学園生活とはなかなか上手くいかない   作:ヨーグルト先生

43 / 48
39話 理由

結局学校には行ってみたみたが、やはり白露さんはいなかった。

僕は学校の校門を出ようとすると、ある姿が目に入ってくる。

 

白露さんが柊をおぶりどこかに行く姿が目に入った。

 

『!!?』

 

僕はその姿を見た瞬間、白露を尾行した。

ストーカーでは無いよ? これは正しき行動、だってそうだろ?僕の妹が攫われてるんだぜ?……怒り以外のなんの感情があるってんだよ?

 

 

 

「柊…………」

 

神社にたどり着いた白露は柊を太ももに寝かせは黒は座っていた。

狂っていた白露ではなくいつもの白露に戻っていた。

 

「はぁ、……皆には色々迷惑かけたな……」

 

溜息をつき、一言そんなことを言う。

 

『やぁ?白露君?』

 

「春之君……!?」

 

『何、驚いてるんですか?』

 

「別に驚いてるってわけじゃないよ……君なら追ってくると思ったしね……」

 

『追ってくると思った? 面白いことを言うんですね、結局貴方は何がしたいんですか?柊を殺そうとでもしてるですか?』

 

白露は黒空から目を逸らし、口を開く。

 

「こうするしかないんだ……」

 

こうするしか……?何を言っているんだ?柊をさらうことか?それとも殺すことか……?言ってることが……分からない……僕の頭も混乱してきた。

 

『理由を教えてよ、せめてもさ……』

 

怒っているには怒っている。けど……理由をとりあえずだが、聞こう。聞くだけ聞いてあとは知らない。

 

「理由は……今は言えない」

 

『言えない?ふざけてるんですか?』

 

「悪い……本当に今は言えないんだ」

 

僕は、その言葉に感情が高ぶりつい、口が悪くなってしまう。

 

『どうせ、自分のためだろ!?なんも周囲のことなんて考えちゃいない!結局柊をらさらったのも自分のためだ!零さん達を殺したのだって自分のためだろ!!?少しは素直になれよ!』

 

言いすぎてしまったとは思ってもなくもない……。けどいまはそんなことどうでもよかった。ストレスと身勝手な考えで白露君にそんな事を口走ってしまう。そんな事を言われれば、怒るのは当然なのに、白露君は……。

 

「本当にすまない……」

 

謝るだけだった。僕はさらに興奮した。それはそうだ、謝るといった行為はそれを認めた事になるのだから。自分は自分のために動いて、そのためなら彼女も友人も殺すし、さらう、なんなら弟の時雨君だって利用するだろう。そんなこと許せない……。別にヒーローを気取る訳では無いが、自分の何科が許せなかった。何かが白露君を許せなかった。

 

『分かったよ……もう理由は聞かない』

 

「それはよかった……じゃあ、もう帰ってくれな……」

 

『理由は聞かない……聞かないけどあなたを殺す』

 

僕は笑顔で彼にそう言った。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。