ダンジョンで運命を変えるのは間違えているだろうか   作:サントン

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なんか思いついちゃったので、こっそり更新。


誰かの受難?

 「そっちに行ったぞー!!」

 

 「つかまえろー!!」

 

 ???

 ーーはぁ、はぁ、はぁ、もうダメだ、捕まってしまう。まさか奴らがここまで強大になっていようとは!?クソッ!!

 

 オラリオの路地、ダイダロス通りをひた走りに逃げる一人の人間とそれを追いかける大勢。今ここ、オラリオでは大捕物が行われていた。

 

 「やっと追い詰めたぞ!覚悟しろ!」

 

 行き止まりに追い詰められる一人の人間、それを大勢が囲む。

 そこへと一人の人間がやってくる。

 

 カロン

 「コイツが例の奴か。」

 

 「大団長!ええ。コイツがリリルカさんが言っていた奴です。」

 

 旧アストレアファミリアで起きた悲惨な事件、頭脳チートであるリリルカはカロン達の為に事件の詳細な分析を行っていた。

 その結果、事件に関わった人物達にある一人の有力な首謀者と思われる人物が走査線上に上がってきたのだ。

 

 カロン

 「お前が悪夢の首謀者か?」

 

 ???

 「違う!」

 

 カロン

 「しかしリリルカはお前が事件に密接に関わっていた可能性が高いと判断していたぞ?お前はそれをどう説明するんだ?」

 

 カロンは考える。

 

 ーーこんなチンケで貧相な奴があの悪夢の首謀者だと!?こんなミノタウロスにすら泣いて逃げ惑いそうな奴がか?しかしリリルカが間違いを犯すとは………。どういうことだ?

 

 カロン

 「………俺達の仲間にはリリルカという超絶チートがいる。嘘を付いてもすぐにばれることだ。悪いことにはしないから正直に言ってくれ。お前が首謀者なのか?」

 

 ???

 「………私は首謀者ではない。しかし事件にお前を巻き混んだのは確かに私だ。私はお前の仇かも知れないが、リューの仇ではない。」

 

 カロン

 「どういうことだ?首謀者でないのに俺の仇だと?そしてリューの仇ではないと?詳しく説明してもらおうか?」

 

 誰か

 「それは不可能だ。」

 

 カロン

 「なぜだ?」

 

 誰か

 「事件の首謀者はお前が想像もつかないような巨大な存在だ。強大な存在(原作者様)強大な組織(ハーメルン様)が敵に回ることになる。その方々は、指先一つで世界を崩壊させたりすることすらも可能だ。私は末端の末端の下っ端が萌える日に出したゴミ屑に過ぎない。悪いことは言わない、やめてくれ!」

 

 カロン

 「………そいつらが闇派閥のボスだと言うことか?」

 

 誰か

 「いいや、違う。お前はそれ以上知るべきではないよ。」

 

 そこへリリルカがやってくる。

 

 リリルカ

 「その人のいうとおりです、カロン様。リリ達はこれ以上は知るべきではありません。その人は馬鹿だからこの世界に遊び気分で侵入したところを取っ捕まえることが可能でしたが、真の首謀者達は余りにも強大な存在です。その人の言っていることはおそらく正しいと思われます。」

 

 カロン

 「大魔王のお前ですらか………。じゃあコイツはどうする?リューにでも引き渡すか?」

 

 誰か

 「リュー様………望むところだ!」

 

 カロン

 ーー望むところだと!?リューの調教を望んでいるということなのか?馬鹿な、変態ではないか!確かになんかいやに嬉しそうだし。

 

 そこへリューもやって来る。

 

 リュー

 「嫌ですよ。なんか気持ち悪いです。」

 

 誰か

 「なんだと!?そんな………。」

 

 カロン

 ーーふむ、なんか本気でガッカリしとるな。確かに気持ち悪い。これはリューに引き渡すのもなぁ。アポロンファミリアの人員がまた増えることになりそうだし。それよりコイツから首謀者のことをなんとかする方法を聞き出せんのか?

 

 カロン

 「………俺達には首謀者を捕まえることはできんということか?なんとか方法はないのか?」

 

 誰か

 「不可能だ………といいたいところだが一つだけ可能性がある。」

 

 カロン

 「それはどういう方法だ?」

 

 誰か

 「次元昇華魔法だ。」

 

 リリルカ

 「やはりそれしかありませんか。」

 

 カロン

 「リリルカ、どういうことだ?」

 

 リリルカ

 「カロン様、リリ達の生きるこの世界は二次元と呼ばれる世界です。真の首謀者達は三次元と呼ばれる世界に生きています。リリ達は三次元には干渉できません。次元の壁が干渉を拒むからです。しかし、その壁を乗り越えることができれば、あるいは………。しかし危険も大きいです。前代未聞です。」

 

 カロン

 「………リリルカ、俺達はどうするべきだと思う?」

 

 リリルカ

 「リリ達が仲間を大切に思うなら、ここは諦めるべきです。そこの馬鹿みたいになんかの間違いで彼等がこの世界に入り込んで来ることを虎視眈々と待ちつづけるしかありません。」

 

 カロン

 「そうか………。ところでそこの馬鹿はどうするんだ?アポロンはもう満員だし、リューは気持ち悪がっているぞ?」

 

 リリルカ

 「まあ………なんとか使えないか試してみましょうか………。」

 

 ◇◇◇

 

 俺はカロン。

 

 あれから俺達は一つの選択肢としてなんとか次元の壁を越える方法がないか試している。

 俺達は仲間を護る為の組織だ。こちらから危険な相手に攻め込んでいくつもりはないが、また悪夢が繰り返されないとも限らない。その時に何の有効的な反撃手段を持ち合わせていないのでは対策もできないからだ。先の取っ捕まえた相手の意見も聞きつつ、なんとかならないか模索している状況だ。しかし、今のところ全く見通しが立っていない。

 ………あの馬鹿はどうやってこの世界に侵入したんだ?

 

 そして肝心のその馬鹿は今どうしているのかというと………。

 

 ヘスティア

 「新人君、甘いよ!もっとしっかり磨かないとダメさ!」

 

 誰か

 「わかりました!」

 

 使い道があまりに思いつかなかったため、ヘスティア(トイレ掃除担当者)の部下になってしまった。

 冒険者にしてはあまりに弱く、他の専門的なファミリアに入れるにもアホ過ぎる。他に使い道が思いつかなかった。リリルカさえもだ。

 

 俺はトイレ掃除をする誰かを見やる。

 それにしてもコイツが俺の仇か。そしてリューの仇ではないらしい。何度考えても意味がわからない。しかしリリルカがそういうからには間違いはないのだろう。

 憎くないわけではないが、見る限りあまりにもしょぼい。もっと凶悪な相手を想像していたのだが………やめよう、悪は正当に罪を償っている。

 

 ヘスティア

 「新人君、思ったよりも筋がいいじゃないか!」

 

 誰か

 「ありがとうございます!」

 

 ………筋がいいらしい。トイレ掃除神のヘスティアがそういうからにはそうなのだろう。

 ふむ、誰にでも一つくらいはなんかの取り柄があるものなのだな。


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