ダンジョンで運命を変えるのは間違えているだろうか   作:サントン

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怪物祭~ベートの受難~

 ーーマジか、クソッ、勘弁してくれよ。

 

 ベートは酷く落ち込んだ。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 今日は俺がかねてより楽しみにしていた怪物祭だ☆なに、キャラが違うだぁ?知るかよ!まあ俺も毎年楽しみにしているわけじゃあない。なんと今年はアイズを祭に誘うことに成功したんだ。

 なに、アリエナイ?おい、今言った奴誰だ?前に出やがれ!

 そんなわけで俺は朝から楽しみにしていた。け、決して昨日の夜楽しみで寝れなかったなんてことはねーぞ?おい、誰だよ今意外とかわいいところもあるなんてふざけたこと抜かしやがった奴は?

 

 そんなわけで今日は朝からベート超興奮。思わずガネーシャにもなろうってもんだ。鏡の前で鼻歌交じりの俺はしっぽに普段とは違うピンクのリボンをつけておめかしした。今日の俺はあのストーカー野郎にさえも優しくなれる気がしたんだ………そう、この時までは。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 「アアアアイズ、よくきたな。」

 

 「ベートさんお待たせ。」

 

 「凶狼、久々だな。よし、では一緒に回るか?」

 

 ?今なんかいたか?気のせいだよな?やはり寝不足が祟ってんのか?やはりデート前はきちんと睡眠を取るべきだったか?

 

 「どうしたんですかローガさん。」

 

 やっぱりいる!しかもごっそりいる!!見間違いじゃあねぇ!見たことある奴らだ。今喋ったのはアストレアファミリアのエルフだ。いち、にー、さん、よん………俺達含めて全部で七人いやがる!?どういうこった!?

 

 「オオオオオイテメエ、何故ここにいやがる?」

 

 「アイズとそこでたまたまあってな。アイズが凶狼と待ち合わせてるから、よかったら一緒に来るかって。」

 

 ーーアイズたあぁぁぁぁん(泣)。百歩譲ってファミリアの仲間ならともかく何故こいつら、というか変人(カロン)なんだよ!?俺は何のためにロキに根回ししたんだ?何のためにタケミカヅチの眷属に土下座とやらを教わったんだ?こんなもん嫌がらせ以外のなんでもねぇじゃねェか!?俺がそんなに嫌いなのか?

 

 「アイズ、久々だな。今日はダンジョンはお休みか?」

 

 「うん、ベートさんがどうしてもっていうから嫌だったけどーーー

 

 待てぇぇぇぇぇぇーーっっ。嫌だったってアイズ、それはあんまりだあぁぁぁぁっ。

 

 「ベート様、気を取り直して下さい。カロン様はどこまでも我が道を行く方です。落ち込むだけ損です。これからいくらでもチャンスはありますしリリはお手伝いをさせていただきます。元気を出しましょう!」

 

 チビィィィィィ。お前、お前、いい奴だったんだな。もうチビとはよばねぇよ。もしうまくいくんならおチビ様でもリリルカ様でもなんとでも呼んでやるよ!

 

 「アイズは綿飴でも食うか?」

 

 「綿飴?食べたことない。」

 

 「ほら、あのぐるぐる回ってるやつだ。甘くてふわふわだぞ。」

 

 「………食べる。」

 

 それはっ、それはっ、俺の役目だあぁぁ!ナチュラルにアイズの隣でエスコートしてんじゃあねぇ!!!お前には近くにファミリアの美人のエルフがいるだろうがぁぁ!!

 

 「カロン、今日は私たちファミリアの人間のエスコートをしてくれるんじゃないんですか?」

 

 そうだ、言ってやれ!もっと、もっとだ!

 

 「だがアイズもベートも近い将来俺達のファミリアに入る予定だ。今のうちから仲良くしておいて損はないだろ?」

 

 テメエはまだいってんのかぁぁぁぁぁ!しかもアイズもいれてんじゃねェぇぇぇ!

 

 「ふむ、ところで凶狼。今日のしっぽのリボンはかわいいな。着飾っているのか?」

 

 そうだよ!デートのつもりで来たんだよ!お前ら邪魔するんじゃねぇよ!!アイズに褒めてもらうんだよ!!

