ダンジョンで運命を変えるのは間違えているだろうか   作:サントン

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主人公ハッスル!

 「リリルカ、実験をするぞ!」

 

 「はぁ、またですか?リリの事を楽しい遊び道具か何かと勘違いしてませんか?」

 

 「そんなことないさ!ただ新しいアイデアが浮かんできたんだ。」

 

 「またですか?それで今度はリリにどのようなハラスメント行為を?」

 

 「失礼な奴だな。俺はいつでもリリルカの事を考えてやってるんだ!」

 

 「全く役に立たないわけではないから質が悪いんですよね。それでリリは何すればいいんですか?」

 

 「リリルカは最大でどれくらいの大きさに変身できるか?」

 

 「試してないのでわかりませんが多分今まであった種族なら可能かと。」

 

 「15階層くらいになんとかドラゴンていたろ?あの緑いの。」

 

 「確かインファントドラゴンとかじゃなかったでしたっけ?それがどうかしたんですか?」

 

 「確かリリルカはアーデルアシストとかってあったろ?スキルの。あれは組み合わせればありえないくらいいろいろと運べるんじゃないか?裏技として上空から一方的に爆撃できるかもしれないな。」

 

 「はぁ、つまり空を飛んでたくさんの人を輸送しようって魂胆ですか?それと爆撃て………。経験値が入るとは思えませんが………。わかってますか?リリはあまり体が大きな物に化けると洋服が破けてしまうんですよ?」

 

 「服ならまた買ってやるさ。ホームまで変身したまま帰ればいいだろう。」

 

 「そういう問題じゃありません!わかってるんですか?少女が全裸で背中に鞍とかをつけてるんですよ?リリの精神的ダメージはどれほどと思ってるんですか?」

 

 「しかしダンジョンでダメだと思ったら使ってもらうことになるぞ?前もって練習は必要だ。」

 

 「………せめてリュー様との秘密の特訓にして下さい。」

 

 「残念だな。リリルカが乗り気なら男女のデートスポットとして売り出せるかと考えてたんだが?」

 

 「それは地獄の閻魔も裸足で逃げ出す外道の所業ですよ!?」

 

 「取り合えず先にアーデルアシストの積載限界を変身して調べてみよう。」

 

 「カロン様はどこまでも我が道を行きますね………。」

 

 ◇◇◇

 

 「おお、さすがリリタウロスだ。やはり人型の時と同じように手で持てるならいくらでも持てるのか。」

 

 「ヴモ、ヴモモモ。」

 

 「ブフゥッ!?」

 

 「カロン様、笑わないで下さい。」

 

 「すまんな。でもミノタウロス状態だとやっぱり言葉は喋れんのか?」

 

 「みたいですね。」

 

 「ところでリリルカは物質にはなれないのか?消しゴムとか?」

 

 「消しゴム!?ちょっと!それは嫌です。万一成功したと仮定しても戻れなくなったらどうするんですか?」

 

 「ふむ、確かに。さすがにお前を失う気はないからその実験はやめとくか。」

 

 「………つくづくなんでこのファミリアに来てしまったのでしょうか?正義を司るファミリアとは一体?」

 

 「まあ取り合えず予想通りに行きそうだとわかったのは収穫だな。これからどんどんでかい生き物をさがしにいこう!」

 

 ◇◇◇

 

 「結論から言いますと、リリファントドラゴンは実物より大きさが小さくなりました。背中に乗れるのもせいぜい四人と言ったところでしょうか?」

 

 「ふむ、そうか。時にリューは試したのか?」

 

 「はい、手綱を握る事にしたんですが鞍をつけた方が良さそうでした。鞍だったらそこそこ乗り心地がいいのではないでしょうか?」

 

 「惜しいな。リリルカが乗り気ならセレブ専用デートスポットとしてフレイヤに試させてみようかと思ったんだが………。ロキも食いついたかもしれないのにな。うまくいけば商売が可能だったのに………。」

 

 「カロン、私達の目的は金儲けではありません。」

 

 「ああそうだったな、スマン。ところでリリルカは?」

 

 「部屋で落ち込んでいます。ついにリリの人間としての尊厳までどうとか言ってました。」

 

 「ふむ、やはり精神的に来るものがあるのか。空を飛ぶのは気持ち良さそうなもんだがな?」

 

 「問題が大ありでしょう。全裸で大空を飛び快感を覚える少女、事案です。」

 

 ◇◇◇

 

 「猛者ですね、あなたにお聞きしたいことがあるのですが?」

 

 「俺に何の用だ、疾風?」

 

 「瀕死のカロンを助けたのはあなたですか?あなただったとしたら何故助けたのですか?」

 

 「………俺は6度のランクアップを果たした。俺は最低でも6度の死線を乗り越えた。あいつの姿が自身の苦難と重なった。ただそれだけだ。」

 

 「そうでしたか。カロンに代わってお礼を言わせて下さい。ありがとうございました。」

 

 「あいつはフレイヤ様のお気に入りだ。あいつを助けたことは結果的にフレイヤ様の役にたった。だから気にする必要はない。」

 

 「フレイヤ様が彼を気に入っているのは事実なんですね。」

 

 「不思議な男だ。俺もつい助けてしまった。」

 

 ◇◇◇

 

 「明日にフレイヤの所から冒険者がくると連絡があった。せっかくだし今日は俺達三人で食事にでも行くか?」

 

 「私は構いませんよ。」

 

 「カロン様のおごりでしたら。」

 

 「おいおいリリルカ、守銭奴だな。金は十分払っているつもりだが?」

 

 「リリはいつも精神的な苦痛を強いられています。正当な要求です。」

 

 「しょうがないな。」

 

 「それでしたら私も………。」

 

 「おいまてよリュー、お前に奢る理由はないだろ?」

 

 「あなたは団長です。上のものが下のものに奢るのは当然です。」

 

 「なんだお前もずいぶん図々しくなったなリュー?」

 

 「あなたの相手をするならこれくらいでないと務まりません。自業自得なのできっぱり諦めて下さい。」


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