チート級最強サーヴァント、アヴェ藻の前!蹂躙致します!(魔力供給的な意味で。)   作:ヘタレ蛇

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思ってみた事を全力で文章にしてみました。
途中此処が違うって言う所があったら
御指摘お願いします。

※すまない、リヨンの前にラ・シャリテだった。本当にすまない。すんませんでした。


特異点旅歩き
この女性、見境なし


第一特異点、邪竜百年戦争オルレアン

 

ラ・シャリテの街から離れたの森。

 

 

「ふふふ、こうやって旅をするのもいいわね。アマデウス。」

 

 

「そうだねマリア、でも僕は生前色んな所を回ったけどワイバーンや骸骨なんて出てこなかったよ。」

 

 

森の中を今にもキラキラしそうな王妃様と名の知れた天才音楽家が揃って歩いている。

現在、聖女ジャンヌダルクが竜の魔女になって蘇り、フランスの街をワイバーンを従えて破壊と虐殺をしている。フランスがワイバーン、虐殺された人々がゾンビ、骸骨になり這い回っている。

 

 

「こういうハラハラドキドキの旅っていうのもたまには良いんじゃないかしら。貴女もそう思わない、頼もしい()()()さん。」

 

 

王妃様、マリーアントワネットが用心棒と呼んだのは二人の後ろを歩いている西洋の服装からは浮いた、黒の肩だし巫女服を纏った女性であった。しかもハートのサングラスを掛け、長いピンクの髪を頭で盛り、黄色い狐の耳と尻尾を生やした何とも浮いた存在だった。それもそのはず、この女性を含めたこの三人はサーヴァントである。

 

 

「ある種正解ですけどね、マリー王妃様。でもハラハラドキドキなんて、常日頃味わえば安息が欲しくなるものですよ。たまにで少しの刺激が必要ですが。」

 

 

その用心棒と呼ばれた女性は「うーむ。」と悩んだ様子でマリーの質問に答えていた。

用心棒はサングラスを少し下にずらし、視線をマリーに向ける。

 

 

「あぁ刺激と言えば王妃様、今晩は私と二人で刺激的な事を…。」

 

 

「なんて誘い方をしてるんだい君は。言い方も見た目も犯罪臭しかしないよ。」

 

 

女性はマリーにナンパした。しかもかなり直球な内容にアマデウスは自身の思った感想を口にする。

 

 

「失礼な。綺麗なご婦人をナンパせずして何が美人か。幼き時のプロポーズでの縁でいる妻子持ち音楽家は営みの音を上書きするようBGMを奏でてください。」

 

 

とアマデウスの言葉に女性はまるで集った蝿を払うようにシッシッと手で払う。

 

 

「うん、君が言ってる事は分からないけど内容は掴めたよ。でもね…」

 

 

「ふふふ…そうね、その申し出は。」

 

 

チュッ!

 

 

アマデウスが何かいい掛けた瞬間、マリーは女性を引き寄せ頬にキスをする。

 

 

 

「残念だけどこれ以上は貴女にはまだ早いわ。子供っぽい可愛いらしい御誘い有り難うね!ヴィヴ・ラ・フランス!」

 

 

「…ね!」

 

 

「……ハハハ、なかなかガードが硬い事で。今度は木と間に挟んで攻め寄ろうかな。」

 

 

「結構めげないね。彼女は既婚者だけど?」

 

 

「其処が燃えるんじゃないですか!」

 

 

「えぇ…。」

 

 

と、この女性、煩悩をさらけ出しながらマリーとアマデウスをワイバーンや骸骨から守っていた。

 

 

「今日も晴れているわね。」

 

 

「………そうスッね。」

 

 

木陰から見える太陽を見上げ何気なく言ったマリーの言葉に女性は遠くを見るように睨むように太陽を見た。間の空いた返事から嫌悪の感情が若干含まれていた。

 

 

その時、女性の狐耳がピコピコした。アマデウスも真剣な顔になる。

 

 

「アマデウスさん、今のを感じました?」

 

 

「あぁ、ワイバーンの他に激しい鉄を撃ち合う音がする。しかも音からするにどちらも勢いが落ちない。此処から遠くない所で戦っているようだね。」

 

 

「此処からでも魔力が感じられますね。恐らくサーヴァント同士が衝突しあっている。と考えられますね。」

 

 

「まぁ、それじゃ助けに行きましょう!」

 

 

「ふむ、まあ王妃様がそういうなら。」

 

 

「あまりお薦めできないけど、戦っているの竜の魔女でその対抗勢力が相手だと無かにはできないね。」

 

 

マリーの護衛と付き添いである女性とアマデウスはマリーの提案に妥協しながらも賛成する。悪魔で雇い主、の意思を尊重する、という名目の基である。報酬のマリーの天使のキス、またはそれ以上の下心で動いてるわけではない。

 

 

絶対とは断じて言わないのデアル!ニンジンにかけて!

