この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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今回はちょっとしたオリストになります


93 友海と牡丹の友達

アイギスを盗み出すことに成功した次の日、僕、カズマさん、クリスさんがアンダインの屋敷に盗みに入ったことがダクネスさんにバレて、お説教を喰らっている中、友海と牡丹の二人はある場所にいたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

友海SIDE

 

「最近、ママ、元気がないの」

 

私はここ最近のママの様子が気になり、牡丹に相談していた。

 

「友奈おば様が元気がない……そうでしょうか?朝見たときも変わらない様子でしたけど……」

 

「う~ん、何だか本当に元気が無いんだよね。パパと喧嘩したのかな?」

 

ママが元気がない理由が気になってしょうがない。もしかして夫婦喧嘩だったらどうしよう?でも、パパはいつもどおりだったけど……

 

「夫婦喧嘩じゃないとしたら一体何でしょうか?須美お姉さまと園子さんはどう思いますか?」

 

「そうですね。私は友奈さんと一緒に行動したことが少ないので何とも言えないわ。未来の私だったらそれとなく理由がわかるだろうけど……」

 

「ゆーゆはもしかしたら何か悩んでたりするんじゃないのかな~」

 

ママが何か悩んでる?でも悩んでいたら誰かに相談とかしないのかな?もし悩んでいたら私に相談してほしいな……

 

「貴様ら、いい加減どこかへ行かんのか?ここは託児所ではないぞ」

 

私が話している所にバニルおじちゃんが話しかけてきた。私達が今いる所はウィズおば……ウィズお姉さんのお店だ。

 

「だって、いつでも遊びに来ていいってこの間言ってたよ。ウィズお姉ちゃんが」

 

「あの店主め……確かにあの貧乏店主がそう言っていたのは我輩も聞いてはいたが、貴様ら暇さえあればこのお店に来おって!!他にも行く場所があるであろう!あの見た目の割に老けている巫女の所に!」

 

「ひなたおばちゃん達は何だか忙しそうだったから、邪魔しちゃいけないかなって思って……」

 

「邪魔してやればいいだろう。我輩も店で忙しいのだ。それに今日の夕方にはあることで大量の悪感情が手に入るというのに……」

 

口ではこう言っているバニルおじちゃんだけど、私達が訪ねてきたときにはいつもお茶を出してくれたりしてくれるから、優しい人だっていうのは私は知っている

 

「とりあえず友海は友奈おば様を何とか元気づけたいのね」

 

「うん、悩んでることがあったら相談に乗ってあげたいし……」

 

「それだったら~ゆーゆに直接聞いてみたらいいんじゃないの~」

 

「確かにこういった場合は直接の方がいいですね」

 

園子ちゃんと須美ちゃんのアイディアを聞き、早速聞きに行こうとする私達だったけど、私はお店の扉に隠れてる女の子を見つけた。

 

「そこの子どうしたの?」

 

「えっ!?えっと……」

 

女の子はフードを被っていて顔がよく見えなかったけど、私に声をかけられ、戸惑っていた。

 

「友海?どうしたの?」

 

「この子、お店の外で私達のことを見てたみたいだったから……」

 

「街の子でしょうか?」

 

「もしかしたら~別の所から観光しに来た子かな?」

 

私達がフードの子の周りを囲んでいると、フードの子は更に戸惑い、お店の中にいたバニルおじさんを見つけては……

 

「バニル様~」

 

「何だ?サキュバスではないか。何か用か?」

 

サキュバス?何だか聞き覚えのある単語なんだけど……何で聞き覚えがあるんだろうか?

