双つのラピス   作:ホタテの貝柱

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歯車は軋みをあげて回り出す
第二十一話 口は災いの元


「リヒト、魔術師になるつもりなら、その優しさは捨てなさい。魔術師には不要なものだ。」

 

 

時臣さんは言う、魔術師になるにはぼくは優し過ぎると。

 

 

 

「君には充分過ぎる程の才覚がある。君は私の弟子の中でも、一番呑み込みは早かった。」

 

 

……別に、好き好んで魔術を習い始めた訳じゃない。キレイが時臣さんと初めて会った時、ぼくもその場に居合わせた。

 

 

 

失礼が無い様にとお祖父様が言うから、キレイの隣で大人しくしてた。そしたら時臣さんはぼくを見て、何を思ったのか懐から二つ、宝石を取り出して一つをぼくに渡し、これに魔力を込めてみなさいと。

 

 

時臣さんの見よう見まねでやってみただけだ。お祖父様から習った洗礼詠唱の基礎よりは難しくない。あれは駄目だ、ぼくには全然出来なくて、とうとう泣き出してしまったらお祖父様に慰められた。

 

 

 

「君が綺礼や璃正氏の様に、聖職者を志すなら話は別だが…あぁ、すまない。幼い君にはまだ分かりにくい話だったか。」

 

「優しいままは、だめなの?」

 

「魔術師にとって、優しさは甘さだ。リヒト、それは君にとって何れ命取りになる。だから、今の内に捨ててしまいなさい。」

 

 

まだ六つにも満たなかったぼくには余り、よく分からない話だった。良くも悪くも、時臣さんは魔術師然としていたと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シロ、おーきーてー。」

 

 

微睡みの中、リヒトに頬をぺちぺちと叩かれて目を覚ます。

 

 

 

「やっとお目覚め?coccolone。」

 

 

リヒトの声は穏やかな甘みを帯びて、耳元がくすぐったい。更にやんわりと優しく微笑まれたら、ふわふわした心地にな…ん?

 

 

 

気が付けば、俺はリヒトの首に腕を回したまま寝ていた。その事実にようやく気付き、今日も飛び起きる羽目になる。見れば、布団は1組しか敷かれていな…昨日より悪化してないか!?

 

 

「リ、リヒトさん…?昨日は俺……何をやらかしたんだ…?」

 

 

 

震える声で昨日の俺は今度は何をやらかしたのかとリヒトに聞けば、リヒトは呑気にあくびをして昨晩の顛末を語る。

 

 

「シロってば、昨日土蔵で寝落ちしてたでしょう?起こしに行ったら、やだとか言って急にぼくの首に腕を回したまま離さなくなっちゃうし。」

 

 

 

昨日、リヒトと土蔵で話をした記憶は薄っすらある。その後の記憶が曖昧だ。要するに、俺はリヒトにお姫様抱っこされて部屋まで連れて来られたことになるのでは。

 

 

「…お前も嫌がれよ!お、男に引っ付かれたら暑苦しいだけだろ!?」

 

 

 

苦し紛れにそう聞けば、朝っぱらからとんでもない爆弾発言を聞く羽目になる。

 

 

「なんで?シロならいいよ。」

 

「お前さぁ〜〜…!」

 

 

 

きょとんとした顔で、リヒトがそんなことを言い出すからこっちが恥ずかしくなる。まるで、俺だから特別だみたいなことを言われてる様でこっちが勘違いしそうだ。

 

 

普段のリヒトは神父の息子という少々特殊な生い立ちもあってか、馴染みの無い者には近づき難さを抱かせる。実際、少し前までの俺もそうだった。遠坂と一緒にいる時など、特にそれが顕著だったのに。うちにいる時のリヒトは存外、子供っぽくて人懐こい。

 

 

 

「……おはようございます、ふたりとも。」

 

 

すっかり朝の支度を整え、セイバーが起きて来た。リヒトはセイバーを見るなり、おはようセイバーと呑気な笑顔を浮かべて挨拶する。俺の気も知らないで…!

