ガーディアンが行く場所 オレは臆病な君を守り続ける   作:孤独なバカ

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犯罪者ギルド

思い出の丘に入ると思っていた以上にエンカウント率が高くなった

俺も油断せず盾ではなくアタッカーとして、前線に立つ

元々レベルが一番高い俺のことだから一発ソードスキルを放つと一撃でモンスターはHPを削れる

「……これで終わりっと。」

俺がとどめを出すとレベルアップのファンファーレが流れる

「あっ!私レベル上がった。」

「おっ。おめでとうさん。」

アスナに一言告げる。どうやらあっちも戦闘が終わったらしい。

「シリカは?」

「うん。大丈夫そうかな。元々腕は悪いわけじゃないから。」

アスナがそういうと同時にレベルアップのファンファーレが流れる

「シリカちゃんもレベル上がったんだ。おめでとう。」

「おめでとさん。」

「あ、ありがとうございます。」

とシリカは少しだけたじたじとしていた。

「ん?どうした?」

「えっと。もう8レベルもレベルが上がっているのですけど……これって。」

すると俺とアスナは顔を見合わせる

「あれ?俺のユニークスキルって下層に伝えてなかったか?」

「えっ?ユニバースさんってユニーク持ちなんですか?」

「あぁ、エクストラスキル急成長。んでもう一つはエクストラスキル状態異常無効化。こっちはちょっと微妙だけど今は俺だけ。発動条件がまだ確定してないけど……」

「……知りませんでした。」

するとシリカはキョトンとしている

「アスナ。」

「多分聖竜連合が情報規制しているんだと思う。」

「……やっぱりそうなるよなぁ。」

と俺はため息をつく

「中層はやっぱり聖竜連合の方が知名度高いな。もうそろそろ管理職をスカウトしようと思ってたのに。」

「そういえば言ってたね。」

「サチの負担が重すぎるからな。俺今手伝っているけど、あいつ体力があるわけじゃないし。」

「えっ?中層からスカウトするんですか?」

シリカは驚くが

「当たり前だろ下層の奴に任しておけるほどの人脈が俺たちのギルドにはないからな。」

「……まぁ、商業ギルドから勧められた人を雇うしかないからね。」

「……それに人選間違えたらまたアスナがなぁ。」

「な、なんか大変なんですね。」

「人間関係ってそんなもんだろ。一応俺らって中高生ばっかだから舐められやすいし。」

上下関係は必ず存在しているしな

「……はぁ、本当人間関係ほど面倒なことはないな。」

「あははは。」

と苦笑しているアスナに少しだけ小突く

「今前線はお前らに任せているんだから頼むぞ。ケイタもやっぱりプレッシャー感じることの方が多いんだから。」

あいつも一人で溜め込むことが多いからなぁ

そういいながら楽々丘の頂上までたどり着く

「……ほらついたぞ。」

俺が頂上に着いたことを言うとお花畑の広がった綺麗な景色が広がっていた

「うわぁ。」

とシリカは嬉しそうにしているけどキリトからの連絡に俺は目をひそめる。阻止ってシリカには聞かれないようにして

「……キリトから連絡。反応ありだ。」

その一言にアスナはビクッと反応する。

「……頼むけどシリカのこと。」

「えぇ、作戦通りに動くわね。」

俺たち真剣な表情に変わる

……さてとこっちも準備しとくか

「……どうしました?アスナさんユニバースさん?」

「なんでもないよシリカちゃん。」

隠す気がないのかアスナはどうみても慌てているように見える

……お前絶対嘘つけないだろ

騙せるとしたらキリトぐらいしかいないぞ

「……なんか失礼なこと考えてないユニバースくん。」

「別に〜。」

俺はそっぽを向くと

「それでシリカあったか?」

「あっ、それがないんですよ!!」

「そんなはずは……」

と思ってその丘をみると

……なるほどな

「シリカあれ。」

俺が指を差す先には小さな双葉がある

すると双葉が伸徐々に大きく伸びていき

「うわぁ。」

笑顔になるシリカに笑ってしまう

『空にい。これ一緒にやろ。』

……そういえば、孤児院で唯一俺に構っていたやついたな

……もし現実世界に無事に戻ったならあいつと手合わせしてやるか

「……ユニバースくん?」

「……ん?」

「どこか懐かしそうだけど……」

「ちょっとな。」

俺は苦笑してしまう。こいつらに隠し事できなさそうだな

「まぁ、リアルのことで色々な。」

「ふ〜ん。」

「なんだよ。その顔。」

「別に〜。」

「いや、どう見ても俺に知り合いなんていたんだって顔してたじゃねーか。」

「……なんでそんなこと分かるの?」

「付き合いならキリトの次に長いしな。それに孤児院の子だよ。まぁ、俺の自称弟子だ。弟子にした覚えないけど。」

するとアスナは少しだけ苦笑する

「……なんかユニバースくんって苦労性なのかな?」

「……結構なトラブルメイカーなような気がする。」

シリカがはしゃぐ中で淡々と話す俺とアスナに

……やっぱ護衛に人選間違えたかな

そう思わざるを得なかった

 

