1
志貴は調べものが終わると火恋とお出かけをすることになった。火恋は服をニコニコしながら選んだり、髪型を整えたりしていた。昨晩丁度終わった所だったからだ。志貴は本でも読んで待っていた。
「お待たせ!」
「ああ····でどこに行くんだ?」
「水族館に行こう!イルカショー見たい!」
火恋は白のワンピースを着ていた。志貴は近くの水族館を調べようとしたら火恋が志貴にニコニコしながら言った。
「もう調べてあるよ!」
「···相変わらず早いな」
志貴は呆れながら言った。そして志貴と火恋はとある水族館に行くことにした。
2
志貴と火恋は水族館に入ると真っ先に火恋がイルカショーを見たいと言ったので丁度始まる所だったので座って見ていた。火恋は目をキラキラさせてみていた。
(子供かよ!?)
志貴は心の中で突っ込んだ。志貴が人間らしい感性になったのは火恋のお陰でもある。志貴は昔は何でも出来てしまうが故に人間らしさに欠けていたが火恋と一緒にいるうちに人間らしさと言うものが備わってきた。
イルカは輪を飛んで潜ったり、高くジャンプしたりボールを尾で蹴ったりしていた。
「次はあそこ行こう!」
「ああ、別にいいぞ」
「やったー♪」
イルカショーが終わると次はドーナツ状の水槽の所に向かった。
「わぁお!回りを泳いでるよ!始めてみた!」
「俺も水族館に来たことがなかったから始めてみたな!」
火恋は本をよく読んでいるが実物も見たいと思っていた。余り外にでない彼女は珍しい事や知らないものを追及したがるのだ。志貴も何でも出来るので珍しいものや面白い物が好きだ。だからお互いに知らない事を教え合うと言うのも珍しくない。
志貴と火恋は手を繋いで歩いていた。クラゲを見たり、鮫やジンベエザメを見たりしていた。
「クラゲ可愛かったなぁ♪」
「次はどうする?昼食にするか?」
「そうする」
昼食の場所に行って志貴と火恋はまるで恋人同士のように過ごした。昼食を食べ終わると志貴達はペンギンのところに向かった。
「ペンギン可愛い!」
「ああそうだな」
横目で火恋を見ると志貴は火恋に言った。
「火恋、何か動物を飼いたいか?お前の部屋は一応俺の家と接続してあるからな」
「え?····いいの?」
「ああ」
「じゃあ帰りに買っていこう♪」
志貴の言葉に驚いて火恋は志貴を見た。不安そうに聞くと志貴は笑顔で許可した。火恋は喜んでスキップをしながら進んでいった。志貴は一人でいる火恋は寂しいんじゃなかと心配していったのだ。
3
「このイルカのストラップ買って行こうよ」
「そうするか!このぬいぐるみも買っていくか?」
「うん♪」
アシカのぬいぐるみ一つとイルカのストラップピンクと青を一つずつ買って行った。全部志貴持ちだ。水族館を出ると夕方になっていた。ペットショップに向かって二人は歩き始めた。
「今日はありがと」
「たまあにだったら構わないよ」
「本当に?」
火恋はお礼をいった後にからかうように聞くと志貴は笑って答えた。
「勿論だよ」
4
ペットショップでは猫のオスメス一匹づつ買った。両方ともロシアンブルーと言う猫だ。グレーの毛並みに青い目をした猫。名前はオスの方は《シン》とメスの方は《キラ》と火恋が名付けた。こうして新しい家族を手にした。因みに二匹とも子猫だ。