ダンジョンで運命を変えるのは間違えているだろうか   作:サントン

17 / 129
ヘスティア参戦!

 「ふむ、つまりそこのオッパイの化身を引き取っても構わんということだな。」

 

 「オッパイの化身っていうなぁぁぁぁぁ!」

 

 「ヘスティア、ゴメンけどちょっとだけ黙っててくれるかしら。話が全く進まないわ。」

 

 話は三ヶ月前に遡る。

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 「へファイストス様、俺たちはアストレアファミリアを立て直し以前以上に大きなファミリアにするつもりだ。」

 

 「それであなたは私にどうして欲しいのかしら?」

 

 「ある程度見込みが付いたら本格的な同盟を結んで欲しい。内容は現時点では全く考えていない。目標はより住みよいオラリオだ。」

 

 「うーん何とも判別しがたいわね。住みよいオラリオ自体には賛成するしアストレアファミリアにも好感があるけど、あなたは初見だし危険があるかもしれないし何より道筋が不明瞭だわ。その辺はどう考えてるの?」

 

 「例えばフレイヤ様とロキ様が手を組んだらオラリオは思いのままだろう。最終的なイメージはそれ以上を目標としている。道筋としては両巨頭との対等な同盟関係、中小ファミリアに対する有利な同盟関係。達成状況はフレイヤ様との同盟のみだ。筋道を進めるためにオラリオで必要なものを生み出して地位の向上に励んでいる状況だ。」

 

 「なるほどね。でも現時点では私にとってはあなたはただの知らない人よ。信頼できるわけないわ。」

 

 「今日知ってもらったし今から先もその時間がある。誰にだって初対面や初体験はあるだろう。それを認めないならあなたはただの老害になるぞ?」

 

 「待ってちょうだい!あなた初対面の神をいきなり老害扱いとか頭大丈夫?」

 

 「不審者と老害の面談だ。釣り合いがとれててちょうどいい。まあそれより俺たちが先程話したのは当分先の話だ。とりあえず今は人材を集めているところだ。」

 

 「信頼できるわけないといったことへの意趣返しね………。それでも私たちにもう少し敬意を払って欲しいのだけど………。」

 

 「話が進まんぞ?」

 

 「なら言葉の上だけでも謝罪してちょうだい。」

 

 「スマンな。」

 

 「軽すぎる!?」

 

 「まあそういうわけでなんかツテとかちょうどいい状況とかあったら人材の斡旋とかも頭の隅にでも置いててもらえるか?今日の用事はここまでだな。」

 

 「………まあいいわ。わかったわ。」

 

 

 

 

 

 (あの穀潰しを押し付けるのにちょうどいいかも知れないけど相手は零細ファミリア、敵も多いし危険もあるかもしれない。さすがに危険なところにはほうり込めないわ。それに相手が求めるのは人材、果たして役立たずの神を欲しがるかしら………?)

 

 そして現在より二日前。

 

 ◇◇◇

 

 「というわけなのよ、ヘスティア。あなたの態度も腹に据えかねるしアストレアファミリアも落ち着いてきた。さらに団長は闇派閥の実力者を返り討ちにすることで高い実力を示したわ。あなたはアストレアファミリアに行ってその腐った性根を治して貰いなさい。」

 

 「くくくくさっただとぅ!ヘファイストス、ボクはやれないんじゃなくてやらないだけなんだ!」

 

 「じゃあ問題ないわね。ちょうどよかったわ。いってらっしゃい。」

 

 ◇◇◇

 

 「なるほど、そちらのオッパイお化けがヘファイストス様の言ってた神材か。」

 

 「キミは初対面でなんてこというんだ!」

 

 「あきらめなさい、ヘスティア。私は初対面で老害呼ばわりされたわ、私よりいくらかましよ。それとカロン、彼女が処女神ヘスティアよ。炉の神と言われているわ。」

 

 「なるほど、少女神か。自称少女でも俺達より年上だろう?」

 

 「少女じゃなく処女よ。それに女性に年の話はタブーよ。」

 

 「それよりキミはどういうつもりでボクをオッパイお化けなんて呼び方をしたんだい?」

 

 「どうもこうもないだろう。それだけオッパイを強調させる服を着て挙げ句に謎の紐だ。痴女神の間違いじゃないのか?」

 

 「ちちち痴女神!?いくらなんでもあんまりだよ。キミは何を考えてそんなことを言ってるんだ!!?」

 

 「ヘファイストス様が引きこもって日がな一日惰眠を貪っていると言ってたぞ?喪女神の駄女神だな。少々属性過多だ。一人四天王だな。人の役に立たない神がいてもかまわんが、敬意を払う必要はないだろう。」

 

 「ぐぬぬ………。キミは屁理屈をこねて………。」

 

 「ヘスティア、話が進まないから少し黙っててちょうだい。それに遺憾ながらカロンが正しいわ。」

 

 「ヘファイストスっ!?」

 

 「ふむ、話を進めるとそこの神を我々のファミリアに迎え入れても構わないと?」

 

 「ええ、是非お願いするわ。前もって断っておくと不良債権だと思っても返品は聞かないわ。」

 

 「待ってくれよ!?ボクの意思はどうなるんだい!?」

 

 「ヘスティア、地上では労働の義務があるの。神でも義務を果たしていない以上権利を声高に主張するのはおかしいわ。」

 

 「あきらめた方がいいな、ヘスティア様。」

 

 「だいたいカロン君はどうなんだい!?キミは人材を求めているんじゃないのかい!?ボクは穀潰しで役には立たないよっ!」

 

 「とうとうなりふり構わなくなったわね………。」

 

 「構わんよ。俺達は贅沢を言えるほど余裕があるわけじゃない。俺達に今最も必要な力は数だ。穀潰しのオッパイでも何とかやってみるさ。」

 

 「………キミはボクをオッパイ以外で呼んでくれないのかい?」

 

 「オッパイ以外で呼ばれたければ何かを立派に成し遂げることだ。あなたが俺達の役に立ってくれたらそれこそヘスティア様でもなんとでもよぶぞ。なんならオラリオに銅像を建ててもいい。」

 

 「銅像はいらないよ。というかこの話の流れはボクはやはりどうしてもいかないといけないのか?」

 

 「ふむ、もし来ないのだったら俺達が大きくなった暁には、オラリオにオッパイ以外に取り柄のない穀潰しの痴女神の銅像でも建てようか?」




ヘスティアファンの方ごめんなさい。アンチヘイトは必要でしょうか………

一人四天王・・・喪女神、駄女神、痴女神、穀潰神の4柱の特性を備えたスペシャルなヘスティアに与えられた称号。ひそかに神様から王様に格下げられている。第一のヘスティアを倒してもそれは最弱のヘスティアで、第二、第三のヘスティアが出てくる。カロンはまだ気づいていないがヘスティアには他にも貧乏神や疫病神等の特性もある。一人で魔王軍六大団長を全て兼任しているようなものである。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。