邪悪の化身、異変と出会う
--紅魔館 大図書館--
パチュリー「…」パラパラ
6部DIO「…」パラパラ
パチュリー「…ねぇ」
6部DIO「…何だね?」パタン
パチュリー「魔術の本なんか読んでるけど、興味あるの?」
6部DIO「あぁ…この【念じればナイフが出る】という現象について調べていたんだ」
そう言うとDIOはパチュリーの前でナイフを出して見せた。
パチュリー「なる程…で、どんな魔法なのか分かったの?」
(魔力の塊…創造魔法の類かしら)
6部DIO「調べてみたところ【創造魔法】か【転移魔法】のどちらかだと思うのだが…」
パチュリー「っ! …だが?」
(魔法初心者でそこまで見抜けるなんてね)
6部DIO「どちらかの判断が出来ない…」(´・ω・`)ショボン
パチュリー「…」クスクス
影DIO「…笑わなくても良いだろう?」
パチュリー「…教えてあげましょうか?」
DIO「良いのか!?」( ・∀・)ハッ
パチュリー「まぁ少しくらいなら…ゴホッゴホッ!」
DIO「…少し待っていろ」
DIOはそう言い残し、図書館を出ていった。
パチュリー「うぅ…薄情者…ゲホッ!」
--紅魔館 キッチン--
DIO「紅茶は…あったあった」
DIOが今何をしようとしているかというと、喘息に良い飲み物づくりである。
レミリアからパチュリーの喘息を聞いていたDIOは、もし発作が出たら何かしてやろうと思っていたのだッ!
DIO「フム…フォートナムメイソン? 知らんな」
そう呟くと、DIOはお茶の葉をポットに直接入れ、お湯を一気に注いだ…
咲夜「フフンフンフン…あら、何をしているのかしら?」
DIO「咲夜か、見ての通り紅茶を入れているのだが?」
そう言われた咲夜は、DIOの手元を見て絶句する…
咲夜「ちょっとDIO! なんで直接入れてるのよ!」
DIO「……ハァ?」(;´Д`)
咲夜「ハァ?…じゃないわよ!」
DIO「まァ見ておくんだな」
そう言うと、DIOはテキパキと準備を進め…
1杯の紅茶が完成した。
DIO「よし、久々に作ったが…飲めるだろう」
咲夜「そうやっても紅茶って作れるのね…」
DIOは作った紅茶をトレイに乗せると、大図書館へ来た道を戻って行った
--紅魔館 大図書館--
DIO「邪魔するぞ」ガチャ
パチュリー「邪魔するなら…ゴボッ…帰りなさいよ」
DIO「飲むといい、少しは楽になる」
パチュリー「…紅茶? にしてはカップが暖かくないわね」ゴホゴホ
DIO「イギリス式だからな」
パチュリー「…意外ね、貴方が紅茶を淹れられるなんて」スッ…
DIO「…昔、少しは情愛を感じていた人間に、たまに入れてやっていただけだ」
パチュリー「ふぅん、少し荒いけど美味しいわ。ありがとう」
影DIO「楽になったのなら教えろ。このDIOに紅茶を淹れさせたのだからな…」
パチュリー「わかってるわよ! …ちょっと待ってなさい」
パチュリーは奥の本棚へ消えていった…
影DIO「…嫌な事を思い出してしまったじゃあないか…ン? これは何だ?」
DIOが手に取ったのは、【幻想異変集】と書かれた一冊の本であった
影DIO「……ッ!」パラパラ
目に付いたのは異変について書かれた項目。
曰く、幻想郷では事件のことを【異変】と呼び、【博麗の巫女】と呼ばれる人間が起こった【異変】を解決する。
3部DIO「フッフッフ…面白いものがあるじゃあないか」
パチュリー「お待たせ…異変に興味でもあるの?」
影DIO「いや、たまたま目に付いただけだ。そんなことより…」
パチュリー「わかってるわよ…えっと多分それは【創造魔法】に分類される魔法で…」
DIO「フムフム…」
この出来事が、後の大異変に繋がるとは…
この時、誰も予想できていなかったのである。
--語句説明--
【創造魔法】
魔力から物を作る魔法。
DIOの場合、DIOに縁のあるものが作れる。
【転移魔法】
魔力を消費し、別の場所から物を持ってくる魔法。
創造魔法より使用魔力は少なくなるが、転移する物が
無くなれば使えない
【幻想異変集】
幻想郷の異変について書かれた書物。
そこまで珍しい本ではなく、書店で売っている。
【異変】
幻想郷で起こる事件などの総称。
【博麗の巫女】
博麗神社に住む、異変解決と結界の監視を仕事とする人間。
外の世界で言う警察に相当する仕事。