残念|魔法使い《ウィザード》の異世界転移録   作:Deにぃ!
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ある日、田舎から都会の高校に転校予定だった天宮涼介はひょんな事から異世界転移をしてしまう。
ここはどこだろうと場所を探ろうとする天宮だったが、兵士に捕まってしまう。
それもそのはず天宮の転移先はなんと魔王城だったのだ!
彼は一体どうなってしまうのか?
天宮の新たな物語(ストーリー)が今幕を開ける!


第4話 魔王との対面

テレポーターを抜け、少しあの薄気味悪い廊下を歩くとそれは見えた。
それはテレポーターと同じくらいの大きさだった。
デケェ。
金やプラチナのような貴金属を始め、様々な豪華絢爛(ごうかけんらん)な装飾がされた扉があった。
ざっと10メートルは下らないだろう。
デケェ。
それには呪文が彫られていて、その溝に紫の光、魔力が絶え間なく流れ続けている。
ここにも魔力が充填されているのか、流石魔王城だな、と感心している俺を横目にプルソナが前へ出る。
「随分と大きいんだな、扉。」
「種族の違う兵達も使うからな。後で紹介してやろう。」
「あ、ありがと・・・」
嬉しいような怖いような、ゾンビとか怖いやつじゃないよな?
「いるぞ、ゾンビ。」
・・・・・・は?
いる!?
いるっておっしゃいました!?
この方!
「煩い。いちいち騒ぐな、ゾンビくらいで。」
いや、プルソナさんその反応おかしいです。
そもそも『いちいち騒ぐな、ゾンビくらいで。』っていう文章がおかしいです。
バイ○ハザー○もビックリだよ。
「ほら、もう行くぞ。流石に魔王様を待たせすぎだ。」
「あぁ、そうだったな。でもどうやって入るんだ?高すぎて手が届かねぇぞ。」
「馬鹿者、扉にはしっかり魔力でロックされている。それに、幹部ごときが魔王様の部屋の鍵など待っているものか。ほら、ここをよく見ろ。」
「ん?」
見ると丁度扉の中央に手形があった。
気づけば、その1メートル程上にも手形があり、幾らかの間隔をあけ、1つまた1つと存在していた。
手形の形も大きさもバラバラだった。
「プルソナ、これは一体?」
「これは魔人幹部総括専用パスだ。その名の通り、魔王軍幹部にのみ許される魔王様の部屋への入り口のようなものだ。因みにその上の手形も同じことが言える。それぞれの種族の幹部にしか開けられない扉なのさ。」
そういうプルソナは少し誇らしそうで、いかにも嬉しそうだった。
「へぇー、じゃあ鍵と同じじゃねぇか。」
「馬鹿者、鍵とこれを一緒にするな。」
「というと?」
「魔王様の部屋の鍵は伴侶、もしくは魔王城支部長にしか持つことを許されぬのだぞ。幹部の私など拝見することすら恐れ多いというのに。」
幹部も相当偉いと思うんですけどね・・・
「さて、では開けるぞ。」
プルソナはその手形に手を当てる。
すると——————
魔力型(マジックフォーム)承認。魔王軍幹部総括プルソナ認証。魔王様への扉を開きます。
おおー!
凄い!
ゴゴゴゴゴと重い音を響かせながら徐々に(ひら)ける視界。
この先に魔王がいるのか。
ちょっぴり楽しみだな。
扉が完全に開き、光が飛びこんでくる。
「よし、入るぞ、天宮。」
「あぁ。」
魔王の容姿をあれこれ考えていた俺は、光の射す方へ歩を進めた。






「オォーーー!スゲェーーー!」
俺は只々驚くばかりだった。
扉の先は想像以上に華やかだった。
美しいクリスタルでできた沢山のシャンデリア、金縁の窓、一目見て高価だとわかる金色(こんじき)絨毯(じゅうたん)
その絨毯を挟むようにして、黒く重厚感があり、静寂な空間に佇む8つのこれまた豪華な椅子が等間隔で並んでいた。
それらは全て石造りで、組み合わされている石と石の間に紫の光が走っていて、魔力が流れていること示している。
不思議なことにそれぞれの椅子の背もたれ、腕かけのところに紋章が描かれていた。
椅子も形、大きさバラバラだ。
なんだこれ?
「こら、静粛にしないか。恐れ多くも魔王様の御前であるぞ。」
そんなことを思っていると、プルソナに怒られた。
「なんか、急に口調変わったな、大丈夫かお前。」
「いいからそこに膝をつけ。もう魔王様も来ているのだぞ。」
「え?どこに?」
俺は辺りを見回す。
すると、金色の絨毯の先に、玉座に座す女がいた。
女は笑っていた。
「っ!!」
この部屋は各種族幹部総括が入れるように馬鹿でかく作ってあり、魔王と距離があるのでよく見えないが・・・
身震い。なんだこの感じ、体が押しつぶされるほどのプレッシャー。
尋問室でのプルソナのプレッシャーも凄かったが・・・比じゃない。これは圧倒的だ。
「貴様にもようやく分かったか。ならさっさと膝をつけ。」
「あ、あぁ。」
「魔王様、お待たせして申し訳ございません。天宮を連れて参りました。」
プルソナも膝をつき魔王に告げる。
「そう、プルソナご苦労だったわね。データはすでにもらっているわ。人間、だそうね。」
「はっ!」
「それで、ここに連れて来た目的は?貴方のことだから、また面白い事を持って来たのではないの?話して頂戴。」
「はっ!誠に僭越(せんえつ)ながらお話申し上げますと、実はこの男、人間でありながら、魔力型(マジックフォーム)を持っていました。」
「まぁ、それは珍しい事で。それで、察しはつきますが天宮さんの魔力型(マジックフォーム)を調べたいのでしょう?」
「その通りでございます。宜しいでしょうか?」
なんか、俺空気なんですけど。
ていうか、ズンズン話が進んでいって追いつけないんだけど。
あと、その質問俺に拒否権ないの?
何?専制支配なの?
頼む、許可しない————
「ええ、許可します。その代わり結果は教えてくださいね。」
デスヨネーーー。シッテタ。
「了解いたしました。それでは失礼します。」
「あと、天宮さん、その調査が終わったら、ここへ来てくれないかしら。」
「え?わ、分かりました。」
「しかし、魔王様、宜しいのですか?まだ敵かどうかも分かりませんが。」
おい、その敵とさっきまで仲良くお話ししてたのはどこのプルソナだ?
「ええ、構いませんわ。私は強いですから。」
おぉ、言うなこの人。
「かしこまりました。では、これで。」
「ええ、下がっていいわよ。ご苦労様。」
「ありがたきお言葉。」
そう言って、俺たちはこの、圧倒的、静寂、そして、どこか寂寞(せきばく)とした空気を(たた)える王の部屋から出たのだった。






















どうも!Deにぃ!です。遂に魔王様が現れました。(描写はまだ書いていませんが。)次回は天宮の魔力型(マジックフォーム)が露わになります!






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