第2箱風紀委員長と生徒会長
1
「神上君」
「ん?支取生徒会長か」
神上志貴が見回りをしてると後ろから
「見回りですか?」
「うん、そうだけどどうかしたか?」
蒼那は振り向いた志貴に質問をした。それは
「風紀副委員長についてなのですが」
「風紀副委員長っていうと禊のことか?」
蒼那は志貴の働きぶりには感心していたが風紀副委員長の球磨川禊については余りよく思っていなかった。不気味で気持ち悪さを感じていたからだ。志貴がまさかそんな人間を風紀副委員長にするとは思えなかったからだ。
「はい、彼は貴方がスカウトしたらしいですね!····どうして彼なんですか?」
蒼那は率直な疑問をぶつけた。彼は少し笑いながら答えた。
「どうしてか?簡単だよ!禊はな、弱いんだよ」
「?弱いのにどうしてですか?」
そう質問すると少し悲しそうな表情をして答えた。
「俺は異常だからさ。強すぎて、上の立場しか分からない。だから、禊のように弱い者の立場が出来る人間が必要だっただけさ」
志貴は生まれながらの異常。
この二人は似ているようで全く違う二人。
「····異常?·····分かりました」
「じゃあ、これで失礼させてもらうよ支取生徒会長」
「····あとひとついいですか」
今度は蒼那が顔を紅潮させて聞いてきた。志貴は首をかしげて聞いた。
「?なんだ?」
「下の名前で呼んで頂けますか?」
「別に構わないが!分かった蒼那生徒会長」
特に断る理由がない志貴はその申し出には
2
支取蒼那は人間ではない。そしてこの名も人間界に馴染ませる為の名前だ。本当の名前はソーナ・シトリー。冥界に住む上級悪魔だ。どうして彼女が人間界にいるかというとソーナの友人にしてオカルト研究部部長リアス・グレモリーに誘われたからだ。最初は友人だからという理由で説明会に行き、そしてソーナはその学園を気に入ってしまったのだ。
ソーナには今気になる人物がいる。その人の始めての出会いはソーナが二年だった頃だ。ソーナは当初生徒会の副会長を勤めていた。そしてソーナの気になる人物は風紀副委員長として活躍していた。その人物の働きぶりは当に異常。風紀を乱す者には一切容赦はせず、男女平等に説教をしたり鉄槌を下す。だけど学園の生徒が傷つけられれば怒り、その者にも鉄槌や説教をする人物。だから学園でも人気が出た。女子たちが好意を寄せている人物も少なくない。
ソーナはあるときその人物に質問をした。
「どうして、そこまでするんですか?」
「どうして?どうしてだろうね。でも何となくそうしたいのさ!確かにやり過ぎかもしれない。それでもさ···俺はこの学園の風紀をとりしまるって決めた」
そうにっこりとした笑顔にソーナは惚れてしまったのだ。
その人物の名前は神上志貴。