この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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今回は恋愛要素がちょっと多めです

あとしばらくはオリストになります


35 友奈、冒険者になる

「改めて結城友奈です。よろしくお願いします」

 

屋敷に戻ると開口一番に友奈がカズマさんたちに挨拶をしていた。

 

「お、おぉ、っていうか何でまたこっちに来てるんだ?」

 

「今回は魂だけじゃないみたいね。ウミ、何があったの?」

 

僕はカズマさん達に友奈がここにいる理由について話した。話を聞き終えたカズマさんはというと

 

「ということはユウキは俺達のパーティーに入りたいと」

 

「はい、前にお世話になったので、駄目でしょうか?」

 

「まぁ、俺は別にいいけど……アクア達は?」

 

カズマさんがアクアさん達の意見を聞くと、全員が賛成の意見が出たため、友奈は晴れてパーティーに加入することになったのだが、めぐみんが唐突にあることを質問してきた。

 

「そういえばユウナは返事をしたのですか?」

 

「返事?返事…………あっ!?」

 

友奈もあの件のことだと気が付き、僕のことを見て顔を赤らめていた。僕はめぐみんの頬を抓った。

 

「お前はなんつう事を聞くんだよ!!」

 

「だって、ウミが気にしていると思っていたので……つい」

 

「ついじゃないからな!!」

 

めぐみんを叱りつける中、クリスさんが誰にも気が付かれず自分の部屋に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

クリスSIDE

 

自分の部屋に戻り、ベッドに横たわると私はある言葉を思い出していた。

 

『友奈!!僕は………お前のことが大好きだ』

 

ウミさんが好きなのはユウナさん。それは会ったときからずっと分かっていた。だけど、この胸の苦しさはどうすればいいのだろうか?

 

「何でこんなに苦しいんだろう?もしかして私……」

 

今更口に出す訳にはいかない。だって、これはずっと前から知っていたことなんだから……きっと叶わないものだって言うことを……

 

今の私にできることはウミさんを守ることだ。

 

「好きだっていう気持ちは気づかれないようにしなきゃ……」

 

これからは出来る限り自分の気持ちを隠さないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友奈SIDE

 

自分の部屋に戻り、私はある事に悩んでいた。それは海くんに返事をしなければいけないのだが……

 

「ど、どうしよう。いざ返事しようとすると何だか緊張してできない」

 

正直告白されたのも初めてのことで、どうすればいいのかわからない。こういう時風先輩がいたら相談に乗ってもらえたのに……

 

「今度遊びに来るって言ってたし、相談してみよう」

 

ちゃんと自分の気持ちも伝えないと駄目だよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海SIDE

 

翌日、毎朝の鍛錬をゆんゆんにこれまでの事を話した。

 

「それじゃウミさんが住んでいた場所のお友達がこっちにいるようになったんですね」

 

「まぁ、そんな感じだね。ゆんゆんはバーテックス……あの変な生物と出くわしたことは?」

 

「一度だけありますけど、そのウタノさんたちが話していた完成体って言うのは見た時ないですね」

 

まぁ、完成体は若葉さんたちの時代じゃ、そうそう現れることはなかったみたいだったしな。バーテックスも学習したのかあの白い奴らで襲うよりかは完成体の状態で襲撃するようになったし……

 

「それじゃ、最後に一本やるか」

 

「はい」

 

僕とゆんゆんは互いに武器を構えるのであった。

 

 

 

今日の試合はゆんゆんの勝利で終わった。最初にやったときよりも腕が上がってるのか、割りと互角の戦いになってきてる。僕も負け続けないように気を引き締めないといけないな。

 

そんなこと思いながら、屋敷に戻り朝食を摂るのであった。

 

 

 

 

「そういえばユウキは冒険者登録しないのか?」

 

みんなで食休みをしているとカズマさんがそんな話をしていた。

 

「冒険者登録?」

 

そういえばそこら辺詳しく話してなかったっけ。僕は友奈に冒険者カードを見せた。

 

「これが冒険者カード。こっちにいるんだったらバーテックスだけじゃなくって、魔物と戦うことになるし、ギルドでクエストを受ければお金ももらえる」

 

「そうなんだ」

 

「せっかくですから今から行きましょう。早いに越したことありませんからね」

 

めぐみんの提案で、僕、友奈、めぐみんの三人でギルドへ行くことになったのだった。

ギルドに着き、受付のルナさんに声をかけ、友奈に冒険者登録をさせた。

 

「ユウキユウナさんですね。えっと筋力、生命力、器用度、敏捷性が平均より少し上で、知力は平均で、魔力は低いですが、幸運だけが凄いですね。次に職業ですが……」

 

「あっ、勇者でお願いします」

 

「はい、分かりました。登録完了ですが……勇者の職業につける人間が多くなってきてますね」

 

確かにそんな感じがする。僕、友奈、銀、若葉さん達、歌野さん。結構な人数になってきてるし、更にはこれから来るであろう勇者部面々も冒険者登録しそうだし……

 

「もしかしたら今度五人ほど増えて、勇者が14人になるかもしれませんよ」

 

「14人?いえ、16人だと思いますよ」

 

「16人?どういう事ですか?」

 

「チカゲさんたちが冒険者登録する前に二人ほど、勇者として冒険者登録をした人がいますしたね」

 

2人?若葉さん達は何も言ってなかったけど、もしかして若葉さんたちも知らない勇者が2人もいるのかな?まぁ、その内会えるだろうな

 

 

 

 

 

 

 

 

友奈の冒険者登録を済ませ、ある場所を目指しながら、僕は友奈のスキル一覧を見せてもらうとどうやら銀達みたいに騎士系のスキルを覚えられる感じだった。

 

「海くんは私達の武器が使えるようになるんだっけ?」

 

「そうだよ。それがスキルとして扱えるし、満開もあっちとは違って治りやすくなってるみたいだけど……友奈の勇者の力はどんな感じになってるんだ?」

 

「えっとね。前にそのちゃんから教えてもらったんだけど、海くん達と同じ感じだよ。精霊の守護もあるけど、全部守ってくれる訳じゃないみたい」

 

僕らと同じ感じか。もしかしたら神樹がこの世界にいる僕に合わせた感じなのかな?

 

「さて、着きましたよ。ユウナ」

 

めぐみんに連れられた場所は何もない平原だった。もしかしてここに来た理由って……

 

「以前、約束しましたね。私の爆裂魔法を見せてあげるって、今こそ見せてあげます。私の最大最強魔法を!!」

 

詠唱を始めるめぐみん。そういえばそんな約束してたっけ。友奈も何だかワクワクしてるし、

 

「エクスプロージョン!!」

 

真っ赤な閃光が放たれ、平原に巨大なクレーターが出来上がっていた。めぐみんの爆裂魔法も段々と威力が上がってきてるな。

 

「す、凄いよ!!何あれ!?」

 

「ふっ、これが我が最大最強魔法の爆裂魔法です。前にバーテックスも倒したことがあります」

 

「バーテックスも!?でもあれ?どうして倒れてるの?」

 

「爆裂魔法は威力はすごいけど、魔力をたくさん消費するから使ったらこうやって力尽きるんだよ。おまけに一日一発しか使えない」

 

「な、何だかすごい魔法なんだね……」

 

「とりあえず満足できました。ウミ、お願いします」

 

「はいはい」

 

こうして友奈の冒険者登録が出来、晴れて冒険者となるのであった。

 

 

 

 




若葉たちも知らない勇者については、原作四巻の話に登場させるつもりですが、それまでにゆゆゆいを進めないと…‥…‥

あともしかしたらオリスト中にオリキャラ登場するかも?

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