ガーディアンが行く場所 オレは臆病な君を守り続ける   作:孤独なバカ

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死の恐怖

「ぎゃ、ぎゃああああああ。」

「……まぁそうなるよな。」

歩き出して数分最初のモンスターと出くわしたのだが案の外シリカが悲鳴をあげる

「…ユニバースくん久しぶりに見るけど…」

「あぁ、そうとう面白いよなここのモンスター。」

「「面白くないわよ。(です)」」

と二人が奇声をあげる。こいつらこういったところをみると笑えるよなぁ。

「でもそいつクソ弱いぞ。それよりも気持ち悪いやつだっているし。」

「きえー。」

「……アスナGO。」

すると閃光の名にふさわしい速さでアスナがモンスターへと向かっていく。アスナは攻略組軽装備グループの中でキリトに次ぐ強者だし時々リニアーの速さでは俺とキリトも目が追えない時がある

もちろん今回もその強さを遺憾なく発揮し簡単に勝つことができた

「シリカ大丈夫か?」

「はい大丈夫です。」

「アスナもお疲れ。」

「うん。」

と軽くハイタッチをする。これは元々月夜の黒猫団から引き継いだ一つでもあった。

「なんかこうするのも久しぶりだな。俺アスナと二人でパーティー組んだことってなかっただろ?」

「うん。キリトくんとはよく組むけどね。」

「てかキリトはバランス型だから組みやすいんだよ。アタッカー、壁役なんでもそこなくこなすから。てか、このギルドじゃなければ俺はアタッカーに回ってるし。」

ガーディアンは良くも悪くも個のチーム

むっちゃけ戦略も必要ない。自分の仕事をこなすだけで基本はいい

「でもユニバースくん。」

「あぁ。分かっているさ。」

アスナの言葉を区切る。俺もアスナも言いたいことは同じだろう

「シリ「分かってます。」

するとシリカは少し自分を責めているように感じる

「……自覚があるんならそれでいいさ。」

俺が言うとシリカは頷く。悔しさや後悔が滲みこんでいる

「さっきもいったけど圏外だ。一応平原で少し丘があるけど見晴らしがいいぶんこっちも的に見つかりやすい。だから戦闘では逃げることは得策ではない。」

「うん。そうだね。ってことは」

「……あんま手出しはしないがヘイト俺が稼いでその隙に倒すか。アスナは基本探索スキルで見張りお願い。」

「うん。」

「本装備じゃないけどこれでいいか。サチに言ったら泣かれるだろうけど」

「そこは怒られるんじゃなくて泣かれるんだね。」

アスナが呆れたようにいうけど

「……それが一番俺には堪えるんだよ。あいつ怒ることはないけどその分泣き出すから。」

「そういえばユニバースさん?」

「うん?」

「……昨日から気になっていたんですけどユニバースさんとって前に何かあったんですか?」

シリカの言葉に少し目を見開いてしまう。すると焦り始めるシリカ。

「いえ。言いづらかったらいいんですが。」

「別にいいさ。まぁ暗い話になるけどな。」

俺は苦笑する

「半年前本当は俺とアスナとキリトそしてアルゴの4人だけのギルドだったんだよ。でも25層で軍の奴らが後退してその後にアスナとキリトがストーカーの被害にあって。」

「す、ストーカーですか?」

シリカは驚くけど

「うん。私は最近でも隠蔽スキルを使ったストーカー被害を受けてるけど……」

「街中でもスキルを多用した、ストーキング行為が増えてきてるんだよ。ってか俺らも最初は気づかなかったんだよな。キリトの勘とスキルがなければ全く気づかないほどだったけどな。あの時はアスナが人間不信ぎみになるから大変だったんだよ。」

あの時は本当に苦労した。あの後下層での注意書きと対策などを色々練っていたのもある

「……このSAOはスキルを使えば並大抵の犯罪行為ができる。特に隠密スキルと追跡スキルの組み合わせがあれば簡単にストーキング行為に持ち込める。それに聞き耳スキルも熟練度が高いと壁越しでも人の会話が聞けるようになる。……いわゆるここは無法地帯なんだよ。特に男が多いSAOの中で女性プレイヤーが二人もいるガーディアンは特に狙われやすい。俺たちは一応攻略組最前線にいるからな。サチもあぁ言う被害多かったらしいし。」

「うん。それにストーカー行為での行きすぎた勧誘も最近多発してるらしいからね。それも最近じゃオレンジギルドへの勧誘も多発してるみたいだよ。」

「……って話逸れたな。まぁ、そういったことの対処、下層の情報提供、また少しだけ商業ギルドの創立するための人材育成や物費や資材の援助など俺は睡眠時間や休みの日まで削って行っていたんだよ。それでいつの日だったかな?キリトに無理やり休むように言われてちょうどキリトがやっておきたいって言っていたクエストに出たのがきっかけだった。そしたらさ前衛職が一人しかいない五人組のパーティーとであったんだよ。」

少しだけ懐かしくなる。そうして話をし始める。なんとか敵を対処しながらも途切れつつゆっくりと話した

月夜の黒猫団のメンバーのこと

サチとケイタが元々はそこのメンバーだったこと

サチの逃亡やギルドハウスのこと

アスナやキリトすら知らないことを話していた

そしてそのギルドの壊滅から俺の暴走まで全てを話した

ここまで話すことなんて本当に初めてだった。

「……そんなことがあったんですか?」

「……まぁな。唯一連絡を取り合っていたのはアルゴくらいか。下層の情報提供と支援だけは続けてたからな。」

そこだけは前と変わらなかった。下層の支援だけは続けないといけなかったのだ。

「もう二度と同じ真似は犯したくなかったからな。情報は全部下層に伝えてたさ。サチはさすがにモンスター情報は伝えられないだろうからな。まぁでもさやっぱ人の命って重いんだよな。俺は待ってる人がいないからいいんだけどサチにだってアスナにだってシリカにも家族がいるだろ?」

「……」

「ぶっちゃけ不安なんだよ。ギルドの団長は俺にはかなり重いんだ。」

俺は少しだけため息をつく

「……結局蘇生アイテムも今も俺が持ってるけどギルメン以外は使う気ないしせめてクラインやエギルぐらいだろうな。……友達が死ぬのは本当に怖いから。」


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