 

 

 

「おはようございます、リヒト。昨日は眠りこけたシロウを土蔵から連れて来て貰った様で、ありがとうございます。」

 

「シロが寝過ごして、朝ごはんのランクが下がったらキャスターがうるさそうだからさ。」

 

 

 

……そうだった。最近、キャスターが自分の分の朝食も要求し始めたのだ。俺が寝過ごしでもして準備する朝食のランクが下がろうものなら、藤ねえと一緒になって文句を言いかねない。

 

 

「…成る程、そういうことでしたか。では、私は少し剣の鍛錬をして来ます。」

 

「いってらっしゃい。朝食の支度が出来たら、呼びに行くよ。」

 

 

 

リヒトと何気無い朝の会話を済ませると、セイバーは剣の鍛錬をして来ると部屋を後にした。

 

 

「シロ、体調は平気?今日はぼくも朝食作るの手伝うよ。昨日からまだ、微熱が続いてるでしょう?」

 

 

 

確かに、少し体がだるい。けど、昨日程じゃないから大丈夫そうだ。

 

 

「……コッコローネ?って、どういう意味なんだ。」

 

 

 

さっき、リヒトに起き抜け様に妙なことを言われた気がする。すると、リヒトがくすりと笑って、爆弾発言第二弾を投下した。

 

 

「イタリア語で、甘えん坊さんって意味。」

 

「なッ…!?」

 

 

 

そういうことは女の子に言えよ!俺に言ってどうする!!更に追撃で、不意打ちにて耳元に顔を寄せられ、囁かれた。

 

 

「…シロ、ぼく以外に寝ぼけてあんなことしちゃダメだよ?会長とかさ。」

 

「ッ、ちが…!?一成にあんなことするか!リヒトだけだ!」

 

 

 

万が一、寝ぼけてたとしてもリヒト以外にあんなことしな…ちょっと待て?俺、今何て言った??

 

 

「それ聞いて、安心した。」

 

 

 

最近、昔馴染みのデレが凄まじくてあらぬ方向へと向かいつつあるのをどうにかしたいが、多分どうにも出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ほら、弁当。」

 

「またぼくの分も作ってくれたの?購買で済ませるから、いらないよって言ったのに。」

 

 

今日、遠坂は学校を休むらしいがリヒトは通常通り学校に行く。

 

 

 

リヒトが此処に遠坂と一緒に転がり込んで来た当初は、桜が甲斐甲斐しくリヒトの弁当を作ってたけど。遠坂との“取引”で桜が一時的に此処へ来なくなって、昨日から俺がリヒトの分も作ってやることにした。リヒトが学校へ行く間際、作った弁当を渡してやる。

 

 

「もう作っちゃったから、受け取っとけ。お前も購買のパンとかおにぎりだけじゃあ栄養偏るぞ。」

 

「キヲツケマス。ありがとね、大事に食べるよ。」

 

 

 

……こいつ、絶対食生活を改める気無いだろ。

 

 

「リッちゃん、最近は早起きになったわねー!感心感心!桜ちゃんと士郎の教育の賜物かしら。」

 

 

 

原付用のヘルメットを手に、藤ねえが最近リヒトが早起きになったことを褒める。

 

 

「お前、帰ったら遅刻魔に逆戻りするなよ。」

 

「リッちゃん、あとちょっとしたら帰っちゃうんだっけ?いっその事、このままこの家の子になっちゃえばいいのに。切嗣さんもリッちゃんのこと、うちの息子にしたかったーって昔よく言ってたし。」

 

 

 

そんなこともあった様な。親父の奴、リヒトの事も我が子の様に可愛がっていた。すると、玄関先に遠坂も現れる。

 

 

「藤村先生、言峰君には無理言って付いて来てもらったので…あまり長居するのは衛宮君の負担になりますし。」

 