 

 

「それじゃ決まりね、さぁ乗って!」

 

 

マリーが宝具、ガラスの馬を出し、二人を乗るよう呼び掛けるアマデウスはマリーの後ろに乗った。

 

 

「では私が先行させて頂きます。お二人は馬で来て下さい。」

 

 

女性が二人から少し離れると魔力を解放していく。すると女性の体が毛深くなった。というのはかなり失礼なので解説、女性の体は徐々に変化していく。綺麗な白い肌には金毛に覆われ、細かった指は筋肉が帯びたように強靭に爪は鋭く、引き吊る口元から鋭い牙を見せる。耳と尻尾が一回り大きくなった。これが女性のスキル、《変化》である。

 

「……では参ります。」

 

 

魔力を纏わせ、クラウチングスタートで周りが突風のように吹き荒れ、疾風の如く二人から離れていく。

 

 

「まぁ、もう見えなくなっちゃったわ。」

 

 

「そうだね、このままだと置いてかれちゃうよ?マリア。」

 

 

「ふふ、そうね。それじゃ行きましょ。」

 

 

ガラスの馬も駆け始める。先行した女性に負けない位の速さで走っていく。

 

 

「それにしても、誘い方が可愛らしかったから少しからかっちゃったわ。」

 

「…あのまま受けちゃったら気持ちを抑える曲でも奏でようかと思ったけどね。」

 

 

 

 

《謎の女性》

 

 

女性は森を駆け抜けていく。まるで茂みを駆け抜ける獣の如く、感じる魔力を目指して駆け抜けていく。魔力を帯びた体は爆発的に加速していく。

 

 

「…ああ、イチャコラ(魔力供給)したいな~。」

 

 

煩悩主体である。

 

 

やがて森を抜けると、大きな砦の周りに多くのワイバーンが飛び回っていた。既に何匹かのワイバーンが女性に気付いており接近してくる。女性は一気に近くのワイバーンに飛びかかる。

 

 

 

「まず一匹っ!!」

 

 

ワイバーンの目を狙い、強靭な手に生えた爪で引き裂いた。瞳を傷つけられたワイバーンはバランスを崩す、そのワイバーンを蹴り飛ばし別のワイバーンに飛び移り、再び目潰しを行っていく。

 

 

「…四!からの奥義!もっふもっふテール!!」

 

 

殆どのワイバーンを引き付けたのを確認した女性は地に降り立ち、迫りくるワイバーンをいきなり肥大化した尻尾を鞭の如く凪ぎ払う。ここで一句。

 

 

「…尾っぽにて、蜥蜴を落とす、蝿叩き。座布団より魔力(メチョメチョ)を……。」

 

 

肥大した尻尾はワイバーンを凪ぎ払うのに充分な鞭であり、当たったワイバーンは他のワイバーンとまとめて凪ぎ払う。

 

周囲に飛び回るワイバーンが居なくなると尻尾を元の大きさに戻し

女性は走り出して向かうは襲撃されている砦。砦の壁の側まで近付くと跳躍し、砦の上に上がる。

 

 

「さてと…どんな………あり?」

 

 

砦の上から見る様子は、さっきまで乱闘していたであろう異国の騎士やら聖職者やら魔法使いやら一般ピーポーやらが女性に注目していた。イヤー人気者は辛いのである。何て事は微塵も思ってはなく。頬をポリポリと掻いていた。

 

 

「やっちったかな…でもまぁ。」

 

 

そんな事は御構い無く夜露姿苦(ヨルロシュツスガタクルシュウナイ)でジロジロと自分を見てくる人々を見ていく。

 

 

「ふむふむ……おっ、アイツにしよう。」

 

 

その中で大きな盾を持つ少女と戦う()()()()()()()()()()()()()に目を付ける。

 

