1
飛沫と蛾々丸は一年生として転入した。風紀委員所属という事で結構学校内で有名になっていた。志貴はイッセーの異変に気がついていた。人間ではないような気がしていた。禊から話は全て聞いた。イッセーは自分の恋人を覚えているか聞き回っていた。勿論、志貴や禊のところにも来ていた。二人とも名前と写真は聞かされていた。
2
志貴は今は風紀委員会の部屋にいる。見回りは飛沫と蛾々丸にいかせている。場所を覚えるいいチャンスだと思ったからだ。だから、二人には今日は一緒に行動してもらっている。志貴はとあることについて悩んでいた。それはイッセーの恋人天野夕麻と言う彼女に関する記憶が抜け落ちている事だ。
「それにしても·····遅い!」
禊がいつまでたっても来ないのだ。志貴はため息をつき席をたった。そして直感的に進んでいった。これは『直感が当たるスキル』を使っている。この
3
禊はオカルト研究部の部室に入っていた。リアスと向かいあう形で話をしていた。
「あなたに聞きたいことがあるの」
『え?』『なになに?』『僕の分かることなら何でも答えるぜ』『うーんと初恋の相手はね···』
リアスが言うと禊はふざけたようにヘラヘラとしていた。リアスは急いで止めに入る。
「あ、いや。そうではなくてね」
『じゃあどういうこと?』
「貴方、兵藤一誠君の後を尾行していたでしょう?どうしてかしら?」
『どうしてって』『そんなの嫉妬に決まってるだろ?』
禊はリアスの質問を何でもないかのように足を組んで言った。リアスは訳がわからないかのように首をかしげた。
『イッセーちゃんを尾行したのは』『ただ羨ましかっただけだぜ?』
「成る程ね!所でそこでなにか見た?黒い翼を出した人とか?」
『····』『別に』『見てないけど?』
ようやくリアスは納得した様子になる。これからが本題だった。しかし予想が外れ、見てないと答えられた。オカルト研究部全員が予想外れかと思った。
『少年マンガの読みすぎだぜ?』『あ!』『今日はジャンプの新刊の発売日だ』『じゃあまたね』『明日とか』
と言って出ていこうとするとドアが空いた。オカルト研究部全員が驚いた。ここには外に音が漏れないようにと誰も入ってこれないように結界張っていた。なのに糸も容易く開けたのだから驚くのも無理はないだろう。そしてそこにいたのは神上志貴だった。
「禊はいるかい?いたいた!よし帰るぞ!」
『分かったよ』『はぁ』『また勝てなかった』