「遠坂さん、リッちゃんは置いてっても大丈夫よ。リッちゃんが早起きして、士郎と桜ちゃんのごはん作り手伝ってくれたらごはんのランクも上がって私も大満足だし。そうよねー?士郎。」

 

 

 

藤ねえ、結局それが目的か…!今日の朝食はリヒトが手伝ってくれた事もあってか、少し豪華な朝食となり藤ねえは味を占めたらしい。

 

 

「藤村先生、言峰君は私と一緒に帰るので。此処にリヒト一人、残してくつもりは更々ありませんから。ね?衛宮君。」

 

「……俺に同意を求めないでくれ頼むから。」

 

 

 

双方からまさかの同意を求められ、俺が困る羽目になるじゃないか!当のリヒトはきょとんとして、バチバチと目線同士で火花を鳴らす藤ねえと遠坂を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前……三日連続で主人を放ったらかしにしていいのかよ。」

 

 

呑気にバリバリと煎餅を齧るキャスターを傍目に、疲れた体に鞭を打って昼食の準備に取り掛かる。

 

 

 

「…呼ばれれば行くさ。呼ばれればな。イナンナの娘とて、今日は学校をサボったじゃないか。」

 

「私はいいのよ!」

 

 

遠坂がギロリとキャスターを睨むが、キャスターは動じた様子も無く「シロ、今日の昼食は何だ?」と昼食の献立を俺に聞いてくる始末だ。

 

 

 

「凛、メイガスに一々突っかかっていてはキリがありませんよ。」

 

 

セイバーが遠坂をいさめる。すっかりセイバーもキャスターの扱いを心得ているらしい。まぁ、付き合いは俺らより比較的長い様だし…当然か。

 

 

 

キャスターが手伝うでも無く、俺の昼食の準備を見ている間、遠坂とセイバーは会話に花を咲かせていた。やれ、セイバーはすっごい美人だの何だの…俺から見れば、セイバーも遠坂もすっごく美人なんだけどな。

 

 

横にいる奴も、黙ってれば同性から見ても綺麗な顔して…いつの間にやら、横にキャスターの姿が無い。自分の事を一度も女性だと思った事はないとセイバーが告げた時、キャスターが口を開いた。

 

 

 

「セイバー…貴殿は本官から見れば、さぞかし美しい女性だぞ。」

 

「また貴方はその様なことを…」

 

「ちょっとキャスター!あんた、私のアーチャーにちょっかい出しといて、なにセイバーのことも口説こうとしてんのよ!!」

 

 

遠坂が怒り出して、セイバーをキャスターから守る様に両者の間に割り込む。今、なんか妙なことを聞いた気がする。キャスターがあのアーチャーにちょっかいを出した…?

 

 

 

「イナンナの娘、本官はセイバーを素直に褒めてるだけだ。美しい女性に美しいと言って、何が悪い。セイバー…今、貴殿にその資質を求める者達は此処にはいない。もう少し、肩の力を抜いてもいいんじゃないか?」

 

 

セイバーは頑なに、自分のことを俺に話したがらない。けど、キャスターはセイバーの事について俺よりは詳しそうな口ぶりだった。

 

 

 

「メイガス…らしくないお節介はやめて下さい。」

 

「貴殿は本官を何だと思ってるんだ?それなりに、貴殿との付き合いも長いんだ。お節介を焼きたくなる時もあるさ。」

 

 

キャスターは深々と溜め息を吐き、ガシガシと頭を掻く。セイバーは腑に落ちない顔だ。遠坂がちらりとこちらを見る。

 

 

 

「気を付けなさいよ?士郎。こいつ、手が早いから気付いたらセイバーを取られてましたとか有り得るわよ。」

 

「な、何の話だよ…?」

 

 

