ダンジョンで運命を変えるのは間違えているだろうか   作:サントン

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HACHIMANの日常

 「ここは!?」

 「やあ、良く来たね。僕の名前はマーリン、魔術師だよ。」

 

 ーーーーーーコチ、コチ、コチ、コチ

 どこからともなく聞こえて来る、時を刻む時計の音。

 テーブルに座るローブを着た怪しげな小柄な男。いわくマーリン。

 

 「君は誰かだね?君は一体どういうつもりなんだい?拙作はしょぼくても完結させたのだろう?なぜ完結したはずの物語が続くんだい?」

 「まずかったでしょうか?」

 「まずいまずくないじゃあないさ。蛇に足を書いてどういうつもりなのかと聞いてるんだよ。」

 「たとえ蛇に足を書いても、さらに腕と角と羽を付け足したら龍になるんじゃあないかと思いまして………。何かそんな理論をどこかで聞いたことがあるような………。それに首をさらに増やしたらヤマタノオロチにもなるのでは?」

 「えぇ!?君はどれだけ超理論が好きなんだい!?そしてまさかこの拙作を龍にするとでもいうのかい?図々しいにも程がないかい?気が触れていないかい?」

 「図々しくなければここまで続けることが出来ません。」

 「なるほどね。たとえ評価がつかなくても、誰かに文句を言われても、どんな人間でも結局は書きつづけなければ技量は上がらない。確かに一理あるかもしれないね。」

 「いえ、拙作はあくまで趣味です。」

 「趣味でこんだけ書いたのかい!?馬鹿じゃないのかい!?」

 「しかし趣味で拙作以上に書いてらっしゃる方はたくさんいらっしゃるのでは?詳しい割合は全くわかりませんが多くの方が趣味なのでは?マーリン様、そんなことをおっしゃったらハーメルン様を敵に回してしまいますよ?」

 「僕にはわからないよ。もうじきに夜も明ける。夢はもう終わりだ。君が書きつづけたしょぼい夢も終わりが来るときだろう?」

 「………わかりません。私には自分がわかりません。もうすぐ終わると思いたいですが………人は幾度も夢を見ます。明日に今日見た夢の続きを見ないとは限りません。」

 「終わると明言しないのかい!?………君は僕以上に図々しい人間なんだね。僕も君のその図々しさには頭が下がる思いだよ。」

 

 ◆◆◆

 

 「これは………ソードアート○ンラインの世界か。」

 

 俺の名前はHACHIMAN。あらゆるものを救いつづけてきた英雄だと呼ばれている。ずいぶんと大仰だとおもわねぇか?

 何?話し方が違う?俺ぁあくまでもHACHIMANだぜ?

 俺の名前はローマ字だ。そこんとこ、絶対に間違えちゃあいけねぇぜ?

 

 俺は今、ダンマチという世界の連合という組織で武門の講師を生業としている。

 

 そして、その傍らで時折人命救助活動を行っている。

 これは俺がやりたいからやってんだ。あくまでもただの趣味に過ぎねぇ。決していい人だなんておかしな勘違いすんじゃあねぇぞ?

 まあ人間なんてのは本当は一方的に助けるんじゃなくて助け合うのが理想なんだがな。俺はこんなんわけがわからないほど強くなっちまったから助けを受ける意味がねぇんだよな。仕方ねぇか。

 今日は、ソードアート○ンラインの世界から助けを呼ぶ声が聞こえた。おそらくディアベルだろう。やれやれだぜ。あいつはどの世界(SS)でもかわんねぇな。

 

 「おい、あんまり勝手なことすんなよ。命がかかってるんだぜ?キチンと考えな。」

 「キ、キミは!?」

 「名乗るほどのもんじゃねぇさ。そんなことより、お前にゃ人の上に立つ才能があるんだからもうちょっと人の輪を大切にしてうまくやんな。」

 「あ、ああ。済まない………。」

 

 救出完了だ。ヤレヤレだぜ。

 

 ◇◇◇

 

 ふああ、眠い。昨日はわざわざ過去のブリテンまで行ってアルトリアとか言う小柄な女を助けてきたからちょっと睡眠時間が足りてねェな。結構な時間がかかっちまった。本来ならば俺の信念で死人を助けたりはしないんだが、カロンのせいで運命がネジ曲がっちまったからな。今回だけは特別だ。

 

 「大変です!」

 「うん?どうしたんだ?」

 「それが………」

 「なるほどな。」

 

 どうやら今日、組織の旧最高責任者のカロンがFateの世界に巻き込まれたらしい。組織の現最高責任者のベルが俺に伝えに来た。

 ま、あいつは美人の妻をもらってることだしこんくらいの災難ならちょうどいいだろ。

 うん?助けに行かないのかって?

