ガーディアンが行く場所 オレは臆病な君を守り続ける 作:孤独なバカ
他の物語も少しづつ再開しようと思っています
「……やっぱり何か物足りない」
「うん。」
アスナのつぶやきに全員が頷く。
年越しそばみたいなものはすすったのはいいのだが味が何か物足りないのだ
「味覚再生エンジンって調味料ってほとんどダメなんだよな。料理スキル上げている二人が使ってこれなんだし。」
「うん。でも、SAOでの料理は簡略化されすぎてるから。」
「本当詰まらないよね。」
「俺もリアルでは作れるんだけどなぁ。」
「えっ?ユニバースも料理できるの?」
キリトが驚いているけど
「一応簡単なものだけ。アスナみたいな本格的なものは無理。ってか俺孤児院で料理担当だったし。」
「そうなんだ。でも、なんで料理スキル取らなかったの?ユニバースは余裕あるよね?」
「アスナとじゃんけんして負けたんだよ。料理スキル上げるのに三人だけのギルドで飯もほとんど同じだったから一人いれば十分だろ?俺は一応裁縫あげているかな?後釣りスキルは完全習得してある。」
「……釣りスキル完全習得って。」
「そういえば急成長って熟練度あるのか?」
キリトがそんなこと聞いてくる
そういえばいってなかったな
「ある。今熟練度が527なんだけど、効果がかなりやばい。…経験値、熟練度、ステータスの倍率を5倍アップするって。」
「……神聖剣より異常じゃないのか?そのスキル。」
「あぁ。このスキル最初から熟練度100からあったから多分熟練度い上がる度1%あがるって考えた方がいい。多分Max10倍の効果になると思う。まぁこのスキルは何かのスキルを使えばいいんだけど。スキル熟練度の上り方はこのスキルに対応してないのか普通だけど。」
「そのスキル本当にチートすぎるよ。……それじゃ完全習得してるスキルも多いよね。」
「今の所五つかな?片手剣、重装備、戦闘時回復、釣り、盾スキルくらい。もうそろそろ軽装備と回避も完全習得しそう。」
「ユニバース、軽装備と重装備の二つともとってる人って初めてみたよ。」
サチが驚いたようにしていたが
「サチにはスキル構成伝えたろ。」
「でも、昔のまんま索敵とか隠密とかとってないのか。隠密も途中から軽装備に変えただろ。」
「とってないな。隠密も索敵も一応スペースはあるけど、スキル上げが両方面倒くさい。」
「裁縫スキルは?」
「今は800超えたあたりかな?最近あまりやってなかったから…」
裁縫スキル最近カンスト者でたらしいけど結構好きだからなぁ。裁縫リアルでもやってみようかな?
「ってかスキル構成はマナー違反だろ。……それよりもキリト達は攻略スピード明らかに落ちてるけど。」
「仕方ないでしょ?ユニバースくんのマップ攻略速度が速すぎるんだよ。それに次は50層だし。」
「クオーターポイントか。……さすがに気をつけろよ。あの時俺らとあの男しか役に立たなかったんだから。」
25層ボス
俺もレッドラインまで落ちた時の二回はここだ。
メイン盾としていたが、その攻撃威力と硬さの異常さが辛かった。
そして死者15人という膨大な死者を記録した
でもそれに耐えらたのは俺とヒースクリフの二人だった
「……今回もかなり辛い戦いだろうな。多分メイン戦力の三ギルドはかなり負担がいくだろうな。」
「えぇ。小規模代表は今度からユニバースくんがやるんでしょ?」
「……聞いてないんだけど。」
「まぁ、団長はユニバースだからね。」
「……俺団長なんだ。ケイタの方が向いてると思うんだけど。」
「だめだよ。空太が作ったギルドだから。」
責任は取らないといけないってことか。
「了解。次いでに試験も俺がやればいいのか?一応減ってきてるけどまだ来てるんだろ。入隊志望。」
「うん。頼めるかな?」
「暇だから別にいいけど。少しヒースクリフに頼まれたことも同時進行でやっていいか?」
「……何か言われたのか?」
「あぁ。下層のレッド体制を整えて欲しいらしい。睡眠PKが最近多発してるらしいし。今シンカーにも頼んでるけど。キバオウの勢力の対処にも追われてるらしいし。」
