次回は今回より遅くなってしまうと思います。すみません。
それと、もしかしたら番外編を書くことがあるかもしれません。鬼巫女以外のMUGENキャラが出たり主役になる可能性があります。
鬼巫女だけがいい方や、苦手な方は番外編は見ないで飛ばして貰っても大丈夫です。ストーリーには関係しませんので。
あくまで予定ですので、やめて欲しいなどの意見が多い場合はやめると思います。
あの紅霧異変から一年近く経った。
私、靈夢は人里の自宅の屋根雪下ろしをしている。
もう春になり、雪も溶け始める頃なのに…。
「なんで雪がこんなに降ってるんだろ…。」
(昨日も雪掻きしたばっかだよな。)
そう、昨日も雪掻きしたはずなんだ。
屋根雪下ろしの仕事なんかを始めて人里で仕事を探すと、あら不思議。どんどんと仕事が入ってきた。
それはいい。金も稼げるし、人里の人達とも交流できる機会になるし。
でも、この雪はおかしい。一日でこんなに積もったら体は持つが、精神的にキツイ。
一日中仕事してたこともあった。無心になって雪掻きしてたよ…。
(見てる私も暇で仕方なかったな。これも"異変"ってやつなんじゃねーか?)
多分そうだろう。もう4月中旬ですもの。桜が咲いてないとおかしい頃だ。
「靈夢ー!手は空いてるか?こっちも雪掻きを頼みたいんだが…。」
この声は慧音さんだな。
一年も経つと慧音さんの口調も崩れた。呼び方も変わったしな。結構仲良くなれたと思う。
…俺がそう思ってるだけかもしれんが。
(あの感じは大丈夫だろ。友人と話すみたいな雰囲気だしよ。)
鬼巫女がそう言うならそうなのかね?そうだと良いんだ
が。
「へーい。空いてますよ。今日はどの区域で?」
口調といえば俺も変わった。慧音さん曰く、
「私が崩すならお前も崩してくれ。私だけというのもあれだからな。」
とのことらしい。俺も楽なので助かる。
「今日は稗田家周辺だ。なんでも手が足りないらしいぞ。」
「稗田ってーと、あの?」
(あの幻想縁起書いてるヤツの家だろうよ。お偉いさんって所か。)
「お前の思ってる通りだ。準備をしてくれ。」
「拒否権はないんですねー。分かりました。待っててくれ。」
仕事だから仕方ない。店長のお婆さんは今休業してるからな、雪掻きして稼がねば。
(あの家の雪掻きねぇ…。ちょっと面倒だな。)
あの家デカいからな。そこ周辺もとなると辛い。
そういえば、文さんの新聞で見たがあの吸血鬼に妹が居たらしい。あの宴会の後、色々とあったらしい。
(金髪で羽が宝石みたいなヤツだったな。…いつの間に写真撮ったんだろうな。)
弾幕回避しながら撮るって凄いよね。
前に聞いたことがある。なんで自分の弾撃たないんですか…って。
(理由も理由だったな。"自分の弾が写真に写るのが嫌"…だったな。しかもあのカメラ、弾幕を消すことも出来るんだってな。)
チートアイテムではなかろうか…。あのカメラ。
鬼巫女と話しをしながら、マフラーと手袋を用意する。
さっきまではしてなかったんだが、慧音に見られると怒られるからな。
「なんて格好でやってるんだ!せめて何か羽織るなりしろ!」
だったか。んで香霖堂まで探しに行ったんだったな。
(あんときの慧音は恐ろしかったな。子供へ頭突きするとこを見てからだと尚更な。)
慧音の頭突きの前には何故か、鬼巫女の硬さすら無意味らしい。
ギャグ補正というヤツだろうか。
ついでにいくつか上に着込んでおく。脇なんか出してると更に怒られそうだ。
「すまん。待たせた。」
「かまわんさ。それよりも急ごう。龍神様の像によると、昼からまた吹雪らしいからな。吹雪のなかやりたくはないだろう?」
それは嫌だな。よし、急ごう。
(異変自体を解決しようって考えはねぇのか?)
それするとまた、なんかありそうだからな。
それに、博麗の巫女はまだ動いてないらしい。でも、香霖堂で会った白黒さんは解決するみたいだぞ。
(…あー。あの死ぬまで借りるって言ってたやつか。)
白黒さん…魔理沙は俺のことを博麗の巫女と間違ったみたいだがな。
そしてすぐに偽物とか言われたんだった。
(メガネの店長が止めなきゃ、弾幕ごっこが始まってたな。)
鬼巫女は少し楽しみだったらしい。暫く戦闘行為はしてないからか。
(なぁ。お前さん、今回は異変に参加しないか?)
「…そりゃどうして。わざわざ面倒事に首を突っ込むことは…(胸騒ぎがするんだ。)…え?」
胸騒ぎ?鬼巫女の…?それってかなりヤバいかもしれないじゃないか。
(私には特になんもないだろうが、幻想郷にとってかなり不味いことが起こる気がするんだ。)
…そこまで言うなら、行くべきか。なら…。
「慧音さん。ちょっと…。」
「む?どうした。…まさかとは思うが、異変を解決しに行くと言うんじゃないだろうな?」
「うっ!?」
当たってます。行こうとしてます。
「どうやら当たりか…。全く。お前は確かに強い。それも天狗とタメを張れるくらいには。しかしだな、異変解決は巫女の仕事だぞ?お前には一緒に里を守ってもらいたいんだがな…。」
「でも…なにか胸騒ぎがするんだ。それに、解決するなら早い方がいいだろ?」
「む、確かに…。老人達には辛いだろうし、…そうだな。行ってくるといい。幸いにも妖怪はあまり里の近くには最近は出てないしな。」
「あぁ、すんません。じゃ、行ってきます。」
「気を付けてな。それと、仕事を私に押し付けるんだ。今度こっちの頼みも聞いてくれよ?」
「うっ、…分かりましたよ。」
そして俺は異変解決に向かうことにした。
(情報もないのにどうすんだ?)
…忘れてた。情報全くないじゃないか。
(おいおい…。雪が多いってことはそれ関係が怪しいんじゃねぇか?例えば冬にしか居ないヤツとか…。)
一旦家に帰り、鞄に幻想縁起を突っ込んで出発する。
縁起によると、レティ・ホワイトロックという妖怪が怪しい、と分かった。
取り合えず出没地域に向かうことにした。