 

「サキュバスって確か……」

 

「牡丹、知ってるの?」

 

「友海、貴方、あんなことがあったのにもう忘れたの?ほら、おじ様とおば様が一度物凄い大げんかした時の……」

 

大喧嘩……あぁ、もしかして……あのカズマおじさんの屋敷を半壊させたほどの大喧嘩をした時の原因の……

 

「カイくんとゆーゆって大喧嘩したときってあったっけ?」

 

「私達がこっちに来てからはそんな話は聞いたことないけど……」

 

園子ちゃんと須美ちゃんが知らないのも無理はない。未来の出来事だからだ。あの時の大喧嘩は本当に大変だった。牡丹ママがママの方に味方についてたし、何とか誤解が解けたあとに残ったのは半壊のお屋敷とボロボロのパパだった

 

「バニル様のお店が託児所に変わったという話を聞いて、様子を見に来たんです。そしたら本当で……どうしようかと思ってたんですが……」

 

「この店が託児所だと思われているのか!?やはりこの小娘共を入店拒否するべきか……だがウィズが勝手に招く可能性があるな。まぁ良い。この店は託児所ではないことは確かだ。ただこのどうしようもない大喧嘩を見て止めに入った小娘共が勝手に入り浸っているだけだ」

 

「そ、そうですか……」

 

サキュバスは私達のことを見た。私は笑顔で返すがサキュバスは直ぐ様顔を背けた。そんなサキュバスを見て、バニルおじちゃんは考え込むと……

 

「まぁ誰かがこやつらの遊び相手になるのであれば、ここに入り浸ることはないだろうな」

 

「そ、それは……もしかして」

 

サキュバスはバニルおじちゃんの言葉を聞いて、顔を真っ青にしていた。私も何となくだけどバニルおじちゃんが言いたいことが分かり、サキュバスに近寄り……

 

「サキュバスちゃん。一緒に遊ぼう」

 

「え、でも、私仕事が……」

 

「性欲を持て余した小僧の屋敷での失敗で、お前は暇だろう。遊んでやればそこの小娘の父親も感謝するだろう。そうすればお前は定期的にあの小僧の性欲を回収する。そうすれば信用は取り戻すだろう」

 

「そ、それは………バニル様がおっしゃるなら……」

 

サキュバスちゃんは私達の方を向き、しばらく戸惑いながら私の方に握手を求めてきた。

 

「サキュバスです」

 

「私上里海。こっちは東郷牡丹。鷲尾須美ちゃんに乃木園子ちゃんだよ。サキュバスちゃん、一緒に遊ぼう」

 

「う、うん」

 

私はサキュバスちゃんの手を掴み、一緒に遊びに行くのであった。そういえば何か忘れていたけどなんだっけ?

 

「あの小娘。目的を忘れているな。いや、忘れてくれたほうが都合が良いな。何せいずれ世界を崩壊させる未来の小僧からこの大漁のマナタイトを売りさばけるのだからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サキュバスちゃんとお祭りを楽しむ私達、サキュバスちゃんは最初はしょうがないから付き合うって感じだったけど、段々と一緒に楽しんでくれるようになった。

 

「今日はたくさん遊んだね」

 

「子供って……どうしてこんなに元気なのよ」

 

「サキュバスさんも子供じゃないんですか?」

 

「私はあなた達よりも永く生きてるの。見た目が子供なのはまだしょうがないけど……」

 

そういえば悪魔って長生きなんだっけ?成長スピードも私達とはぜんぜん違うだろうし……

 

「きっと成長したらナイスバディになるんだからって思ってたけど……」

 

サキュバスちゃんは何故か牡丹と須美ちゃんの方を見ては、自分の胸を触った。

 

「人間でも成長差が出てくるのね」

 

「あ、あのこれはお父様がいうには遺伝じゃないかって……」

 

「ちょくちょく銀に言われてたけど……」

 

「わっしーとたんちゃんは変なところが似てるんだね~」

 

皆、何の話してるんだろう?胸がどうとかって……

 

ふっとある場所を見ると何故かものすごい人集りができていた。奥の方から見えるのは何かのステージみたいだけど……

 

「『ミス女神エリスコンテスト』って何だろう?」

 

何のイベントか気になり、私たちはそのイベントを見に行くのであった。

 

 

 

 




ちょっとしたオリストと未来での出来事についてでした。

因みに園子の友海と牡丹の呼び方は、友海→ゆうちゃん。牡丹→たんちゃんです。

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