声優繋がりで。
サブタイは風雲イリヤ城のセイバーの台詞、
「パネェ!マジパネェ!」
「流石リッドです」
「悔しいけど認めるしかない」
「…………///」
黒髪の少年と金髪の王女と獣耳の魔幼女が1人の黒髪黒眼の少女を囲んで褒めまくる。
「武道に学道、おまけに芸道まで極めてるなんて。
さっすがエレミヤ、血が違うな!!」
「え?マジ?血のおかげ?
汚い、流石エレミア汚い」
「違いますよ、きっとリッドの才能です」
「え?そうなの?
ずるい、多才なリッドずるい」
「〜〜〜////」
少年はニタニタと、
王女は純粋に、
魔幼女はのらりくらりと悪口を、
赤面する少女を余所に褒言を続ける。
「ヤベェよ、マジ万能だなリッド。
結婚してくれ!!」
「えぇ?」
「おいおい、マジになるなよオリヴィエ殿k───いったい、手がぁぁあ!?」
グギィ!?とオリヴィエに手首の関節を逆に折られて骨が肌を突き破っていた。
「メディック!エレミアンメディーック!!」
ルシウスに呼ばれてリッド───ヴィルフリッド・エレミアが治療する。
「くそ、お手てがティーレックスに…」
「これで、よし。後は安静にしておけば大丈夫」
「天使、リッドマジ黒衣の天使」
「そう、それは堕天使」
「いえ、優しいから女神ですよ!」
「え?え、ふぇ?」
天使だ、
堕天使だ、
女神だ、
リッド最智!リッド最強!最高!!
「リッド!」
「リッド!」
「リッド!」
「リッド!」
「リッド!」
「「「リッド!リッド!リッド!リッド!リッド!リッド!リッド!」」」
「///////」プルプル
「イジメか!!」
とうとう耐え切れずに紳士クラウス少年が止めに入った。
「ぶ〜、なんだよ王子様。
唯ヴィルフリッドの素晴らしいを再確認していただけじゃないかぁ」
「そうですよ。リッドは本当に素晴らしい人なんです」
「嫉妬?安心してクラウス!
私の一番はいつもクラウスだから!!」
「オリヴィエは兎も角、ルシウスとクロゼルグは完全に面白がって言っていただろう!?」
「「うん。当たり前じゃん」」
「え!?そうなの!!」
「君達はまったくぅぅうう!!!」
クラウスは整えられた髪を掻き毟りイライラを発散させる。
「おいおい、どうしたクラウス。
落ち着けよ、王族たる者、常に優雅たれ。…だぞ」
「そんな髪も私は素敵だと思う」
クラウスの胃痛、ストレスの根源である2人の問題児は常に平常運転。
今日も無事クラウスのストマックを襲撃する。まさに地震、雷、火事、ルシクロゼルグ。
また地雷源を全力爆走してオリヴィエに殴り飛ばされるルシウスと、そんなルシウスを見てゲラゲラ笑うクロゼルグ。
いまだほんのり頬を赤くしたヴィルフリッドを視界に収めてクラウスはストッパーの役割を果たす。
「覇王、断・空・拳!!!!」
「なんでオレェェエえええ!?!?」
かなり荒い方法で。
「俺は怒ったぞぉぉお!?クーラウスー!!」
「はぁ」
戦闘服に着替えたルシウスとクラウスの2人が訓練広場に立ち向かい合っていた。
ビッと指を指し怒り宣言してから拳を握りファイティングポーズをとる。
「おおぉぉお!!」
先に仕掛けるのルシウス。
『攻撃こそ最大の防御』理論で突き進み拳を振り抜く。
ズガン!!
