あの日あの場所あの時から。   作:如月の夢

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どうも仕事にいまだに慣れない事でゴミカスな作者こと
しずねは最かわっ☆です。

やー投稿遅すぎますね…………
それでも頑張っていくので応援を……


問題-解決策=連絡先

翌日、俺はなれた道をとぼとぼと歩いていた。

先日自転車を置いていったからな。

なれた道を行く時、人は考え事をするのではないかだろうか。

人間無心になるとは難しいもの。

何かと考えながら行動している。

しかし、ただ歩くという動作に対してさほど脳はつかわない。

よって、関係ないことを考え出す。

そして俺の頭を占領する事柄が一つ。

昨日の小町の発言だ。

彼女は表情が変わらない。

でも確かに、俺の目にはいろんな表情が見て取れた。

しかし、思い返すとたしかなことがある。

例えば彼女がよろこぶ時、俺からすればよころんでいるのだと感じた。

だが、たしかに彼女は"笑って"いなかった。

俺が感じとったと思ったのは、表情の変化ではなく、あくまで雰囲気である。

そして、普通の状態からの微かな違いによって判断した。

しかしそれは、極めて小さな変化だった。

つまり、彼女の表情の変化はよく見ないと分からないのである。

───別に俺がよく見てるってわけじゃないからね!

 

 

 

そんなことを考えながらも足は着実に進み、門へたどり着く。

さぁこれで、本日も1日総武校生としての生活が始まる。

戸塚に会いたい戸塚に。

「あ!八幡おはよう!」

神様ありがとー!!

いかん、極めて冷静に返事をせねば。

「おはよう戸塚、毎朝味噌汁つくってくれ。」

「え?」

「すまん、何でもない。」

何が極めて冷静にだ。極めて荒ぶってんじゃねーか。

「そう言えば八幡」

「ん?」

「八幡、文化祭実行委員に決まってたよ。」

は?

「は?」

いやいやいや

「なんか平塚先生が決めてたような。」

終わった……

 

 

 

 

時間は過ぎ、今現在は顔合わせの真っ最中。

みんなそれぞれ意気込みがあるのか、目は多少輝いている。

その中でも全く輝けず、もはやドブの底如く濁った瞳の俺はさぞかし目立つだろう。

実行委員長、副委員長という重要な役割を誰もやりたがらない中、相模が手を上げるという謎の出来事があったがそれよりだ。

俺が配属された記録係。

配属ごとに座り直してみればあら不思議。

「…………。」

傍から見れば無表情のピースサイン

お前かよ…。

 

 

「お前こういうのもやるんだな。」

「いや、やる人がいなかった。」

どこも似たようなものか。

それに、と彼女は言葉を続ける。

「貴方も似た理由のはず」

「ご名答、と言いたいところだが休んでるうちに決められていた。」

「そう…私の」

「お前のせいじゃない。気にするな」

「…………。」

「まぁ、なんだ、よろしく頼むわ。」

「…………。」

静かに頷く彼女はいつも通りだった。

「しかしまぁ……」

「彼女のことが心配?」

「え?」

「相模南。」

言い当てられた事に驚く。

「あぁ、よく分かったな。」

「彼女にはあの役は重すぎると判断。」

「そうだな。」

「同じクラスのようだけど、彼女は無茶するような人間?」

「しらん。」

「そう。」

まぁ、無茶をする理由は大方予想出来るのだが。

「とにかく、上手く行けばいいのだけれど。」

「そうだな。」

何事もないといいんだが。

 

 

 

顔合わせが終わり、各々部活へと解散する。

「お前は帰宅部なのか?」

「…。貴方もそうなのでは?」

「"だった"んだけどな。」

「そう、なにかあったのね。」

「まぁな。」

「じゃあ、少し話したいことがあるから待ってる。」

「いや、それは悪いだろ。」

「……。」

首を降り否定する。

「……読む本は沢山あるし待ってる。」

「そうか……」

本を読むならいっそ

「部室くるか?」

「何故?」

「俺も多分、時間まで本を読むからだよ。」

「部活の活動内容が?」

「いや違う。」

「では?」

「まぁ、来てみてくれ、説明役にぴったりな奴がいる。」

 

 

 

 

歩きなれてきた廊下を進み、目的の場所へたどり着く。

奉仕部と可愛く書かれたそれは、紅茶の香りが漂っていた。

「うっす。」

「あら由比ヶ浜さん、あれはゾンビかしら?」

「いきなり酷いな。」

「ところで解散したタイミングは同じだったはずよ?

