World trigger〜Strawberry grim reaper〜 作:鵺鵠とも
「イッチー先輩!早く戦ってよー!」
「一護先輩、相手してください。」
「お?一護か!ちょうどいいや、バトろうぜ!」
「あ!一護!あんた、なにあたしから逃げてんのよ!早く相手しなさいよ!」
………お前ら、うるせぇ…。ここもあっちも戦闘狂だらけだな…。はぁ…めんどくせぇ。あと、小南うるせぇ。
玉狛帰れ。
「おめぇらうるせぇ、落ち着け」
本部になんとなく遊びに来た一護。するとすぐに、緑川、黒江、米屋、何故か小南、その他大勢がワラワラと湧いてきた。
「イッチー先輩〜取り敢えず俺と戦ってよー」
「いいけどよ、おめぇこれ以上ポイント減っていいのか?」
「今日こそ勝つからいいんだよ!」
「分かった分かった、相手してやっからブース入っとけ。すぐ行くから」
よっしゃー!!と叫びながらブースに入っていく元気な子犬の様な緑川を見ながら暖かい目で見守るギャラリー達という謎の光景がそこにはあった。なんとも不思議な光景である。
はぁ…サクッと終わらせっか。
* * * * *
「うわぁぁぁ!また負けた!」
いつも通りサクッと負けて地団駄を踏む緑川。もう、毎度恒例のことになりつつある。
「…ついでだ、俺の相手したいやつ全員まとめてかかってこい。一気に相手してやる。あ、小南は帰れ。後で相手してやっから」
こうして一護VSボーダー隊員12名の大掛かりな対戦が始まった───。
「え?あれ、あたしは?無視するなぁ!!」
うっせぇ小南。はったおすぞボケ。
* * * * *
「うへぇ〜…一護強過ぎ!俺たち12人を1人で相手取って5分未満で蹴散らすとかマジでやべぇわ」
結果としては一護が圧勝だった。あのA級の米屋でさえ一撃も与えることが出来なかった。幻踊弧月も初見で見切り、周りのシューターが放つバイパーやハウンドも、うまい具合に打ち消したり、もはや人間業ではなかった。きっと人型ネイバーであっても完全に打ち消すことは難しいはず。
「イッチー先輩〜どうやったらそんなに強くなれるの?」
「それは私も知りたいです。教えて下さい」
どうやったら強くなれるか聞いてみる中学生組の緑川と黒江。それに、それな!と便乗する槍バカ。
「うちの木崎さんも言ってたけどよ、まずはトリガー無しで身体鍛えるのがいいんじゃねぇの?技術うんぬんは二の次だろ」
まぁ、俺は大した技術教えられねぇけどな。場数踏んで踏みまくって身に付いたものだし。あ〜でも、身体鍛えるつっても黒江は女子だしな…う~ん…
「っしゃー!よねやん先輩取り敢えずなんか鍛えに行こうよ!」
「オッケ〜。でもよ、具体的に何すんだよ?」
うにゃうにゃ言いながらブースを出ていくバカ2人。なんとも愉快である。それに伴って他のギャラリーもぞろぞろと帰っていく。黒江は再度一護に弟子にして欲しいと頼むが断られ、トボトボと帰っていく。
そんな黒江の悲しそうな後ろ姿を見て、大した事は本当に教えられる気はしないが弟子にしようかと思い始めた。
「ねぇ…あたしは?放ったらかしなの?」
んだよ、まだ居たのかよ小南…。早めに自立しとかねぇとオチ要因にされても俺は知らねぇからな。ったく…
「おい小南、玉狛帰るぞ」
「……うん。」
この時の2人を見たものは口々に仲の良さそうな兄妹の様だったと物語る。
そろそろイチャイチャさせないと…
うっ…頭が…