 

「ではでは…………じゅるり。」

 

 

思わず口から出てきた大量の汗を袖で拭い、砦から飛び降りる。

 

 

 

 

《藤丸》

 

人理保障機関カルデア、その最後のマスターで藤丸立香は自分が召喚または今の特異点で会ったサーヴァント、ジャンヌ・ダルクと協力し特異点の修復に赴いていた。

 

ワイバーンの群れに襲撃されたリヨンの街を訪れた藤丸達一行にサーヴァントとワイバーンに襲撃された。

 

 

竜を従えてフランスを襲う竜の魔女である黒いジャンヌ・ダルクが自身が召喚し狂化を付与したバーサークサーヴァントを引き連れて。

 

 

そして現在、サーヴァント同士の乱闘の中、自分を先輩と慕うデミ・サーヴァントのマシュ・キリエライトを心配の眼差しで見つめる。

 

そんなマシュを竜の魔女側の西洋の中性的な顔の騎士のサーベルの剣舞が襲う。

 

 

「うっ!…はぁ!」

 

 

「……ふっ!」

 

 

騎士の斬撃をマシュは大盾で防ぐが一撃一撃が、早く、鋭く、そして…

 

 

「はぁ!」

 

 

「くぅ!?」

 

 

そして重い。この騎士、シュバリエ・デオン(バーサーク・セイバー)は華奢な体付きだが筋力:Aである。マシュは大盾に来る衝撃に体が押されている。それを見てデオンは目を細める。

 

 

「なかなか硬いね…。」

 

 

「はぁはぁ…はぁ!」

 

 

マシュも負けずに大盾を振りかぶりデオンにぶつける。

 

 

「甘い、そこっ!」

 

 

「くっ!きゃああ!!」

 

 

デオンは攻撃後の隙を斬りかかる、マシュは素早く大盾で防ぐが二撃目で大盾を後方に弾かれてしまう。

 

 

「うっ…。」

 

 

「さて、これで終いだ。」

 

 

デオンはサーベルをマシュの首もとに添える。マシュが大盾を振るう前にサーベルの刃が首を切り払うだろう。

 

 

「マシュ!!」

 

 

目の前で後輩を失う現状に焦りを掻き立てる。喪失を恐怖し、無力に絶望しようとしていた。

 

 

「まず1人…。」

 

 

「うっ…!」

 

 

マシュも目の前の恐怖に目を瞑る。サーベルに力が入り首を………

 

 

 

 

切り払う事はなかった。

 

 

藤丸も切り払おうとしないデオンに焦りから疑問を浮かべ始める。マシュもいつまでも来ない痛みに目を開ける。

 

 

デオンは明後日の方を見ていた。

 

 

よく見ると他のサーヴァントもお互い警戒しているがデオンと同じ方向を見ている。

 

 

マシュもぐだ男も同じ方を見る。

 

 

砦の上から見下ろす乱入者を。

 

 

『藤丸君!新しいサーヴァント反応だ!近くにいる!』

 

 

管制室にいるロマニ・アーキマンが藤丸に呼び掛ける。その場にいる者達は新たに現れたサーヴァントに警戒の表情を見せる。

 

 

 

「サーヴァント!」

 

 

「私の召喚した奴じゃないわ、只のはぐれサーヴァントね。」

 

 

「敵か?それとも…。」

 

 

 

其々が反応を見せる。すると砦にいた狐耳と尻尾の女性サーヴァントは砦から飛び降りる。

 

 

「とぉう!」

 

 

女性はYの字に着地する。が…

 

 

グギリッ!

 

 

「うきゃう?!」

 

 

痛々しい音が場に響き渡り、女性は倒れる。そして自分の左足首を抑える。場に沈黙、或いは滑稽・見下し気に嗤う者と様々だ。

 

 

「いたたた、少し恥ずかしい。」

 

 

だが女性は立ち上がり、黒を基調にした露出の激しい肩だし巫女服を整え、ズレたハートのサングラスを掛け直し向き直る。頭の上で盛ったピンクの髪の両脇から狐耳と腰から狐の尻尾を生やした通常のサーヴァントではない事が分かる。

 

 

「えーと、どうも皆さん。初めましての方は初めまして。ではこの場にいる女性の皆様方…

 

 

 

今から私と魔力供給、しませんか?」

 

