分ける理由は分かりますよね。
さぁ、そんな事より本編!本編!
授業が終わり結局白露さんは来なかった。いや、来なくてよかった。
智也くんの発言にビックリはしたけど今思えば僕を思ってのことだ。
「結局来なかったね」
『来なくて良かったよ、来たら僕は打つ手がなかったからね』
黒空は珍しく不安そうな顔をしてそんな事を言った。それもそうだ、クラスを犠牲にしてまで自分という存在は大きくないのだから。
人を犠牲にはするが
「そうなの?僕は色々あったけどね」
『へぇ……』
聞きたくなかった。色々あったその方法を、聞いてしまえば時分が壊れてしまう気がしたからだ。
『とにかく、僕は家に帰るよ。柊も心配だし……。今日は朝からありがとね。助かったよ』
「いやいや、お礼には及ばないよ、何かあったら助けに飛んでいくよ!」
『ありがとう、君みたいな友達を持って僕も嬉しいよ』
本心を言うとただ恐怖していた。
いつから自分も犠牲にさせられるなどと。
その後はすぐに家に帰った。
……が。
『柊! おい!柊居るか!?』
家に帰ってくるなり、妹の柊を探し出す。
『柊!柊!柊!』
帰ってくる言葉など当たり前だがない。
応答の言葉がないのと同時に恐怖を覚えていく。
白露は「柊を殺す」と言っていた。その言葉に偽りはないのだろう。
嫌な予感と言うよりかは嫌なことを考えてしまう、もう柊は白露に捕まって……。そこで、黒空の脳内は思考停止した。
もう、考えたくない。
『どうすれば、いいんだ!!』
誰もいないは部屋に大声を出す。
誰もいないからだろうか、声が反響し耳に自分の言葉が残る。
これじゃあ、本当に何も出来ない……使えない、兄じゃないか……。
僕にどうしろと?こんな時智也君ならどういう考えをする?
何かを犠牲にするとか言い出すのだろうか?そもそも、なんで僕の頭の中に彼の姿が浮かんできたのだろうか?
『迷ってても仕方がない……探しに行こう』
家を出て向かった先は……。
ピンポーン
家のインタホーンを鳴らし玄関で身構えるように待つ。
それもそのはずだ黒空が来た家というのは白露の家だからだ。
色々行きは気は、浮かんだがまず先に浮かんだのがここだ。ここに来れば多少の情報は得られるだろう。
ガチャ
ドアの開く音がしガっと身構えてしまう。
「あれ?春之さん?」
出てきたのは白露の弟、時雨くんだった。
『時雨君か……』
「なんですか?その俺じゃ不満みたいな顔」
『あ、いやいや。別に時雨君でも良かったんだよ。だけど今日は白露さんに用があったからね』
「ああ、白露兄さんは、今でてますよ?確か……あ、そう!春之先輩が通ってるがっこうに行くって言っましたよ?会いませんでした?」
『うん、会ってないね。また、学校に戻ってみるよ』
時雨に背を向けかまた違う場所へと行こうとすると。
「俺も手伝いましょうか?」
『え?良いのかい!?』
時雨が一緒に探してくれると言い出した。
本人的には嬉しいのだろうけど……。
『ううん、遠慮しておく。君を僕は巻き込みたくないからね』
「何の話か分からないですけど、困ってるなら力になりますよ?」
そんなに言われたら手伝ってもうかな……。と昔の黒空なら言っていただろ。だが今は違う。
『気持ちだけ受け取っておく。別に今伝えなくてもいい事だからさ』
時雨君は優しい。その優し故に僕は兄弟を崩壊したりしたくない。
それに時雨君を巻き込みたくない、彼には純粋に育って欲しいと思っている。狂った兄とは別に。
「そうですか、春之さんがそう言うならいいですけど。一応帰ってきたら伝えておきますね」
『ありがとう、君のそういうところ好きだよ』
「え?何言ってんすか?引きますよ」
『ごめん、ごめん。じゃあ、行くね』
僕はそういい家を離れた。
さて、次は一応学校に行ってみようか。
「ミッゲタァ……クロソ……ラ……シュウ……」