ぼっちは六花を謳歌する。   作:すのどろ Snowdrop

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6話

「さて、ここが私達の部屋だよっ、比企谷君!」

 

テンションたけぇなぁ。これからこの人と2人で過ごすとなると憂鬱だなぁ。

俺はとりあえず部屋に入ることにした。

 

「……テンション高くないですか?陽乃さん」

 

「やだなー、そんなことないよー」

 

棒読みで言われてもなんの説得力もない。

 

「で、すぐに夕飯にしますが、材料はあるんですか?」

 

「うん、入ってると思うよ」

 

思うとか怖いな。いちいち買いに行くのはやだよ?だるいし。あとめんどくさいし。

ま、いざとなったら外食だな。幸い学園にはいくつか食堂やらなんやらあるらしいし。

 

「でもその前に部屋割り決めよっか」

 

「それもそうですね。見て回りましょうか」

 

**********************

 

なんやかんやで部屋割りを決めて夕飯に辿り着いたのはここに入ってから1時間弱。

陽乃さんとの初めての夕飯はそんなに食材の量もなかったのでご飯と卵焼きと焼き魚とわかめと豆腐の味噌汁である。

ご飯は陽乃さんにやって貰ったのだが、これがかなり美味しい。こんなの初めてなレベル。

なんかやる気がくじかれそうで悲しい。

 

「むぅ」

 

陽乃さんが頬を膨らませるとあざとくみえない。むしろ可愛い。

 

「どうしました、陽乃さん。頬を膨らませて」

 

「この卵焼き、私が作ったのより美味しくて複雑な気分」

 

「そんなこと言ったらこのご飯が俺が炊くのより美味しいので複雑ですよ」

 

人には人の得意分野があるってことだな。星脈世代である者は嫌でも分かる。

 

「むぅ、でもなぁ……」

 

ていうか陽乃さんって意外と嫉妬するのね。

 

「意外って思ってるでしょ」

 

ジト目で睨んでくる。ていうか

 

「人の考えてること読むのやめて頂けませんかね?」

 

「顔に出てるから仕方ないね」

 

顔にでてるのかぁ。ポーカーフェイスを身につけたいな。

 

「それより陽乃さんって序列どれくらいなんですか?冒頭の十二人だとは思いますけど」

 

「露骨に話を変えたね……。私は序列3位だよ」

 

ほーん、さすがだな。

 

「陽乃さんなら1位や2位だと思ってたんですが、上には上が居たんですね」

 

「1位は刀藤綺凛で日本刀使い。刀藤流の連鶴の使い手だよ。2位はクローディア。純星煌式武装【パン=ドラ】の使い手でね。なかなか勝てないんだよー」

 

「1位には勝てそうですね。刀藤流は武器を圧縮して消しされば連鶴は使えないと思うので。観衆がいたらブーイングが起きそうですけど」

 

でもクローディアには勝てないだろうな。あの腹黒さは酷い。その上、純星煌式武装使ってくるんだ。今の俺では勝てないだろう。純星煌式武装を消し去るなんてことはできないし。

 

「クローディアには?」

 

「勝てない訳じゃないと思いますが、かなりキツいと思います。純星煌式武装使ってる時点でめんどくさいですし」

 

「そういえば比企谷君は純星煌式武装適性検査受けないの?」

 

一応純星煌式武装の適性検査は受けるつもりだけど、俺魔術師だから適合しないかもしれない。

 

「俺には剣技というものがないのでナイフと銃使ってるんですが。そもそも俺魔術師ですし」

 

こっちに来てから銃は使ったことないけど。あとホントは魔導師って言いたい。中二心が疼く。

 

「短刀の純星煌式武装あったと思うんだけど」

 

「なにそれ気になる」

 

短刀型か。気になるな。ていうか一応純星煌式武装使ってみたいんだよな。

 

「そっかそっかー。なら頑張ってね」

 

それだけ言って陽乃さんは食器を流しに持っていき、その足で風呂場に向かっていった。

 

戸塚、元気かなぁ。

 

**********************

 

メールだ。誰からかな。

 

……八幡!?

早く見なきゃ!

 

To:戸塚

From:八幡

title:お兄ちゃんの妹の小町です

text:こんにちは、戸塚さん。突然すみません、小町です。お兄ちゃんについて話があるのでメールさせていただきました。

お兄ちゃんが家出したんですが、それって修学旅行で何かあったんでしょうか。

あとお兄ちゃんの居場所について知ってることあれば教えてください!

 

小町ちゃんか……。でも八幡の予想が当たったなぁ。

『そのうち小町が俺の携帯でお前にメールするかもしれん。その時はリアルで会って材木座と川……川崎?と一緒に小町の真意をはかってくれ。お前達の目から見て信用できるならなんでも答えていい。俺が行くであろう場所も』

 

じゃあ現実で会わないとだめなのか。

 

To:材木座君、川崎さん

From:戸塚彩加

title:小町ちゃんについて

text:八幡の予想通り小町ちゃんが八幡の携帯でメールしてきたよ!だから現実で4人で話したいんだけどいつごろがいいと思う?一応小町ちゃんにも聞いてからだけどみんなに合わせるよ。

 

送信っと。次は小町ちゃんに。

 

To:八幡(小町ちゃん)

From:戸塚

title:八幡のこと

text:会って話したいから今度カフェでいいかな?あと材木座君と川崎さんも連れてくよ。あと雪ノ下さん、由比ヶ浜さん、葉山君、相模さんには気をつけてね。

 

送信っと。

陽乃さんにも聞いてみたいけど八幡に借りになるだろうし、忙しいだろうから陽乃さんは呼ばないでくれって言われてるしなぁ……。

 

でも陽乃さんなら八幡がいる場所確実に分かりそうだから呼ばないでおいてそこだけ今度聞いてみよう。

 

 

 


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