ルシウスの鉄拳は現代のAランク魔導師の魔力徹甲弾と比類する威力を持つ。しかもこれは魔力を使用せずにだ。
そんなパンチを片腕で受けきるクラウス。打撃点を中心にジーンと響く痛みを堪えてクラウスが反撃に一撃を見舞う。
覇王流の踏み込みから練り上げられた力を全身を通して腕に伝い捻りながら打ち込まれる拳と同時に吐き出す。
「ぐっふぅ……っ」
カウンターの一発を頬を受けとてつもない衝撃が頭部を蹂躙して飛び出る。
ぐらりと揺れて、大地を踏みしめ拳を握り鳩尾を撃ち抜く。
景気の良い一撃をありがとう。
お礼だ、死ね。
ルシウスの拳はクラウスのモノと違いタネも仕掛けも無い純粋な力技のパンチだ。
殴って蹴って立ってた方が勝ちという純粋で野蛮な戦闘方。
呻くクラウスの髪を掴み、おもいっきり引いた頭で頭突く。
頭蓋が軋み、脳が揺れ、互いの額が擦り剥け血を出す。
互いにダメージが入る自爆技の頭突きも異様なしぶと差とタフ差を誇るルシウスにはなんのその。
二度三度と続け最後に髪を離して最高の頭突きをかましよろめくクラウスに鉄拳入魂。
「HEEEEEEY!CRAUS!!!」
「調子に、乗るなッ!!」
追撃しようと走るルシウスにクラウスは片手を突き伸ばし風の砲弾を放った。
『覇王空破断』
魔力風を片手に集め突掌で放つ覇王流の技の一種。
クラウスのそれは竜巻を圧縮した砲撃が如き威力をもつ。
咄嗟に両手で空破断を受け止めたルシウスだが、威力を抑えきれずに撃ち上げられ城の一部に直撃、爆砕する。
あれは修理よりも建て直しになるな、と観戦者の兵士達は思った。
瞬間、爆砕して宙を漂っていた瓦礫の破片が飛来してきた。
人外級の反射能力で迫る破片を摑みとり、次からが本番と一切掃射された弓矢のように襲いくる。
握る破片を砕き構える。
面で迫る制圧射撃のような破片雨の第一波を断空で吹き飛ばす。
続く二波を立姿を横にギリギリまで重心を下げて出来る限り着弾面積を下げる。
肌を掠め服を裂く物は無視、直撃する
片手を手刀に、腕を上下左右、時に斜めに振るい破片を跳ね除ける。
破片掃射雨が止みルシウスが地に堕つ。
クラウス同様、戦闘服は破け覗く肌は血を流す。口端の血を親指で拭い口に溜まった血を吐き捨てる。
十数メートルの距離を二人は一歩で縮め交差した。
互いの右拳突を左腕で押し逸らす。そして続く超近距離の攻防戦。
ルシウスの右、左、右と拳打をクラウスを一撃目を頭部を傾け二撃目を腕で押し逸らし、最後の一発を手首に左手刀で弾き右腕で押し退け無効化。
その先にルシウスに背を向けるように周り地面に両手を着けて右後ろ回し蹴りでルシウスの腕を打つ。
その衝撃を利してお返しにと回し蹴りをクラウスに見舞わせる。
頭部を狙った蹴りを腕を割り込ませて防ぐが弾き飛ばされる。
地面を転がり起きあがり、片膝ついた状態で左手を引く。
放たれる拳、狙うは大地。
「覇王、破城槌」
城壁の破壊者の一撃。大地を穿ち豪砕させ足場を崩す。
砕けた地面に足先を呑まれ走中のルシウスがよろめく。瞬間クラウスが
通常ならルシウスの体はゴム球のように飛んでいくだろうが足を崩れた地面に埋まっている為引っかかり微かに遅れる。
その遅れを逃さず襟を掴んで逃さず間髪入れずに連打、連撲、連殴。
「はっ、どうした!こんなものか!?」
「───ほざけ」
次の拳弾が装填される僅かな間。
その間を突きクラウスの右腹に蹴りを打ち込む。有無を言わせず続けて地から両足を離して直蹴りして無理矢理離れる。
掴まれた襟が引きちぎれる。
地面を後転、腕の力で跳ね飛ぶ。
直後、寸前まで頭部の在った箇所をクラウスの靴底が踏み抜いた。
「てやあ!!」
地に足をつけ拳を握りふ振り返り放つ、が虚しく空を打つ。
「!?」
突然足に当たる衝撃に振り払われる。
───覇王、
背後から聞こえる
ぐっ、苦音を洩らし腕に魔力を込めて振り抜こうとするが。
断空───、
(ああ、クッソ)
「敗けたぁぁあああああああ!!!!」
「拳!!!!!」
〜〜〜現代ミッド〜〜〜
「こちらクラウス」
「どうも、アインハルト・ストラトスです」
「う、うん。ウチはジークリンデ・エレミア。
よろしくな」
当然の如く違う名前で紹介される事に慣れてしまったのかゲンナリした表情で挨拶するアインハルトに戸惑いながらも憫むジークリンデ。
「それじゃあ行くか!」
あくまでマイペースなシオン。
このなんとも言えぬ気不味さの原因と思えない。
アインハルトは少し困惑していた。
自分の中の
オリヴィエに義手を贈り戦技を教えたエレミヤの末裔。
過去の己達を超える彼女の才能を目覚めさせたヴィルフリッド・エレミヤの子孫。
クラウスがエレミアを少なからず憎く思っているのは確かだ。
だが同時に感謝もしている。オリヴィエが笑顔でいられたのは彼女のお陰でもあるのだから。………だけど一発は殴ってやりたいとは思ってた。
「アインハルト…ちゃん。うぅんと。
長いから『ハルにゃん』って呼んでいい?」
「ハルにゃん!?」
ジークリンデはちょっと変わった感性をお持ちなのか、それともなんとか仲を深めようとする気遣いなのか、密かに後者で在ってほしいと願う。
「いえ、その、普通にアインハルトでお願い、します」
「え、……う、うん。ごめんな」
「あ。
そ、そのこちらこそすみません」
「「…………」」
気不味い時間が続く。
人見知りのジークリンデ、あまり自分から話し掛けるタイプの人種ではないアインハルト。この状況は必然か。
こんな時、話題を起こし話を続けられる陽気な人が居てくれれば。
・・・・・・居るじゃないか。
文句を言えば少し自分勝手な人だけど贅沢は言えない。
さあ!この気不味い空間に笑いを!
