元からですが、これから異変などにはあまり関わらない感じで進んでいくと思います。
異変はやった方がいいんでしょうかね?
「……さん。れ…むさん!」
朝から誰か来たみたいだな。でも起きたくない。
布団から出たら絶対寒い。
「靈夢さーん!起きてください!雪が止んでますよー。」
雪が止んでてもなぁ。道に塊が残ってそう。雪掻きはもう御免ですわ。
…ん?雪が止んでる…?
体を起こすと、障子を開けて文さんがこちらを見ていた。
「玄関から入ってきてほしかったですね~。」
「いえ、ちょっと急用だったもので…。」
急用…?なにかあったんだろうか。
(それほど大したことでもないと思うがな。)
鬼巫女。なんか知ってるのか?
(まぁ、本人から聞いた方がいいだろ。)
そうだな。
「今、号外を配ってるんです。内容はもちろん今回の異変についてですよ。」
「あー、この雪のやつ?犯人は誰だったんだ?」
(私、レティ以外に一票。)
んじゃ俺はレティだな。
「犯人ですか?…教えてもいいんですが、タダで教えるというのも…ねぇ。」
「新聞は購読してますし、何か要望が?」
文さんは少しニヤついて、
「靈夢さんのもうひとつの人格さんと話させてください!」
(…は?)
鬼巫女。ご指名ですぞ。
(なんで私?アイツからしたら嫌なイメージしかないと思うがな。)
「で、どうです?話せますかね?」
どうしようかな。鬼巫女ー別にいいか?
(話すくらいは構わねぇぞ。賭けの結果知りたいし。)
「んじゃ、変わりますね。」
「あやや?人格の入れ換えが可能になったんですか?」
文さん、悪い顔してるわ。
これはなんか…やばい。
「ちょーっと、詳しく聞かせてもらえますかね。」
嵌められたぁぁぁぁ!
(…勘鈍ったかな。一時的に思考レベルが下がった気がする。)
「成る程。その鬼巫女さんとは上手くやれてるんですね。」
「そうですね。相棒みたいな感じですよ。」
(…相棒か。)
どうした?鬼巫女。
(いや。なんでもない。)
…ちょっと声が変だったが、まぁいいか。
「鬼巫女さんと入れ換わるのもいいですが、二人の会話も聞いてみたいですね。」
鬼巫女とこの、テレパシーみたいなの以外でも話せるようになる…か。
出来るならやってみたいな。いちいち入れ替わらなくてもいいし、鬼巫女も他人と会話できるしな。
「鬼巫女さんと靈夢さん。別人だから意見も違いますし。記事としても面白なりそうですしね!」
「でも、そんなこと出来るとは…。」
幾らここがファンタジー溢れる世界でも流石にないわな。
「地底に居る覚り妖怪は論外として…、賢者辺りに頼むのが最適解ですかね。」
(あん?論外?こんな世界で生きていけたヤツが居たのか?)
お、おかえり。でもその論外じゃないと思うぞ。
「覚り妖怪…ですか?確か、心を読む…。」
心を読む云々の妖怪だったような。
(曖昧だな。縁起には載ってなかったか?)
無かった気がする。うろ覚えだけどね。
「えぇ、大体あってますよ。…何故論外と聞きたそうな顔ですね。」
文さんはちょっとため息を吐いてから
「その妖怪…、言いましたが地底に居るんです。地底は地上との制約で現在相互不干渉なんですよ。…ま、覚り妖怪にわざわざ会いに行くような人なんて居ませんよ。」
地底…か。色々とありそうだが。聞かない方が良さそうだな。
(…マジでさっきの案を実現すんの?)
ん?鬼巫女が話せるようになる話?やりますとも!
(………はぁ。でも口はひとつなんだぜ?どうするつもりだ?)
「…………。」
文さんに聞こう!
(えぇ。カッコつかねぇなぁ。)
「それで、賢者についてはいい話がありますよ。」
「紫さんは神出鬼没と聞きましたが…会えるんですか?」
「…えぇ。会えはしますよ。場所が場所ですが。」
「まさか?場所って…。」
「宴会があるんですよ。博麗神社で。」
(あの酒とか飲んでたあれか。異変解決したからやんのか。)
「巫女さんは別にいいんですよねー。問題は…」
(…吸血鬼か?それともレティか?)
吸血鬼だね。あんときやっちゃったからね。
「あやややや。レミリアさんの事が不安で?」
「うっ!?何故バレた…。」
「顔に出てますよ。…大丈夫です。宴会の場で物事は起こさないでしょう。」
「…うーん。なんかヤダなぁ。」
「しかし、随分と変わりましたねー。来たころは丁寧語ばかりでしたし。」
多分慧音さんのせいだな。違いない。
「なんでしたら…、私と貴方の仲ですし、約束を取り付けてきても良いですよ?」
文さんとも仲良くなった気がする。
最初の頃はこんなに会話することも無かったし。
慧音さんと同じくらい大切な友人…そう思ってるのが俺だけじゃないとイイナー。
「仲…といえば。慧音さんとは崩した口調で話してましたね。…私もあやかろうかしら。私達も折角なんで気楽にしましょう!」
「う、うーん。いいんですけど…。口調がなぁ。」
「たまに男っぽくなることですか?別にいいと思いますよ。」
(いいんじゃねぇか?こっちも堅い言葉は苦手なんでな。)
「わかり…わかった。そうしよう。」
「それで、話を戻すけど。宴会どうする?一緒に行く?」
(折角誘われてんだ。行こうぜ?もしものときは派手にやってやんよ。)
派手にはやめよう。派手には。穏便にすませましょ。
そうして俺は了承の返事を返した。
二回目の神社だ。少し武装していこう。
(なぁ。)
おぉ?鬼巫女よ、どないした?
(…そろそろ布団を薄くしようぜ。直ぐに夏が来るぞ。)
んなアホな。だって今は…
(雪のせいで忘れてたろ?もう5月だぞ。)
あっれ~?感覚狂ってきたなぁ。
「あや?布団は片付けないの?出しっぱは流石に…」
忘れてました。すんませんね!
「それで、黒幕ですが…レティさんじゃないわよww。」
「え?」
(やったぜ。私の勝ちだな。)
「レティさん…流れ星になってたわねw。黒幕は幽霊だったわ。」
「…Oh。」
レティさんを吹っ飛ばしたことを後悔した瞬間だった。