正直美沙夜の言葉遣いとかどうすればいいのか迷って仕方ないんです……
それから、感想で指摘された原作についての記述が足りないっていう件はそんなに足りてなかったですかね……?
あんまり書いても原作見る気無くすかなとか考えてたんですが。
そんでもってカルデアの話は長くなったので一話分まるまる使っちゃいました。
それでも足りないからカルデアネタはこれからちょいちょいやる感じでお願いします
セーバーがカルデアに召喚されてから一週間ほどが経った。ここでは彼がどういう英霊なのかを知るためにも、日常生活の様子を纏めたいと思う。
ちなみに一週間の間の出来事と言えば、実力の確認ということで行った
現在セーバーは――気絶王は、半分死にかけの状態で走っていた。
「そもそも、えいれい、だから……きんにく、なんて、つく、はず、ないだろ、って、ふつう、きづく……!」
「セーバー殿!筋肉に不可能はないのです!」
「うぼぁ」
事の発端は、イクラ狩りを見ていたスパルタ王、レオニダス一世の一言によるものだった。
『ふむ、どうやらセーバー殿には筋肉が足りていない様子!どうです、これから私と共に筋肉の邁進に勤しむというのは!』
『……まあ、鍛えなきゃ愛歌の隣に立つことも出来やしないだろうし、な。いいよ、やろうか』
と安請け合したセーバーは絶賛後悔している最中だった。生前は完璧超人である幼馴染の隣に立つべく全てを頑張り続け、身体もかなり鍛えていたが……そもそも戦闘向きのサーヴァントであるはずがない。
「くっそ、やすうけあい、するんじゃ、なかった、うぷっ……!」
「(とは言いつつも、ここまでずっとついてきているとは……)」
どれだけ辛くても相手と対等であろうとする性質は、もはや無意識的な行動となったために、相手がレオニダス王であろうと決して置いていかれまいとして努力してしまう。
これが正直に言えばレオニダス的には意外であった。マスターならば途中で諦めるなり、最初から拒否するのだが、このセーバーは顔をこれ以上ないくらいに歪めながらも諦めずにずっとついてきているのだ。
「……あひぃ」
セーバーの限界に達し、ついに倒れた。もはや意識は彼方へと飛んでいるだろう。気絶王の異名は伊達じゃない。
それでも、その並外れた、というかバカみたいな根性とかはスパルタ王にしっかりと通じ、それからも度々鍛錬に誘われては気絶しているという。
スパルタ王との地獄のような鍛錬を終え、気絶していたセーバーは医務室で目を覚ました。目を開けてすぐに、心配そうに覗き込んでいる愛する妻――沙条愛歌の姿を認識した。
「……あぁ、もう少しで追い付けそうだったのに」
「余り無茶をしないで……?いつでも、なんでも、誰でも――対等にあろうと努力するところはあなたのいいところよ。けれど……あなたが傷ついたりしたらわたし――」
「……俺としては君の隣で――欲を言うなら前に立って守りたいと、そう思っているんだけどな」
セーバーの言葉に遮られたために聞こえなかったが、沙条愛歌ならばやりかねない大変なことを言っていた。全魔神柱にも匹敵する危険性を孕んだ
体調が戻ったセーバーは立ち上がると、沙条愛歌を伴って退出する。セーバーがさりげなく右腕を差し出して腕を組むと、カルデア内部の長い廊下を進み――
「ん、誰か前から来てるな。……なんか見覚えがあるよう、な……」
「あら。やっぱり、あなたもここに召喚されていたのね――セイバー」
「……愛歌!?どうしてここに!?そんなはずは……!」
蒼銀の鎧を身に着けた騎士――アーサー・ペンドラゴン。沙条愛歌からはセイバーと呼ばれる青年だ。その端正な顔立ちには驚愕がありありと浮かんでおり、次第に厳しいものへと変わっていく。
「……まさか君の方からこちらに来るとはね。隣の彼が誰かは知らないが――人理焼却の手伝いをしに来たのなら、悪いが容赦も手加減もなしだ」
「――ああ。視たものなんか比べ物にならないわね。とてもキラキラして、力強くて、まるで王子様のよう。けれど…やっぱり、私は
思っていた反応と違うことで困惑するアーサーとは別に、沙条愛歌はセーバーの腕を強く抱きしめ、解放する。それでようやく意識を取り戻したかのようにセーバーはゆっくりと動き出す。
ふらふらと、夢遊病患者のような動きでアーサーの目前に立ち、じっくりとその顔を眺める。
「え、と……君は、一体……?」
「――うん。なるほどな」
若干引いているアーサーのことなど顧みずに、いきなり何か一人で納得する。そして突然崩れ落ちた。
「無理だよもぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!なんなの、なんでこんなイケメンなの?ふざけてんの?こんなイケメンで強くて優しくて?不条理だろまじで!こんなん勝てるわけないじゃん、チートじゃん、チーターじゃん!!やり直しを要求する!!」
「……もー、セイバーのせいでいじけちゃったじゃない」
「ええ!?僕のせいなのか……!?」
自分の顔を見て勝手に何か納得して、絶望して、いじけて、蹲り顔を覆ってしくしくと泣いている目の前の青年の状態が、アーサーにはあまり自分のせいだとは思えなかった。ついでに自分の知っている沙条愛歌という存在と余りに違うために、目の前の沙条愛歌が本物なのかと色々疑ってしまう。
「むぅ……確かに、あなたの知る
「それは一体……いや、待てよ。もしそうなら、君は……確かに
二人が話している間にもさめざめと泣き続けるセーバー。ちょっと特定のことになるとweakでクリティカルを自動で食らうことがある。現在もダメージ的には消滅寸前の状態だ。
「彼は……一体?」
「どの私も出会うはずがなかった人。この私だけが出会った――私の、旦那さん」
「――そう、か」
厳しい顔を緩め、少し苦笑を漏らすと、アーサーは目の前で泣き続ける男を慰めにかかった。結局その全てはセーバーの心を抉るものとなったのだが。
余談だが、これからしばらくして(主にセーバーの側の)蟠りが解けたことで、セーバーとセイバーで飲むことがしばしばあったという。
時間が来てしまったために今回はここまでとさせていただく。
次回からは彼らの起こした事件などを取り扱っていきたいところである。アーサー王とセーバーの関係性などについても調べていきたいところだ。
――最後に一つ。所構わずイチャつくせいで口の中がザラつくという人が続出してナイチンゲールさんの手がいっぱいになっているんですが?
王様ーズとかとの話なんかはまたいずれ
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