キャスターがセイバーを取る?意味が分からず、遠坂に聞き返そうとして、何やら殺気めいた気配を感じた。遠坂の隣辺りから、尋常じゃない殺気の気配が。

 

 

 

「あと…キャスター?あんまりアーチャーの前でそういうこと言わない方がいいわよ。今、アーチャーすっごい顔してるし。」

 

 

どうやら、アーチャーが霊体化して遠坂の隣辺りにいるらしい。俺からは見えないから、どういう顔をしているのか知らないが。

 

 

 

「…アーチャー、そう怖い顔をするな。」

 

「痴話喧嘩始めるなら他所でやってよ。あんたが悪いんだからね。」

 

 

遠坂の隣辺りを見て、キャスターがアーチャー?に怖い顔をするなと渋い顔をする。何やら不穏な空気で居心地が悪い。痴話喧嘩とか何々だ?

 

 

 

「シロ、本官の分の昼食は確保しておいてくれ。少し席を外す。」

 

 

キャスターがやれやれと肩を竦め、一人で居間から出て行った。キャスターが居間からいなくなると、殺気めいた気配も消える。

 

 

 

「凛、キャスターとアーチャーは暫く戻って来なさそうですね。」

 

「あいつ、案外嫉妬深そうだから…セイバーも気を付けなさいよ。」

 

 

俺をそっちのけにして、セイバーと遠坂が居間の外を見やりながらあれこれ再び話し出す。だから!何の話だよ!?

 

 

 

「おい遠坂…キャスターとアーチャーがどうしたって?」

 

「士郎は知らなくていいわよ。」

 

 

なんか、俺だけ除け者にされた気がする。セイバーの言う通り、暫くキャスターは戻って来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「危うく昼食を食べ損ねるところだった。」

 

「…何があったんだよ。」

 

「まぁ、色々とな。口は災いの元だ。」

 

 

昼食を食べ終え、遠坂からの課題でランプに強化の魔術を施していたところ、キャスターが遠坂の部屋に入ってきた。遠坂は用があるからと、部屋を出て行ったきりまだ戻って来ていない。

 

 

 

「お前、実はあのアーチャーと仲悪いのか?この前は仲良さそうに見えたけど。」

 

「……君が思っているよりは良好さ。それより、これは強化の魔術か?薄いガラスに強化を施すのは気を使うからなぁ。」

 

「あ、おいコラ!遊びじゃないんだぞ!?」

 

 

キャスターがランプに興味を示し、まだ俺が強化の魔術を施していないランプを一つ手に取る。

 

 

 

キャスターが徐にランプへ手を翳すと、キャスターの手の平が青白い光を帯びた。ふっと光が消え、キャスターが試しにランプのガラスをやや強めに叩けば、鉄を叩いた様な硬い音がする。

 

 

「ざっとこんな感じだ。」

 

「…こんな感じだって言われて、すぐ出来れば俺も苦労はしないっつの。」

 

 

 

キャスターだって出来るのに、何でこう上手くいかないのやら…自分の不出来さ加減に頭が痛くなりそうだ。

 

 

「なら少し、息抜きに話でもしようか。」

 

「なんだよ、話って。」

 

「セイバーのことをどう思う?」

 

 

 

唐突直球にそんなことを聞かれ、何て言えばいいか分からない。息抜きでする話題じゃないだろ。

 

 

「どうって…頼りにはしてる。」

 

「そういう話をしてるんじゃない。彼女が一度も自分を女性だと思ったことはないと言った時、君も苛立ちを覚えたろう?」

 

 

 

珍しく、キャスターは真面目な顔をして先程のセイバーのことを口にする。そりゃあ、少し腹は立ったけど。自分のことを何だと思ってるんだって。

 

 

「彼女の気持ちも分からなくはない。自分の意思とは関係無く、周囲が望む在るべき姿を強く押し付けられて受け入れざる得ないとなれば…苦しいものだ。」

 

 

 