目的の物を取り合え珍しくエンカウント率が低く小走りで街へと戻ると

「……シリカストップ。」

街の直前で立ち止まり俺はシリカとアスナを止める

「……えっどうしたんですか?」

「いいから、キリトケイタ出てきていいぞ。」

すると隠蔽スキルをとったキリトとケイタが出てくる

「えっ?」

「……どこだ?」

「そこの木の後ろだよ。」

「アスナシリカを連れてガード頼む。」

「……えぇ。わかったわ。」

「おい。そっちも出てきたらどうだ?」

するとキリトがそういうと

役十人のくらいの人が現れる

……一応想定範囲だな

「あたいの隠蔽スキルを見破るなんて侮っていたかしら剣士さん。」

「アホか。前準備を済ませてきたんだよ。シリカの目的は俺たちにとったらついでだ……探したぜ。犯罪者ギルド《タイタンズハンド》のリーダーロザリアさん。」

俺が言うとギョッとするロザリア

「……そういえばそこの人は昨日すれ違ったっかしら?」

「あぁ、あんたとシリカと話している隙にな。ってかいいのか?そんなことしているとこのゲームはすぐにいなくなってしまうぞ。」

するとアスナとシリカは転移結晶で消えていく。

「……しまっ。」

「……さて、まぁまんまとおびき出せたな。まぁ。俺はあんたを捉えにきたんだけどさ。」

「……あんたやってくれたわね。」

ギリギリと歯ぎしりしながら俺を見るが

「悪いけどさ、そう言っている暇はないと思うけど。」

「えっ?」

キリトが言う頃には攻略組少数ギルドとソロプレイヤーのフルパーティーが村から出てくる

「…ナイスタイミング、クライン。」

「おう。さすがに我らの代表の頼みだしな。」

「……それでどうする?俺ら攻略組とお前らで潰し合うか?」

すると全員が固まる

「なっ?嘘だろ。」

「ちょっと待て、キリトとアスナ?もしかして閃光と黒の剣士?」

顔が青ざめていくシーフの男

「それじゃあケイタってあのガーディアンの団長か?」

「……ちょっと待ってよなんで、そんな人たちがこいつの。」

「盛り上がっているところすいませんが。ガーディアンの団長は俺じゃありませんよ。」

「は?何を言っているのよガーディアンは確か四人の少数ギルドでしょ?」

「……元々は三人、そして1に一時脱退して二人入って、そして元々団長だった俺が復帰させてもらったんだよ。」

すると俺は元々の鎧に着替える

一層からトレードマークになっている青い鎧と緑色の盾

そして宣言する

「ギルドガーディアン団長、ユニバースだ。……投降してくれないか?一応全員に麻痺毒を与える短剣を配布したんだわ。一応投剣スキル持っている奴も数人いるしな。……結晶アイテムで逃げられると思うなよ。」

と俺は緑色の液体を垂らした短剣を見せる。

すると首を項垂れる犯罪者ギルドに俺はポケットの中から回廊結晶を取り出し

「コリドーオープン」

俺はそれを開く

「……黒鉄宮に設定してある。……さっさと消えてくれると嬉しいんだけど。」

「……畜生。」

するとさすがにこの人数差とレベルには勝てないと思ったのか回廊結晶の中に入っている

しかし」ロザリアだけは別だった

転移結晶を取り出したそうとしたところをキリトが押さえ込む

「ひぃ。」

「……キリト頼むわ。最悪オレンジになっても復旧クエに行くから別にいい。ただ殺すなよ。」

「分かっているさ。」

と掴み取りコリドーに投げ込む。どうやらカルマ復興クエはしないでいいらしい。

「お疲れ様。みんなも悪い。こっちの都合で攻略抜けてくれてサンキューな。」

「別にどってことないことよ。」

するとクラインを皮切りに他のメンバーも頷く

本当にお人好しの集まりだなぁ

「ケイタも悪いな。攻略は今任せてあるのに。」

「いいよ。全然。僕も人を殺すやつだけは絶対に許せないし。」

穏やかな口調だが怒りを持っている

……そっか、ケイタもまだ

俺は少しだけため息を吐く

「んじゃ今日のところは解散。」

と俺が言うとぞろぞろと別れて行く。

俺はサチにメッセージを送るとすぐに連絡がくる

 

 

家で待ってる。

 

 

「……はぁ。キリト。サチから呼ばれたから家戻ってからギルドハウスに向かうわ。」

「……分かった。」

「すいません。サチが。」

ケイタは悪そうにしているが

「別にいい。……これだけは俺に背を負わせてほしいから。」

あの時のことがあるから今がある

でも俺ももう少し限界なのかなぁ。

でも、もう疲れきってしまっている

多分それはケイタも同じ

「ケイタ。明日から1週間休もうか。」

「……」

すると驚いたようにしていたが

「……そうですね。僕もちょっと疲れました。」

「一週間しか与えられなくて悪いけどな……キリトも悪い。アスナに一週間休みだと伝えておいてくれ。」

「あぁ。しかし意外だな。急に長期的な休暇なんて。」

「……ちょっとな。」

俺は濁していたが少しだけ分かっていた

これからの方針をしっかりこの休暇でまとめないとな


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