 

 

「…………は?」

 

 

この言葉を言ったのは誰だったのだろう。でもこの場にいる誰もが思った事だろう。あの女性は魔力供給をしないか?とこの場にいる皆に言ったのだ。しかも女性限定、はっきり言って意味がわからない。

 

 

 

「は、ハハハ!滑稽だわ!私の残り滓の次に貴女は面白いわ!いきなり現れて魔力が欲しい!?ハハハ!はぐれサーヴァントも惨めなものね!」

 

 

すると竜の魔女は乱入者である彼女を嘲笑う。その配下のサーヴァントも呆れか可哀想な表情を浮かべている。竜の魔女はお腹を抱える仕草からスーッと冷たい表情になる。

 

 

「消えなさい虫けら。」

 

 

魔女は言い放つと、女性は何かを弾くように手を振り払う。振り払った女性の手が赤く少し焦げた後があった。それを見た魔女は驚きを隠せない。

 

 

「呪詛を掛ける事ができるとは、随分と面白い手品です事で。」

 

 

「っ!食らえ!!」

 

 

魔女は腰に指した剣を抜き振り払い、憎悪の炎を女性に向かって走らせる。炎は女性に直撃する。

 

 

「あれれ?それが貴女の本気ですか?」

 

 

女性の肥大化してガードした尻尾にだが。尻尾は燃え続けている。

 

 

「随分と熱苦しい炎な事で……なるほど憎悪ですか。ですが…。」

 

 

燃えている尻尾を地面に叩き付け炎を払う。そしてユラリと揺れ動く。

 

 

「…どうでも良いです。」

 

 

「なっ、どうでも良いですって!?」

 

 

魔女は驚愕し怒りを覚えた。何故なら自分の炎が簡単に消されたのもあるが、自身の原動力である憎悪をどうでも良い。と言ったのだ。

 

 

「どうでも良い。何故なら他人の憎悪なんて当事者でしか分からない。それを力で、態度で見せる。別に構わないですよ、ええ。信頼した方々から裏切られ辱しめを受け罵倒され殺される。それは憎悪の塊になりましょう。が…

 

 

 

たかが国一つを恐怖させ絶望させ滅ぼすだけの()()()()()で我が()()()()()をすら燃やす事もできぬ小娘が…片腹いたし!」

 

 

片手を顔に被い、バギッ!とハートのサングラスが砕け隙間から見える憎悪の瞳で竜の魔女を嘲笑う。

 

 

「!あぁぁっ!?腕が…!」

 

 

突如、竜の魔女が苦しみだし左手から剣を離し、右手で旗を持ちつつ抑える。その場の警戒の色が濃くなる。

 

 

「呪詛なら我も得意ぞ、小娘よ、参考にすると良い。」

 

 

竜の魔女は左手に掛けられた呪詛からくる痛みを耐えながら女性を睨む。

 

 

「さて………うーん!魔力も減ってきた事ですし~。」

 

 

とさっきのシリアスからうって代わって女性は背伸びをして…瞳をキラつかせる。

 

 

「それでは………頂きます!」

 

 

女性は突風の如く飛び出す。その行く先は…。

 

 

 

「マシュ!」

 

 

「!でいやぁ!」

 

 

「くっ!?」

 

 

そのマシュとデオンの方に飛んで行くのを見て、藤丸はマシュに呼び掛ける。マシュは大盾でサーベルを持つ手を弾き、降り下ろして押し出す。デオンは迫ってくる女性に気を取られ諸に大盾の衝撃を受けて後方に飛ばされる。すぐにデオンは体勢を戻すが顔を上げると…

 

 

「はぁい!」

 

 

女性のすぐ其処に顔があった。

 

 

「…!やぁっ!」

 

 

デオンはサーベルを振るうが…

 

 

「…残念。」

 

 

「…ウッ、ぐあっ!!」

 

 

サーベルを持つ右手ごと女性は左手で掴み、左手でデオンの首を掴み、近くの崩れていない民家の壁にぶつける。女性はニタニタと掴んでいる首と右手に力を入れる。デオンは苦しそうな顔をして左手で首を掴む手の手首を掴み始め、サーベルを掴む右手も力を入れて引き剥がそうとしている。デオンの筋力:Aであり、スキル:自己暗示で持ってる全てで抵抗する。

 

 

