ダンジョンで運命を変えるのは間違えているだろうか   作:サントン

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リューは寂しがりや

 「アインだ。」

 

 「イースです。」

 

 「俺はウルド。」

 

 「エルザよ。」

 

 「オーウェンだ。」

 

 今日はフレイヤファミリアからやってきた五人の面通しを行っていた。アインとウルドとオーウェンが男性でイースとエルザが女性だ。

 

 「よろしく、歓迎するよ。俺はカロン、団長を務めている。こっちはリューだ。お前らが増えたなら副団長だな。そしてこいつがリリルカ、アストレアファミリアのマスコット兼ゆるキャラだ。あっちにいる脳天気そうなのが主神のアストレアだ。」

 

 「マスコット兼ゆるキャラ!?カロン様はなんて説明をしてくれんですか!?」

 

 「脳天気!?いくらなんでもひどい説明よ!」

 

 リリルカとアストレアが何か言ってるが聞こえない。

 

 「君達はフレイヤの所から来てくれたようだな。」

 

 ざわざわしてる。めっちゃざわざわしてる。こちらを白い目で見てる。

 

 「コホン、君達はフレイヤ()の下から来てくれたようだな。早速だが君達は冒険者で成し遂げたい目的とかはあるのか?」

 

 彼らは話し合い、一人が前に出た。たしかアインだな。

 

 「俺達は猛者さんのようにフレイヤ様の役に立てる人材になりたい。」

 

 「そうか。しかしより具体的に話してくれるか?例えば前衛でアタッカーになりたいとか、魔法の専門職になりたいとか。お前達はその辺りはどう考えているんだ?」

 

 「俺達は皆フレイヤ様の眷属になって一年たったばかりだ。まだランクアップも果たしていないしどうしたいとかはまだ決まっていないんだ。俺達はいきなりフレイヤ様直々にあんた達の下へ行けって言われて…………。あんたら噂のアストレアファミリアだろ?悪い噂のある。俺達もどうすればいいのかわかんねぇんだよ。」

 

 「そうか。それならちょうどいいからこっちで育成を決めさせてもらう。それと噂に関しては気にするな。何かあったらそこのリューが多分守ってくれるさ。」

 

 「何故私なんですか?自分でやってください。」

 

 「だってお前俺より強いだろ?お前ら五人も俺より綺麗なエルフに守って欲しいんじゃないか?」

 

 「………俺達はフレイヤ様の命令でここにきた。拒否はしない。」

 

 寡黙な雰囲気の男が答える。確かウルドだ。

 

 「お前らには通常のダンジョン探索に加えてリリルカのサポーター講座も受けてもらう。ダンジョン探索については俺の指示に従ってもらう。」

 

 「サポーター講座?何のこと?」

 

 これはイースだ。

 

 「俺達は高い技能を持ったサポーターが冒険者の為にどれだけ役に立てるかの検証を行っている。お前らにはその初期被験者になってもらう。」

 

 「私らはフレイヤ様には逆らわないわ。不満や疑問があっても受けるしかないわね。」

 

 これはエルザ。

 

 「疑問は言ってくれりゃ答えるぜ。高いサポート技術を身につければきっとフレイヤ様も喜んでくれるさ。取り合えずせっかくだからオーウェン、お前も一言どうだい?」

 

 「………あんたらは少数精鋭の実力者だと聞いている。せいぜいよろしくお願いするよ。」

 

 ◇◇◇

 

 「最近リリルカさんと二人で外出することが多いですね?一体何をしているのか聞いても?」

 

 「なんだリュー、寂しがってるのか?かわいいところあるじゃないか。」

 

 「ないですね。それより答えられないことなんですか?」

 

 「そういうわけじゃないよ。最近金を払ってタケミカヅチ道場に通ってるんだ。眷属とも仲良くなったよ。」

 

 「もしかしてアストレア同盟のためですか?まだ諦めてなかったんですか?」

 

 「まだあれからたいしてたってもいないだろ?何故諦める必要があるんだ?」

 

 「神々の感触が悪いと言っていたし最近のあなたは他ファミリアの訪問を減らしていましたので、てっきり………。」

 

 「予定があるのさ。明確なビジョン無しに訪れても手土産が高くつくだけだ。取り合えず今はソーマとのツテをあたっているところだ。」

 

 「まさかソーマ様の送還を?」

 

 「物騒なことを考えてたりはしないから怖い顔するなよ、リュー。」

 

 「それならばいいのですが………。ところであなたは何故タケミカヅチ様のところへ通っているんですか?」

 

 「ああ、そうだった。単純に実力の向上だよ。俺はステータス上の問題でどうしても相手の攻撃を受ける側になるからさ。タケミカヅチの地元の合気道とやらを習ってんだよ。これは人型の相手には効果があるぜ。魔物を相手にするには要改良だがな。」

 

 「リリルカさんは一体何のために通っているのですか?」

 

 「さあ?あれじゃないか?変身後の体の動かし方のイメージトレーニングとかじゃないか?」

 

 「そうですか………。次からは私も着いていきます。あなたがタケミカヅチ様に失礼な言動をしてるかもしれない。」

 

 「おいおい、それはいいががりだよ。教師には俺だって礼を尽くすさ。」

 

 「それでもです。あなたには常識が足りてるか怪しいところがありますから。」

 

 「ははぁん。さてはリュー、寂しかったんだな?かわいいところもあるじゃないか。」

 

 「………ひどい風評被害もあったものです。あなたのそれはいいがかりだ。」

 

 「別に寂しいから付いていきたいって素直に言えばいいんじゃないか?俺達はお前を邪険に扱うつもりはないぞ?」

 

 「別に寂しいなんて考えていませんよ。最近あの五人が来てから余裕ができたからと言ってホームにアストレア様と二人きりでも、アストレア様が神会とかにでかけてホームに一人きりでも。」

 

 「語るに落ちすぎだろう。お前はそれはわざとか?それとも腹芸が壊滅的に苦手なのか?まあ取り合えず次からは一緒に行くか?あの五人もいつかつれてくか。」

 

 「タケミカヅチ様は貧乏ですからね。礼金を払う人間が増えればきっと喜びますよ。」


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