GOD EATER 2 RAGE BURST ~For fellows~   作:ゼロ・シン

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適合試験

あの後私はラケル・クラウディウスという先生のもとに引き取られた。

児童養護施設、マグノリアコンパス。それがそこの名称だった。

私と同じく、家族を失った人たちもそこに多くいた。

そこで私は六年間という長い時を過ごした。

私が16歳になったときだった。ラケル先生から声がかけられた。

「ゴッドイーターになってみる気はないか」って。

もちろん私の答えはYES。

そして、今日がその適合試験の日だった。

適合に失敗した神機使いは、神機を構成するオラクル細胞によって捕食されてしまう。

恐ろしかった。しかしあの時のことを思えば自然と、私の足は試験場へと向かっていった。

そこにはラケル先生が待っていた。

「そこの台に横になって。適合試験を始めましょう。」

そうラケル先生は言った。

台に横になる。冷たい鉄の感触が背中に広がる。

すごく緊張していた。死ぬか、生きるか。その瀬戸際に私はいる。

「気を楽になさい。あなたはすでに選ばれてここにいるのです。」

ラケル先生は言った。

昔に比べれば適合率ははるかに上がっているそうだ。きっと成功する。

「今からあなたには対アラガミ討伐部隊『ゴッドイーター』の適合試験を受けていただきます。」

いよいよだ。私の脇にコンテナが出てくる。その中には一機の神機が配置されていた。

「試験と言っても不安に思う必要はありませんよ。あなたはそう。荒ぶる神に選ばれし者ですから」

ラケル先生はそう言って笑う。私も少しおかしくなって笑ってしまう。

なんだか緊張が解けた気がする。

開いたコンテナの中の神機に手を伸ばす。腕輪が私の腕に接続されると、天井の機械が稼働し始める。

「あなたに祝福があらんことを…」

先生の言葉と同時に機械が腕輪めがけて落ちてきた。

その瞬間。私の腕に激しい痛みが走る。

思わずその痛みに耐えきれず、悲鳴を上げてしまう。

腕が内部から崩れているような、何かに侵されているような感触。

腕輪がコンテナから外れると私は床に落下する。その痛みは感じない。すべての感覚が右腕に集中しているような気がする。

意識が飛びそうになるのを私は懸命にこらえた。

剣を床に突き刺して立ち上がる。

やってやった。これで私はアラガミに立ち向かうことがっできる。

そう思うと自然と笑みがこぼれてくる。

「おめでとう。これであなたは、神を喰らう者『ゴッドイーター』になりました。」

ラケル先生が続ける。

「そしてこれから更なる『血の力』に目覚めることによって、極地化技術開発局『ブラッド』に配属されることになります。

ゴッドイーターを超越した、選ばれし者『ブラッド』来るべき新たな神話の担い手。まずは体力の回復に努めなさい。あなたには期待していますよ。」

私は自分の手にした神機を振るう。この神機でアラガミを倒す。誰一人として傷つくことのない、平和で、希望に満ちた世界を作るんだ。

その思いを込めて私は神機を強く握りしめた。

 




どうもゼロ・シンです。今回のご覧下さり、ありがとうございます!
ここから本編に突入していきますさらにネタバレ注意です。
一話?が三日間ほどで約60閲覧されたようで感謝の限りです。
更なる伸びを期待して次話を投稿していきたいと思います!

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