「それってかなり危険じゃないの?」
「いや?それほど危険じゃない。笑う棺桶相手にするわけじゃないし。レベルも一番高いし戦闘時回復が毎秒1000ある。下層の相手くらいなら正直敵じゃない。HPも4万超えたしな。基礎ステータスではヒースクリフよりも高い。」
「急成長強すぎるでしょう。」
「本当にチートだよな。」
「ユニークスキルってそういうもんだろ。まぁ、昔に戻っただけだし、大丈夫だろ。危なそうだったらキリトとアスナ呼ぶし。サボートの手加減覚えたからなにあっても相手は死なないからな。それに麻痺毒のある片手剣を手に入れたしな。確か40層のラストアタックボーナスだけども。」
性能は最悪だったがモンスターにも3秒くらいは効く麻痺毒だ。
「……サチは大丈夫なの?」
「うん。正直行ってほしくはないけど、でも空太は大丈夫だと思うしそれに」
サチがニコリと笑って
「ちゃんと帰ってくるって約束したから。」
「……そういうこと。まぁ、生きてるし当分の間は無茶はしないと思う。」
「当分の間ってする時はあるの?」
「一応ある。…100層ボス茅場晶彦との戦いだよ。」
するとみんなが目を見張る。
「多分俺とヒースクリフがクリスマス会の時一度話したんだが、頂上に行けるギルドは壊滅と撤退合わせて二ギルドが、最高だと判断してる。KoBとガーディアンじゃないかと思っている。」
「……なんで?」
「一つ目まずこの二グループはレベルが高い。うちらはサチ以外のレベルはトップに近い。ケイタも聞いたら55ってかなり高いしな。どうせキリトとアスナは余裕で60は超えてるだろ。」
急成長スキルで一時期レベリングかなりしてたしな。ケイタとパーティー組んでたならそれくらいは上がってるだろう。
「そして少数とはいえかなりプレイヤースキルも高い。それにLAをとってる人は基本俺、キリト、アスナがほとんどだ。」
「……そうなの?」
サチは知らなかったけ?
「キリトが5割近くの23層、その次は俺の17層、そしてアスナが5層。ってアルゴが言ってた。」
「……キリトくん取りすぎじゃない?」
「そんなにとってたのか?」
「あぁ。ケイタも一回とったことがあるから、言いたいことはわかるな?」
「49層中46回が私たちのギルドにLAボーナスがとってる。」
「そういうこと。アイテムでも断然俺らの方が有利なんだ。装備面でも色々下層に支援をしてるとはいえ装備品や回復アイテムを無料で引き渡したりはしないだろ?」
それは俺が昔からしていたことだ。適正値段で下層に売っていた。
LAボーナスはかなり優秀であることが多い。だからやっぱりそれなりの値段で売らないと公平性が失われるのだ。
「……つまりは小規模ながら実力者が揃っていて装備も安定してる。そして防御、アタッカーのバランスは不安定だけども最悪キリトがガードできるし。ってかこのメンバーくらいなら正直一人でもいけると思う」
「……そういや。イエローゾーンに落ちたのって最近ないんだよな。ニコラスの時もポーションも結晶も一度も使わなかったみたいだし。」
「「「えっ?」」」
「……ってか体力へってもオートヒーリングでほとんどすぐに回復してしまうんだよ。ニコラスって秒間300くらいだったし、かもクールタイムが長いから喰らっても次、回避すれば全回復するんだよ。」
「それはもしかして。」
「うん。どれだけ戦っても死ぬ可能性はなかったってことだ。鎧と盾もも最近 LA手に入れたもの使ってたし。強く設定してたらしいけど…正直敵じゃなかった。」
オートヒーリングと急成長のコンボってかなり強すぎるだろ。
「……でも、もう二度としないでよ。心配したんだから。」
「わかってるって。」
俺は苦笑してしまう。本当二度とやらないわ。
「……でも、50層攻略にユニバースくんがいないのは正直辛いね。今までヒースクリフさんと二人いれば死者はほとんどなかったのに。」