『あいつらおそいなぁ。曲決めとこかな?』
ほっんと肝心な時に役に立たねえなあいつは!!!!
その後、気不味いまま10分程立ち尽くし我慢の限界を迎えたシオンにしばき連れていかれました。解せぬ。
「唐揚げ追加注文お願いします!!」
「NOOOOOOO!?!?」
スタッフへの電話を終えたジークリンデ。
14回目の追加注文。無駄に高いカラオケの唐揚げ。
金を持たない、持とうとしない、そもそも稼ぐ気が無いジークリンデはお金の価値と遠慮をよく知らない。
「いやー、シオンが全額受け持ってくれるなんて優しいなぁ」
「はぁ!?ばっかおまえ、なんで俺だけ金払う感じになったんだよ!?せめて割り勘だろ割り勘!」
「ウチ、一文無しや」
「そうだった!?家無い、金無い、食べ物無しなジークリンデだった」
「ちょっとカチンときた。更に追加注文したろ」
「や、やめろぉー!?」
騒がしい。とても騒がしい。
「バカヤロウ!?歌えよ!何の為にカラオケに来たって思ってるんだ!!
あ、次はクラウスだろ?」
「嫌や!歌いた無い!!ウチのエレミアとしての勘が言ってる『歌ったら恥かく』って!!
そんで、アインハルトちゃんは何歌うん?」
「え、えぇと……?」
片方は増えてく会計に財布を心配しながら叫び、片方は定員が持ってきた唐揚げ(特盛)を貪りながら吠える。それでも食べ滓を飛ばさないのは化物じみた食い意地の所為か。
それでもアインハルトへは反対に落ち着いて話し掛ける二人。
この温度差が返って戸惑いPointになっていた。
「恥をかくって何だよ!お前別に下手って訳じゃないだろ!!」
「それでも嫌や!!
「なぅぁにが女の勘だ!おまえみたいなんは女じゃねえ!ケモノだ!ケモノ!!バケモノだ!!」
「なぁんやてぇ!!」
工藤───じゃなかった。
段々とヒートアップし始める。
「あ、クラウスは気にせず歌っていいよ」
「せやせや。アインハルトちゃんの歌楽しみやねん」
だからその温度変化やめてもらえませんか?
「よっしゃ、やるぞジーク。俺が勝ったらお前には唐揚げの追加注文を禁じ、そして『え、あ、そう。』を歌ってもらうぜ!」
「!?し、シオンあんたウチにあんな恥ずかしい歌を歌わせるつもりなん!?
え、えぇよ。やったらウチが勝ったら唐揚げの追加注文30人分な!」
「お前、どんだけ食うきだ!今ですら払えるかわからないだぞ!?払えなかったらどうすんだ!?」
「(労働力的な意味で)体で払う」
「え?」
「え?」
「………」
「………」
「だれかダールグリュン呼んだこぉおい!!!!」
う・た・え・る・か!?
曲が始まりだしたが気が散って歌えるものも歌えないアインハルト。
「薄い本展開にはさせないぞ!!」
「え?えっと、何言ってるん?」
「え…?だって体で払うって」
「そう意味じゃないよ!足りない分は働いて返そうって意味や!!」
「──……、紛らわしいわ!?」
「シオンの頭がお花畑なだけや!」
「お前中等科の歳下に向かってそんな事言うよ!!」
「あんたみたいな中等科おらん!」
「んだとこの黒ホームレスが!?」
「やったるで黒ゴリラが!!」
狭いカラオケの一室で殴り合って暴れて散らかす二人。
10分後、カラオケ定員に怒られた二人。そして無傷で気不味そうなアインハルトが居た。
案の定、料金は足りずジークリンデの保護者、みんなのおかーさんヴィクトーリア・ダールグリュンに払ってもらいました。
FGOのCCCコラボのガチャを回すと『プリズマコスモス』出てきた。
よくあることなのかな?
うちのカルデアにパッションリップにお越しになられました。
因みに一番好きなアルターエゴはキングプロメテです。