 

 問題ねぇよ。俺はあいつを案外買ってるんだぜ?

 

 あいつは俺には無い力を持っている。

 ある点に於いては俺が足元にも及ばない力を持ってるんだ。知らなかったのか?

 

 それはなんだって?

 ああ、思い出してみな。あいつは笑顔の英雄だぜ?あいつはいつも笑顔だ。あいつは笑顔を力に変える。

 

 それはつまりあいつはギャグの力を持っているということだ。ギャグはいつだって人を笑顔にする。

 

 Fate編を思い出してみな。

 

 何?時間的におかしい?カロンがFateに巻き込まれたばっかのはずで言ってることがおかしい?アルトリアを助けた後のはずなのにイロイロおかしい?

 

 ふ、俺はHACHIMANだぜ?俺にとっちゃあ時間軸を移動することなんざ朝飯前さ。第一誰かにゃ時系列という概念が存在しないと以前明言しただろ?

 

 まあ話を戻すが、俺が仮にFate編に行ったとしても、せいぜい力ずくで悪役のギルガメッシュを倒すことくらいしか出来ねぇ。

 

 ………だがあいつなら何とギルガメッシュをギャグキャラにすることだって出来るんだ。

 

 すげえと思わねぇか?

 あのギルガメッシュが人のよいおじいちゃんだったとしても、所詮拙作はギャグだから仕方ないで許されてしまうんだぜ?

 

 んで見ろよ。ギルガメッシュが人のよいおじいちゃんだから、結果としてFate本編で救われないはずの教会で監禁されていた子供達も結局ギルガメッシュに助けられてるんだぜ?

 俺にだって子供を生かすことくらいは出来たかも知れねぇが………でも酷い目にあった記憶は………消せるかもしんねぇが………まあしょせんは邪道だろ?王道にゃかなわねぇよ。

 

 まあつまり。ってなわけで俺はこれでもあいつにゃ結構な敬意を払ってんだぜ?俺だってギャグに巻き込まれてしまったらどうなるかちょっとわかんねぇ。あん?俺もギャグキャラだって?冗談言ってんじゃねぇよ。俺は皆のHACHIMANだぜ?

 

 まあつまり実はあいつは恐ろしい男なんだよ。リア充なのはすげぇムカつくが………。

 

 うん?また誰か俺を呼んでるな。これは………ワ○ピースの世界か。超大物じゃねぇか。この雰囲気はエースか?なら頂上な感じの戦争だな。

 ちとでかい戦いになるか。万全な用意をして行かなきゃなんねぇな。時間もかかるかもしんねぇし道場には休暇申請していくか。

 

 ◇◇◇

 

 俺はHACHIMAN、あらゆる問題を解決してきたと言われる男だ。

 

 「HACHIMAN様、今日はあなた様にお願いがあって参りました。あなた様の手助けをお願いしてもよろしいでしょうか?」

 「リリ先生か。あなたにゃ世話になってる。あなたには敵わないから何でも好きに言ってくれよ。」

 「桜様という方の心臓に悪い生き物が宿っているんです。是非あなた様のお力をお借りしたく参りました。」

 「ああ、了解だ。その桜ってのにゃ少しだけ痛い思いをさせるかもしんねぇが、やってやるよ。」

 

 ◇◇◇

 

 今日助けた桜って女は綺麗だったな。

 物腰も柔らかくて大和撫子って感じだったし。ついでに御馳走になった料理も美味かった。

 今度お礼に一緒に出かける約束もしたし。

 何でも憧れの先輩が姉と付き合っているので傷心中だって言ってたしな。

 ………もしかして俺にも春がくんのか?デュフフ。←笑い声です

 

 

 

 そう、誰かは謎のカップルを成立させるのが得意技なのである。




終わりのないのが終わり、それがゴールド・エクスペリエンス・レクイエムっっ!!

ごめんなさい。ぶっちゃけ作者にもなぜつい書いてしまったのか、自分が全くわかりません。

もうすぐ終わります。おそらく10月中には。

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