「ふむむ、華奢に見えて力強い。だが…。」

 

 

「ぅぅ、あぁっ!!」

 

首を掴む手を離し、負けず劣らない力でデオンの左手を段々離していき、尻尾で左手の肘を壁に押さえ付ける。

次にデオンは履いているヒールで女性の脚を蹴ろうとする。かなり強化された筋力で来る蹴りはヒールが脚に刺さってしまうだろう。が女性はデオンの脚の間に自身の脚を入れて更に身体を密着させる。

 

 

「でゅっふっふっふっ~。もう成す術無しですか?」

 

 

体と体が密着している状態で女性はデオンの顔と同じ位置に合わせる。デオンは殺気を濃くさせる。

 

 

「私から離れろ!この獣が」

 

 

Chuっ!

 

 

戦場にはあまり似つかわしくない音が響き渡る。再び戦闘を開始したサーヴァント達も視線を向ける。それを見て呆然とした。

 

 

「…!……むっ…むぅっ……むぅぅ!!」

 

 

「ちゅ…ちゅ……ぅむ……ちゅ!」

 

 

女性とデオンは唇と唇が合わさっていた。デオンはいきなりの出来事に間が空いたが抵抗しようともがくが、その間にも女性はデオンを押さえ付け唇合わせ続けている。つまり(キス)なのである。

 

 

「…むぅ……むぅぅ!…うぅ…うっ…。」

 

 

長く、長く、其処だけ時間が長くなるよう長いキスを続けていく。さっきまで呆然としていた藤丸も段々顔を赤らめ、マシュや白と黒の旗持ち聖女二人は既に頬を赤らめ、他面々は何とも言えない表情をしている。

デオンも抵抗の力が抜け始め、女性は手首を掴まれた右手を無理矢理デオンの左手から外し、その右手でデオンの顎先を掴み、唇を離す。

 

 

「はぁ…はぁ…貴様…。」

 

 

「ふふふ、顔を赤らめてその反発の表情、良い顔ですね。」

 

 

デオンは長いキスに呼吸するその表情は顔を赤らめて女性の事を睨み付けている。

 

 

「むぅぅ!?…むぅ……うぅぅ…。」

 

 

更に唇を重ね始めて、これ以上辱しめを受けて堪るか、とデオンは抵抗を見せる。顎先を掴まれ顔を背ける事ができない。

 

 

「ちゅ……ちゅ…はぁ…ちゅ…。」

 

 

「…うぅ……ぷはっやめっ…むっ…。」

 

 

「もきゅ…もきゅ…もきゅ…もきゅ…。」

 

 

「むっ…むうぅぅぅ!…ぅぅ…むぅぅ!」

 

 

藤丸は思った。途中から女性からする音が可笑しいとかデオンがかなり女性のペースに乗せられてるとか、大まかに纏めた事を思った。

 

 

「これ、捕食だ…。」

 

 

今さらである。

 

 

 

《謎の女性》

 

 

「むぅ……ぷは……ふふふ、補給完了。」

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…。」

 

 

女性は微笑む、凛とした顔が緩み頬を赤らめて肩で呼吸する目の前のデオン()に。

 

すると女性の右手はデオンの顎から、ススゥ~…とどんどん下に持っていく。デオンは警戒して女性の右手を見ている。そして女性の右手がデオンを下腹部をちょっと通り過ぎて、女性は右手を…くわっ!!と開く。

 

 

「なっ!…何をする気だ!」

 

 

「何ってこの位置ですし、この状態で私の右手も興味で真っ赤に燃えますしお寿司。因みに、君は男?女?(どっちだい?)。」

 

 

右手を複雑にワキワキさせながらデオンに近寄り耳元でそう嘆く。いよいよ持って貞操云々が危機的に晒されそうになる事に焦るデオン君ちゃん。

 

 

「っ…止めろ!離せ!」

 

 

「…ふぅ~。」

 

 

「っ!?」

 

 

「私的には女の子(オンニャノコ)の方がいいんですが、付いてたらモキュッ!として男の娘(オトコノコ)にしてあげますよ!なので…自己暗示で男になぞになるでないぞ。」

 

 

抵抗するデオンの耳に息を吹き掛けて、盛大に脅迫する。この女性、完璧な犯罪者である。今、正にデオンの公開処刑が始まろうとしていた。

 

 

