ガーディアンが行く場所 オレは臆病な君を守り続ける   作:孤独なバカ

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一層ボス攻略戦

ボス戦当日、

「分かっていると思うけどルインコボルトセンチメルは喉元しか効かない。だから俺が防御を引き受けるから。」

「分かってるわよ。喉元を狙うのでしょ。」

「んでキリトは周囲の確認。ついでに残りの班の様子の様子を見ていてくれ。」

「あぁ。」

「でもしかしおかしいわよ。ベーターテスターの君が取り巻きって。」

アスナさんが言う。

「ユニバースさんだっけそのβテストで一度戦っているのでしょう?」

「あぁあのときは俺がメイン盾で成功したぞ。」

「てかユニバースがメイン盾で失敗したことがないだろう。」

「そ、そんなに有名な人なの?」

アスナは絶句しているけどキリト

「それであなたはなんでユニバースさんが失敗したことがないことを知ってるの。」

「……」

こいつ壮大にやらかしやがった。

「キリトは爪が甘いな。だから最後のラストアタックも俺にとられるんだよ。あとアスナさんキリトもベーターテスターだよ。」

「そうなの?」

「あぁ、そうだよ。」

キリトは諦めたようだ。

「ついでにこのことは言わないでくれ。俺がベーターテスターがバレるのはいいけどキリトはまだバレてないからな。」

「わかった。けどそんなにベーターテスターが有利なのかしら?」

「ゲームが初心者じゃなければかなり有利だな。」

俺が言う。

「どのタイミングで武器を変えた方がいいのか。クエスト内容がどのようなものなのか分かるんだよ。」

「それに、たぶん経験値の多い狩場もガイドブックを書く前はやりたい放題だしな。でも序盤が有利なだけでいつかは限界がある。それにあぁ言う風に嫌ってる奴がいるからな。」

キバオウの方を見てため息をつく。

「まぁこの話はこのくらいにしてボスの部屋近いな。」

雰囲気で分かる。前線ボスの部屋を知ってる奴の口数が減り顔つきが引き締まってきた。俺たちも発言を控え、歩くと数分もしないうちにボス部屋にたどり着いた。

ディアベルがかなり真剣味を帯びた顔で一言

「行くぞ。」

そして一層ボス戦に取り掛かった。

 

「スイッチ」

俺は一言いってソードスキルを放つ。

片手剣ソードスキルのスライトを放ち武器を跳ね上げ俺は体を傾ける。

すると隣からものすごい速さで細剣のソードスキル、リニアーを放つフードを被ったプレイヤーアスナがルインコボルトセンチメルの喉元に放たれる。

強い。こいつ何者だ?

アスナというプレイヤーはビーター時代はともかくアルゴに調査を頼んだ事前の攻略に参加するリストに載っていないところを見ると最近実力をあげてきたのだろう。

「GJ。」

「そっちも」

と言いながら次の敵へと向かう。

「ユニバース2本目に入った。」

「了解。」

どうやら順調に削れているらしくキリトからのサインはまだ出ていない。

危なくなったらフォローにいった方がいいが、なるべく今回は見ておきたい。

今後の攻略において多分この中で生き残れるかそして誰が離脱するか見ておかないと多量の死者が出る。

だけども多分このアスナとキリトは将来最前列の要石になるプレイヤーだろう。

「スイッチ」

同じようにスイッチを繰り返し取り巻きコボルトを処理していく。そしてひとまず終わると俺は初めてボスを見た。

その姿に少し違和感を覚える。

なんだか武器がおかしい。細剣ほど細くはないが細い。それに輝きも違うし。俺は似た者を第10層で見たことがあった。そしたらディアベルが単騎で突っ込む。行動もおかしいしこれはまずい。

「っ!!おいディアベル下がれ。」

「ダッ、ダメだ。 下がれ!! 全力で後ろに跳ぶんだ!!」

キリトも気づいたのか大声で叫ぶしかしディアベルは突っ込んで行く。

俺は持ち場を離れて走り出す。

大きなコボルト、インファルグ・ザ・コボルトロードはソードスキル旋車を放つ。

「キリト取り巻き頼む。」

全力で走ろうとするが、AGIが足りない。そして俺がくる前にディアベルが吹き飛ばされた。多分死んだだろう。

「ちっ。」

軽く舌打ちをうつ。

でもまずは

「気をひきしめろ。逃げ出したい奴はさっさと逃げろ。俺がボスを引き付ける。」

俺は急いでヘイトを稼ぐ。ここからは持ち場もガン無視だ。

さっきのことで多分混乱するだろう。だからここからは俺らの仕事だ。

そんな中コボルトロードがソードスキルのモーションに入る。だけど

「そんなもんベーター時代に何度も見てきたんだよ。」

俺は範囲攻撃のものは少しバックステップで避けられるところにいる。

HPバーはさっきのやつも見るに単体技を3発まで耐え切れる。範囲はスタンがあるから絶対食らったらダメだ。

そしてソードスキルを全部かわして最後の一振りに真横からスライトを合わせる。後ろに二人の気配がある。

「「スイッチ。」」

後ろの声に合わせ後ろに飛ぶ。

すると細剣ソードスキルのリニアーを放つ栗色の女の子とキリトがソードスキルが放っていた。てかアスナ本物の女かよ。

「キリト、タイミングは10層の通り、メイン盾は俺。アタッカーはアスナさん、キリト頼む。」

「あぁ。」

「わかったわ。」

そして俺たちはワンミスが命取りの状態でコボルトロードに挑み続ける。

わずかながらしかし少しづつボスの体力が減ってきている

俺は命がけな戦場なのにすごく楽しかった。

そしてこの動きが何十いや何百回繰り返した後。

「最後のソードスキル頼む。」

「「了解!!」」

俺がソードスキルを使ってコボルトロードの武器を切り上げる。

すると隣から二つのエフェクトが見える。

LA持っていけキリト。

二人のソードスキルがコボルトロードに刺さりその瞬間硝子片となす。

犠牲者一名

これで一層ボス攻略戦が終わった。


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