とりあえず本編を作るための燃料となればと思い書いた次第です。
どうぞよろしくお願いします。
――時は、西暦20XX年の春のことだった。
ある少年が、一つのパワードスーツ――インフィニット・ストラトス、通称IS――に触れたところから始まった。
「俺は、別に進んでこのIS学園に来たわけじゃないんだけどな」
『仕方あるまい、貴様はこの須佐能乎命を宿したことであいえすを動かすことが出来る唯一とされる男になってしまったのだ、我も珍妙な甲冑に意識を移さねばままならぬ身になっているのを許容してやっているのだ、せいぜい我を飽きさせることのないようにな』
少年の名は織斑一夏、姉が世界最強で、知り合いに世界を常時ひっくり返す天災である美人な博士がいる以外は普通の少年だと自負していた。八つ上の姉のおかげで中学まで卒業出来た事に思うところがあり、高校は卒業後にすぐ就職ができるように就職率が高いところを選んでいたのだ。
「まさか、肝心の入試試験会場を間違えた上に物珍しさからISに触ったら起動してしまいました~なんて冗談が実際に起こったからな――好奇心は猫を殺すってこういうことなんだという教訓にしてはオチがかっとんでね?」
『我も、事の経緯を聞いた時には貴様のあまりの阿保さに言葉も見つからなかったわ――まさか殺されるどころか不注意で地獄の修羅の道に入ってしまったと知った時の貴様の顔はひどいなんてものでは無かったな、後悔先に立たずというがあの時の貴様のことを表すのだろうな』
少年に待ち受けていたのは、学園島での孤独な生活。
「ISが女性にしか動かせないから、その専門学校はもちろん女子校になるのは分かるけど…もうちょっと何とかなんないんすかね」
『用務員とやらは男ではなかったか?』
「それはいないわけでは無いってだけで孤立無援であることには変わりないんじゃないか?」
『知らん、だいたい女に囲まれているのだ少しは嬉しそうにしたらどうなんだ?この時代の基準ではあるが貴様の顔や性格から特別嫌われるようなことはあるまい』
「正直に言うと、期待していなかったとは言わない。でも実際に女子校に通うっていいもんでは決してなかった」
『そうか?例えばどこら辺が気に食わなかったのだ?』
「授業中は発言のたびに視線の的だし、昼休みにゆっくり出来ると思ったら視線の的だし、放課後にアリーナでISの訓練してても視線の的だし、自室にいる以外ではあまり気が休まるどころじゃない。それが好意的なだけだったら良かったんだけど、このご時世だろ?男の俺がIS学園にいることが気に食わない人もいるのは分かっていたけどあからさまににらんでくるし…注目されるのが好きなやつはこの状況でも楽しめるっていうなら是非変わってやるぜ、いや変わってくれ、変わってください!」
『器の小さい奴だ、気にしないようにすれば良いものを…修行が足りないのではないか?このような有様では、とても我を宿しているとはいえんな』
「うっせぇ」
ISでの戦闘訓練
「鍛えるの自体は嫌いじゃない―――だからといってお前のしごきに耐えられるとは言っていない」
『ふん、我を宿しているのだ自分で望んだわけではないにしろ女に負け続けるようではこの須佐能乎命の名が廃る。よって貴様を鍛えるのは間違いではなく、ただでさえ劣っているのを超えようとするならこの程度当たり前だ』
「死ぬかと思ったことが一日一回死ぬような思いをしてんだぞ、もう少し加減してくれないと持たないぜ」
『あきらめろ、どの道貴様には力が入用だろう、最も死にたいのであれば別だがな』
「ちくしょう、俺の学園生活は死ととなり合わせとか嫌すぎる、どうしてこうなった」
『貴様の運命と不注意を呪うんだな』
そして、迫りくる魔の手
「深夜の誰もいない校舎で妖怪退治ってもうジャンル違いだと思うんだけど、そこらへんどう思ってる?」
『じゃんるだかなんだか知らんが、貴様がやると決めたことだろう』
「ISってパワードスーツがある科学の時代にやることが妖怪退治って、専門の人とかいないの?」
『いるではないか、貴様の幼馴染をはじめとした女たちが、貴様一人でやるわけでは無いだろう。まして、貴様より強いと来ている。女たちだけに任せるという選択肢もないわけではない』
「女子にやらせて俺がやらないわけにはいかないだろう。ましてや、同い年のしかも知り合いが戦ってるのにさ」
『一端の誇りは持っているようだな、そうでなくてはせっかく我が契約してやっているというのに全く意味が無い。戦いを好み戦いを引き寄せあるいは赴くのが我の性である、ゆえに』
「戦いからは逃がれられない、だろ。分かってるしその上で契約したんだろうが」
『忘れなければ良い』
自身を宿した少年に神は問う
『貴様は何故力を欲する?富か?名声か?はたまた勝利か?』
少年は答える
「それは決まってる。守るためだ」
「俺の周りの人たちを、俺の世界を、大事なものを守るためだ」
誓いはここにあり、契約はなされた。
これより始まるは伝承に立ち向かう少年とその周りの人々のお話。
「俺の世界はここだけだ、だからそれを脅かす奴がいるのなら」
少年たちの前に立ちはだかるは、あまたの伝承の妖怪、怪物、悪魔、果てには神さえも。
「この一太刀で叩き切る!」
少年は、荒神の力をもって神をも葬る。
「行くぞスサノオ、力を貸せ!」
『いいだろう宿主、存分に振るうがいい!』
『「御神招来!!」』
『我、司るは天津の荒神!』
「我、行使たるは唯守るために!」
『「我らの怨敵を叩き切る!!」』
『「武神展開!白式・須佐能乎命!!」』
ここに、物語が始まる。
伝承・無限軌道~武神に至る少年~
少年の武は神に届く太刀となる。
制作予定?
「ここまで原作ラブコメのはずで、しっかりヒロイン出すつもりなのに、女子が一回もしゃべってないんだけど」
『我が知るか、別にこれが一発ネタでやる予告ネタだから問題ないであろう』
「よくはないだろ、本編では女子も結構出てくるっていうか、舞台ほとんど女子校だぞ」
『問題ない、本編を書くまでに一発ネタでヒロイン版をやればよいのだ』
「なるほどその手があったか、これなら男二人で話すだけの予告で終わらなくて済むか」
『作者が、投下するかは知らんがな』
「えっ」
『もしかしたら、他の作品を書き始めたり、今書いてる途中のオリジナルを投下するかもしれん』
「心配だなあ」
了
感想、ご指摘等よろしくお願いします。
後日、ヒロイン版を書いて投下する予定ですのでそちらも見てもらえると幸いです。