では、スタート→
『やぁ』
「! ?」
俺の後ろに居たのは黒空先輩先輩だった。黒空先輩に顔は笑顔、その笑顔とは普通とは言えなかった。
狂気に満ちて居た顔だった。俺の横にいた彼方の顔は唖然としていた。
「もしかして、黒空先輩が…碧斗をこんなんにしたんですか?」
手を顎におき考え始める。数分経つと手を顎から離し、答える。
『ん〜、的確に言うならば正当防衛ってやつだよ! 碧ちゃんがね、いきなり殴りかかってきたか、こうするしかなかったんだよ』
黒空先輩は、一度言葉切りまた口を開いた。
『だから、僕は、悪くないよね?』
「悪くない訳がねぇだろーがぁ!」
感情ご高ぶり過ぎ、つい手が出てしまい、黒空先輩先輩を殴ろうとした。
だが−−
「!?」
『危ないよ…時雨?』
ほぼ近距離だったにもかかわらず、この人はそれを止めた。
何て、反射神経の持ち主なんだ。それが、反射神経のだけのならいいのだけど。
黒空先輩は俺の手を離し、笑顔で言う。
『碧ちゃんも言っていたけれど、もう物語はスタートしているんだよ」
物語のスタート、この人がこう言う時は絶対に犠牲者が出る。そして、決まってその犠牲者は
「ひとついいですか?」
『なんだい?』
俺は顔を暗くし目の前に居る先輩に言う。
「今回の主役は俺がやります」
「え?!」
彼方も驚いたらしく、声をあげこちららを見ている。
黒空先輩はさっきの笑顔よりも増して、笑顔だ。
『良い提案だね』
よし、これで−−
『でもダメなんだよ…一回主役になった人はもなれないんだ…気持ちだけ貰っておくね』
そんな、って言うことは、彼方かもしれないし、碧斗かもしれないってことだろう…。
「じゃあ、今回の主役は誰なんですか?」
恐る恐る、黒空先輩先輩に聞いてみる。
『秘密!』
そう言うと、黒空先輩は教室のドアを出ながら。
『でも、忘れないで物語はもう動き始めてるから』
今回の犠牲は誰だから分からない、分からないと守りたくても、守れない。
「し、時雨! 取り合いずその事は後で考えよ! 碧斗さん運ばないと!」
「あっ、ああ、そうだね」
後のことは後で考えればいい・・・。
「うっ・・う・・・」
「時雨! 碧斗さん起きましたよ!」
「あ、本当だ、生きてたんだ・・・はっはっはっはー」
「少しは心配してくれよ・・・」
「心配・・・してるよ」
ふぅー、何とか碧斗も無事だったな、少し安心だ。
犠牲者じゃなけれいいけど・・・。
「それより、碧斗、
碧斗は少し喋りずらそうだったが、ようやく決心したのか「よしっ!」と言葉を漏らし保健室のベットで話をしだす。