Pulsultraのその先へ   作:寒鱈

3 / 3
3話目になります。
投稿ペースについてですが、早いと2、3日、遅くとも1週間に1話くらいのペースだと思います。
お気に入りが6に増えていました。嬉しい


第3話

 あらかじめ言っておくが、俺は無個性というわけじゃない。

 流石に無個性のままヒーローになれると思って10年も鍛錬するほどおめでたい頭はしていない。逆に見てみたいよ、無個性でヒーロー目指してるやつ。

 今はちゃんと個性もあるし、完全に使いこなしている。

 ただ、本来個性は4歳までに発現するものであり、5歳になっても個性がないということはほぼありえないことだった。

 心配した両親は俺を病院へ連れていき、俺は検査を受けた。

 医師の診断は

 

「無個性であるかどうかの判断基準として、足の小指の関節の有無が上げられます。関節が2つあると完全な無個性なのですがお子さんには関節がない。なんらかの理由で発現が大幅に遅れていると考えられます。本当にごく稀ですが同じような事例は確認されています。そんな子たちでも全員6歳になるまでには発現していますので、気長に待つしかありませんね。取り敢えず個性があるのが確実であることは確かです。」

 

 とのことだった。

 当時は何を言っているかよくわからなかったが、無個性なわけではないということは分かり、ホッとしたことは覚えている。

 取り敢えず医師の言葉を信じて気長に待つことにしたが、いつか発現する、と言っても『4歳を過ぎても無個性である』という事実は変わらず、それが原因で俺は保育園でいじめを受けることになった。

 いじめ、と言っても無個性であることを馬鹿にされたり、仲間外れにされたりするだけで、暴力を振るわれたわけではなかった。

 その程度だったので言わせておけばいいやと思っていたし、親にも迷惑をかけたくなかったので無視に徹することにしていた。

 いじめていたのはその保育園のガキ大将的ポジションにいた奴とその取り巻き2人。

 俺が何も言ってこないことをいいことに、

 

「無個性は無個性らしく大人しくしてろよ無個性野郎」

 

「お前の親ヒーローだったんだって?大変だよな、産まれたのがお前みたいな無個性でww」

 

 と言いたい放題だった。

 俺のことを何と言われても構わなかったが、両親までバカにした時はぶっ飛ばしてやろうかと本気で思った。(当時から母と組手などをしていたので、3人くらいなら勝てる自信はあった)

 が、ガキ大将は先生や親の前では猫をかぶっていたので、ここで俺が手を出したら俺が一方的に悪者にされるのは目に見えて明らかだった。

 だから、何をするでもなく徹底して無視していた。それくらいしかできなかった。

 他の子もいじめられたくないからと俺には関わらないようにしていたし、必然的に俺はひとりぼっちになった。

 みんなが友達と遊んでいる中、俺はただぼうっと空を眺めるような毎日。

 別にそれでもいいと思ってはいたが、やはり少し寂しかった。

 でもそんなある日、

 

「ねぇ、一緒に遊ぼ?」

 

 俺に声をかけて来た子がいた。

 その子こそが、当時の俺の唯一の友達であり、『一緒にヒーローになる』と約束を交わした子だった。




なかなか進まないなぁ……。
このままだと0章だけで10話超えるかもしれません。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。