今までなにをしていたのかしら。」

さっきの発言にはもう興味なしですか。

「ちょっとな。」

「あなたの事だから、誰かと話していた、なんて事はないでしょうし。」

「いや、話していたんだよ。」

その瞬間、目を見開く雪ノ下。

いや、そんなにかよ。

その時、裾を引っ張られてることに気づく。

「…………。」

「あー、悪かった紹介するよ、ここが奉仕部だ。」

「あなたは確か。」

「俺と同じに記録雑務に配属されたやつだ。」

「あら、あなたと同じなんてとんだ災難ね。」

「否定はせん。」

「しないんだ……」

「いたのか由比ヶ浜。」

「いたよ!最初から!」

「そこのそれに何かされたら、いつでも言ってください

、仕事量を倍に増やすので。」

それって……

「…………。」

「いや、そんなに楽しそうに頷かれても。」

なに、いう気満々なの?ドSなの?やめてね泣くから。

 

「「え?」」

突然、驚きの声をあげるふたり

「どうした?」

「あー、いや何でもないよ、うん。」

「?」

何でもないことは確実なんだが、触れるのはやめておこう。

け、決して面倒くさいとかじゃないんだからね!

やめよ、気持ち悪い。

「そ、そんなことより比企谷くん。彼女は何故ここに?」

「あー何でも俺に話があるから部活が終わるまで待ってるって言うから─」

ガシャン

「「「!?」」」

「へ、へぇー、ひひ、ヒッキーに話ね、ねー。」

「どうした由比ヶ浜、さらに馬鹿っぽく見えるぞ。」

「さらにってなんだし!」

「まぁとにかく部活終わるまで本読むなら、こいつもいていいかなって。」

「ふ、ふーん。」

どうしたんだ?

「まぁ、そういう事な─」

コンコン

「というわけにも行きそうにないわね。」

響くノック。

静寂を妨げたのは─

ちなみにその回数だとここはトイレなのだが……

 

そんな事を思いつつ、開くドアを見つめる────

 

 

 

そして、最終下校時刻を告げる鐘がなる。

俺ら奉仕部は皆、新たな依頼にどうするべきか考えていた。

どうしたものか……

「…………。」

ちょんちょんと擬音がなりそうな音で叩かれ、後ろを振り向く。

あ…………。

「…………。」

ムスッとしてらっしゃる……

「いや、悪かった。」

「ううん、別に。」

「ならそう、ムスッとすんな、なんかお詫びでもするからよ。」

「してない。」

「してる。」

してる、してないのやり取りはずっと続く。

「はぁ、分かったよ。」

結局折れるのは俺である。

まぁ、ぼっちだし、慣れてるから。

ぼっちだしって理由便利だよな。

なんでも断れそう。

平塚先生には…………殴られそう。

 

「で、お前家どっち。」

「…………。」

指し示す方角は幸い俺の自宅の方角である。

「なら送ってく、暗くなってきたしな。遅くなったのは俺のせいだ。」

「…………。」

縦に振るわれる首はいつもより少し早く感じた。

若干目元も少し……

なんというか、嬉しそうな…………。

気のせいか。

 

「……。」

歩き始め数分後、袖を軽く引っ張られる。

振り返り見ると─

あれ、こいつこんな可愛i……。

いやいやいや。

「ど、どうした。」

「……?ずっと考え事をしていた様だった。」

「まぁな。」

「依頼についてだと判断。」

「まぁそうだな。」

「……。」

「どうした。」

「無茶だけはしないって約束して。」

「無茶ってなんだよ」

「…………。」

目と目が合う。

ここで好きだと気づいた、となるわけもなく。

その瞳は何かを必死に願うようだった。

「……わかったよ。」

「同じ記録雑務として、バックアップする。」

「いや、お前は」

「する。」

揺るがない瞳……

「降参だよ…」

俺の格言、押してダメなら諦めろの発動である。

再び前を向いて歩き出す。

だが再び脇をつつかれる。

何やら硬いもの……もしかして刃物

なんてことは無いか。

なんだよ、と振り返ると脇をつついていたのはスマホだった。

「連絡先。」

「いやいらんだろ。」

「……………………………………………………。」

いや、そんな捨てられた子犬みたいな目で見つめられましても。

なんなの、俺のこと好きなの?

絶対にありませんね分かります。

「はぁ……わかったよ。」

「……。」

スマホを渡し、勝手にやってもらう。

慣れた手つきで操作している彼女は、"誰が"見ても笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

自宅につきソファーに倒れ込む。

机を揺らすスマホの振動。

 

 

 

その画面には新たに追加された連絡先の名前。

 

──────『福田 日影』───────

 

 

 

 




ということでヒロインの名前ですね
福田 日影(ふくだ ひかげ)です。
福田は作者の県にある市名から。
日影は………… ひ☆み☆つ☆
キモイなこれ。

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