夕食は海でバーベキューだ。
なんと言ったって海でバーベキューなのでとてもロマンを感じる。
「うーん!美味しそうだね」
『早く食べたい・・・』
昼動き回ったせいか、みんなお腹を空かせているようだ。
実際自分自身お腹が空いている。お肉を焼く音が広がる、お腹も泣いている。
「もう、いいかな?」
「え……ちょっと……それは私の……」
彼方が育てたと思われしきお肉を取る。
「いただきまーす」
そう言った瞬間お肉を口の中に入れる。
口の中に広がる肉汁、噛めば噛むほど旨みを引き立てる。
すかすかのお腹に入れるからこれまた美味しい。これを、一言で言うならば……。
「美味しい!!」
『だろーね』
「はい、美味しいですよ?食べないんすか?」
『食べるよ!』
黒空先輩もお肉を口に入れると頬をおさえながら幸せな顔で言う。
「美味しい!いや、これならいくつでも行けるね!!」
そんな言葉が続いたのはあと肉を何口入れた頃におさまるかはご想像にお任せしよう。
◇
ご飯も満腹に食べ終わり。眠くなる頃だった。
眠いが何だか、今日を終わらせてしまうのは惜しいきがする。
こんなに楽しかったのに、もっと楽しいイベントを考えておけばよかったと思う。
俺は夜空を見ながらそんなことを思う。
「夜空綺麗だね」
突如聞こえた声に体をピクつかせる。一瞬ビクリともしたが、話しかけてきたが彼方だと知って安心した。
「夏の夜空ってどうしてこんなに綺麗なんだろう」
「さぁ?特に意味なんてないんじゃない?」
「大抵はそうだと思うけどさ、なーんか意味あると思うんだよね」
「今度先生にでも聞いてみるか?」
「いや、そこまで気になる事じゃないからいいよ」
確かに夏の夜空は綺麗だ。
真っ暗な夜に散らばって光る星々達、これを綺麗以外と言わずなんというだろうか?
「さ、戻ろうぜ。もう夜遅いしさ」
「うん。そうだね」
戻ろうとする俺に彼方が声をかける。
「時雨……。」
「ん?どうした?」
「いや、なんでもない!戻ろっか」
「お、おう…」
なんだったのだろうか?
「おっ!帰ってきたかどこいってたんだ?」
「いや、ちょっと散歩に……」
『もうー!僕も一緒に連れてってよ!水臭いな!』
「嫌っすよ」
部屋に戻ってきた俺は黒空先輩達とトランプやらをして夜を満足と言っていい程謳歌した。正直いって一知事はどうなるかと思ったけどとてもいい夏休みになった思っている。
多分一生忘れない夏休みに。
※学園生活はなかなか上手くいかない、番外編:海に行こう。完結