 

 「お、アレは。おーいフィンじゃないか。お前達も皆できてたのか。お前らも一緒にいかんか?」

 

 これ以上人間をふやすなあぁぁぁぁ!オラ、見ろよ!ティオナもティオネもリヴェリアもレフィーヤもラウルすらも俺のことをなんか可愛そうなものを見る目で見てやがるじゃねェか!こっち見んじゃねェよ(泣)あとロキ、楽しそうに笑ってんじゃねェぇぇ!!!

 

 「い、いやほら僕達はせっかくたまには別々に回ってるんだし………。」

 

 「そういうなそういうな!ほら、せっかくのお祭りなんだし!」

 

 フィンと肩組んでんじゃねぇぇ!オラ、見ろ、困った顔してんじゃあねぇか!!

 

 「あ、リュー、リリ。ヘスティア様もいる。皆でお祭りにきてたのー?」

 

 「シル、奇遇です。」

 

 「シル様!」

 

 「シル君、奇遇だね。せっかくだから一緒に見て回ろうよ。」

 

 まだ増えるのか、どこまで増やすつもりだぁぁぁ!!そして誰だテメエェェェ!!

 

 「「「「「団長!ご苦労様です。」」」」」

 

 「おお、お前ら五人か。せっかく出会ったことだし一緒に回るか?」

 

 作者は何のために別行動させたんだあぁぁ!!ただの字数稼ぎじゃねえかぁぁぁぁ!!

 

 「「「リューの姐御、ご苦労様です。」」」

 

 「あなたたち、あまり他人に迷惑をかけてはいけませんよ。」

 

 「三馬鹿もせっかくだし一緒に行くか?」

 

 姐御ってなんだあぁぁ!!誰か知らんがお前ら三馬鹿呼ばわりでいいのかああぁぁぁ!!

 

 「カロン、よく来てくれたな、ガネーシャ超歓迎。」

 

 「ガネーシャ、さすがに活気があっていい祭だな。」

 

 お前自分トコの祭だろうが!!仕事しろぉぉぉぉ!!

 

 「………カロン、祭とはいいものだな。酒と通じる楽しさがある………。」

 

 「ソーマ神、嬉しそうだな。アレからファミリアはどうだ?」

 

 引きこもりまで連れ出してんじゃねぇぇぇ!!酒と通じる楽しさってなんだあぁぁぁ!!

 

 「変人、嫌な人と会いますね。」

 

 「なんだ、失礼だな万能者。せっかくのお祭りで無粋なことをいうもんじゃないぞ?」

 

 どうせお前がおかしなことをまたなんかやったんだろうがぁぁぁぁ!!

 

 「カロンか、祭はいいな。」

 

 「ああ、タケミカヅチ。眷属の皆も。皆が楽しそうなのは見てていいな。」

 

 まだ増えるのかあぁぁぁ!!しかもギャグでサラっと初キャラ出してんじゃねぇぇぇ!!

 

 はぁ、嫌になった。どんどん人が増えて片っ端から変人が誘いやがる。もうアイズが人に溺れてどこにいるかすらわからねェ。

 女共がなんかこそこそ話をしていやがる。俺は半ば以上にやけくそでその様子を見ていた。

 

 「ベートさん、始めまして。私シルといいます。」

 

 「アン、なんだテメエ?」

 

 「リリからお話は聞きました。これだけ人がいたら二人くらいはいなくても誰も気づきません。私がアイズさんを呼んできてあげますよ。」

 

 「アア、テメエにそれが何の得があるんだ?」

 

 「私は豊穣の女主人の店員です。懇意のお客様の融通を効かせたいと思うのは別におかしくないでしょう。次に来たときにたくさんお食事をしていって下さい。」

 

 「テ、テメエ、聖女様だったのかよ………!?」

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 「アイズ、今日は付き合ってくれてありがとな。楽しかった。」

 

 ロキ本拠地前、俺は驚くほど素直に今日の礼を言えた。

 

 「うん、私も今日は楽しかった。疲れたけど。」

 

 「あの馬鹿は高レベルの冒険者でもついてけねぇな。俺も少し疲れちまった。」

 

 「でも人がたくさんですごかった。」

 

 「ああ、人が多過ぎてあまり楽しむ時間が取れなかったな。リベンジに来年も付き合ってくれるか?」

 

 「うん。」




作者はベートを応援しています。

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