「ではでは早速…とりゃあーーー!!」

 

 

「止めろぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

始まった。勢いよく女性の右手はデオンの下腹部の下、つまり股にへと手が…

 

 

 

「ハレルヤッ!!」

 

 

「グ〇コッ?!」

 

 

…延びなかった。デオンが女性の魔の手(物理的な意味で)に掛かる前にバーサーク・ライダー、聖女マルタの鉄拳が女性の脇腹を殴り、女性は砦の壁に激突する。

 

 

「公共の場で何してんのよ!堂々とヤろうなんていい度胸ね…!」

 

 

さっきまで杖を持っていたマルタは両手をポキポキと鳴らしながら女性を見据える。いきなりのギャップを現した聖女に周りは沈黙である。因みにマルタの杖はさっきマルタが居たところに置いてあり、女性はマラソン選手の如く壁にゴールしていた。

 

 

「はっ!?……ウッウン…主の御告げがありました。これ以上はいけないと…セイバー、大丈夫ですか?」

 

 

「はぁ…はぁ…アイツ殺す…!」

 

 

マルタは聖女らしくない事に気付き姿勢を正しデオンに問いかける。デオンはサーベルを杖にして膝を付き女性に殺気を向けていた。女性は一行に動かない。きっとマルタの拳が霊器に届いたのだろう。これで1騎目が脱落…。

 

 

すると女性はボフンッ!と煙を立て、煙が晴れると其処には人型の小さい紙が落ちていた。誰もが豆鉄砲を食らった顔で…マルタの肩に後ろから誰かが叩いた。

 

 

「私が何時其処にいたと錯覚していた?」

 

 

「ッ…!」

 

 

マルタは振り返り際に拳を突き出す。が背後には誰も居なく拳は空を切った。確かに背後から女性の声が聞こえた、デオンもマルタと同じ方を見ている。

すると今度はマルタの両肩、ほぼ胴の正面から肩を叩いたのである。

 

「ッ!」

 

 

マルタが振り向き、拳を突き出そうとした。

 

 

Chuッ。

 

 

「むっ?!」

 

拳を突き出す前に両肩にあった手はマルタの両頬を包み固定し、女性はマルタの唇に唇を合わせた。これはマルタも殴るのを忘れ、周りも空いた口が塞がらない。

 

 

「…………んっ…。」

 

 

女性は色っぽく更にマルタに密着し、顔を深く近づける。その瞬間、マルタは理性が復帰した。

 

 

「………………。」

 

 

いひゃあ?!(痛ぁっ?!)いひゃい!(痛い!)ひひゃほははゃして!(舌を離して!)

 

 

突然、女性が痛がりマルタから離れようとする。だがマルタが女性の舌を噛み続け離れず、尻尾をバタバタさせている。

 

 

「たりゃひゅくっ!?……。」

 

マルタは無言の腹パンを決めた。マルタは女性の舌を離して、女性は脱力し地面に倒れる。籠手を着けた腕で口元を拭いてマルタは冷えた視線で女性を見下す。

 

 

「…最低だわ。」

 

 

「ライダー、僕もやっても良いよね。」

 

 

続いてセイバーも黒い笑みを浮かべてサーベルを持っている。まるで養豚場の狐を見るような目だ。今度は首が転がるだろう。

 

 

「不味い、マシュ!」

 

 

「は、はい!」

 

このままでは味方になってくれるだろう戦力が1人消えてしまう。その前に助けようと、ぐだ男はマシュに呼び掛ける。

 

 

ボフンッ!

 

 

「「「「…!!」」」」

 

 

がまたもや地面に倒れていた女性の体が煙を吹き出し、一枚の人型の紙になってしまった。

 

 

「…ふっふっふっ。」

 

 

またも女性の声が、と視線を向けると女性は居た。

 

 

竜の魔女(ジャンヌ・ダルク)に首と腹に手を回して。

 

 

「ひっ!?は、離れなさい!!」

 

 

「ふふふ……ふぅ~。」

 

 

「ひゃっ!?」

 

 

「あら?可愛らしい。」

 

 

まだ竜の魔女の左腕が呪詛に掛かっている状態で女性は魔女に抱き付くようにして耳に息を吐いて楽しんでいる。

 

 

「随分と嫌われてしまいましたね。其処の騎士様は入れても抵抗しなかったのに。」

 

