そういうのが苦手な方は、他の作品をオススメします_(:3」∠)_
やる気が出ません_(:3」∠)_
短い割に難産でした_(:3」∠)_
暖炉の火が薪の上で踊っている。
おっ、なんか作家っぽい言い回しだな。紅葉先生の影響か?
ベルディア襲来から2、3日位した。
相変わらずクエストにはめぼしいものがないので、早くも訪れた冬の足音を、暖かい家と暖かい食事で出迎えている。
真緒さんの話では、この季節はマツタケやシイタケが、例年なら群生しているので、その討伐クエストが出るらしいが、ベルディアの関係で、すっかり大人しくなっている。
もし秋の内にベルディアを討伐する事ができたなら、今年のマツタケとシイタケは非常に美味しく、経験値も豊富だろうという見通しだそうだ。
まぁ、アクセル街の連中は真緒さん一行を除けば、そこまで強い人は居ないから、今年の収穫は諦めたほうが良さそうだ。
あー…しかしなー。
「暇だ……」
誰に言うともなく俺の意思が口から漏れた。
「魔王討伐に対しての予行演習がしたい?」
俺達が訪ねたのは真緒さんの家だ。
発端はめぐみんの「魔王軍幹部が来たくらいですし、そのうち気まぐれで魔王がきたりとかしませんよね?」だった。
まっさかーとアクアは笑っていたが、ありえない話じゃない。
なにせ目的は分からないが、魔王軍の幹部が近くに越してきたのだ。
幸い真緒さんが元魔王という話はここに居る連中しか知らないが、それもジョークか何かと思われている。
だが、幹部を相手に、今までのような舐めプレイは難しいだろう。いや、もしかしたらできるかも知れないけど。
つーか間違いなくできるよなー。この間のアレも「あまりに弱くて腹が立ってやった」とか言ってたし、つうかベルディアで弱く感じるって真緒さんどんだけだよ!
…話は逸れたけど、そういうわけで、なら身近にいる元魔王様に鍛えてもらえば、将来的に魔王討伐を目的にしてる俺らは、良い特訓になるとふんで、頼みに来たわけだ。
真緒さんからすればいい迷惑かもしれないけど…。
取り敢えず理由を説明して、真緒さんの返事を待つ。
「どうですかね?」
「ん?いいよ」
あっさりOKがでた。
「丁度僕も暇してたしね。で、どうする?どんなふうにやる?」
結構乗り気なのか、肩をグルグルと回しながら、庭に出る真緒さん。
俺たちも玄関から回って庭に出る。
ダクネスとか鉄の具足だからな。仕方ない。
結論から言おう。魔王はやっぱり鬼のように強い!
チート使ってなくても強い。流石魔王。
詳しい描写?やつは死んだよ。
そんなんやろうとするから詰まって書けなくなるんだよ!
メタい話は捨て置いて、全く何も分からないじゃ面白くないので、ざっくりと思い返そう。
まず最初に俺がやられた。
理由は一番弱そうだから。
うん。知ってた。知ってたけど、開幕急接近でワンパンキルは酷くないですかね?
開幕退場した俺は、結界の外から観戦することになったわけだが、まー酷かった。
早々とリタイヤされた俺をみて、アクアはゲラゲラ笑っていたが、返す刀で頭を蹴りぬかれ昏倒。しばらく意識は無かった。
次にめぐみんが慌てて詠唱している最中、ダクネスが前に出て庇おうとするが、魔王と化した真緒さんは、ダクネスをスルー。めぐみンに直行し、めぐみんをリタイヤさせた。
ここから俺とめぐみんが観戦組となったわけだが、恨みを晴らすかのようなアクアに対する攻撃と、まるで居ないものとして扱っているような、ダクネスへのスルーっぷりを見せつけられた。
最初は元気があったアクアも、次第に気力をなくし、最後には土下座をしてリタイヤした程だから、相当なものだったと思う。つーか間違いなく日頃の憂さを晴らしてるだろ。
そして、それ迄放置プレイと思って喜んでいたダクネス。
アクアが退場し、ようやく自分かと思いきや、真緒さんはやはり魔王だった。
なんとダクネスを放ったらかしにして食事の献立を考え始めた。
これには流石のダクネスも切れたが、それに対する真緒さんの反応は
「当たらない攻撃を脅威と見るのは無理だよ」
ド正論だった。
山をも砕く拳も、星をも切れる一太刀も当たらなけりゃー意味がない。
ましてや自分から当たらないよう仕向けているんだ。
当てることができたなら、きっと構ってくれたかもしれない。
相手は元とはいえ魔王。
きっとこの先しばらくは味わえない一撃が貰えたかもしれない。
言ってみれば自分の勝手でご馳走を台無しにしたようなもんだ。
それに理解したダクネスは、心が折れたのか膝をつき、リタイヤした。