ダンジョンで運命を変えるのは間違えているだろうか 作:サントン
ここは連合の廊下、私の名前はリュー・リオン。最近の私は苦悩していた。
ーー連合内での私の役目がすくないっ!!私ももっとなんかの役にたちたいっ!!
「どうしたんだい、リュー君。」
「
「リュー君!?今なんかルビに悪意を感じたよ!?」
そう、今私は悩んでいた。カロンは精力的に他ファミリア訪問を行っている。書類業務もしっかり行っているし内部の監察等も頻繁に行っている。リリルカさんは言うまでもなくチートだ。ファミリア訪問にきた神を弁舌巧にあり地獄の如く連合に引きずり込んでいる。見ていて恐ろしいほどだ。リリ地獄だ。サポーターの教育もしっかり行っていてたくさんの団員に尊敬されている。ミーシェさんは連合内の事情を網羅していて的確な指示を飛ばしている。さらに冒険者の守護女神としてアドバイザーの職務を全うしている。
ーーそれでは私は?私のヘスティア様との違いは!?私は何をすれば、、、
ーー私の仕事は護衛などの力仕事だけだ。私が脳筋だというのは事実だったというのか!?
「リュー君、考え込んでどうしたんだい?」
「だから静かにしてくださいとーーー
ここで私は少し考える。現状を打破するためには何かのアクションを起こすべきだ。しかし何をすれば?誰に相談すれば?目の前の特に何かしてるわけでもない駄目神以外に暇な存在は?背に腹が代えられるか?他の真面目に忙しくしている人間の時間を奪うべきなのかーーー?
「ヘスティア様、相談があります。」
私は決意するーーー。
◇◇◇
私の私室でヘスティア様と私は向かい合う。私はお茶とお茶受けを出す。
「なるほどね。つまりキミは連合内で自分の仕事を増やしたいわけだ。」
「その通りです、ヘスティア様。何かいいアイデアがありますでしょうか?」
「うーん難しいな。いつも通りじゃあ駄目なのかい?」
「私は、自分を変えたい。連合内で必要とされる私になりたい。」
「うーん、でもキミはいるだけでカロン君達の役に立てていると思うよ?カロン君もキミの抜けた性格を見ているとちょうど良く力が抜けると言ってたしさ。」
「それではヘスティア様と同じです。私はヘスティア様にはなりたくない!」
「キミは本神を前にしてなんて事をいうんだ!?ボクは断固抗議させてもらうよ。相談にわざわざ乗っているというのに………。」
「じゃあヘスティア様も一緒に何かすることを考えましょう。」
「ボクはトイレ掃除が忙しいから向こうに行くよ。」
「逃がしません!」
◇◇◇
ここは豊穣の女主人。私はファミリアの顧問相談役、聖女シルにも相談を行っていた。
「というわけでシル、何かいいアイデアはありませんか?」
「簡単だよリュー。リューはアイドルになればいいんだよ。」
シルはそう答える。
「偶像、ですか?」
私。
「うんそうだよ。リューはかわいいんだからみんなのアイドルになってファミリアの人気を上げればいいんだよ。」
「いいアイデアだよシル君。」
ヘスティア様。この神はちゃんと考えて物事を言ってるのでしょうか?
「ヘスティア様も一緒にやるんですよ。オラリオの美少女………美人ユニットで売り出せばいいんだよ。」
「「なんで言い直したのですか(んだい)!」」
ーーしかし私には特にアイデアがない。シルがそういうのでしたら試してみることにしましょうか。
こうしてオラリオに謎のアイドルユニットが成立した。
◇◇◇
「ホラ、リュー、しっかり笑って!!あなたトークが壊滅的なんだからせめて愛想良くしないと!!」
「ハ、ハイ。」
「ホラ、ヘスティア様、もっとしっかり動いて。鈍臭いですよ。胸が揺れないと意味がないでしょう!」
「ええ~?勘弁しておくれよ。」
こうして私達の
◇◇◇
そうしてある程度の日数が経ち、私達はシルにだいぶ良くなってきたと伝えられた。
「「シル教官、ありがとうございました!!」」
「君達の検討を祈る。」
「「ハイ!!」」
………シルのキャラも変わっていた。
◇◇◇
「カロン大団長、今日もお疲れ様でした!!あなたのリューただいま参上☆」
カロンは仕事の帰り道。彼にそう声をかける私。目元には横向きのピースサイン。いぶかしがるカロン。
「お前リリルカだろう?何故そんな悪辣な悪戯をしてるんだ!?いや、リリルカでもやらないか?誰だ?」
「いえ、私はあなたのアイドルリュー・リオンです。」
距離をとるカロン。警戒心を前面に押し出しているのがわかる表情。
「何かの魔法か?スキルか?誰だお前は?何の目的だ?本物はどこへやった!?」
そういって指示を出すカロン。私を囲む憲兵。
「いえ、あなたのリューです☆」
満面の笑みの私、困惑するカロン、不思議なものを見るような憲兵達。
「百歩譲ってお前がリューだとしよう。お前は何故そんなおかしな真似を?まさか魅了か!?誰の仕業だ!?」
慌てふためくカロン。そこへ通り掛かるヘスティア様。
「カロン君、いつもご苦労様!ボク達はいつもキミに助けられてるよ。ヘスティアだニャン☆」
そういいながらウィンクするヘスティア様。手の形は招き猫。ドン引くカロン。
「ヘスティア、お前神だから魅了かからんはずだろう!?何やってるんだ?」
「ボク達は連合のためにアイドルになることにしたんだよ。連合の人気を上げるために!」
「アイドルって、、、お前はすでに神だろう。神は
「でも今はボクはここに顕現しているから偶像ではないよ。それでどうだい?連合のアイドルとして売り出してみないかい?」
「………そんなことを言われても俺にはわからん。リリルカに聞いてもらわないと………。」
困惑のあまりカロンはリリルカに丸投げした。
◇◇◇
「というわけで来ました☆リリルカさんどう思いますか?」
それにため息をつくリリルカ。
「リュー様はわかってらっしゃらないのですね。リュー様はすでに連合内のアイドルです。寡黙で真面目で厳しくて少し恥ずかしがりやっぽいところが堪らないと皆言っています。今更そんなことしても逆効果ですよ?」
私はその言葉に衝撃を受けた。私の時間と努力は何だったのか?
「それでボクはどうだい?リリ君。ボクはいけそうな感じかい?」
「ヘスティア様もすでにトイレの汚れ系アイドルとしてオラリオに広く知られています。今更何しても変わりませんよ?」
作者はアイドルについて無知に等しいので現実にはありえなくても見て見ぬ振りをお願いします。