「……本当に悪い。でももし50層の攻略の依頼が来ても断ろうと思ってる。」
さすがにサチを今まで心配させてきたから側にいたいしな。
「当分の間は大人しく家でのんびりしとくかな?結婚システム使うことになったし。」
「「えっ?」」
キリトとアスナは驚いたような顔をしていた。となりのサチは顔を真っ赤にしている。
「…えっと俺たち結婚しました。」
少し顔が熱くなりながら苦笑してしまう。
サチも照れながらテーブルの下で手を繋いでくる。
それが妙に照れくさい。
「えっと、おめでとう。ユニバースくんとサチ。」
「おめでとう。ユニバースとサチ。」
「ありがとうな。でもさ、結婚したとはいえ変わったところはほとんどないんだよな。特にステータスも元々教えていたから別に関係ないし。サチとは共有ストレージ持ってたし。」
正直結婚とはいえ変わったことはほとんどなかった。
「まぁ結婚指輪をすることになったくらいかな?あまり後財布も共通化したくらいか。」
「そういやサチとユニバースくんって元々仲はよかったよね。」
「まぁな。元々似た境遇だったのが良かったのかもしれないな。」
俺は苦笑してしまう。
「まぁ、ってことで報告終了。まぁ、あまり変化はないと思うからあまり気にしないでくれ。ってことでしばらくは休む。ヒースクリフからの依頼も一ヶ月間はしないって言ってあるし。少しのんびりするかな?」
「そっか。二人ともいいなぁ〜。結婚システムなんてカップルになっても結婚まで行くグループはほとんどないよね?」
「さっきも言ったけど今更だからな。それに好きな相手に隠すことなんてないだろ。それにあんなことがあったのにちゃんとまた俺を受け入れてくれた。それに帰るべき場所ができたからな。もう死ねないだろ。」
生きる意味を与えてくれた。愛の言葉も何もいらない。
ただ生き残って現実世界でサチと暮らしたい。
ずっと君と残りの人生を歩んでいきたい。
それだけで幸せを感じることができるのだから。
「でもさ、お前らもかなり人気だろうが。キリト最近告られたんだろ?」
「えっ?」
「そういえば下層の女子プレイヤーからは人気だもんね。キリト。」
「まぁな。断ったけど。」
このギルド案外人気高いんだよなぁ。
アスナもキリトも序盤から引っ張っている攻略組の一員だし
俺も何人かに告白はされたことはある。
俺たちは下層に降りることが多かったのでそれがまた人気の一つになったわけだ。
そしてサチも同じく人気の高い一人だ。
数少ない女子プレイヤーでありながら誰にでも優しいお姉さんとして下層の年下の男性から人気がある。
ケイタも下層の優しいお兄ちゃんとして年下の女子から人気あるし
本当にこのギルドモテる奴ばかりだよ。まぁゲーマーからだけども
ゴーン
するとどこかから鐘の音が聞こえてくる。
「お、除夜の鐘じゃね?多分始まりの街の鐘の音だろうけど。」
「ってことは、もう二年目か。今年中に80層までは行きたいな。」
「あぁ。ここから一気に難易度は上がるだろうし、油断はできないな。でも、俺たちは絶対に生き残ることだけを考えろよ。俺はとにかく早速50層攻略が控えているんだぞ。」
「そうね。私たちはエギルさんとクラインさんといつものパーティーになりそうね。」
「あの人中身はいいんだけどなぁ。見た目が少し怖すぎるんだよ。」
優しくていい人なのに見かけのせいでちょっと距離置いてしまうんだよなぁ。
「まぁ、頑張れ。その分LAボーナスとかはすごくいいものだと思うし。俺なんかチートスキルもらったしな。」
「みんな、攻略の話くらい新年になるのにやめようよ。」
サチが苦笑している。
「悪い。悪い。じゃあ来年もみんな揃ってまたここで集まろうか。」
「そうだな。でも死ぬなよ。」
「お前もな。」
するとキリトと顔を見合わせ笑い合う
そして
「「「「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」」」」
アインクラッドで二度目の年明けを迎えた。