしない

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