ふっと、キャスターが何か思う所があってか目を細める。その表情は、いつもの能天気なキャスターらしくない。

 

 

「お前、なんかセイバーに同情的だよな。」

 

「本官も似た様な立場に在ったからなぁ。」

 

「…リヒトがお前に、何か強制したのか?」

 

 

 

「半身はそんはことしないさ。気まぐれで身勝手な者達に昔、それで散々振り回されて理不尽な思いをした事がある。」

 

 

キャスターの言う、気まぐれで身勝手は者達とは誰の事なんだろうか。リヒトじゃないことは間違い無いけど。

 

 

 

「セイバーはよくやりきったと思うよ。」

 

「キャスター…お前、セイバーのこと結構知ってるのか?俺がセイバーに色々聞いても、結局はぐらかされるし。」

 

「彼女の真名も知ってるし、彼女がどうして聖杯を求めるかも知ってるさ。だが、半身から君らにあれこれ喋るなと口止めされてるんだ。」

 

 

やっぱり、こいつ全部知ってる。けど、リヒトから口止めを受けてるらしく、俺が何だかんだ聞いても話してくれる可能性はゼロだ。

 

 

 

「悪いな、シロ。こればかりはどうしようもない。」

 

「別に、気にして無い。」

 

「……シロ、僕はセイバーに以前の様な結末を辿って欲しくないんだ。君ならセイバーと分かり合える、そう信じてるから。」

 

 

一瞬、キャスターの口調が変わった。まるで、リヒトのフリをしている時の様な…いや、今のはリヒトそのものだ。

 

 

「リヒト…?一応、聞くけど…お前、キャスターだよな?リヒトと入れ替わってるとか無しだぞ。」

 

「半身ならそう言うと思ったから、言ってみただけだよ。」

 

 

 

キャスターがにやりと笑う。あぁ、やっぱりいつものキャスターでホッとした。その時、居間の電話が鳴り始める。

 

 

「む、電話か。出なくていいのか?シロ。」

 

 

 

キャスターが電話に出ろと促すので、居留守を決め込みたかったが出ざる得なくなる。こんな時間に誰だ?

 

 

「はい、衛宮ですが。」

 

 

 

居間にある電話の受話器を取ると、一瞬の間を置いて聞き覚えのある笑い声がする。慎二の声だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……お前が学校に来ないって言うなら、コトミネがどうなってもいいんだな。」

 

 

受話器越し、慎二の口からリヒトの名前が出て来て背筋に冷たいものが走る。慎二は俺に話したい事があると、何が何でも学校へ来させるつもりらしい。

 

 

 

「ちょっと待て!?何でそこで、リヒトが出て来る!」

 

「幾らコトミネでも、サーヴァント相手にしたらひとたまりも無いだろ?コトミネをどうにかしちゃえば、遠坂にも思い知らせることが出来る。」

 

 

最悪、慎二はリヒトを殺す気だ。そんな気がする。隣にいたキャスターの顔が険しいものになった。とうとう、慎二が狂った様に笑い出す。

 

 

 

「ほらほら、どうするんだよ?衛宮ぁ!モタモタしてたら、うっかり僕のライダーがコトミネ殺しちゃうかもしれないぜ?」

 

「行くから待ってろ!」

 

「そうこなくちゃ。遠坂には内緒で来いよ?衛宮。」

 

 

そこで、電話が切れた。険しい顔付きのまま、キャスターが俺を見るなり「行くのか?」と今更なことを聞いて来る。

 

 

 

「本官が行く。君は大人しく待っていたまえ。のこのこと学校に行けば、マキリ少年の思う壺だぞ。」

 

「大人しくなんて出来るか!俺も行く!」

 

「止めても君は行くんだろうな…先に行ってる。」

 

 

溜め息を一つ、キャスターが何らかの呪文らしい言葉を一言呟けば、たちまちキャスターの姿は掻き消えた。




セイバーのスルースキルはEX。

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