ダンジョンで運命を変えるのは間違えているだろうか   作:サントン

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閑話~ヘスティアの受難~

 「ただいま帰ったぞ。」

 

 俺はヘスティアを本拠地に連れて帰った。本拠地ではリューが出迎えをしてくれた。

 

 「お帰りなさいカロン、後ろの方が以前話していたヘスティア様ですか?」

 

 「ああ、穀潰神のヘスティアだ。」

 

 「ちょっと!初対面の人に穀潰しとかやめておくれよ!」

 

 「他のあだ名は黙っといてやるから静かにしてくれ。それで今からヘスティアの使い道を考えようと思う。」

 

 「ヘスティア様の使い道ですか?勧誘とかですか?」

 

 「ヘスティア、お前勧誘とか仕事とかできるか?」

 

 「うっ………でもボクはステータス更新ができるよ。」

 

 「鳥が空を飛べるように、乳牛が牛乳を出せるように、神がステータス更新できるのは当たり前だ。」

 

 「なんか乳牛のくだりに作為を感じるよ。それでどうなんだい?」

 

 「残念だが俺達にはすでにアストレアがいる。マスコット枠もリリルカで埋まっていてペット枠も凶狼に売約済みだ。お前にはなんかの役に立ってもらう。」

 

 「でもボクはバイトも勧誘もしたことないし………。」

 

 「リューはなんかアイデアあるか?」

 

 「アストレアファミリアにオッパイが大きくなるお化けが住み着いている噂を流すのはどうでしょうか?女性冒険者がくいつくかもしれません。」

 

 「リューもだいぶ考えてくれるようになったとは思うがそれはこいつ自身は何もしてないぞ?」

 

 「しかし他となると難しい。」

 

 「勘弁しておくれよ………。」

 

 「ではいっそのこと男連中のモチベーターにするか?人々の欲望を司るのも神の仕事だ。」

 

 「嫌だよ!何でちょっとカッコイイ風にいってんのさ!!ボクは処女神だよ!?」

 

 「そうか、残念だ。お前のやる気があるなら挟んで100ヴァリスとかも考えていたんだが。地平の彼方まで行列ができるかも知れんぞ?是非どれくらい人が並ぶか見てみたかった。」

 

 「カロン、あまり下品なのはやめてください。」

 

 「しかしこいつ聞く限りでは使い道がほとんどないぞ。いっそ面白いくらいだ。」

 

 「ヒドイ、ヒド過ぎるよ………。」

 

 「ふむ、いっそ凶狼を釣る餌にでもするか?あいつはアイズにあまり相手にしてもらってないみたいだし欲求不満だろう。」

 

 「カロン、アイズさんは貧乳です。ベートさんは貧乳が好きなのでは?」

 

 「しかし試して損はないぞ?」

 

 「大アリさ!ボクが丸損だよ!」

 

 「しかしアストレアファミリア全体で考えればたいしたことない損失ではないか?」

 

 「キミはもう何なんだ!!!ボクに恨みでもあるのか?」

 

 「カロンはだいたいいつもこんな感じです。」

 

 「ふむ、ヘスティアの使い道より凶狼の勧誘方法を考えた方がコストパフォーマンスがいいような気がするな。」

 

 「それはそれで屈辱が天元突破だよ!?入るかどうかわからないベート君の勧誘の方が今ここにいるボクの使い道よりコスパがいいってどういうことだい!?」

 

 「そのままの意味だな。神は子供の嘘がわかるんだろう?」

 

 「今はとてつもなく残酷だよ。」

 

 「人は追い詰められると必死になるといいます。その方法はどうでしょうか?」

 

 「しかしこいつは人じゃなくて神だぞ。俺には来週くらいにイシュタルのところで働いているビジョンしか見えん。どうせならマージンが完全に取れるウチで営業したがいいだろう?」

 

 「カロン!!我々は正義のアストレアファミリアです。娼館経営は断じて認められない!」

 

 「エルフくんもそっち側なんだね。少しくらいボクのことを考えてくれても………。」

 

 「ああ、すみませんでしたヘスティア様。自己紹介を失してました。私はリュー・リオンと申します。」

 

 「キミも大概マイペースなんだね。カロン君とお似合いだよ。」

 

 「ヒドイ言い掛かりだヘスティア様!」

 

 「キミも大概ひどいこと言ってるよ………。」

 

 ◇◇◇

 

 「はじめまして、ヘスティア様。リリはリリルカ・アーデと申します。」

 

 「アインだ。」

 

 「イースです。」

 

 「俺はウルド。」

 

 「エルザよ。」

 

 「オーウェンだ。五人まとめて出落ちです。」

 

 「出落ち!?まあよろしく、君達はまともそうだ。ボクはキミ達の団長にヒドイことを言われたよ。」

 

 「ヘスティア様、それは何というか………ドンマイとしかいえません。カロン様はだいたいいつもそんな感じです。何故団長なのでしょうか?」

 

 「リリルカ君、キミはボクの気持ちをわかってくれるのか?」

 

 「ヘスティア様、わかります。それとリリのことはリリとおよびください。」

 

 「リリ君。キミはこのファミリアにきて初めての温かみだ。ボクは神なのにまだこのファミリアの主神も紹介してもらってないんだよ!?」

 

 「ああ、それは多分忘れられてるだけです。カロン様は賢いようで時々頻繁に抜けてます。リュー様もしょっちゅうポンコツ化します。アストレア様はまともな主神様です。リュー様は最近以前に比べてポンコツ時間がふえています。」

 

 「そうなのかい。ところで時々頻繁にってどっちだい?」

 

 「稀に良くあると似た意味合いです。感覚でイメージしてください。ところでヘスティア様、もしここのファミリアでストレスが溜まるようでしたらオススメしたい居酒屋があります。リリのお金を少しだけお布施します。」

 

 「ほんとうかい?」

 

 ◇◇◇

 

 「そういうわけで、ボクは、ボクは、ヒドイファミリアに売られてしまったんだ。ボクだってボクなりに一生懸命なのに………。」

 

 「お顔を上げてくださいヘスティア様。私はシルといいます。これから一生懸命に頑張ればきっと皆に認めてもらえます。私も日々頑張ってお仕事していますしヘスティア様も一緒に頑張りましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 翌朝、トイレ前で唖然とするカロンとリュー。

 

 「おい、リュー。お前見えているか?」

 

 「カロン、私にも見えています。私達はおそらく寝ぼけてはいないでしょう。」

 

 「ふむ、それではなぜだかわかるか?」

 

 「私にもさっぱりわかりません。」

 

 「何故この穀潰神はファミリアに来て二日目でトイレでパンツ丸出しでゲロ吐いたまま寝てるんだ?」

 




今日の戦犯はリリルカ。
そしてヘスティア様はネタ枠あるいはヨゴレ枠。
原作開始前につきアイズはヒンヌー教です。

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