ダンジョンで運命を変えるのは間違えているだろうか 作:サントン
リリ達は今日、カロン様に呼び出されました。リリ達とはリリとリュー様とアストレア様です。一体何の用事でしょうか?
「失礼します。」
リリはノックして入室します。ここはアストレア連合会議室です。
「!?」
「ああ、リリルカ、来たか。待ってたぞ。」
「リリルカさんが来ましたか。」
「あら、リリちゃん。待ってたわ。どうかしら?」
この人たちは何をしているのでしょうか?
アストレア様は構いません。アストレア様は椅子に座ってカロン様とリュー様を眺めてらっしゃいます。
問題はカロン様とリュー様です。お二人は机の上に立って何やら奇妙なポーズをとってらっしゃいます。カロン様は両手を斜めにあげて片足をあげてらっしゃいます。まるでグ〇コのポーズです。リュー様は手を交差させて膝を折ってらっしゃいます。まるでスペ〇ウム光線のポーズです。何というかいろいろ言いたいことはありますがまず始めに言うことがあります。
「カロン様、リュー様、土足で机の上に乗らないで下さい!その机の代金は連合の金庫から出ています!まずは二人とも正座してください!」
「「ハイ。」」
「そしてアストレア様、なぜお止めにならなかったのですか!」
「ごめんなさい。いつもリリちゃんに怒られる二人がかわいくてつい。」
仕方ありませんね。アストレア様はなんかダメな感じの神様になってしまいました。完璧にカロン様のマイペースを移されています!やはり以前は肩肘はって正義を目指した反動なのでしょうか?まあ置いておきましょう。それよりも。
「カロン様とリュー様は何を考えているんですか?何を考えて机の上であんな変なポーズをとっていたんですか?」
「なっっっ!?」
リュー様がショックを受けてらっしゃいます。変ではないと思っていらっしゃったのでしょうか?
「変なとは失礼だな。リリルカ、俺達は正義のファミリアだ。違うか?」
「まあその通りですね。」
「正義の味方には決めポーズが必要だ!」
まあそんなところだろうとは思いました。一応聞いておいてあげましょうか?
「机の上にいた理由は?」
「正義の味方は高いところに現れるのだ!」
やはりアレですか。何とかと煙は高いところが好き理論ですか。カロン様の方はわかりました。
「リュー様はなぜそんなのに付き合っていたのですか?」
「カロンに正義の味方には決めポーズが必要と乗せられてつい………。」
ふむ、リュー様の説得は簡単そうですね。
「リュー様、高いところでうっかり変なポーズをとりでもしたら下着がまる見えになりかねませんよ?リュー様はうっかりすることがありますし。普段ショートパンツだからたまにスカートを履いたりなんかするとよけいにうっかりしますよ?」
「そ、それは盲点でした。」
よし、リュー様の説得は完了です。面倒なのは
「カロン様、おかしなポーズをとっている間に敵に逃げられたらどうするんですか?正義のファミリアが悪を油断で取り逃がすんですか?」
「しかしリリルカ。決めポーズをとることで相手の油断を誘ったり士気を下げたり出来るんではないか?」
め、面倒な相手です。元々リリの理由もそこまで強いわけではありません。
「カロン様、変なポーズで相手の士気を下げられるとは思いません。それにポーズが浸透してしまったら相手に正体が即座にばれて逃げられてしまうのではないですか?」
「ぐ、ぐうっ。ならば幾通りもパターンを考えればよいのではないか?」
………面倒すぎます。
「先ほど正義の味方には決めポーズが必要だとおっしゃいましたよね!ポーズをとるのが正義の味方ならばやはりポーズをとったというだけで正義の味方だとばれてしまいます!」
なぜリリはこんなにわけのわからない説得をしているのでしょうか?
「むううっ、ならば………それならば………仕方ない。次はファミリアの決め台詞を考えるか。」
まだ面倒なことを言いますか………。どうしましょうかね。
「………それになんの意味があるのですか?」
「俺のモチベーションが上がる!リューの下着も見えないし問題ないだろ?」
このくらいは許してあげましょうかね?リリが断ったらそこらの団員を捕まえて強制しかねません。下の団員は大団長に逆らえると思えませんしわけのわからないパワハラをやらせてしまうよりは適度な落としどころを探しましょうか?
「それではどのようなものをお考えですか?」
「これはメラゾーマではない、ルミノスウィンドだ。」
パクリですね。散々に使い古されたネタです。しかも属性の系統も違いますしルミノスウィンドをなぜメラゾーマの下位のような扱いにしてるのかも謎ですし。それだったらせめて属性だけは同じリヴェリア様の魔法でしょう。
「没です。その決め台詞はそもそも使えてもリュー様だけです。」
「ならばこれはどうですか?お前らはもう死んでいる!」
リュー様まで乗って来てしまいました。フルスロットルリュー様はカロン様と似たノリになるんでリリの負担も増えるんですよね。困ります。
「没です。作画と作風が違いすぎる作品ですしそもそもアストレアの方針は可能な限りは生け捕りです。」
「ならばこれはどうだ!俺の拳が轟きさけーーー
「ストップです。パクリはそもそもNGです。オリジナルで考えて下さい!」
リリの言葉にカロン様は考え込んでいます。パクリにNGをだされたリュー様は気持ちしょんぼりしています。
「リリルカ、やはり決め台詞はポーズと一緒の方がカッコイイのでは?」
また言い出しちゃいましたよ。さっき説得したばかりなのに………。
「リリルカさん、下着が見えないポーズをとればいいのでは?」
リュー様までぶり返しちゃいました。面倒ですしもう勝手にさせるのもアリかも知れません。リュー様がパンチラ担当のお色気キャラになってしまってもリリの知ったことではありません。
「カロン様とリュー様だけでやるのでしたら好きにしていいですよ?」
「何を言ってるんだ?正義のファミリアの象徴的ポーズだぞ?」
「ダメです!他の団員の方々がわけのわからないポーズをいやがって入団者が減ったりしたらどうするのですか!カロン様達だけでやってください!」
「せめてリリルカさんだけでも………。」
「やりません!リュー様、目を覚まして下さい!」
◇◇◇
???
「アストレア連合の決めポーズってカッコイイよな!」
「ああ、そうだよな!やっぱ連合だぜ!」
◇◇◇
どうしてこうなってしまったのでしょうか?あのあと好き勝手に決めポーズや決め台詞を決めるカロン様とリュー様はなぜかオラリオ中で流行らせてしまいました。この間久々にソーマ様に会いに行ったらあのソーマ様まで鏡の前で練習していました。見られたソーマ様は固まっていました。挙げ句に連合の必須技能に入ってしまう始末。そんなわけのわからないことに時間を使うくらいならいくらでも有効な時間の使い道があるはずなのに………。今ではリリもポーズをとらざるを得ません。こう片手を引いて片手を回転させて片方を引いて同時に………
「ってやっぱりパクリじゃないですか!仮面ラ〇ダーの変身のポーズじゃないですか!確かに正義の味方ですけども!」
決め台詞は
「フム、別にアレを倒してしまっても構わんだろう?」
「その体はきっと無限の盾でできていた!」
やっぱり正義の味方のパクリです。