 

「なっ…貴様!」

 

 

「ひぃっ!や、止め…。」

 

 

衝撃の告白にデオンの顔がみるみる赤くなる。そうしている間にもジャンヌの耳をハムハムしていた。

 

 

「ぱぁ…見たところドラゴンライダー、だから無頓着な事で…いや、案外初物かも。」

 

 

「………。」

 

 

「このっ!!」

 

 

女性の感想にマルタは表情が見えないが拳を握り音が鳴っている。女性がジャンヌの耳を離すと、ジャンヌは自分の周りに炎が吹き出す。それを女性は飛び上がり避けると少し離れた所で着地する。

 

 

「でもまぁ…。」

 

 

唇に人差し指を当てながらデオンとマルタに振り返り、両手の平を合わせて…

 

 

「甘美な魔力、ゴチになりました~。」

 

 

満面を笑みを浮かべて。

 

 

「「絶対、殺ス!!」」

 

 

デオンとマルタからの殺気がかなり上がった。それでも尚、女性はニコニコと笑っている。今までの状況を見たら女性に遊ばれている、と思う半面、この女性はかなり強いと理解する。その為、気の抜くことができない。

その中で竜の魔女(ジャンヌ・ダルク)は目の前のイレギュラーに苛つきを示した。

 

 

「何、一体何なのよ!いきなり現れて何がしたいのよ!!」

 

 

「何だ、ってか?ならば言って差し上げよう。」

 

 

一歩踏み込み、下駄の音を鳴らし、場に木がぶつかる独特と音が響き渡る。女性は笑みを浮かべながら声高らかに言う。

 

 

「我は東国の命に支えし寵姫

だがその本性は白面金毛九尾なり

幾多の婦女子を拐っては食らい

軍勢を壊滅させた大妖狐

今は反英霊の身に置いて

数多の婦女子と魔力供給カッコ物理を

味わいたいがぁ為!

魔力を集めていざ打倒天照!

できればサーヴァントの女性と永遠魔力供給したいなぁ

特に裁定者(ルーラークラス)の女性!

我が憎悪の、復讐の、欲望の為に…

皆さんの魔力を下さいな!

クラス!アヴェンジャー!真名、玉藻の前!

此処に見参!

あっ呼ぶときはアヴェ藻でもアヴェッ孤でも呼んで下さい!」

 

 

「「……………。」」

 

 

女性の演説を聞いて何とも言えない空気になった。さっきまで女性に殺気立てていた二人も「馬鹿なのかコイツ」みたいな事が頭を過り、思考が冷め、殺気が若干薄まる。

一方ルーラークラスのW(ダブル)ジャンヌは自分が特に標的対象になっている事に身の危険を感じていた。

 

 

「さぁ、掛かってこいやサーヴァント共!因みに女性は半殺しにしてそのまま楽しみます。男は駄目だ。貴様の物をモキュッ!簡単処理しましょう。あぁ、ボス(竜の魔女)さんはメインディッシュ。これだ!」

 

 

この女性、アヴェ藻は手をクイックイッ!としながら周りにいるサーヴァント達に挑発する。ほぼ下の事ばかり言っているが、此処でカルデアとのサーヴァント相手に戦力を分ければ各個撃破される。やるなら一斉に、袋叩きに、だが先程の事を考えれば回避されるだろう。

化かす狐ほど侮れない物はないだろう。

一方アヴェ藻はチラチラと竜の魔女を…

 

 

「退け!撤退!撤退よ!」

 

 

「…あれま?」

 

 

竜の魔女は飛行可能なワイバーンに乗って帰っていった。颯爽と帰っていった竜の魔女を見ていてガックリ肩を下げるアヴェ藻。するとアヴェ藻はマシュやジャンヌ等に向き直り…

 

 

「………ねぇ其処の御嬢さん方、私と今夜刺激的な事を」

 

「いや、見境なしか!」

 

 

藤丸はツッコミを入れるしかなかった。




取り敢えず、ステータスを作り始めないと。(今更)

男性と分かるようにぐだ男で表記していますが藤丸立香とぐだ男のキャラ表記をどっちの方が観やすいですか?

  • 藤丸立香に変更
  • ぐだ男のままで
  • 敢えて藤丸ぐだ男にする
  • 藤丸立香(♂)と表記する
  • そこまで気にしない

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