結局学校には行ってみたみたが、やはり白露さんはいなかった。
僕は学校の校門を出ようとすると、ある姿が目に入ってくる。
白露さんが柊をおぶりどこかに行く姿が目に入った。
『!!?』
僕はその姿を見た瞬間、白露を尾行した。
ストーカーでは無いよ? これは正しき行動、だってそうだろ?僕の妹が攫われてるんだぜ?……怒り以外のなんの感情があるってんだよ?
◇
「柊…………」
神社にたどり着いた白露は柊を太ももに寝かせは黒は座っていた。
狂っていた白露ではなくいつもの白露に戻っていた。
「はぁ、……皆には色々迷惑かけたな……」
溜息をつき、一言そんなことを言う。
『やぁ?白露君?』
「春之君……!?」
『何、驚いてるんですか?』
「別に驚いてるってわけじゃないよ……君なら追ってくると思ったしね……」
『追ってくると思った? 面白いことを言うんですね、結局貴方は何がしたいんですか?柊を殺そうとでもしてるですか?』
白露は黒空から目を逸らし、口を開く。
「こうするしかないんだ……」
こうするしか……?何を言っているんだ?柊をさらうことか?それとも殺すことか……?言ってることが……分からない……僕の頭も混乱してきた。
『理由を教えてよ、せめてもさ……』
怒っているには怒っている。けど……理由をとりあえずだが、聞こう。聞くだけ聞いてあとは知らない。
「理由は……今は言えない」
『言えない?ふざけてるんですか?』
「悪い……本当に今は言えないんだ」
僕は、その言葉に感情が高ぶりつい、口が悪くなってしまう。
『どうせ、自分のためだろ!?なんも周囲のことなんて考えちゃいない!結局柊をらさらったのも自分のためだ!零さん達を殺したのだって自分のためだろ!!?少しは素直になれよ!』
言いすぎてしまったとは思ってもなくもない……。けどいまはそんなことどうでもよかった。ストレスと身勝手な考えで白露君にそんな事を口走ってしまう。そんな事を言われれば、怒るのは当然なのに、白露君は……。
「本当にすまない……」
謝るだけだった。僕はさらに興奮した。それはそうだ、謝るといった行為はそれを認めた事になるのだから。自分は自分のために動いて、そのためなら彼女も友人も殺すし、さらう、なんなら弟の時雨君だって利用するだろう。そんなこと許せない……。別にヒーローを気取る訳では無いが、自分の何科が許せなかった。何かが白露君を許せなかった。
『分かったよ……もう理由は聞かない』
「それはよかった……じゃあ、もう帰ってくれな……」
『理由は聞かない……聞かないけどあなたを殺す』
僕は笑顔で彼にそう言った。