そういうのが苦手な方は他の作品をオススメします_(:3」∠)_
今週高千穂に行ってきます。楽しみ_(:3」∠)_
おっ、カズマが勝った。
この勝負は、カズマの作戦勝ちって所だね。
相手の得意な土俵に上がらず、終始自分の得意分野で試合を展開していた。
つまりはまぁ、逃げていた。
相手は降参するわけにはいかないし、他の人はいないから、必然的にカズマの相手をするしかなかったのも大きなポイントだった。
しっかしウザい戦法だなー。
ひたすら避けるたけだもんな。
これ格ゲーとかでやられたらリアルファイトものだよ。
この戦い方の目的はキョウヤの疲弊だ。
スティールの成功は相手と自分と精神力の差と幸運のブーストによって決まる。
大抵幸運値はそこまで高いのが居るわけでもないし、幸運は上がりにくい為、基本的には精神力の差で決まる。
が、カズマは能力こそ平凡だが、並の冒険者にはない、高い幸運値がほぼ全ての相手に成功を決める。
それでも実力差があったりすると、狙ったものが取れなかったり、そもそも成功しなかったりする。
では格上相手に成功させるためにはどうするか?
その結果考えたのがこの流れだ。
スティールの成功の鍵は、厳密にいえば、相手と自分の意識の差だ。
例えば腰に下げている革袋を注視していれば、当然それに意識が向く。
意識が向いていれば、警戒は高まる。
そして相手が、盗もうと行動すれば、自然とそれを守る。
ところが、相手の目的は自分の後ろにいる可愛い女の子だった。とかならあっさりその子は取られてしまう。
疲れていると注意力が散漫になり、思考も鈍り、とっさの判断や、事前の予測をしにくくなる。
結果として、先程のように目的の物が奪取できる。
勿論ちゃんと取れるかどうかは本人の幸運も必要なんだけど。
「やるじゃないカズマ!どうせなら顔面凹ませてやればよかっわね!」
「見事な作戦勝ちでしたね。まぁ、カッコよくはありませんでしたが」
「最後の一撃は見事なものだった……あぁ!私も喰らいたかった!」
三者三様の賞賛…賞賛なのかな?まぁ、そんなものを浴びながら、悠々とパーティーの元へ帰っていくカズマ。
「ひ、卑怯者!卑怯者!!」
になにやら罵声を浴びせる女の子達。
えー?卑怯も何もルール違反はしてないじゃない?
みれば、それはさっきメロメロにした女の子だった。
ほほぅ。気が強い子は嫌いじゃないぜ?
「なによ!逃げてばっかりで攻撃したのは最後だけじゃない!」
「そーよそーよ!それに目潰ししたりキョウヤの剣を盗んだり、そういうの卑怯よ!」
やれやれ、しょうが無いなぁ。という風に肩をすくめるカズマ。
うっぜぇ顔してるなぁ。
「卑怯?心外だなぁ。俺はちゃんとルールは守ってるぜ?なぁダスト」
「え?あ〜…まぁそうだな。外野に手は出してないし、街には傷一つつけてねぇ。別にキョウヤさんを殺してる訳でもないから、卑怯かどうかでいやぁ卑怯じゃねぇわな」
そらそうだ。
ダストの言うとおり、カズマはルールは破ってないし、勝ち方も見た目こそ地味だが、理にかなった戦い方の勝利だ。
まぁ、見た目が良いかどうかは前述のめぐみんの通りだが。
「正々堂々戦いなさいよ!」
「いや、むしろ俺は持てる手段で懸命に戦ったぜ?つうかさ、馬鹿正直に真正面から戦って、冒険者とソードマスターだったらどっちが勝つよ?ソードマスターだろ?だから搦手で戦うしかないの。おわかり?」
うむ。実に正論である。正論ではあるがそのドヤ顔はやめて欲しい。
無性に殴りたくなる。
後ろにいるアクア達もそんなことをヒソヒソと話している。
なおも文句をつけようと言葉を探している少女A&B。
そろそろお開きにしてほしいかなー。
「それに不満があるならそっちと勝負してもいいぜ?だが俺は男女平等を掲げている。それも女性有利の似非フェミニズムじゃねぇ。勝つためなら手段は選ばねぇ。俺が女相手にスティールすると、何故かパンツを剥ぎ取っちまうからな。動けない隙にドロップキック位お見舞いしてやる。さぁ、どうする?んん〜?」
そういうと、カズマは手をワキワキと動かす。
その動きは下衆い顔もあってか非常に如何わしく見える。
あの様子だとパンツどころか下半身の衣服を全部剥いじゃいそうだな。
公衆の面前で、下着を剥ぎ取られてしまうという悪夢を想像した、少女A&B。
少しの間考えた末、彼女達の取った行動は
「お、覚えておきなさいよーー!」
と言って、キョウヤを引き摺りながら去っていくことだった。
仲間の仇よりも己の純潔を取ったわけだ。
まぁ、そりゃそうだ。命がかかってるわけでもないし。
そんなこんなで、今日も一日が終わったのであった。
「冒険者カズマ!!」
翌日、食事を取っていると、キョウヤが大声でカズマを呼んだ。
てかデカイよ。朝は静かにしろ。
今日のモーニングは目玉焼きにキャベツの千切りとベーコンを三枚。それとコーヒーのモーニングセットだ。
因みにカズマは大盛りチャーハンだ。
「んご?」
「厚かましい話だとは思う!恥だとは百も承知だ!だが…」
相変わらずこっちの話を聞かずに勝手に話をすすめるなコイツ。
「頼む!僕のグラムを返してくれ!アレがないと僕は…」
と言って勢い良く頭を下げてくるキョウヤ。
グラム以外持ってないのかよ。
とはいえ…
「あー…悪い。それ無理」
「わかっている。だがそこを……ん?」
カズマに再度頭を下げようと、視線を上げたキョウヤは違和感にきづいたみたいだ。
カズマの手には、あるはずの物がものが無く、無いはずのものがあった。
「き…きみ…そ、その…グ、グラムは?」
「売った」
震える指でカズマを指し、自分の愛剣の所在を確認したキョウヤに対し、なんの感慨もなく、即答で売却したという事実を、カズマは叩きつけた。
流石ゲスマ。気に入らないイケメンに対しては、隙きを生じぬ2段構えで仕留めにかかる。
まぁ、宿屋暮らしのカズマでは、そんな物は置けないし、使うにしても特典の武器ということもあって、重くて使えない。
ならばいっその事売ってしまえ。となるのは当然といえば当然の流れだ。
切国は一応反対していたが、民主主義の数の暴力の前には、勝てなかったよ…。
呆然と沈黙するキョウヤと話は終わっただろうと席につくカズマ。
「ちくしょーーーーー!!!」
しばらくして、意識が戻ったキョウヤは大声を上げてギルドを後にした。
因みにこれは全くの余談ではあるが、彼には30万の借金がある。
そう、彼が切り裂いた檻の代金である。
檻自体はそこまで無かったのだが、カズマがあの手この手で言いくるめ、30万の借金を引っ被らせたのだ。
それが成立した時のカズマの顔と言ったらもう、お前が魔王なんじゃねーの?って言うくらい悪い顔をしていた。行動も相まって実に鬼畜。ド畜生である。キョウヤは1発くらいぶん殴っても良いと思う。
次回は新しい子が二人増えます_(:3」∠)_
感想とか活動報告へのリクエスト、待ってます_(:3」∠)_