学園生活とはなかなか上手くいかない   作:ヨーグルト先生

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42話 予兆

「兄さんが柊さんから護っていたものが黒空先輩……?」

 

理解が追いつかない。

どういうことだ……?黒空先輩は実の兄なわけだし。

そもそも、柊さんに黒空先輩が何かをするわけが絶対にないと思う。

 

『まぁ、そういう顔するよね』

『あ、いや……』

『当然と言えば当然だからね』

 

いや、だからといって理解できない根本的な理由はなんだ?

 

『一つ一つ説明するから、ゆっくり聞きなよ』

「は、はい」

 

沈黙した部屋の中黒空先輩は飲み物を一口飲み話し出す。

 

『僕は第六感が既に覚醒していたのさ』

「え?」

 

覚醒していた?どういうことだ?1回死んだということか?それとも違う方法で第六感を、覚醒させた……。いや、違う第六感の覚醒したからと言って何故?そういう展開になった!

 

『僕の覚醒した能力は物語作成(ノンフィクション)この力は僕の思い通りになる力なんだよ』

 

え?ノンフィクション?思い通りになる力?全てに合点が言った。

 

『だからと言って全てを思い通りにできるわけじゃないけどね、ある条件を放つと思い通りにできるんだ、思い通りと言っても上手くいかない時の方が多いんだけどね』

 

なるほど、という事は未完成の能力ということか……。

だけど、だからといって強力な能力に違いはない。

 

「今ってその力は使えるんですか?」

『何?疑ってるの?』

「疑ってないと言えば嘘になる……だけど半分は一応これでもあんた(黒空先輩)を、信じてるんですよ」

『……ふッ……はははは……君が僕を信じてるか!いいね!そう言うの!昔はあんな扱いだったのに!』

「うるさい!別にいいでしょ……」

 

昔は昔のことだし正直嫌な思いにあったのは本当だ。

信じると言うより信じたいの方が強い。

 

「で?今使えるんですか?力」

『んー、使えないというのが正しいかな……僕の物語作成(ノンフィクション)は最低人数が5人居ないと発動は出来ないからね』

 

うわ、そんな人数制限まであるのかよ。

 

「まぁ、いいですけど」

『おいおい、いいのかよ〜』

 

まぁ、昔の話は極端的ではあったが分かった。問題はこれからだ。

 

「それで?柊さんは生きてるんですか……?」

『世間一般的には殺されたよ』

「え?」

『だれも本当に殺されたとは言ってないよ?』

 

ったくなんだよこの人は本当に人を嫌いにさせる力があるな。

 

『柊は今も白露さん……白露達の研究施設に眠ってるかもね』

「研究施設!?そんなのがあるの!?」

『君も知っているだろ?山奥に小屋があることを』

 

ああ、確かそこで俺は……。

 

「だけどあそこは家事で燃えて?」

『甘いよ?そんなの地下室があるに決まってんじゃん』

 

決まってはいないと思うけど、地下室なんてあったのか……。

知らなかったな……。今でも兄さんは柊さんを使ってなにかしている。それは、なんかよく分からない感情だった。

 

「それで、そこに突入するんですね」

『君は、やっぱり可愛いな、それが出来たら今もうやってんだよ』

 

後半凄い暗い口調で発言され、恐怖を覚える。

そうだよな……黒空先輩も実の妹を何年間も監禁され普通でいられるはずかないんだ。

 

「じゃあ。どうやって」

『僕はね、君たちが入学し、この年を待っていたんだよ』

「え?それって」

 

嫌な予感しかしない。俺だけならともかく、彼方や碧斗まで巻き込まれるようなそんな予感が……。

 

『さぁ、戦争の始まりだよ』


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