この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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今回、ずっと出すかどうか悩んでいたとある二人が登場します。


45 新たな波乱

早速リザードランナーの討伐に出かけようとしていたのだが、カズマさんは装備を整えてくると言って鍛冶屋に行き、めぐみんもそれについて行った。僕、アクアさん、ダクネスさんが二人のことを待っていると、何故か落ち込んでいるカズマさんと満足げなめぐみんが戻ってきた。

 

「どうしたんですか?」

 

「いや、折角金をもらったから装備を整えたんだけど、刀はこんなにちっちゃくなって、鎧は重すぎて動けなかった……おまけに刀だけはいい名前をつけようと思ったら、めぐみんに………」

 

「ちゅんちゅん丸のどこが悪いんですか?いい名前じゃないですか」

 

紅魔族のネーミングセンスってかなり変わってるからな……僕の白月も自分で決めてよかったかも

 

「カズマ、落ち込んでないで早い所行こう」

 

ダクネスさんに言われ、僕らはリザードランナーがいる場所へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

目的の場所にたどり着き、僕とカズマさんの二人は木の上に登り、狙撃で姫様ランナーと王様ランナーを狙う。もし狙いを外した場合はダクネスさんが盾になり、更に狙撃。それも失敗したらめぐみんの爆裂魔法で掃討。作戦的にはかなり楽かもしれない。

 

だと思っていたら、突然アクアさんが魔法詠唱し、青白い炎が出た瞬間、リザードランナーこっちに物凄い速さで接近してきた。

 

「何したの?」

 

「えっ?カズマが王様ランナーと他のランナーの区別がつかないっていうから、モンスターを引き寄せて、一番早く着いた奴が………」

 

「お前は本当に余計な事をしないといられないのかぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「何で怒られるのよ!!私だって必死に…………」

 

「喧嘩する前にこっちに迫ってきてる。どうにかしないと………」

 

「あぁもう!!」

 

カズマさんが一匹のリザードランナーを狙撃、撃退した瞬間他のランナーが更にスピードを上げた。

 

「どういう事?」

 

「多分王様ランナーを倒したんだろうな。王様を先に倒すと次の王様になれるチャンスだからあいつらは張り切ってるのだろう」

 

ダクネスさん、解説してくれるのはありがたいけどあの中に飛び込もうとするのは勘弁してほしい。

 

というか作戦失敗じゃないのか?僕はそう思い、樹の武器を取り出し、迫ってくるリザードランナーを一気に囲んでいくが、ワイヤーで囲まれてもこっちに向かってきてる

 

「押さえ込んでいる内にめぐみん!!」

 

「分かりました。爆裂魔法で…………あれ?爆裂魔法が撃てません!?」

 

どういうことだ?今日はまだ爆裂魔法を撃ってないのに………でも、よくよく思い出すと、朝方カズマさんがめぐみんにドレインタッチをしていた。

 

「カズマさん、バーテックスとの戦いの時はあんなに活躍してたのに………」

 

「ウミ!?本当に悪かったって!?頼むから冷たい目で見るなよ!?」

 

するとワイヤーの囲みを抜け出され、リザードランナーの群れが僕ら目掛け飛び込んでくる。やばいと思った瞬間、どこから矢が飛んできて姫様ランナーを射抜いた。

 

「今のは!?」

 

一瞬矢が飛んできた方向を見た瞬間、他のリザードランナーが木にぶつかり、僕らは木の上から落とされるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木に落ちた時、運悪く首の骨を折ってしまい、僕とカズマさんはエリスさんの所に来ていたのだけど………

 

「なぁ、ウミ。お前だけ何で正座してるんだ?」

 

「ウミさんは本当に心配ばかりかけるので、正座です」

 

僕が死んだことに対して、本気で怒ってるエリスさん。いや、ちょっと気を取られたというか………

 

「今、先輩が蘇生しているんで、今度は本当に気をつけてくださいね。ユウナさんが泣いてしまいますよ」

 

「はい」

 

「あれ?エリス様はどうしてユウキの事知ってるんだ?」

 

カズマさんがそんなことを言い出した。流石にエリスさんは実はクリスさんなんだよって言えるわけない。どう誤魔化すんだろ?

 

「実は私もずっとここにいる訳ではないんですよ?他のものに変わってもらいコッソリと地上に遊びに行ったりしてるんです。だから彼女のこと知ってるんですよ」

 

「へー、流石にこんな所にずっといるんじゃ退屈ですもんね」

 

「そうですね。私はモンスターにより命を落とした人達の案内のみですから、冬の間はとても暇ですよ。冒険者の人達は冬の間はあまり外に出ないですからね。とても喜ばしいことに暇しておりましたよ。私が退屈しているとそれだけ皆さんがそれだけ元気でいるという事。暇にこしたことはありませんからね」

 

カズマさんが何故かエリスさんの事を正統派ヒロインだって思っている顔をしている。まぁ、確かに可愛らしい人だし……いや、でも僕には友奈がいるし……誰に言い訳してるんだ?

 

『あんた達!もう復活魔法かけたから戻ってきていいわよ!あとはエリスに門を開けてもらうだけで大丈夫よ!』

 

「もうちょっと後でいいよー!」

 

カズマさん、まさかずっとこのままいる気じゃないのか?

 

「所でウミさん。ちょっとお話があるんですが?」

 

「なんですか?」

 

「実は、結界に空いた穴なんですが、どうやら塞がったみたいなんです」

 

結界の穴が塞がった?アクアさんもエリスさんも特に何かをやったわけじゃないのに……

一体どういうことだ?

 

「ですが、結界を塞いでいる力がどうやら天の神に近いものでして……私の方でも調べているんですが、戻ったら巫女のお二人に聞いてもらっていいですか」

 

「分かりました」

 

僕はカズマさんの方を見ると、何だかアクアさんと言い合ってる。とりあえず先に戻ったほうがいいな………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますとめぐみんがカズマさんの身体を弄っていた。

 

「めぐみん、お前、そういう趣味あったのか?」

 

「何を勘違いしてるんですか?カズマが帰りたがらないので、ちょっと落書きしていたのです」

 

僕はめぐみんが書いた落書きを見ると、『聖剣エクスカリバー↓』と腹部に書かれていた。まぁ、皆に心配かけて帰らないなんて言ってたらこんな目に遭ってもしょうが無いよね。

 

僕は特にめぐみんを止めず、ダクネスさんにあることを訪ねた。

 

「ダクネスさん、さっき姫様ランナーを射抜いたの誰だったんですか?」

 

「いや、わからないが……」

 

ふっと誰かがこっちに近づいてきた。どうやら二人組の冒険者らしいけど、何だか見覚えがあるんだが……

 

「あの、大丈夫でしたか?」

 

「ねぇ、わっしー、あの人……」

 

「えっ!?海くん?」

 

うん、本当に見覚えがあるというかそのっちと東郷なのだけど、二人共幼くないか?

 

 

 

 

 

 

 


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