始祖の魔王様に青春を!   作:犬原もとき

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この作品には拡大解釈や、作者の妄想によるキャラ補完があります。
そういうのが苦手な方は他の作品をオススメします_(:3」∠)_


宮沢賢治来ました。可愛いです_(:3」∠)_


男の娘はお好きですか?

「さーて、今日は何が出るかな?」

街も秋めいた頃、僕は自宅で召喚をするべく、庭に立っている。

土地の広さが小学校のグラウンド位だから、庭はその内の3分の2程度だ。

僕はその庭でいつも召喚を行う。

理由は単純に広くて邪魔にならないから。

魔法陣を展開し、辺りにガラスの破片のような物が飛び散る。

僕を中心に、グルグルと渦を巻くように動き始める。

そして気づく。いつもと様子が違う。

いつもは青い蛍火のような光を放つのに、今日は黄色が混じっている。

何だろう?よく気をつけないと。

そう思うと同時に、僕に向かって手を伸ばしてくる人影を見つける。それも二人だ。

迷っている暇はない。僕は両手をそれぞれに伸ばし、手を掴む。

そして眩く光が放たれ、数秒もしない内に収まり、召喚した人物がわかる。

薄い桃色のショートヘアー。と思ったらこの子ポニテだ。分かりにくい。対象的な濃い紫の袴に、桜色の着物。腰には刀を下げていて、草履ではなく靴を履いている。

歳は16最頃かな?肌が白く病弱に見えるのに、その瞳には曲がらない信念の強さを感じる。

隣に立っているのは…え?二人?

どちらも一見すると女性のように見えるが、背の高い方はちゃんと見ると男の様に見える。

が、背の低いほう。というか子どもじゃんこの子。女の子じゃん。

ていうかえ?、親子?親子なの?

背の高い人は中性的な顔立ちで、柔和な目つきをしている。

着流しの上にキレイな刺繍の入ったマントを羽織っており、女性っぽさに拍車がかかっている。が、よくよく見れば僅かに男性であることが分かる。

そして腰には得物であろう鞭が吊り下げられている。え?鞭?

ま、まぁそういう趣味の人かも知れないし。

「今、何か失礼な事を考えませんでしたか?」

「そんなこと無いよ?」

さて、もう一人を見てみよう。

小さい。僕は160cm位なんだけど、それより小さい。

小学校低学年位しかない。

背の高い方の影に隠れて、こっちをじーっと見てる。

可愛い。

銀色の髪は全体的に短いけど、右目の方は覆うように伸ばしてて、青い瞳が片方だけ覗いている。

服装は冬国の人が着るような物で、猫耳帽子みたいなものまで被っている。

つうか見れば見るほど親子だな。

さっきの喋った背の高い方は普通に男の人の声だった。

なんか脳裏に自爆したら死ぬほど痛いとか忠告してきたり、黒猫と白猫を引き連れて道に迷ったりしそうとか考えたが、気のせいに違いない。中の人ネタとか思ったけど気のせいに違いない。

「司書さん」

不意に声をかけられた。

あらやだ可愛い。

やっぱり小さい子は偉大だよ。余程悪ガキでない限り好印象を持たれる。

「僕のことかな?」

「うん。これお手紙」

「ありがとう。えーと…」

「新美南吉だよ。ニイミ・ナンキチの方がそれっぽいかな?」

新美南吉?なんだかどこかで聞いたような…。

「えへへ〜。紅葉さんの小説と違って僕のはきっと聞いたことがあると思うんだ〜」

「いや、長年暇を持て余していたと聞く。もしかすると読んでいるのかもしれない 

お前ら勝手にハードル上げるんじゃないよ。

取り敢えず手紙を読むか。

えーと

『よう親父。元気に色々楽しくやってるみたいだな。今日は親父の誕生日で、そっちに行って一年目だ。』

あぁ、もんそんなに立つのか。

…そういえばルーシェは家を出て行くのが一番早かったな。

誕生日の時はいつも何処からともなく、こうやって前触れもなく、プレゼントを送ってきたっけ。

相変わらずだな。

『正直今回は悩んだぜ。以前みたいなマジックアイテムだと、均衡を崩しちまうし、かと言ってザコいもんは俺のプライドが許さねぇ。んで、仕方ね~から診断メーカーで親父のプレゼントを選んだってわけだ』

おい。ルーシェおい。

診断メーカーでプレゼント選びすんなよ。

この子達は診断メーカーで選ばれた悲しき犠牲者じゃねーか。

しんみりした雰囲気が台無しだよ。

『因みに生命定着してるから存分にイチャコラできるぜ!』

やめろ!そういう事を文面に残すんじゃない!

もっとこっそり匂わせなさい!!

『追伸 新見は男だ』

なん………だと?

おい、嘘だろ?嘘だよな?嘘だと言ってくれよ。

あの見た目とあの声で男?

男の娘ってやつか?そうなのか?

新見の方を見る。

「うふふ♪気づいちゃった?」

可愛らしく首を傾げ、コロコロと微笑う。

その姿はまさしく女子。だが男。

これが男の娘か……。変態じゃー変態の仕業じゃー。

 




新美南吉
原作 文豪とアルケミスト
大きな原作は現実に存在する作家。
平たくいえばごんぎつねの作者。
呼び出されたのはそれを元にした全くの別人。
本人もまさかの数十年以上の未来で男の娘になるとは夢にも思わなかっただろう。
声も完全に女の子である。
だが男だ。性別も中の人も。
男の娘万歳。可愛いは正義

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