World trigger〜Strawberry grim reaper〜 作:鵺鵠とも
ふ、不定期更新ですし?まぁ…うん…。
…すいませんでした!!
今回はタイトル通り黒江ちゃん回なのですが、1年前の加古隊のランクをBにするかAにするか未だ迷っています。どっかのタイミングでそこだけ編集するかもしれません。ご了承ください。
あと、こっちで久しぶりに書いたんでどんな感じで書いてたか忘れたんですけどそこも暖かい目で見てください…。
では、どうぞ!
ガキンガキンと重く鈍い音が訓練室に響きわたる。その音を奏でるのは、最近B級に上がり、さらには新しく作られた加古隊に入った黒江双葉と、ボーダーに入って未だ無敗の最強のタンポポ頭、黒崎一護の2人だ。
隊に入ったことで仲間に迷惑をかけたくないと黒江が一護に模擬戦をして欲しいと頼み込んでから、1時間ずっと戦っていた。そして今は、スタミナと集中力が切れてしまい黒江が膝をついた。
「くっ…!」
「もうだいぶ、ぶっ続けでやってるからよ、そろそろ休憩しようぜ?さすがにきついわ」
「……はい…」
一護が前を黒江がその少し後ろを歩き、訓練室を後にした。
*****
「ほら2人とも」
手にジュースを持って現れたのは加古隊隊長、加古望。彼女は一護と黒江の模擬戦を1時間飽きずにずっと見ていた。
「…ありがとうございます…」
「お、サンキュー加古さん」
「いいのよ、面白いもの見せてもらったしね」
そうかよ。と聞き流しながらペットボトルのふたを開け、グビグビと水を飲む。それに対し、黒江はふたも開けず、ずっと下を向いていた。
「どうした?」「双葉、どうしたの?」
「…………」
「「…??」」
一体どうしたのかと2人で顔を見合わせていると、ポツリと言葉をこぼした。
「どうやったら…そんなに、強くなれるんですか…」
その言葉には焦りと妬みがこもっていた。幼馴染の緑川も同じ時期に草壁隊に入り、そこで着々と腕を上げていくの見てのことだろう。
どうやったらって言われてもな…特別何かしたわけでもねぇし…。なんかあっかな…。
「そうねー私はいろんな人と戦って強くなったって感じかしら?黒崎くんは?」
「そうっすね…俺もいろんな場数踏んで、仲間と一緒に強くなったって感じっすね」
「………」
黒江は何も反応をしない。
「それ以外ってんなら多分、覚悟がねぇんだよ」
「…覚悟、ですか?」
「あぁ。おめェの剣には焦りしか写ってねぇ。戦いに必要なのは───
”躱すのなら斬らせない。誰かを守るなら死なせない。攻撃するなら斬る!”
───そんな風な覚悟だ」
そう浦原さんに教わった。戦いの基本だと。覚悟のねぇ1振りと、覚悟のある1振りとじゃ重さが全然違ってくる。多分、それは戦いだけに限らねぇ。何をするにおいても覚悟ってのは必要になってくる。
「覚悟なんて…わかんないですよ…」
「別に覚悟じゃなくてもいい。憧れとか目標とかでもいいんだ。それがあるのとないのとじゃ全然違ぇからな」
一護の言葉を隣で座って聞いていた加古は、確かにそうだなと思っていた。しかし、自分より年下で、ボーダーにも入ったばかりの一護がどうしてそんな深い言葉を話せるのか、改めて一護に興味を持った。
「まぁ、これは俺に戦い方の基礎を教えてくれた人の言葉なんだけどな」
少し微笑みながら言う一護は、黒江にとって思わず目をつぶってしまうほどに眩しかった。あまりにも遠くに存在しているにも関わらずだ。
いつか、絶対にこの人と同じ所に立ちたい。
いつか、この人に勝ちたい。
そして、もしもピンチの時は1番に助けたい。
黒江は、そう心に誓った。
その誓いは、すでに表情に現れていた。誓いの内容まではさすがに分からないが、何かを決心したことだけは一護と加古に伝わったようだ。
「んじゃ、あと少し続きやるか!」
「はい…!」
再び一護と黒江の師弟コンビは訓練室へと入っていく。そんな後ろ姿を加古は少し羨ましそうに眺めていた。